13F  The Thirteenth Floor
コクはないけど、なかなかの面白さ ★
  「ゴジラ」「インディペンデント・デイ」のローランド・エメリッヒの名前が表に出てたんで、 何となく避けていたSF映画。 実際は、監督じゃなくて製作に関わっているだった。
  いわゆる電脳世界と現実世界を行き来するSFサスペンスで、 「マトリックス」みたいな構造を想像すると、まぁわかりやすいか。 どうも話がまとまらなく「もしや・・・」と思ってたら、 まんまとそういう形だった全体の構造は、 部分部分でウソ臭いところがあるものの、 小説原作ということでか、 終わってみれば話の筋がシッカリしており、なかなか面白かった。 意外に話が長く、終盤若干ダレる感じもあって、 ネタ的にはもうちょっと軽くスッキリと作った方が良かったような気もするし、 良くできてるけどなんか一味足りない、そんな印象もあるけど、 予想していたより全然面白い映画だったな。


サイバーネット  Hackers
ネットワーク関係の描写の古臭さはやむなし ★
  ちょっと古い(5年くらい前)SF風味の映画。 インターネットを含めたネットワークがネタなので、若干そこらへんの描写に古臭さを感じるし、 話的にも特にコレといったものはないんだけど、全編通してミョーな疾走感があって結構楽しめた。
  ちなみに、ヒロイン的な存在の役を演ずるのは、今が旬のアンジェリーナ・ジョリー。 この作品でも、そのアブナイ雰囲気が非常にナイス。


サイン  Signs
初シャマランはなかなか好感触 ★
  「シックスセンス」「アンブレイカブル」のM・ナイト・シャマラン監督作品で、 個人的にはこれが初めてのシャマラン作品だったりする。
  妻を交通事故で亡くした元神父、その二人の子供、神父の弟の4人家族を舞台にした話なんだけど、 その大筋は、ミステリーサークルは宇宙人のサインでその宇宙人が侵略してくるという、 古典的というかなんというか・・・というもの。 もうちょっとトリッキーでオカルトチックでスリラーなものを期待してたんだけども・・・。 確かに“サイン”っていう言葉を巡っては割とテクニカルなとこもあるんだけど、 基本的にその話のそのものは“陳腐”の一言に尽きる。ベタというか。中身もスカスカ。
  んでも、不安を煽るカメラワーク等が結構上手く、 宇宙人の侵略というベタベタなネタながらも、 郊外の(世界各国を含めた外界との係りがない)いち家族だけを フィーチャーするという手法がなかなか巧妙で、緻密なところもあって、 それなりに没頭でき、期待していたより楽しめた。 逆に言うと、アリガチなネタを上手に仕上げたなぁ、ということにもなるんだろう。
  でも、凝ったカメラワークには逆にやりすぎ感があったり、 元神父の弟役のホアキン・フェニックスのキャラなど、 天然のバカ映画な雰囲気も無きにしも非ず。


サウスパーク  South Park: Bigger Longer & Uncut
下ネタ満載の社会風刺アニメ ★★
  話題のオゲレツアニメの劇場版。 TV版も以前に最初の数話だけ見た経験アリ。
  劇場版も、やはりスパイスが効いたネタ満載でかなり笑わせてもらったけど、 さすがにこれが2時間近く続くとなると、ちとキツいものがあるか。 アメリカ人じゃないと元ネタが分からないであろう部分も多々あるし。 でも、テーマ自体は結構いいトコ突いてる。かなり社会派。


ザ コア  The Core
期待しないで観ればそれなりに
  迫りくる危機を救うために宇宙に飛び出す!という例の映画とは全く逆に、 世界の危機を救うために地球の核を目指して地中に潜るというSFパニック映画。
  とにかく、激しく予想通りの内容だった。 地球の核を目指すという、宇宙に行くことに比べて段違いに困難というか、 金とか労力とかの問題じゃなく、技術的にムリな話なもんで、やはり設定的にかなりムチャしてる。 で、話自体は、トラブルに見舞われたり、 メンバー同士の反目などがありながらも、自己犠牲精神でそれを乗り越えていくと。
  一応目新しさといえば、当然地下に潜るという設定なわけだけども、 そのこと自体よりむしろ、事態が進行していくにつれ、 地表の電磁場が荒れていき、それに応じたトラブルが発生していくってのが、パニックものとして良かったと思う。 まぁ、自己犠牲精神炸裂のありがちな展開ではあれ、 部分的にはそれが熱いところもあり、ダメダメってわけじゃない。 絵的にも、若干安っぽいところはあるんだけど、そこまで酷いわけでもない。 いわゆる超大作ではないけれども、 B級SFパニックとしては悪くないデキなんじゃないだろうか。
  欲を言えば、ヒロインのお手本となるはずだった船長や、 地表で奮闘することになる若いハッカーらを描写にもうひと工夫して、 ドラマ的にもうちょっと濃いものに仕上げてほしかったけど。


