ハード ブラッド
話が噛み合わん・・・
  監督ツイ・ハーク、主演ジェット・リーで、全編アメリカロケの香港映画。
  英語を喋れない香港人が、師匠を訪ねてアメリカを訪れたのだが、 その師匠はアメリカの武闘家から襲撃を受けて怪我をしており・・・という話。 ジェット・リーの役柄は、その後のハリウッド作に通ずるいかにもな感じで、 オチャメなとこが何とも微笑ましい。
  まぁ、その内容自体は、 いろんな要素を詰め込み過ぎて消化不良を起こしてるという、香港映画ではアリガチなパターンか。 いかにも香港映画らしいおバカさで、話にもムリがある。 英語を理解してない人と、中国人を理解して人がそれぞれ出てきて、何とも話が噛み合わない (意図としては、それを笑ってくれってところなんだろうが)。 演出的には結構ハデなことをやってるにも関わらず、基本的にはチープな感じ。 ただ、ジェット・リーの生身のアクションシーンは結構な分量。 必要以上に“生身の”って感じになっちゃってるのは、 演出のマズさだと思うんだけども、それはそれで結構楽しかったりもする。
(1989年)


π  Pi
期待したほど数学的じゃなく
  白黒のサイコサスペンス。 もうちょっと数学そのもので押す話かと思ってたんだけど、 予想以上にトンデモな方向に進んで、やや肩透かしを食らった。 まぁ普通に面白かったかな。


バイオハザード  Resident Evil
本当に意外にも、結構面白かった ★
  同名ゲームを題材にした映画で、 アンブレラ社、ラグーンシティなどの設定は共通ながらも、 話自体は独自のもの。
  ・・・あれ? 結構面白いじゃん。 確かに、意外にグロで、 そのグロ描写が中途半端であるとか、 絵的にはところどころに安っぽさがあるし、 ゾンビが大量過ぎて笑えるとかはある。 でも、記憶をなくした主人公、 地下の巨大研究施設という閉鎖空間とか、 独自の設定が良く、 話もノンストップ気味に展開していき、なかなか面白かった。 元のゲーム以上に、ゲームになったら面白そうな設定だったりして。 最後のオチも、若干唐突な感じではあったけど、ホラー映画っぽくて良いんじゃないかな (単にゲームのバイオとの整合性からああなっただけな気もするが)。 演出も、特に見るべき点はないものの、概ね無難で、テンポが良いとこが好印象。 良く出来た1.5流のアクションムービーって感じだった。
  しかし、ミラ・ジョヴォヴィッチってこんなに可愛かったっけ? もうちょっと、なんというかイロモノっぽい印象があったんだけど、 普通に綺麗なお姉さんになってて驚いた。 体型は相変わらずゴツめだが。


ハイクライムズ  High Crimes
キャラと状況はよかったんだが
  アシュレー・ジャッドとモーガン・フリーマンという、 「コレクター」コンビが主演を務める軍事法廷サスペンス。 結構近い時期に「コレクター」の続編「スパイダー」が出てるもんで、紛らわしい感じがしないでもないな。
  主人公はスゴ腕の女弁護士。 夫が突然FBIに逮捕され、かつて戦場で民間人を9人も殺した罪を問われてしまうんだけど、 夫の無実を信じ、軍事法廷でその弁護をすることになる、というお話。 モーガン・フリーマンは、彼女をサポートする元軍人で軍事法廷を良く知るベテラン弁護士を演ずる。 軍事法廷独特の状況は特徴的で、話のもってき方は良かったと思う。 テンポも良く、序盤から中盤にかけてはなかなか引き込まれるものがあった。 が、最後のオチ(エピローグじゃなくて事件の結末の方ね)が強引な感じで、 若干説明不足な感じは拭えず、どうもシックリこなかったんだよねぇ。 意外に主演の二人の掛け合いに面白みがないのも×。 まぁ、キャラと状況とテンポの良さのお陰で、それなりに観れる映画ではあるんだけど。


ハイリスク
ジェット・リーがジャッキー・チュンの陰に…
  ジェット・リーことリー・リンチェイ主演のアクションムービー。 今回は、その名前のお陰でパチもん臭い印象になってしまってるのが可哀想なジャッキー・チュンとの共演。
  結論から言って、かなりダメダメ。 基本的にマジな話にも関わらず、 中途半端なコメディっぽい部分がなんとも無駄で、その元凶がジャッキー・チュン (こういう映画だったから彼を起用したのか、彼を起用したからこういう映画になったのかは不明だが)。 お陰で、ジェット・リーの見せ場が極めて少なくなってしまった。 というか、アクション的な最大の見せ場を担当してるのは、むしろジャッキー・チュンだったりする。 ストーリーの展開もかなり強引。
  しかし、香港だと、ヒロインはちょっとおバカなタイプのがウケるんだろうか?


パイレーツ オブ カリビアン
Pirates of the Caribbean: The Curse of the Black Pearl
痛快娯楽大作映画 ★★
  ディズニーランドのアトラクションで有名な「カリブの海賊」を元ネタにした、 海洋娯楽映画の超大作で、アメリカでは、“海洋モノに当たりナシ”の通説を覆す大ヒットとなった作品。
  なるほど、面白かった。 頭をナベでスコーン!といったベタな演出も交えつつ、 予定調和的なド派手なアクションシーンあり、 大量の骸骨海賊とのバトルといった強力なVFXシーン (とっても、もうかなりVFX臭さは抜けてるけど)ありの娯楽作で、 若干尺が長めながらもそれを感じさせない、まさにアトラクションムービー。 設定も新鮮だったし、キャラクターもみな魅力的だった。 特に秀逸だったのは、「ジャック・スパロウ船長」演ずるジョニー・ディップ。 船を失い、その復讐に燃えてるんだけど、どこか掴み所のない妙なキャラクターを好演。 実に魅力的なキャラクターに仕上がってる。 ホントに、キャラクターの幅が広い人だよな・・・。 もう一人の主演級は、「ロード・オブ・ザ・リング」のレゴラス役で一気に注目を集めたオーランド・ブルーム。 数奇な運命に巻き込まれ、ジャックと冒険することになる鍛冶師役で、これまたハマってた。 ヒロインも可愛かったし。
  続編やシリーズモノが幅をきかせる中、一本で満喫できるA級娯楽作品として、非常に価値があると思う。


博士の異常な愛情
Dr.Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb
も、もどかしい… ★★
  キューブリックの白黒映画。まず「Dr.Strangelove」という原題になるほど納得、上手い日本語化だ。 で、その内容は、皮肉に満ち満ちた冷戦描写。 痒いところにギリギリで手が届かないようなもどかしさがあり、 今見ても全く遜色なく面白いと思う。


パッセンジャー57  Passenger 57
あっけなさすぎ
  ウェスリー・スナイプス主演の、ちょっと古め(1992年)のアクションムービー。
  主人公が航空会社の対テロ指導員であるとか、基本設定には結構光るものはあったんだけど、 かなり淡白な内容で、「マジでコレで終わりなの?」という感じで終わってしまった。 あと1、2度はストーリー的な山場があるかと思ったのに・・・。 アホな白人(白人でキレるのは犯人のボスだけ)とそれを救う黒人、という形式がちょっと鼻につくところもある。 ウェスリー・スナイプス自身はアクションを含めて結構良いんだけど、 なかなかいい映画に恵まれなかった人なんだなぁ・・・。


