回路
看板に偽りアリ
  これまたハリウッドでのリメイクが決定している和製ホラー映画。監督は黒澤清。 なんかで予告編を観て、「面白そうだな〜」とは思ってたんだけどスッカリ忘れてた一本。
  個々のシチュエーションの演出は上手く、部分的には(というか、中盤までは)かなり怖い。 でも、その全容が明らかになって「ん?」で、その後の展開で「んー・・・」という・・・。 とにかく全容が明らかになってからは一気にホラー色が弱まってしまい、 「漂流教室」のようなジュヴナイル的なSFパニックな様相を呈してくる。 予想に反して、終わってみればホラー映画という印象は残らなかったな。 タイトルといい、予告編といい、 もうちょっとコンピュータを活用したサイバーなSFホラーかと思ってたんだけど、 意外にその使われ方は安易かつ中途半端で、効果的とは言い難い。 なにが“ネットスリラー”だよ・・・。 と肩透かしを食らったのがまず第一。
  かといって、そういうものとしてもイマイチ面白くなかったってのが・・・。 とにかく、全体的に話の展開に説得力が無さすぎ。 ちょいちょいと「は?」と引っかかってしまった。
  映像的には(VFXに限らずセンス的な意味でも)かなり頑張ってると思うんだけど・・・。


火山高
予想以上にパンチ不足
  VFXパワー溢れるアクションシーンをウリとした、ヘンテコリンな韓国製学園アクションムービー。 もしかしたら、初めて観る韓国映画がコレかも・・・。
  そのノリは、一昔前の少年漫画的で、「男組」「魁!男塾」「覚悟のススメ」などに比較的近い路線。 もうちょっとVFXとアクションの融合を期待してたんだけど、期待したほどそういうシーンは無かった。 VFXはVFXシーンで、後は普通にワイヤーやスロー演出って感じで。 ワイヤーアクションも取り立てて・・・。 アクション自体の迫力不足を、演出でなんとかフォローしようとしてるんだけども、 その演出もそこまで上手いわけでもなく、と。 で、前半は予想以上のコメディー色(しかもそれが空回り気味)に、 後半は話の繋がりの悪さ(なんか、話が上手く積み重なっていかず、終始グダグダ気味)に、かなりダレてしまった。 いろんなモノを詰め込みすぎたというか、重点的に描く対象を絞りきれてない印象。 かといって、それで押し切れるほどのスピード感・勢いがあるわけでもなく・・・。 んー、題材的には結構独特で面白かったんだけどな。
  ヒロインの“火山高きっての美女”という設定に、いまいち説得力が感じられなかったのも×。 まぁ、確かに原石っぽい雰囲気はあるんだけども、現状では美女って感じではないわなぁ。


ガタカ  Gattaca
スタイリッシュさより地味さが印象的
  パッケージには「スタイリッシュSF」(胡散臭い言葉だ)とか書いてあった、 雰囲気としては「カフカ」「華氏○×℃(何℃だか忘れた)」みたいな非スペースオペラSF。 SFXはほとんど無し。話はソコソコ。 主演はイーサン・ホーク。


カッコーの巣の上で  One Flew Over the Cuckoo's Nest
今となってはリアリティこそ感じられないが ★★★
  ジャック・ニコルソン主演の、ちょっと昔(70年代)のいわゆる名画。 精神病院の描写は、今となってはSF的ですらあるけど、エラく感動してしまった。 涙とかそういうんじゃなくて、なんかジーンと。
  ジャック・ニコルソンが「若いな〜」という印象な一方、 ダニー・デビートは「変わらんな〜」という印象でややウケ。


カリギュラ  Caligula
トンデモポルノムービー
  ネロ帝と並んで、帝政ローマ時代の暴君として有名な、カリギュラ帝を題材にした映画。
  ペントハウス誌のオーナー、ボブ・グッチョーネ氏 (しかし、いつ聞いてもスゴい響きだ、グッチョーネ)が大金をかけて作らせた映画で、 質量共に過度なエロシーンのお陰で、 結局、金がかかったポルノムービーって感じになっちゃってる。 唐突かつ過激で意味があるとは思えないエロシーンが、ちと多すぎるんだよな。 話的にも、大筋以外はかなり史実とはズレてるっぽいし。
  とはいえ、カリギュラ帝を演ずるのは「時計仕掛けのオレンジ」でも主演した人で、 その怪演っぷりは良いし、 その他のキャストにしても、演技自体は意外に迫真。 ・・・なんでも、結構な名優クラスの人たちも出てて、 歴史大作が生まれるかと思いきや、出来た映画を見てビックリだったそうな。
  豪勢なセット(いかにもセットな感じなのは狙いだろう)、 衣装、人には確かに金がかかってそうだし、 これでムダなエロシーンを削ってれば、 本当の良作になってたんじゃないかねぇ。


カンパニーマン  Cypher
もうちょっとヒロインが魅力的なら ★
  「CUBE」で世界をアッと言わせた(ハズの)ヴィチェンゾ・ナタリー監督の最新作。
  割と早い段階で仕掛けがバレちゃったのがアレだけども、 通して飽きずに楽しめた、なかなか良く出来たSFサスペンスだと思う。 モノクロ調のビジュアルも派手さはないものの、なかなか美しい。
  しかし、本作のヒロインはルーシー・リューなんだけど、 同じ東洋人としては、西洋人が彼女に惹かれる理由がよくわかんないんだよなぁ。 そこらへんが理解できれば、より楽しめる映画だったんだろう。


キス オブ ザ ドラゴン  Kiss of the Dragon
欧米人が撮ったアジア人主演モノの中ではマシな部類か ★
  リュック・ベッソンが脚本とプロデュースを担当した、ジェット・リー主演のアクションムービー。
  ジェット・リー扮する中国の敏腕刑事が、ある事件のサポートをするためにフランスを訪れたものの、 サポートしたはずのフランスの刑事が実はワルで罠にハマってしまう・・・というお話。
  ムダに撃ちまくりだったり、ヘンなけれんみがあったりと、 ジョン・ウーに勝るとも劣らないアホ展開が結構笑えるんだけど、 アクションの見せ方にそれほどの上手さ&工夫が見られないのが大きな違い。 ジェット・リーのアクションそのものはキレてるはずなんだから、 ヘンにカメラを動かしたり、アップにしたりなんていうのは必要なかったと思うんだが。 で、悪のボスが、キレものというか、ただのキレたオッサンという感じで、 殺し屋とかマフィアのボスとかならまだしも、フランスの敏腕刑事という意味では、イマイチ説得力に欠けるのが難点。 ただ、それを除けば(無論、感動とかとは無縁だけど)割と悪くなく、思ってたより面白かったのも確か。 「どこが?」と聞かれると割と困るんだけど、 ジェット・リーのいかにもジェット・リーな役が良かったんだろうか。 まぁ、とりあえず「ロミオ マスト ダイ」よりは面白かったな。


機動警察パトレイバーWXIII
前2作ほどのインパクトは無かったが ★
  いまだに和モノのアニメーション映画のマイベストは、 劇場版機動警察パトレイバーの第1弾だったりするんだけど、 これはそのシリーズ第3弾。 とはいうものの、特車2課の出番は最後近辺だけで、 連続殺人事件を追う2人の刑事がメインでフィーチャーされており、 言ってみれば、“リアルな怪獣映画”って感じの内容になってる。 思わずガメラを思い出した、最初に映し出されたタイトルにしても、 そこらへんを狙ってるのかもしれない。 とはいえ、怪獣シーンよりも、刑事たちの描写の方がメインなんだろうし、 実際に印象的だったし、 全てが丸く収まるわけではない終わり方といい、 良い意味での日本でしか作りえないアニメーションだと思う。
  しかし、相変わらず、このシリーズの近未来描写はいいやね。 細かい未来描写と、変わらない、あるいは朽ち果てていく東京のマッチングは、本作でも継承。
  ただ、アニメーション自体の質は、第1弾からほとんど変わってないような・・・。 ここを向上させるのは、もう(3DCGとの融合以外では)ムリなんだろうか・・・。