バッド ボーイズ  Bad Boys
期待しすぎたか
  ウィル・スミスと、日本ではイマイチ知名度が低いものの、 向こうでは立派な黒人スターのひとりであるマーティン・ローレンス共演の、刑事モノアクションムービー。 先日、続編「バッド ボーイズ 2 BAD」が公開されたところ。
  ブラッカイマー製作で、 監督は後に「ザ ロック」「アルマゲドン」「パールハーバー」と大ヒットを連発したマイケル・ベイと、 いろんな人にとって出世作となった一本と言えると思う。 他ではトボけた役も多いウィル・スミスだけど、 本作では相手がマーティン・ローレンスなもんで、しゃべくりキャラはそっちにお任せし、クールな感じの刑事を演じている。
  確かに主演の二人のキャラは(ローレンスの方はちょっとクドかったけど)良かったし、 設定は面白く、シナリオもそこまで破綻することなくと、刑事アクションとして、そこそこ楽しめる映画ではあった。 ただ、爆発系がハデな割に、アクション自体にはあんまり中身がないような・・・。 スローモーション演出の使い方も、ちとダサいし、 ドラマ的に盛り上がるポイントも意外に物足りなく。 割と良い評判を聞いてただけに、ちょっと期待しすぎてしまったのかも。


パニック/脳壊  Panic
パッと見に反してジンワリ系
  「ファーゴ」で主人公を演じた人が、また同じような役を演ずる、 自称サイコサスペンス映画。
  主人公アレックスは、妻と6歳になる息子がいる、 極々普通の家庭生活を送ってるようにみせかけて、 陰で、父と共に人殺し家業を営んでいた。 だが、その仕事と妻との微妙なズレが重圧になり、 セラピーにかかることになるアレックスは、 この仕事から足を洗いたいんだけど、父親はそれを許さない。 さらにアレックスは同じセラピーに来た若い女に一目ボレ、 オマケに次のターゲットはそのセラピスト。 さて、どうなる、アレックス! ・・・って、ノリこそ違えど、まぁそんな感じの導入になってる。
  シチュエーション的には、むしろコメディー映画っぽいけど、 それを極めてマジメに淡々と描いている映画。 回想シーンを多用した手法は最近の流行かもしれないし、 主人公が地味に追い詰められていくさまは、なんとなく「ファーゴ」を思い出させる。 とりあえず、派手な邦題と、 主人公が“壊れゆく”サイコサスペンスというウリ文句に、 ヘンに期待しすぎた感アリ。 途中までは淡々としながらも、 色んな要素が絡んでいて、この先どうなるのか興味を持てる内容だったのに、 最後の展開がとにかくパワー不足で、最後のオチには肩透かし。 「そっちかよ・・・」というか「それだけかよ・・・」というか。 残念ながら、オチで全てが収束っていう映画ではなかった。 見せ方が極めて平凡なのは、淡々とした雰囲気の演出なのかもしれないが、 地味だけど趣はある・・・って、そんな映画は期待してなかったのに・・・。


パニック ルーム  Panic Room
引っ張られすぎでダレた
  監督フィンチャー、主演ジョディ・フォスターなサスペンスムービー。
  ちょっとした経緯はあるんだけど、 要するに、母と娘が監視カメラ付きのパニックルーム(隠し部屋)に閉じこもり、 3人の不法侵入者を撃退するという話。 ちなみに、その悪役3人の中のワルになりきれない役には、 個人的に笑福亭鶴瓶とダブって異様に印象に残ってるフォレスト・ウィテカー。
  やはり、その設定に一発ネタ的な面白さがある。 家の中を舐めまわすように撮っていくカメラワークも印象的だし (おそらくSFXとVFXを上手く活用してるんだろうけど、何気に不思議なカメラワーク)、 緊張感の持たせ方もそれなりに上手い。 ただ、シンプルなネタゆえに、ちょっと引っ張りすぎな感じも。 親子も犯人もやることが空回りで、「で〜?」って感じでダレてしまった部分があるのも事実。 意外に驚かされるような場面や伏線はなく、 終わってみても特に印象に残る部分もないので、最終的な感想も「で〜?」だったりする。 まぁ、一発ネタ的な面白さは十分だったけども。


ハムナプトラ  The Mummy
期待しないで見たら結構楽しめた
  2はなかなか好評なので、とりあえず前作から・・・と借りてみた。
  え〜、中身はかなりグダグダなんだけども、 意外に最近珍しい冒険アクションということで、結構楽しめてしまった。 ヒロインも可愛かったし。 ベタすぎな演出も、むしろ笑えた。 しかし、主演のブレンドン・フレイザーは、ちと日本人ウケしなさそうな顔だな。
  とりあえず、タイトルを原題の「The Mummy」から「ハムナプトラ」に変更したのは、 なかなかファインプレーだったと思われる。


ハムナプトラ2  The Mummy Returns
期待して見たらイマイチだった
  前作の後、主人公「オコーネル」とヒロイン「エヴリン」は結婚し、 小学生くらいになる息子「アレックス」と一緒に遺跡を探検してる、そんな状況で話が始まる。 メンツは(敵のボスを含めて)ほぼ全員前作から継承で、 1児の母という設定もあってか、エヴリンが若干オバサン臭くなってしまったのが、残念っちゃ残念。
  一般的には前作よりも評判が良いはずなんだけど、 自分としては、前作の方が期待せずに見た分好印象。 VFXに力を入れすぎたのか、話の盛り上がりがイマイチで中盤はダレぎみ。 絵的に豪華な分、ご都合主義な部分がヘンに鼻につく。 ただし、そのVFXはかなりパワフルで、背景、クリーチャー共に見所は多い。 それを冒険アドベンチャーという題材に用いたのがこのシリーズが成功したポイントなんだろうなー。
  しかし、WWFのスーパースター「ザ ロック」をモデルにしたフルCGのモンスター、スコーピオンキングを見ると、 リアルな人間をCGで表現するなんてのは、 既にできる・できないの問題ではなく、やる・やらないの問題なんじゃないかと思ったり。


パラドックス  White Dwarf
ミョーにツボにハマった ★
  コッポラ製作総指揮のTV映画。 しかし、いまさらながら、この“Executive Producer=製作総指揮”って訳はどうかと思うなぁ。 “製作総指揮”って言葉が表に出てくると、大抵ロクなもんじゃない。
  で、その内容は、若干中世欧風な世界観を持つSF。 悪者の黒幕かと思われてた人物が主人公と関係のないところでやられてたりと、 ストーリーにこれといった面白みはなく、そこで起きるエピソードを次々と見せるという感じなんだけど、 この世界観が異常にツボにハマってしまった。 いや、「どこが?」と言われると非常に困るんだけど・・・。


ハリー・ポッターと賢者の石
Harry Potter and Philosopher's Stone
ハーマイオニーにKO ★
  まずは、全くの別世界というわけではなく、 現実世界との関わりがある世界が舞台というところに、ちょっと肩透かし。 ただ逆に言えば、イギリスにはそういうものがありそうな雰囲気が残ってるんだろうな、と。羨ましい。 しかし、それだけに、なんでこの原作が日本でヒットしたのかは結局謎なまま。
  んで、思ってたよりかはまとまってた映画だった。 途中までは、もっとグダグダな感じで“to be continued”になるのかと思ってたけど、 上映時間も若干長めなこともあって、 大きな話の導入なはずなのに、それなりに見せ場もあって、それなりの終結を迎える。 剣と魔法のファンタジックな世界観的な見所も多く、 特に魔法学校の様々な描写は、日本でRPG作ってる人なんかには是非見てもらいたいところ。 また、ホウキにまたがっての空中飛行はスピード感があって良い感じなので、 スターウォーズのライトセイバーみたいに、このシリーズのウリにしていってほしいな。 とはいえ、全体的に散漫なところがあるし、 もうちょっと細かい部分まで描いて欲しかったところもあるし、と、 やっぱり映画というメディアでは狭苦しさを感じる題材かも。
  しかし、なるほど、ハリー・ポッター役の男の子はハマってたし印象的だったんだけど、 個人的には紅一点(?)のハーマイオニーが120%ツボ。 そこである程度満足しちゃってたりして。