ギフト  The Gift
もうひと工夫ほしかった
  「シンプルプラン」「ラブ・オブ・ザ・ゲーム」に続く、 サム・ライミ監督による(それまでに比べれば)なんだかマジメな映画。
  一年前に夫を亡くして3人の息子を持つ、占い師としての超常的な能力を持つ若い女性が主人公。 その能力のせいで、殺人事件に巻き込まれていくことになる。 ちなみに、キアヌ・リーブスが、 妻(主人公のクライアントのひとり)に暴力を振るう粗暴な夫を演じてて、これが意外にハマってた。
  超能力を絡めたオカルトサスペンンスといった内容なんだけども、 暗示的な演出などは(無難ではあるんだけど)ちいとヤボったいところがあって、 捻ったつもりなんだろうシナリオも、 かなり早い段階で予想がついちゃう(一応、二者択一っぽくはなってるけど、普通に考えればねぇ・・・)。オチもバレバレ。
  ただ、この映画の一番の見所は、 超人的な予知能力を持ちながらも、人間的な弱さを持ってるという主人公の描写にあるんだろう。 そういう意味では、主演のキャスティングはハマってたし、好演だったとも思う。 それでもやっぱり、演出かシナリオ、どちらかにもうひと工夫ほしいところではあったなぁ。


キャッチ ミー イフ ユー キャン  Catch Me If You Can
実話だからこその面白さ ★
  パイロットや医師にまで成りすました 実在の伝説的な詐欺師をレオナルド・デカプリオが、 それを追うFBIエージェントをトム・ハンクスが演ずる、スピールバーグ監督作品。
  とりあえず、デカプリオとトム・ハンクスは見事にハマってたし、 詐欺師の父親役のクリストファー・ウォーケンもなかなか良い味だしてた。
  で、もうちょっとコメディタッチなのかと思ったらそうでもなく、 かといってドキュメンタリーチックなわけでもなく。 実は、実話がベースじゃなくて、 実話に触発されて作った映画だと勘違いしてたもんで、 ラスト近くまでは、割と「なんだかな〜」な感じだった。 実話が元になってるゆえにのまとまりのなさがある反面、 ラストを見れば、実話が元であるゆえの感動みたいなものがあるのも確か。 最後まで見て納得。 丁度、「エリンブロコビッチ」なんかに近いものがあった。 ヘンにドタバタにせず、人間性重視にしたとこも、 終わってみれば良かったと思うし、パンチに欠けるけど結構面白い小品なだったな。


キャッツ&ドッグス  Cats & Dogs
映像技術の進化が可能にした一発ネタ ★
  人が知らない陰で、犬と猫が覇権争いをしているというお話。
  まさに、偉大な一発ネタ。くだらないネタに大笑い。 そこにちょっとした感動のエッセンスを加えてくるあたり、いかにもハリウッド的というか、上手い。 タイトルの割には、ちょっと犬によりすぎな感じがしないでもないけど、それが犬と猫のキャラの違いかな。
  本作は「ドクター ドリトル」なんかと違って、実際の動物、パペット、CGを組み合わせてる映画なので、 (特に動物の表情はほとんどCGっぽくて)動物らしい可愛さという意味ではイマイチなんだけど、 題材が題材なだけに、まぁ、それはやむを得ないんだろう。 むしろ、それらの手段を、上手に使い分けているんだと思う。 確か、全米公開が映画「ファイナルファンタジー」とほぼ同時期で、 この映画が圧勝してたりするわけなんだけども、 ある意味、非常に対照的でわかりやすい対比ではある。


ギャラクシークエスト  Galaxy Quest
サイコー(ただし要予備知識) ★★★
  ギャラクシークエストという明らかにスタートレックをモチーフにした架空のSF番組のクルー達が、 本当の宇宙闘争に巻き込まれてしまうというお話。
  モロに一発ネタで、序盤で既に全体の話が見えてしまうんだけど、 ベタさとシリアスさ、リアルさとチープさの対比が非常に上手く、 最初から最後までサイコーに楽しめた。 最後の演出もニクイ。 もっとも、やはり元ネタのスタートレックをある程度知ってないと、最大限楽しめないとは思う。 全編通してかなりCGの部分がある(質も高い)わけで、 これも技術進歩があっての映画なんだろうな、と思ったりもした (ただチープなだけじゃこういう映画は成り立たなかったろう、と)。
  しかし、かなりオバさんのはずなんだが、 どうにもシガニー・ウェーバーの胸に目がいってしまうな・・・。