ハリー・ポッターと秘密の部屋
Harry Potter and the Chamber of Secrets
順調にパワーアップしたシリーズ第2弾 ★★
  ご存知ハリー・ポッターの第2弾。
  魔法学校ホグワーツなども含めた色んな設定の紹介が必要ない分、 前作以上に締まった内容に感じられた。 それでいて、ロンの家族、ハグリッドの過去などなど、 新しい要素もふんだんに盛り込まれており、 実に楽しい続編(原作がある分、“続編”ってのとはちょっと違うか)だった。 フルCGクリーチャー「トビー」にも驚き。 動きはもちろん質感が素晴らしく、かなり実写との違和感が無い。 とうとう一線を越えた感じがするなぁ。 小ネタも上手く、結構笑わせてももらった。 今回も2時間半以上の長い映画なんだけど、 それを全く感じさせない内容で、 散漫な映像見本市的なものにはなってないというのも、 そこらへんの原作者による極めて原作重視の映画化の意向が反映されてるんだろう。 ・・・ただ、試算によると、3作目、4作目をそういう風に撮ると、 さらに長い映画なるということなんだけど、大丈夫なんだろうか?
  気になったのは、ちょっと展開が唐突なシーンが幾つかあったのと、 女性から絶大な人気があるという魔法使いの先生役が、あんまりイイ男じゃなかったことなど。
  そして最後にやはり、ハーマイオニーが100%ツボだった、と。 ・・・1作目の方が可愛かった気がするので前作比20%減だけども、それでも充分さ。


ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
Harry Potter and the Prisoner of Azkaban
路線転向が大的中 ★★
  もはや説明不要であろハリポタ第3弾。 監督がこれまで2作を撮ったクリス・コロンバスから、 「天国の口、終わりの楽園」(自分は未見)で好評を博したらしいメキシコ人映画監督ルフォンソ・キュアロンに変わったのが大きなポイントか (ちなみに、本作でもコロンバスは製作に関わっている)。 原作重視の方向性は維持しつつも、今回は結構変えてきてる部分もあるそうな(自分は原作を読んでないのでわからないが)。
  とりあえず、まず映像的な方向性が大きく変化したことが目に付く。 とにかく、全体の色調が暗く、くすんだようになった。 個人的に、ホグワーツの描写そのものはこれまでの方が好きなんだけど、 今回は特に自然の描写が美しく、ホグワーツもそれに合わせた感じか。 各登場人物のナチュラルな服装(普段着)も、密かな見所。
  話も上手くまとまっていたんじゃないかな。 最後の2回目の呪文の時にもうひと工夫ほしかったくらいで、それ以外は概ね文句ナシ。 タイムトリップネタは好きじゃないけど、まぁファンタジーでならいいや。 かなりムダなくまとまってたと思うし、テンポも悪くなかった。 ティーンエイジャーとなってきた3人の描写もイイ(おそらく、ここがキュアロン監督起用のポイントなはず)。 その題材を考えれば、彼らの演技力には物足りなさを感じることもあるけど、3人の関係の微妙な揺らぎみたいなとこも楽しい。 特にロンがイイね。 見せ場自体はあまり無かったけども、単なる道化っぽかったこれまでより、ずっと存在感が出てる。 唯一気になったのはドラコの扱い。あれじゃチンケな小悪党じゃないか・・・。 ドラコに限らず、どうも描写に勧善懲悪的傾向が強まってるのが気がかりなところ。 ワルモノもワルモノなりにカッコよく描いてほしいんだけどねぇ。
  しかしまぁ、なるほど、前作、前々作よりひと回りくらい良い映画に仕上がってると思う。 ただ、こういう作品になりえたというのは、 単に監督を変えたからというだけでなく、前2作の積み重ねがあったからこそだろうな、と。
  そして、またしても最後はこれで締めておこう。 ハーマイオニーが120%ツボでした、と。そう、“ツボにハマり度”が1作目並に回復したのよ。 活躍の機会が多いってこともあるんだけど、お人形さんみたいだった1作目とはまた違った魅力が十二分に出てる。 いや〜、1作目以上かもなぁ。
(2004年)


バリー リンドン  Barry Lyndon
不思議とダレない ★★
  キューブリック監督の長めの歴史モノ映画。 原作は小説らしく、バリー・リンドンというアイルランドの若者の、 田舎から逃げ出して、貴族として成功し、没落するまでの生涯を描く。
とにかく絶景。 各種風景も良いし、貴族社会の建物、服飾の描写が素晴らしい。 ただ、その性質上、起承転結がハッキリしたタイプの映画ではないので、そういう心構えは必要だろう。


バリスティック  Ballistic: Ecks vs. Sever
なるほど、カオス
  バンデラスとルーシー・リューが共演ということで、 (アメリカ公開からしばらく経ったものの)劇場公開され、ビデオ化されたアクション映画。 いや、最初聞いた時には「まさか!?」と思ったのよ。 というのも、実はこれ、同名ゲームの映画化だったりする。 しかもそれは、GBAオリジナルFPSタイトル(のしかも2作目)で、 マニアからの評価は高かったものの、自分が知る限りでは海外でも特に売れたような気配はなし。 なんでそれが映画化? しかも、主演は結構豪華だし。しかも、監督は謎のタイ人Kaos。 と、まさにカオスな状況だった。 ちなみに前作はクリア済みながらも、この2作目は序盤で放置してたりする。
  元FBIのスゴ腕エージェント「エクス」が付かされた任務に、 元国防省のスゴ腕女エージェント「シーバー」が絡んでくるというのが、 ゲームと映画共通の大まかな流れなんだけども、 もはやゲームの内容を覚えてないので、どこらへんをどういう風に映画化したのかはわからず。
  いや〜、にしても酷かった。 話の展開は脈絡に欠け(ってくらい説明下手)、アクションシーンは新鮮さも無ければ迫力も無し。 ヤボったいスローモーション演出も痛々しい。 爆破シーンだけは派手(≠迫力がある)なんだけども・・・。 んー、エックスのキャラの描写不足がまず痛かったな。 活躍の場が少なくて非常に微妙。 敵ボスの立ち位置がよくわからんのも×(最終的にはわかるんだけども、唐突すぎ)。 話の骨子、設定は悪くなかったのだから、 せめて、エクスと敵ボスの関係をもうちょっとシッカリと描けてればなぁ、と。 でもまぁ、アクション映画でアクション要素がこの程度では、そもそもお話にならないか。 Ecks vs Severなんだから、最低限、その二人をカッコ良く描いてくれんと。


ハルク  Hulk
ダメダメアメコミ映画ではないが
  かつて「超人ハルク」としてTV放映された過去があり、 日本でも割と知名度の高いアメコミキャラであるハルクの登場。 ハルクことブルース演ずる、オーストラリア出身のエリック・バナは、 結構な演技派という話で、この「ハルク」の次は大作「トロイ」でブラピ&オーランド・ブルームと共演。 ヒロインは、美形なのに何だか幸薄そうでイマイチ映えないという印象だったのが、 今や美形演技派女優の仲間入りをした感のあるジェニファー・コネリー。 ハルクのオヤジはニック・ノルティが熱演と、非常に地味だが、なかなか味のあるキャスティング。 でも、「グリーンディステニィー」のアン・リーが監督を務めるというのが、 それ以上に話題になってた映画だったりする。
  が、イマイチなんだよなぁ・・・。 映像的には、おそらくフルCGなんであろうハルクの暴れっぷりはとにかく素晴らしい。 生き物に見えるかどうかは別にしても、かなり実在感が感じられる質感で、 あのアメコミのハルクがそのまんまの迫力で大暴れ。いや〜、GC技術サマサマだわ。 個々のアクションのアイデアも悪くなかったと思う。 一方で、演出的には画面をコマ分割したりという、凝った画面の切り替えが目立つ・・・というか、 そういった細かい演出が、非常に小賢しく、鼻に付くというのが実情。 まぁ、題材的にどうしても野暮ったくなってしまうハルクだけに、 そういう場面で工夫をしてしまったというのはわからんでもないんだけども、 にしても、もうちょっとピンポイントで効果的に使ってほしかった。
  でも、やっぱり問題はドラマ部分かな。 特に初期のハルクってのは、いわゆる敵キャラがいなくても成り立つ数少ないアメコミキャラだと思う。 であるからこそ、ハルクの存在に悩むブルース、ハルクvs人類といった部分で押していくべきだったと思うんだけど、 本作の場合、ブルースの親父の描き方がかなり致命的だった。 敵か味方か、中途半端なのよ。 連作ならまだしも、とりあえず1作完結を目指すのであれば、もうちょっと善人にした方がよかったんじゃないかねぇ。 親父の超能力の唐突かつ極端な描き方も気になるところ。 それもあって、話の筋がボヤけてしまっとり、話の流れにもイマイチ説得力がない。 まぁ、デアデビルほど酷くはなかったけど、せっかくの題材なだけに勿体無かったな。
  しかし、「スーパーマン」「バットマン」と映画に限ればDCコミックが先を突っ走ってたのに、 「スパイダーマン」の大成功に続き、「X-MEN2」「デアデビル」そしてこの「ハルク」が映画化、 さらには「アイアンマン」「ゴーストライダー」「ファンタスティックフォー」などの映画化の話もあるらしく、 (その個々の質はどうあれ)マーヴェルコミックの映画化が花盛りな今日この頃だねぇ。
(2003年)


バロウズの女  Beat
原題の通り、その時代の雰囲気は楽しめる
  「裸のランチ」で有名な小説家ウィリアム・バロウズが、 彼の妻を(バロウズの主張では“誤って”)射殺してしまったという、実際にあった事件の顛末を描いた映画。 舞台は1950年代初期のメキシコ。 バロウズ夫妻はそこに住んでて、 バロウズは“ボーイフレンド”と旅行に、 妻は夫妻共通の友人であるルシアンとアレンの二人の男と旅行に。 そのそれぞれの旅が、夫婦のズレをより明らかにしてしまい、事件へと繋がっていくという話。
  バロウズはお金でボーイフレンドを雇ってて、 バロウズ夫人とルシアンは惹かれあい、アレン(♂)はルシアン(♂)に恋心を抱いてたりする。 これ、全部が実在の人物の実際の話だっていうからなぁ・・・。 ちなみに、主人公気味なルシアンはどっかで見たことあると思ったら、 「処刑人」の弟の方を演じたノーマン・リーダスだった。 その性質上、ストーリー展開が凝ってるとかメッセージ性があるとかアクションシーンがあるとか、そういうものじゃなく、 比較的淡々と話が進行していくので、 当時の彼等のどこか文学的で退廃的な雰囲気を楽しむといったところが大きい。 そういう意味じゃ、そこそこ楽しめたかな。 あくまでも実際に起きたことだから面白い、そういうタイプの映画。


バレット モンク  Bulletproof Monk
防弾坊主
  チョウ・ユンファ主演のハリウッドアクション映画。 銃撃とカンフーアクションを絡めたような、超人アクション路線を期待してたんだけど、残念ながら非常に看板に偽りアリ。 なんせ原題はBullet Monk(弾丸坊主)ではなく、 Bulletproof Monk(防弾坊主)なわけで、結局、チョウ・ユンファが銃を撃つのって一回だけという・・・。 あからさまなVFX的な仕掛けも皆無で、割と古典的かつ凡庸なワイヤーアクションに終始する。 ・・・というか、それ以上に、チョウ・ユンファ演ずる謎のチベット僧の禅問答的会話に終始してるような気も。 バイオレンス表現も非常に手抜きというか、抑え目になってて、これまた物足りない。 破壊の美学もこれといって窺えず。 アクション自体が超人的だからこそ、そういうところにこだわらなくちゃいけないと思うんだが。 敵もショボいし、敵の基地もチープすぎる。
  話もやや冗長な感じがするけど、最後の流れは(バレバレ気味ながらも)結構まとまってたかな。 あと、キャラクター(特に実際的な主役である白人男性&ヒロイン)がそこそこ魅力的だったのが救いではある。 いや、全然救いきれてはないけども。
(2003年)


ハンテッド  The Hunted
設定&キャスティングが台無し
  ベニチオ・デルトロとトミー・リー・ジョーンズという2人の個性派俳優の競演ということで、ちょっと気になってた映画。
  デルトロ演ずる超人的な戦闘力を持つ兵士「アーロン」は、 ボスニア紛争の大きな作戦で戦果を上げて勲章を得るが、 その時に目の当たりにした惨劇のイメージによって、密かに精神に異常をきたしていた。 とある日、山中で4人のハンターが殺され、その犯人はアーロンであるとの情報が。 FBIは彼を捕まえるために、彼にサバイバル技術と殺しの技術を教え込んだ「L.T.」に接触。 弟子vs師匠の壮絶なバトルが始まる・・・と、大げさに言えばそういう内容。 ベタっぽい感じはするけど、設定も魅力的だったので、余計に気になってた映画だったりする。
  が・・・。 致命的だったのが肝心要であるはずのアーロンの描き方。 何より、彼を精神的に追い込むイメージが明らかにパワー不足。 肝心なところ(それはラストではなく、むしろ導入なはず)で、凄惨さとか緊張感が効果的に演出できてないのも痛かったんだろう。 その後のアメリカでの彼の精神状態の描き方も中途半端。よくわからん。 で、弟子vs師匠の直接対決が多すぎ。 最初にしても最後にしても、早々に直接対決でかなり肩透かし(これもアーロンの性格描写の物足りなさに繋がってる)。 デルトロvsトミー・リー・ジョーンズの格闘シーンを、そんなに一杯見せられても・・・。 いや、ただでさえ尺の短い映画なわけで、だったら他に描くことがあるだろうに、と。 早々にアーロンが掴まっちゃうので、対決映画っぽく見せかけて、 「実は黒幕がいるとかのサスペンス系か?」と思わせといて、そこらへんの設定も実にアッサリと披露。
  んー、なんでこうなっちゃったのか・・・。
(2003年)


ハンニバル  Hannibal
ムダにグロい映画ではない ★
  傑作サイコサスペンスとして名高い「羊たちの沈黙」から10年たって製作された続編で、 前作同様、ベストセラー小説が原作になっている。 監督のジョナサン・デミと、クラリス役のジョディー・フォスターが、 そのショッキングすぎる内容に降板するなど、 製作前から話題を振りまいていた映画でもある。 で、結局、監督はリドリー・スコット、 クラリス役にはジュリアン・ムーアが起用されて製作された。
  現実世界同様、映画の中の世界もその設定は前作から10年後の世界。 当時はルーキーだったFBI捜査官クラリスも、結構なベテランとなっている。 んで、麻薬捜査の大きなヤマでヘマをやらかしたクラリス (って、別に彼女自身がヘマをやらかしたわけではないんだけども)は、 上からの指示で逃亡中のハンニバル・レクターを追うことになるのだが・・・というのがストーリーライン。 イタリアで逃亡中ながらも優雅な生活を送るレクター博士、 レクターの犠牲者でありながら存命中でレクターを執拗に探している富豪、 そこにクラリスが絡んでくるわけ。
  とりあえず、評判が芳しくなかったんでスルーしてたんだけど、そんなには悪くなかった。 そもそもが話の組み立てを楽しむ内容ではなく、 レクターのキャラクター描写がメインになってるんだけど、その点に限れば上手くできてると思う。 特に終盤の流れは良かった。 グロ部分も、なかなかキツめな描写ではあるものの、そうムダな感じはしなかったし。 ただ、物語の半分はクラリスが直接関わらないイタリアでの話だったりと、 映画としてはまとまりに欠けてるとこはある。 原作的に、あまり映画向きじゃなかったんじゃないかな・・・。
  ちなみに、ジュリアン・ムーアはパッと見、ジョディ・フォスターに似たところもあるし、 精悍な感じは良く、10年後という設定的に合ってたとは思うんだけど、 フォスターのようなキリッとした美しさがないんで、やはり若干物足りなく感じられた。