キャリー  Carrie
なるほど、キャリーのキモさがナイス ★
  スティーブン・キング原作小説の映画化で、おそらく、ブライアン・デ・パルマ監督中期の代表作だろう。 スティーブン・キングがブレイクしたのは、この映画が発端という話もある。
  血まみれで叫ぶ少女のシーンが非常に有名な、サイコホラーというか、サイキックホラーというか。 精神的に追い詰められるとテレキネシス能力を発現する、いじめられっ子「キャリー」が主人公で、 簡単に言うと、彼女がいじめられて、それが爆発するという話なわけだ。
  痛々しい場面が多いし、とばっちりを受けた人が多すぎて、 あまりスッキリする話ではないんだけど、いかにもなハイスクールの風景であるとか、 トラウマを抱え異常な信仰に走ってるキャリーの母親であるとか、 風刺的な描写が散りばめられており、デ・パルマ監督らしい緊張感のある演出もあって、なかなか面白い映画だった。 画面分割とかスローモーションとか、おそらく結構新鮮であったろう演出は、 映像的な古さとあいまって、今となっては、なんだかギャグっぽく感じらてしまうことがしばしばだったけども。
  キャスティングでは、なるほどキモかったキャリーがナイス。 また、ほぼデビュー直後のトラボルタが登場するのも、見所のひとつか。 全体的にキャスティングがハマってたのも、好印象の原因だろう。


キューブ  Cube
低予算なSFでもネタによっては安っぽくならないんだな ★
  お金をかけなくとも、面白いSF映画はできる、の見本。 インパクト&アイデア勝負。それほどのテーマ性があるわけでもないし。 エグめの表現アリ。


キング アーサー  King Arthur
シチュエーション的には熱いはずなんだが
  いまだに欧米の人には親しまれているらしいアーサー王伝説を題材にした映画なんだけど、 有名なマロリー卿の「アーサー王の死」の映画化ではなく、歴史上実在した人物という設定の上でアーサー王を描いている。 ド派手な娯楽映画を提供し続けるジェリー・ブラッカイマー製作の歴史アドベンチャーってことでも、ちょっと話題になってたかもしれない。 監督は「リプレイスメント キラー」「トレーニング デイ」のアントワン・フーク。
  アーサー王には次期ボンド役との噂もあった売り出し中の英国俳優クライヴ・オーウェン。 ・・・ただ、特に米国の認知度はまだまだなのか、 ポスターでは、ヒロインのグウィネヴィア(「パイレーツ オブ カリビアン」でもキュートなヒロインを演じた人がやってる)が 真ん中にドーンと構えて、左右にアーサーとランスロットがいるという絵になっちゃってる。 確かに、映画中のアーサーも、ちょっと栄えない。 時折、いい雰囲気を醸し出すんだけど、時折、なんだかマヌケな表情も醸し出す。 こういう情熱的な役には向いてない人なんじゃないかな・・・。
  ただ、どちらかっていうとマズいのは脚本だろう。 最後の決戦までに、人物そのものや人間関係が上手く描けてないという印象で、 本来ならかなり熱いはずのシチェーションなのに、全く熱くなれなかった。 アーサーの聡明さ&強さと仲間の騎士達の個性、 そして、アーサー王と騎士達(特にランスロット)との友情が十分に描けてないので、 それらが爆発するはずの終盤に盛り上がりきらなかった、と。 伝説を考えてのことであろう、ランスロットのグウィネヴィアに対する横恋慕の描写も、これまた中途半端。
  本来ならもうちょっと長い尺で作るべき題材だったんだろうし、 このくらいの尺でまとめるなら、もっと的を絞って描くべきだったろう。 合戦シーンはそれなりに迫力があるけど、あくまでもそれなり。 レーティングを考えてか、不自然なほどに血が出なさ過ぎるのが気になるところだった。 映画全体のテンポは悪くなく、結構お金がかかってそうな見栄えがする場面もあったが。
(2004年)