ピッチ ブラック  Pitch Black
絵的な奮闘もシナリオのダメさの前に霞んでしまう
  この後に出演した「ワイルドスピード」で一気に人気俳優となった、ヴィン・ディーゼル主演の、マイナーめなSF映画。
  ディーゼル演ずる凶悪犯罪者「リディック」を含め、多数の民間人を輸送する宇宙船が、自動航行中に謎の惑星に不時着してしまう。 3つの太陽がまわるその惑星はほぼ白夜状態だったんだけど、その3つの太陽が隠れて真っ暗になったとき、 凶悪なクリーチャーが活動しだすのだった・・・という、エイリアン路線な感じのSFホラーサスペンス。
  とりあえず、絵的には素晴らしくよい訳でもないんだけど、 それほど安っぽさは感じさせないレベルではあるし、絵的に面白い描写も結構あったりする。
  が、シナリオがどうにもならんなぁ・・・。 つーか、魅力が無い上にバカなヒロイン(というか、実質主人公)に振り回されるシナリオは、ホントに好かんので。 まぁ、特にSFである以上、それ以外の部分で説得力があればよかったんだけど、 SF的にも、ドラマ的にも、全くもって説得力がない。終わってる。 最後のオチ(?)も「ハァ?」だったし・・・。 いや、ああいう展開自体はアリだと思うんだけど、その結果としてどうこうってのが無けりゃ、全然無意味じゃん?
  唯一の救いがリディックというキャラ。 暗闇でも見える光る眼を持った殺人犯という設定は、ディーゼルとマッチしており、なかなか良かったんだけども。


ヒットマン
ジェット・リーも映えんが、敵はもっとヒドい
  主演ジェット・リーなアクションムービー。
  ストーリーの大筋は良かったんだけど、肝心のアクション部分にキレがない。 また、敵側の日本人キャラの日本語がダメダメなのが、自分ら日本人的にはキツいとこだろう。 日本語自体が間違ってるってんじゃなく、日本語の演技としてヘタすぎ。 敵側の一番強いヤツの必殺技が、 指先、足先に付いたレーザーポインターで相手の目を眩ますというのも実にショボい。


ファーゴ  Fargo
ミョーに鼻につく
  コーエン兄弟の代表作なはずの一本。
  ひとりの無能な男のお陰で、取り返しのつかない惨劇が起きてしまうというもので、 何より、コレが事実を元にした映画だってところに驚かされる。 演出のまわりくどさ、配役のわざとらしさは個人的には×だったけど、まぁ好き好きか。 事実がベースになってる映画ということで、あんまりストレートにやったらつまらなくなってしまうかもしれないし。
  雪国を舞台にしたそのビジュアルはなかなか印象的。 というか、ソコに随分と助けられてる気がしないでもない。


ファイナル ファンタジー  Final Fantasy: The Spirits Within
チャレンジ精神は買う…という気にもなれず
  スクウェアという会社を傾かせてしまった、いろんな意味で話題のフルCGのSF映画。 まぁ、興行的に大コケというよりも、作るのに金がかかり過ぎたのがイタかったんだろう。
  にしても、なんとも眠たい映画だったな・・・。 酒飲みながら観てたら、「バトルフィールドアース」のように途中で眠ってたに違いない。
  確かに、CGのクオリティには驚かされる。 背景等の描きこみはもちろん、ウリのはずのリアル路線のCGキャラクターも、遠目で動いてない限り、相当にリアル (逆に言えば、近寄って動き出すと、やっぱりどこかぎこちないんだけども)。 しかし、気を抜くと、ゲーム中のCGムービーによるイベントシーンのような印象になってしまうのはなんでなんだろ? 人物がどうのこうの以前に、ゴチャついて描きこみすぎな背景やメカデザが原因か。 んで肝心の内容は、“これみよがし”で押す場面が多すぎて、 ムダに疲れてしまう感じだし、映画としてのテンポもよろしくない。 フルCG映画としては、それが一番生きるはずの架空のクリーチャーのデザインに全く魅力がないというのが問題だし、 いち映画としては、悪役に全く魅力がないというのが問題。 ガイア理論を(意図的にかどうかは知らんけど)曲解したシナリオも、説得力に欠け、ツマラン。 そういや、確か音楽は有名な人を起用したはずなんだけど、 そのゴージャスなBGMが浮いてる場面が多くて、「なんだかなぁ」ってことが多いんだよなぁ・・・。
  「で、どこがファイナルファンタジーなわけ?」ってのがお決まりの文句なんだろうけど、 この空虚な感じが、これ以上にないくらいにファイナルファンタジーな気がしないでもない。


ファインディング ニモ  Finding Nemo ★★
ピクサー恐るべし、リターンズ
  アメリカでは爆発的に、日本でも結構ヒットしたフルCGアニメ。 ピクサーとしては5作目の作品となるわけだけども、やはり今回もまた、“ピクサーにハズレなし”な一本だった。 上手すぎる・・・。
  話の大筋は簡単で、人間にさらわれた息子を探すクマノミの大冒険と、 人間の元から脱出しようとする息子側の試行錯誤を描くという単純なもの。 そういう点に限れば、「モンスターズインク」の方が面白みがあったし、 作品自体としても自分は「モンスターズインク」の方が好きだったりする (ただし、相当ハイレベルなとこでの鼻の差の勝負ね)。 でも今回は、海(水中)を生かした小ネタがとにかく豊富で面白すぎ。大笑い。 もちろん、単なるお笑い映画じゃなくて、 そこに“ベタながらも”な感動をフンダンに(そして嫌味にならない程度に)盛り込むところが、 ピクサーのピクサーたる所以なわけだ。 映像もとにかく素晴らしい。 キャラクターのアニメーションの上手さもさることながら、 今回はその設定上、映像的なリアリティが非常に生かされるわけで、 そこらへんは「モンスターズインク」より明らかに勝ってるポイントだろう。 “リアル”と“リアリティ”の価値を混同してしまう人には、是非ともこの作品を観て勉強してほしいところ。
  ちなみに、本作の公開後、ピクサーはディズニーとの契約を打ち切った。 この年末の「The Incredibles」(アメコミのパロディっぽいネタらしく、 監督はなんと「アイアンジャイアント」の人!)とあと1本は、 このコンビで作品を公開する予定があるらしいんだけど、その後はどうなるんだろなぁ。 っていうか、ディズニー、大丈夫?


ファウスト  Faust: Love of the Damned
基本的にダメダメ
  元はコミックが原作らしく、 なるほど、ストーリーの大筋にはアメコミチックなところがある弱ホラー映画。
  VFXは弱く、概ね古典的なSFXがメインで撮られている。 コミックヒーローモノにしては、品が無い上にチープと、救いようがないんだけど、 そこをエロ&グロでフォローというのがこの映画。 ・・・っていうか、そういうもんでフォローできると思う人なら、割と楽しめちゃったりする可能性もある。 前時代的なSFXによる、グロというか悪趣味なスプラッターが、ちょっと懐かしい雰囲気さえ醸し出してる。 絵的なチープさ、特に肝心のヒーローというか超能力を身につけた主人公がショボさはいかんともしがたいし、 メタルでゴリ押しな感じのBGMの割に、アクションシーンに迫力が無いのもかなり痛恨。 ストーリーの大筋は悪くなかったのに、 話的にピックアップする部分を間違えた感もあるし(「正義感ありげな警官とか必要だったん?」とか)と、 とにかく、失笑に次ぐ失笑。 でも、アメコミ的な展開が好きなら、話のテンポは悪くないし、 そういうダメさ加減を楽しめる映画かもしれない。 いや、基本的に相当ダメな映画なんだけどもねぇ。


フォーリング ダウン  Falling Down
導入は非常に面白げだったのに
  アメリカのとある夏の日、ハイウェイは事故により大渋滞。 そこにハマってしまったある男が、 うるさい群衆、壊れたエアコン、車内のハエ、壊れた窓開け装置でイライラが爆発、キレて車から出ていってしまう。 その男が行く先々で怒りを積み重ねていき、暴力を積み重ねていくという、ちょっと変わった設定の映画。
  そのキレまくりの男を演ずるのはマイケル・ダグラス。 監督は、結構有名な作品を手がけているにも関わらず、 そのラインナップからはなぜか巨匠っていう感じを受けないジョエル・シューマッカー。 その男の目的は? 背景は? ってのが徐々に語られていき、 最後には驚きの結末が! みたいなのを期待してたんだけど、そこらへんは割と早い段階で明らかになってしまう。 結局、男のキレ具合&社会に対する怒りの積み重ねを鑑賞するだけの内容。
  全体に漂う緊張感はマズマズなんだけど、暴力シーンには意外と迫力がなく、 次々とキレていく主人公にしても、それがエスカレートしていく感じもあまりなく。 出だしが良かっただけに、期待しすぎてしまったか。 かといって、社会派っていうにはそういう押しはちょっと物足りないし・・・。 主人公を追っていくことになるその日に退職する予定だったベテラン刑事を、 もうちょっと魅力的に描いて、かつ上手く活用してほしかったところ。 魅力的な人物がいなさすぎた。


フォロウィング  Following
タイニー版メメント
  「メメント」のクリストファー・ノーラン監督の長編デビュー作 (ちなみに、「メメント」は第2作目)。
  主人公は、無意味に人を追跡する趣味がある無職の青年。 ある日、その対象に追跡がバレてしまうんだけど、 その相手は自分なりの哲学を持った空き巣で、 意気投合して共に空き巣にいそしむことになる。
  でも、その裏には驚きの事実が・・・という内容。 回想とかじゃない形で、物語の時間軸をバラバラにして観客に見せていくというもので、 形式的にはまんま「メメント」な感じ。 話の内容はもちろん、主人公の身なりなどで時間軸を考えながら見ていくことになるし、 やはりDVD特典として、ちゃんとした時間軸で物語を見ていくという機能も付いてる。 もちろんその作りは上手く、それなりに面白いんだけど、 あれほどは洗練されていないし、 「メメント」の後にあえて見る価値があるかっていうと・・・。 白黒であることも含めた低予算映画の雰囲気に価値を見出せれば、か。


ブッチャー ボーイ  The Butcher Boy
救われない、やり切れない ★★
  猟奇的なサイコサスペンスをパッケージから想像したんだけど、かなりそこから想像されるのとは別モノな感じ。 救われない、やり切れない、そんな主人公の境遇がなんとも悲しいお話で、期待していた以上に面白かった。


プライベート ライアン  Saving Private Ryan
冒頭のノルマンディー上陸シーンが最大の山場ではあるが ★
  スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演の戦争映画。 第二次世界大戦時のヨーロッパが舞台の戦争映画って、割と最近無かった気がする。
  で、その内容は、予想以上に凄惨。 ハリウッド大作なりの物量作戦的なパワーがある上に、描写がかなりリアルなので、相当に迫力がある。 特に、冒頭のノルマンディー上陸作戦のシーンは圧巻。 自分的には、そこだけでも見た価値があった。 まぁ、そこに力入れすぎな感もあるけど、終盤にはなんとか盛り上がったので良しとしよう。 ただ、いわゆる感動系の映画ではないよなぁ・・・。


ブラック ダイヤモンド  Cradle 2 the Grave
コンビの面白さに欠ける
  ジェット・リー主演最新作。 今回は、おそらくミュージック畑の人であろう黒人DMX (純役者でこんな名前のヤツはいないはず)との競演というか、 主役はどちらかっていうとDMX気味。 ちなみに、「どこかで見たことあるような・・・」という なかなかカッコ良かった敵役は、「ジェヴォーダンの獣」の従者役に人だった (ゲーム『街』の隆士にも似てるんだけど)。
  今回はアジア人にアリガチなニヤけた感じではなく、 笑顔が少ないクールなジェット・リーで、それはそれで結構なんだけど、 DMXもお笑い要素皆無の硬い役(演技も硬い)なもんで、競演の面白みという意味ではイマイチ。 そのリー&DMXに代表されるように、 シナリオ的にも全体的に個々のパーツがバラバラで、 全くミックスアップされてないのが致命的だった。 アクションシーン自体は良くも悪くも無難な感じ。 見せ方、アイデア共にそこそこで、それなりのスピード感と爽快感はある。 ただ、せっかくのリーなのに、 ほぼガチンゴ気味なファイトシーンだけしか見せ場が無かったのが残念だったな。


ブラックホーク ダウン  Black Hawk Down
なぜかハートに響かない ★
  これまで数々の痛快娯楽映画を提供してきたブラッカイマー製作の、 監督にリドリー・スコットを起用し、 ソマリア戦争で実際に起こった話を題材とした戦争映画。 それだけに、おバカ要素は皆無。
  米軍がとある強襲作戦を実行するものの、 戦闘ヘリ「ブラックホーク」の墜落から、戦況はドロ沼に・・・というお話。
  描写は結構凄惨であるにも関わらず、 そこに強烈なエンターテインメント性があるわけでもなく、 そこに強烈なメッセージ性があるわけでもなく、 戦場のシチュエーションに慣れ、ダレてしまったところがある。 なぜか、芯に残るものが何もなかった。 常に一生懸命って感じで、 淡々とした部分がなく、メリハリが欠けてたのかもしれない。 陰影きつめの映像が終始鼻についたというのもあるんだけど。 よくできてるとは思うんだけどね。


ブラックマスク
アクション(だけ)には光るものあり ★
  監督ツイ・ハーク、主演ジェット・リーなアクションムービー。
  ストーリー的には「は?」な部分が多かったり、ライティングが安っぽさ爆発だったりと、 まぁ香港アクションムービーっぽいんだけど、アクション部分はピカイチ。 アイデアも良く、クンフーと現代劇が上手にマッチングしてて非常にナイス。 近年のジェット・リーモノではベストかも。


ブリット  Bullitt
激シブ ★
  実際にレースに出場したこともあるスティーブ・マックイーンによる、 伝説的なカーアクションシーンで有名な映画。
  そのサンフランシスコの坂道で繰り広げられるカーチェイスシーンは、やはり見事。 合成がなにだけじゃなく、スタントもナシらしく、 これだけ古い映画なのに、非常にリアリティが感じられ、迫力がある。
  でも、それだけの映画じゃないんだな。
  マックイーンのキャラもそうだし、 BGMの極端な少なさ、いい意味でムダのあるカットなどなど、 基本的に非常に淡々とした作りで、 だからこそ、リアルで迫力のある途中のカーアクションシーン、 寡黙な刑事ブリットのキャラが引き立っており、 リアルでシブい映画になってるんだと思う。 1968年の映画とは思えない新鮮さ。 重要なトリックを映像的に先に見せてしまった点には疑問が残るが、 そもそも、そういうトリックで驚かせる映画でもないんだろう。