禁断の惑星  Forbidden Planet
古典なりの古臭さ&安っぽさはあるが意外に楽しい
  SFの超古典。 主演はなんと、若かりし頃のレスリー・ニールセン(「裸の銃」の人ね)。 「当時としては」なSFXのアピールがちとアレだし、やはり今となっては時代錯誤なSF観はあるけど、 話の大筋自体はそれなりに楽しめた。ま、話のネタに。


金融腐食列島 呪縛
邦画もあなどれん ★
  意外や意外、かなり面白かった。 ちょっと前の銀行を舞台にした社会ドラマなんだけど、その映画の作りもさることながら、 やっぱりそれなりに身近にある題材ってのも大きいか。
  確か、先日クランクインしたあさま山荘事件の映画も、監督が同じで同系のプロジェクトだったと思うので、期待できるかもしれない。


グラディエーター  Gladiator
絶景 ★
  絶景。その一言。特に、序盤から中盤にかけての背景(建造物&自然風景)が素晴らしい。 別に心に残る名作って感じではないけど、話も普通に面白かったし、よくできた大作映画だと思う。 ドリームワークスの面目躍如ってとこなんだろうか(初作の「ピースメーカー」はイマイチだったからなぁ・・・)。
  しかし、リドリー・スコットほど、カラーが定まらない監督も珍しい気がする。


グリーン デスティニー  Crouching Tiger Hidden Dragon
ワイヤーアクションってコレでいいのか? ★
  途中の回想シーンが若干鬱陶しかったけど、結構面白かった。 ワイヤーアクション“以外の”アクションシーンと、とにかく絶景な風景が魅力。 しかし、ワイヤーアクションって、もうちょっとナチュラルに使えると思うんだけねぇ・・・。


クローン  Impostor
アレンジの発想は悪くなかっただけに勿体無い
  「ブレードランナー」のフィリップ・K・ディック原作のSF映画。 そのタイトルからするともうちょっと現代的な映画なのかと思いきや、 いきなり「αケンタウリ星と交戦中で・・・」ってな感じで映画が開始。 まぁやっぱりというか、原題の「Impostor(偽者)」の方がより相応しい内容だ。 で、そのプロットは、人間に化ける(というか成りきる)爆弾が都市に潜入し、 主人公はその疑いがかけられた男で、 自分は人間なのか、それとも爆弾なのか、って感じは、 なるほど「ブレードランナー」に通ずるものがあって面白かった。
  しかし、ちょいちょいと細かいツッコミどころ (医療的なチェックで爆弾かどうか判明するのに、なんであんなに過激に追跡するんだ?とか)もあるんだけど、 彼を追う側の追う理由付けの描写が甘いのが致命的。 ヘンに悪者風に描いてしまったお陰で、物語の深みが著しく削がれてしまったように思う。勿体無い。
  また、これは好みなのかもしれんけど、 画面が暗いのにカメラワークに落ち着きがないので状況把握がし難く、 よって、勢い任せで進行しちゃってた部分があったのもちょっと気になったところ。


ケイブマン  The Caveman's Valentine
アクションじゃなかったのね ★
  サミュエル・L・ジャクソン主演ということで、 どっかで「シャフト」とゴッチャになってて、 あんな感じの微妙なアクションムービーかと思ってたんだけど、実際は全く路線の違う映画だった。
  主人公は、かつてジュリアード音楽院に在籍してた天才作曲家だったのに、 今はパラノイアを患い、洞窟に住み込んでホームレスとなっている男。 それがパラノイアに導かれるまま、 ある殺人事件の真相を突き止めるというお話で、 分類するならサイコサスペンスってとこか (この映画の場合、サイコなのは主人公なんだけど)。
  ひとつのテーマであるアートの部分がなんか安っぽかったり、 主人公のパラノイアな部分の演出がなんか俗っぽく、鼻に付いたりというのはあるものの、 話そのものは終盤に一応盛り上がり、それなりに面白い一本だった。 脚本は良かったんだろうし、サミュエル・L・ジャクソンもハマってたんだけど、 なんせ、主人公がパラノイアなだけに、ちょっと感情移入しにくいところがある。 で、そのパラノイアな部分が事件の解決に役立ってるという作りでもないし、 「幻覚? それとも現実?」みたいな揺らぎで楽しませるわけでもなく、と。