プルート ナッシュ  The Adventures of Pluto Nash
E・マーフィー久々の大ハズレ
  エディー・マーフィー主演のSFコメディ。 舞台は今から約100年ほど未来で、殖民都市が建設されて繁栄している月面。 月面一の人気クラブのオーナー「プルート・ナッシュ」は、 月面全カジノ化を目論む大富豪からクラブの買取を打診されるが、それを一蹴する。 その瞬間から、彼は命を狙われることになった、という話。
  もっとハジけた世界観のハチャメチャコメディーかと思ったら、 意外と世界観はおとなしく、コメディー色もそれほどではないアクションアドベンチャーった感じの内容。 そういう映画としてはセットがチープなのもイタいところで、 逆にそういうのを生かした映画にもなり得てないのが、実に中途半端に感じられた。 ギャグ的な未来予想図もいまいちハジけきれてないし、 プルート・ナッシュのキャラも、予想以上にフツーで魅力に欠ける。 (特にアンドロイド関係の)小ネタは結構面白かったんだけどねぇ・・・。
  ここんとこ大ハズレはなかったエディー・マーフィーなんだけど、こりゃダメだわ。 とにかく、掴みどころのない映画だった。


ブレア ウィッチ プロジェクト  The Blair Witch Project
アイデア賞なのは確か
  恐怖ってよりは極限状態でのパニックを楽しむってとこか。 例えば解説本であるとか、そういうものに発展するようなディープさはないけど、一発ネタ的には十分楽しめた。 ただ、ハンディカメラで撮ったような絵で、ときおり視界がグルングルン回るので、 確かに乗り物酔いになる人が出たってのはわかる気がする。
  これは映画よりビデオで見た方が楽しいんじゃないかな。部屋を暗くしてヘッドフォン着けて、って。


ブレイド  Blade
刀と銃併用のハジけたアクションが魅力 ★★
  主演はウェズリー・スナイプス、敵のボスがスティーブン・ドーフなアクションムービー。
  設定は、いわゆるヴァンパイアハンターもので、現代のお話なのに、やはりヴァンパイアがニンニクに弱いことにウケた。 ただ、アクション部分はなかなかで、特にスナイプスは予想以上にイケてるアクションをしてる。 刀と銃を併用したアクションがカッコいい。 やりすぎなカッコつけ演出も心地よく、意外な掘り出しモノだった。


ブレイド2  Blade II
期待ハズレこの上なし
  近年のアクションムービーの中では最も評価しているもののひとつである「ブレイド」に続編が登場。
  今回は、超バンパイアとでも言えるバンパイア・人類共通の天敵となる「リーパーズ」が登場、 ウェスリー・スナイプス演ずるバンパイアハーフのバンパイアハンターである主人公ブレイドは、 バンパイアと共闘してリーパーズに立ち向かうことになるが・・・というお話。
  必要以上のケレン味は継承されつつも、非常に期待ハズレな一本だった。 前作の何が良かったって、刀と銃を併用したアクションなんだけども、 それが本作では全くといっていいほど生かされてないのが何より致命的。話にならん。 仲間が増えたお陰で、肝心のブレイドの見せ場が減ってしまったし、 VFXを使ったアクションシーンはところどころ浮いてるし、 色調に統一感を持たせようとした試みもやはり浮き気味。 リーパーズとバンパイアの関係や、映像的にラストシーンは良かったのに、 それが全く生かされてなかった。 ノーマン・リーダス演ずるブレイド側の新キャラも良かったのに、 扱いが非常に中途半端になってしまっていたのも残念だったな。
  期待してたのに・・・。


ブレード 刀
痛快アクション映画、とは言いがたい
  すっかりジョン・ウーに差を付けられた感のあるツイ・ハーク製作の香港映画。
  てっきり刀剣アクションバリバリの爽快映画かと思いきや、 ストーリーは終始暗く、説明不足なだけなのか、話の展開は脈絡に欠け言動の動機が不明、と、むしろカルトムービーな感じ。 描写はリアル志向で残酷シーンアリ、アクションもややリアル傾向で“ワイヤーで吊って「イヤー!」”ってのはナシ。 それでも、ラストの対決のアクションはさすが。映画どうのこうのではなく、純粋に役者さんの運動能力に驚嘆。


プロフェシー  The Mothman Prophecies
オカルトモノながらも上品にまとまってる ★★
  リチャード・ギア主演のオカルトスリラー。 ちょっと説明に手間がかかるストーリーなんでそこらへんは割愛するけど、 最近流行のいわゆるサイコスリラーでもなく、 序盤は思わせぶりながらも「ツインピークス」のような不条理オカルトでもなく、 かといって単純な怪談もの、あるいはベタな怪物モノホラーでもなくと、 なかなか不思議な内容になってる。
  とりあえず不安感を誘う演出が上手いので、 引っ張りすぎなとこがあるにも関わらず意外とダレず、 スリラー的な緊張感が持続するのは非常にグッドだった。 オチもそれなりに納得ではあるけど、 謎が全て集約されるような作りじゃないので、 そこらへんで若干評価は分かれるかな。 映像を細工したりという場面転換時の凝った絵は、 ちょっと鼻につく感じもある。
  にしても、オカルト全開ながらも下品なところはなく、 不可解すぎず、不条理すぎず、 上品なオカルトスリラーの佳作といったところだろう。 期待してたより楽しめた。
  しかし、一応実話を元にした映画らしいんだけど、 一体、この映画のどこまでが事実だったんだろ・・・。


フロム ヘル  From Hell
意外に映像的なインパクトが弱
  19世紀末のロンドンを舞台に、 ジョニー・ディップ演ずる犯行現場の映像をフラッシュバック的に見ることができるという能力を持つアヘン常習者の刑事が、 切り裂きジャックの犯行を追っていくというお話。 ふた昔前のイギリス、ロンドンを舞台に、猟奇殺人を追うジョニー・ディップ、 ということで、「スリーピー ホロウ」を思い出させる映画なわけだけども、 オカルト色の強いそれとは違い、 切り裂きジャックをネタにした、猟奇殺人のサイコサスペンスと言ったところで、 随分と作り自体は違うものになっている (時代も1世紀くらい違う)。
  映像的には「スリーピー ホロウ」ほどの特色はなく、猟奇的な描写だけが目立つ感じ。 その代わり、ストーリーそのものがなかなか凝ってて面白いものになっている。 猟奇殺人と見せかけて、実は陰謀、と思ったらやっぱり猟奇殺人、みたいな。 ただ、それだけで面白い映画になってるかといえば疑問なわけで。


ペイチェック  Paycheck
最近のジョン・ウーではマシな部類
  鑑賞中、「どっかで観たような話だなぁ・・・」とか思ってたんだけど、 それもそのはず、自分も既読なフィリップ・K・ディックの短編「報酬」の映画化だった。
  主演はベン・アフレック、ヒロイン的なとこにユマ・サーマンと、 なかなか派手なメンツが揃ってるのが、逆に心配なところで、その心配は見事に的中。 とにかく、プロットは面白いのよ。 ただ、またもや知的風な役柄に、間が抜けたベン・アフレック。 確かに、間が抜けたとこがないわけじゃない役なんだけど、彼が演ずると必要以上に間が抜けて見えてしまうぞ、と。 そして、割と普通な位置付けのヒロインにユマ・サーマン。 彼女が演ずると、何かを隠してる危ない人に見えてしまうぞ、と。 さらに監督はジョン・ウー。 面と向って銃を構え合う(×2)、スローモーションで鳩が飛ぶという、持ちネタもちゃんと披露。 「マイノリティリポート」と比べちゃ可哀想なのはわかるけど、やっぱり背景のチープさはどうにもならず。
  それでも、近年のジョン・ウーの映画の中じゃピカイチかもなぁ。レベルが低いピカイチではあるが。 映像化すると説得力がなくなっちゃいそうな題材を、それでもなんとか映画にしたって感じ。
(2003年)


ペイバック  Payback
地味ながらも結構ツボに ★★
  当時は、メル・ギブソンがワルな役に挑戦ということで話題になっていた映画。
  友人に裏切られ瀕死の重傷を負ったチンケながらもタフなワルモノ(主人公)が、 その友人、果てはその裏にある組織にまで復讐する、そういうお話で、 なるほど、そのメル・ギブソンのワルな雰囲気は、 モノクローム調の映像、主人公の独白と相まって非常に楽しい。 意外に派手な銃撃戦がなく、終始地味なのが肩透かしではあったけど、 この作品の場合、地味さがシブさに繋がった感がある。 期待してたより面白かったな。 主人公のメル・ギブソン以外も、 意外に(今となっては)面白い配役で、そこらへんも楽しい。


ペリカン文書  The Pelican Brief
ソツなく面白い ★
  元弁護士のジョン・グリシャムが書いた原作がベストセラーになって、それの映画化ということだったはず。 前に「ザ ファーム」もあったけど、ジョン・グリシャムの名前が前面に出てきたのはここからじゃなかったかな?
  デンゼル・ワシントン、ジュリア・ロバーツの2人が主演で、 アクションシーンがショボいことを除けば、ストーリー、演出ともにソツがなく、普通に面白い映画だった。


ヘルレイザー4 ブラッドライン  Hellraiser: Bloodline
グダグダ化は止まらない
  おそらく、「13日の金曜日」「エルム街の悪夢」的な路線で 近年(ってほど最近でもないか)ベストのホラー映画は「ヘルレイザー」なはず。 そして、その他のホラー映画同様、 続編が続くにつれグダグダになっていっているわけだ。 が、新作「ヘルレイザー5」はストーリーに一度リセットがかかったという話も聞くので、ちと興味アリ。
  で、その前に、まだ見てなかった(と思ってた)4作目を見とこうと思って借りたんだけど・・・ これ、前に一度見たわ。 見ていたにも関わらず印象が薄かったらしく、 「あ、これ前見たじゃん!」っていうんじゃなく、 半分以上見ても「見たような気が・・・」っていう印象だった。 内容はというと、20XX年の宇宙ステーションがメインの舞台で、 中世と現代のエピソードが挿入されていくっていう形。 そのそれぞれがなんだかダイジェスト版って感じになっちゃってるんだよなぁ。 ホラー色はほぼ皆無。 ウジ虫とかミミズとかの描写によって、なんとかホラー映画っぽさを保ったという感じ。


ヘルレイザー ゲート オブ インフェルノ
Hellraiser: Inferno
グダグダ感はある程度収まった
  一旦、ストーリーにリセットがかかった感のあるシリーズ5作目。 とりあえず、ここ数作に比べると随分とマシになった感じ。若干、品も良くなったか。 ちょっと安っぽい上に、部分的に演出がクドいんだけど、ま、このテのホラー映画の中じゃマシな方でしょ。


ボイリング ポイント  Boiling Point
それなりの人気俳優の共演なのに、それなりの見せ場すらなく
  ウェスリー・スナイプス、デニス・ホッパー共演の刑事モノアクションムービー ・・・といっても、アクション要素はかなり控えめ。
  同僚を殺さたウェスリー・スナイプス、 それに相対する(っていうほど本人は意識してないんだけど) サギ師のデニス・ホッパーの対決が見もの ・・・と言いたいところなんだけど、その両者の描写が非常に中途半端。 その上にアクション的にも話的にも見せ場が無く、 かなり中途半端な映画になってしまっている。 スナイプスの愛人である売春婦が、ホッパーと関係をもってしまうんだけど、 結局、それが話の本筋にからんでこなかったのも肩透かし。 どちらかっていうとホッパー演ずる詐欺師の話の方が面白みがあったんで、 そっちをメインに据えたほう面白い映画になったと思うな。 また、絵的にも音的にもかなり古臭いのも気になるところ。 1993年公開の映画らしいけど、とてもそうは思えないんだよなぁ・・・。


冒険王
ジェット・リー&金城武というお宝感は楽しい
  ハリウッド進出前のジェット・リーと、日本でブレイクする前の金城武が共演して、 監督は後に「少林サッカー」「HERO」でアクション監督を務めることになるチン・シウトンと、なかなかお宝感が強い香港映画。
  内容は、言ってみれば中国版インディー・ジョーンズ。 1930年代の中国が舞台で、ジェット・リー演ずる主人公は、 「冒険王」と呼ばれている考古学者兼冒険者を、金城武はその助手を演ずる。 冒険王は、中国政府から「経箱」という宝物を探すように要請されるんだけど、 日本帝国軍もそのお宝を狙っていた・・・というお話。
  ということで、敵役は日本帝国軍となるわけだけども、その描き方はもはや国辱レベル。 まぁ、全体的にハチャメチャな映画ではあるんだけど、さすがに鼻につくところもちょいちょいと。
  ただ、アクションシーンはなかなかのもの。 もちろんジェット・リーの動き自体も素晴らしいんだけど、面白いアイデアもかなり盛り込まれてる。 大掛かりな特撮や、CGを使ったであろうシーンなんかもあって、映像的にも結構頑張ってる感はある。 で、リーと金城の掛け合いもなかなか楽しい(金城武がボケ役)。 二人が女装して並んでるシーンなんて、結構スゴいものがあるなぁ。 よって、おバカな香港コメディーアクション映画としては、そう悪くないデキで、そこそこ楽しめると思う。


ボーン アイデンティティー  The Bourne Identity
設定の面白さを生かしきれず
  どちらかっていうと演技派なイメージがあったマット・デイモンが挑戦する、 本格的なアクションムービー。
  スペインの漁船に救助された記憶不明の男は、 ことあるごとに超人的な戦闘能力を発揮する。 唯一の手がかりであるスイスの口座番号を元に、 自分が誰なのかを知るための旅に出るものの・・・というお話。 結局、そいつは暗殺を指令された特殊工作員なんだけど (これは話の前提みたいなもので早々に分かる)、 この映画の面白いところは、 主人公が自分のボスに命を狙われるというところにあるんだろう。
  とりあえず、マット・デイモンは意外に悪くなかった。 見せ方自体もそんなに悪くなく、テンポ良く話は進んでいく。 ただ、プロットの面白さの割には・・・。 ヒロインの扱いの中途半端さ、 事件の発端の陳腐さ、 ラストバトルの盛り上がらなさあたりが根本的な問題っぽいけど、 少なくとも、ヒロインがもうちょっとフレッシュ&キュートで、 主人公に襲い掛かる刺客がもうちょっと魅力的なら、 もうちょっと面白い映画になったと思う。 まぁまぁの佳作といったところか。


ボーン コレクター  The Bone Collector
設定とキャスティングの勝利 ★★
  最近見た映画の中では、トップクラスの面白さだった。 ただ、映画として良くできてるというよりも、設定とキャスティングの勝利って気もする。 後からストーリーを考えると「?」なトコもあるし。 エンディングの曲が、終わり方とマッチングしてないのもかなり気になった。
  しかし、アンジェリーナ・ジョリー、なるほどララ・クラフトにはうってつけだわな。


ホット ゾーン  Venomous
つっこみどころ満載のB級映画
  当然のように、エボラ出血熱を扱ったノンフィクション「ホットゾーン」とは無関係ながらも、 やはりアメリカのとある町で凶悪なウィルスが・・・ってな感じのウィルスネタ映画。 かといって、「アウトブレイク」ほどマトモな映画ってわけじゃない。
  一応、この映画なりの特色となると、ウィルスの保有者を蛇としてことと、 それが元々は軍が開発したウィルス兵器だったということか。 確かに、蛇ってことで神出鬼没なパニックムービー的な面白さは増したんだろう(神出鬼没すぎてウケるが)。 ただ、そのタイトルからもわかるように、 どうも毒、ウィルス、細菌等の概念がゴッチャになっちゃってるようで、 話の筋に説得力無さすぎなのが悲しいところ。 そういった科学的、論理的な部分以外での話の進行も相当にガタガタ。 「んなバカな」ってな展開が目白押しの、かなりトンデモな映画だった。 アクションシーンやヒューマンドラマで勝負するようなネタじゃないんだから、 もっと根本的なところを押さえてほしかったわな。