ケーブル ガイ  The Cable Guy
ジム・キャリーのキャラが映画を食ってしまった
  あのジム・キャリーがストーカー的な精神異常者を演ずるということでちょっと話題になった映画。 となるとサイコサスペンス?と思いきや、やっぱりコメディっぽくなってしまってるんだけども・・・。 まぁ、時期を考えれば、ジム・キャリーの脱コメディの第一歩ではあったのかもしれない。 ちなみに、「リアリティバイツ」に続くベン・スティラー監督作でもある(で、3本目が「ズーランダー」と)。 彼自身も本編とは関係のないところのちょい役で出ており、これが地味に面白かったりする。 さらに、オーウェン・ウィルソンもちょい役で出演してたりして。
  結局、主演のジム・キャリーに尽きるんだよなぁ。悪い意味で。 演出関係は無難で、各キャラクターの設定や、社会派な風刺も悪くなかったと思うし、 ネタ的には普通にサイコサスペンスの良作になれたんじゃないかと思うんだけど、 それをジム・キャリー恒例の特異なキャラクターが全てをブチ壊してしまった。 いや、あのキャラで主人公の異常性を示す仮面的なものを表現しようとした意図は わからんではないんだけど、さすがにやりすぎでしょ。 映画全体がジム・キャリー色に染まってしまったじゃないか・・・。


ケミカル51  The 51st State
バイオレンスもコメディー色も、どうもポイントがズレてて
  サミュエル・L・ジャクソン主演のイギリス映画。 監督のロニー・ユーは香港映画出身で、最近ではあの「フレディvsジェイソン」を撮ってたりする。
  サミュエル・L・ジャクソン扮する天才的なドラッグ調合師「マケルロイ」が、アメリカで組を潰してイギリスへ逃亡。 そこで、自身が配合した新麻薬「POS 51」をネタにひと稼ぎしようとするが、 奇跡的に生き残った前のボスもイギリスに乗り込んできてしまう。 もう一人の主役である熱狂的リヴァプールサポーターでアメリカ嫌いのチンピラ (ってほど下っ端じゃないけど)とマケルロイが成り行きから行動を共にすることになるんだけど、 マケルロイを狙うように命じられた暗殺者はそのチンピラの昔の恋人で・・・という話。
  話はそれなりにまとまってるけど、「そうきたか〜」っていう驚きはほとんどナシ。 話そのものがスゴく面白いということはない。 あくまでもドタバタな感じのそのノリがウリの映画と言えるだろう。 スローや早送りをつけてテンポを作るっていう、最近よく見かける系統の演出で、映画のテンポ自体は確かに悪くない。 で、結構派手なこともやってるし、描写はエグかったりするんだけど、それがイマイチ迫力に繋がってない感じ。 また、コメディー路線なとこがあったりもするんだけど、なんせその笑いのポイントが自分とはズレすぎてて、 そういうのを狙ったんであろうポイントがことごとく痛かった。 どうにも悪趣味な印象しか残らなかったんだよなぁ。


交渉人  The Negotiator
極上のエンターテインメント作品 ★★★
  サミュエル・L・ジャクソン&ケビン・スペイシーな、警察モノアクション(?)映画。
  久々に時間を忘れて没頭、ツボにハマりまくりな映画だった。 主演2人の良さもさることながら、ストーリー、演出、全てがバッチリきた感じ。


ゴースト シップ  Ghost Ship
恐怖演出が物足りなすぎ
  とあるサルベージチームに、 巨大船舶のサルベージの依頼があった。 早速サルベージに向かった彼らが見つけたのは、 1960年代に行方不明になったイタリアの豪華客船。 船内で大量の金塊を見つけ喜ぶサルベージチームだったものの、 その船は幽霊船だった・・・というお話。
  ありそうで意外になかった幽霊船ネタのホラームービー、 と言いたいところなんだけど、ホラー要素は意外に弱め。 部分的にグロな描写こそあれ、恐怖演出はイマイチ。 ストーリー的に一応ヒネりはあったけど、割と早い段階でバレてしまうしなぁ・・・。
  まぁ、話自体はそう悪くなかったし、 各人物の描写が描き込み不足に感じられる反面、全体のテンポは悪くなく、 そこそこは楽しめたんだけど、 題材が題材だけに、もうちょっと恐怖感を上手く煽って欲しかった。


ゴールデン ボーイ  Apt Pupil
何を見せたかったのかよくわからん
  原作スティーブン・キング、監督ブライアン・シンガー(「ユージャルサスペクツ」「X-MEN」)、 主演ブラッド・レンフロ、と結構なメンツの割にはコケぎみだったサイコスリラー。 ちなみに原題は「Apt Pupil」。 辞書で引いてみたところ“頭の良い生徒”って感じなので、 「ゴールデンボーイ」としたのもナルホド・・・かぁ?
  社会の授業でナチに興味を持ったとある秀才大学生が、元ナチ将校であることを隠していた男をたまたま発見し、 そいつを脅してナチで行われた数々の話を話させる、という話。 スリラー感があるわけでもなく、話的に面白いわけでもなく、と、いまいち焦点が掴めない映画だった。 この監督は、エンターテインメント作品には向いてないんじゃないか?


ゴッドandモンスター  Gods and Monsters
要解説
  こちらはクライブ・バーカー“製作総指揮”。 フランケンシュタインを撮った監督の晩年の話を、ちょっと脚色したような物語。
これ、パッケージ裏の解説無しだと、ただのホモおじいちゃんのサイコ話ってことになってしまうんじゃ・・・。 しかも、パッケージ裏ではそのホモ色が上手に隠されてるし・・・。 最後まで見て、まぁナルホド、な映画だった。


コヨーテ  Inferno
ヴァン・ダム、好きなんだけどなぁ・・・
  ホンのちょっと前くらいのヴァン・ダム主演のアクションムービーで、 原題に「ハァ?」、邦題で納得という珍しい映画。
  んー、序盤の雰囲気は悪くなかったんだけど・・・。 西部を舞台に、それらしいハードボイルドな雰囲気が漂ってて。 なのに、中盤くらいからコミカルな演出が目立つようになり、 ヴァン・ダムの、キャラもサブキャラに食われまくりと、全くいいとこ無し。 雑な感じの西部の雰囲気は良かったんだけどなぁ・・・。


コラテラル ダメージ  Collateral Damage
あくまでもシュワちゃんの暴れっぷりを楽しむ映画 ★
  アメリカで、コロンビア反政府ゲリラのテロリストが爆破テロを行い、 それによって目の前で妻と子供を失った消防士役のシュワルツネッガーが、 復讐のために単身コロンビアに乗り込む・・・というお話。
  本当は去年10月に公開予定だったんだけど、 9月にアメリカであの同時多発テロ事件が起きてしまい、 モロにテロをネタにしてるというとで、半年ほど公開が先延ばしにされたという映画。
  実は、“シュワちゃんがワルモノをやっつける”っていう観点からだけみれば、結構面白い。 アクションシーンや戦闘シーンは、目新しさこそあまりないけど、無難なところで迫力があるし、 話の流れも悪くなく、ストーリーもひとひねりされてる。 今回、消防士役をいうことでシュワちゃんは一回も銃を使わず、そこらへんに工夫も感じられる (お約束とは言え、ちとタフガイすぎるとは思うけど)。
  だけど、同時多発テロの後となっては、 テロが起きる土壌、アメリカがテロの標的になる理由、そこらへんの描写に物足りなさを感じてしまうのも事実。 個人的にコロンビアの状況をよく知らないってのもあるし (アメリカ人にとってはデフォルトな知識なんだろうか?)、 中盤くらいまではそこらへんも描いていくのかなと思ってただけに・・・。 ま、そういう映画であればシュワちゃんは起用しないか。


コレクター  Kiss the Girls
サスペンス映画の佳作 ★
  結構前の、モーガン・フリーマン主演の猟奇殺人モノ刑事映画。 続編に相当するらしい「スパイダー」のレンタルが始まったので、 どうせなら前のから見ておこうと借りてみた。
  姪が連続誘拐事件に巻き込まれた刑事(兼心理学博士)が、 美女を収集するその異常犯罪者の捜査にあたるっていう話で、 大きな見せ場こそないものの、 それなりに緊張感があって無難に面白い一本だったな。 オチも決まってたし。