サウンド オブ サイレンス  Don't Say a Word
サイコ的な要素は希薄だが ★★
  ベストセラー小説を原作にした マイケル・ダグラス主演のサスペンスムービーで、監督は「コレクター」の人。
  裕福な子供専門の精神科医である主人公が、娘を誘拐され、 犯人から、とある精神病患者の少女から6桁の数字を聞き出すことを要求される、というのが話の導入。 TVCMから受ける印象とはかなり違って、 いわゆるサイコな雰囲気はほぼ皆無の割と素直なサスペンス映画という印象。
  特に驚きの展開は無いんだけど、 ビミョーにバタ臭い感じがしないでもない演出も基本的に無難だし、 マイケル・ダグラスを含めて配役がバッチリとハマってて、あとは設定の勝利。 「この先どうなるんだ?」っていうネタが随所に散りばめられていて、非常に面白い映画だった。 ただ、少女の精神病、自宅で犯人からの監視を受ける妻の緊張感、家族愛、刑事ドラマ的な要素などなど、 色々と詰め込んだせいで、ちょっと消化不良の感もある。 飽きずに最後まで楽しめたんだけど、終わってみると印象に残らないっていうか。


ザ コンヴェント  The Convent
今時珍しいC級スプラッタムービー
  ある意味、典型的なC級ホラームービー。
  つまり、悪趣味で、チープで、驚かせる演出は安っぽく、出血はムダに大量。
  作ってる方も明らかに、 怖がらせるよりも笑わせようとしてるのが見て取れる。 実際、結構笑ったし(ただし失笑込み)、 典型的といっても、逆に最近ではあまり見なくなったタイプなだけに、 ある種の新鮮さはあったが。


ザ セル  The Cell
デザイン的な美しさだけではキビしい
  ジェニファー・ロペス主演のサイコサスペンス。
  公開時から話題になっていたように、ビジュアル的なインパクトはある。 ただ、そういうパラノイアなビジュアルインパクトだけのホラー映画って感じだった。 頭の中の世界をビジュアライズっていうネタ自体は面白いんだけど、 やりすぎて逆に安っぽくなっちゃってるところもある。 どちらかというと、“映像”よりも“デザイン”が印象的だったな。
  話はコレといったヒネリもナシ。話の見せ方もイマイチ。 ザッピング的な舞台の切り替え方がよろしくないと思われる。


サラマンダー  Reign of Fire
アイデアはよかったのに・・・
  ロンドンで地下鉄工事の為に地下を掘ってたら、 ドラゴンの巣を掘り当ててしまい、 人類はそのドラゴンの猛威の前に (核攻撃による自爆というお決まりのパターンもあって)滅亡直前まで追い詰められてしまった。 座して待ってドラゴンの餓死による絶滅を待つか、 最後に打って出るか、どうしましょ?というお話。
  実は先にゲームの方をプレイしており、 (そのデキはどうあれ)現代兵器vsドラゴンというのがなかなか魅力的だったんだけど、 意外にそういう色は弱めでガッカリ。全然別物じゃんか・・・。
  まぁそれはそれとして、設定的には面白いものがあったし、プロット自体は悪くなかったはず。 炎の描写は迫力があって良かったし、ドラゴンもなかなか良く描けてたりと、 部分的に絵的に良いとこはあった。 なのに、このグダグダ感は一体・・・。 そもそも、話の展開に説得力が無さ過ぎるんだよな・・・。 意外に色んな要素があっただけに、話の焦点もボケ気味になっちゃってるというのもある。 そして、無駄死にが多すぎる感じも。 いや、それが話を盛り上げてたり、悲壮感を演出してたりしてりゃいいんだけど、 そういうのがイマイチで、まさに無駄死に。 主演のクリスチャン・ベイルはなかなか奮闘してたのに、 脇を固めるはずの助演の男女二人はイマイチ気味。
  せっかくのネタが勿体無かったやね。


猿の惑星  Planet of the Apes
色褪せないSFの古典的名作 ★
  リメイク作を前に一度見直しておこうと、旧作のDVD版をレンタル。
  有名なオチに関しては「最初に猿が英語喋ってる時点で気付けよ!」と思ったものの、やはり名作SF、今見ても十分面白い。 猿と人間の逆転によっての、人間社会に対しての風刺が効いてる。 進化論に口出しするようなキリスト教ファンダメンタリストに是非見てもらいたいもんだ。
  しかし、DVD特典として、猿の惑星シリーズ5作のオリジナル予告編が付いてたんだけど、 それを見るだけでもこのシリーズの迷走っぷりがよくわかるな。


猿の惑星 PLANET OF THE APES  Planet of the Apes
ただの大作SFアクション映画になっちゃったが ★
  SFの古典的名作をティム・バートン監督がリメイク。
  意外にも、SFの“S”の部分が弱くなって、 ただの娯楽映画になってしまった。 ところどころで「は?」な展開が見受けられるし、 元ネタと違って文明の逆転具合も中途半端で、 主人公の味方になってくれる猿人が科学者じゃないんで、 そこらへんのギャップで考えさせるような面白みも激減。
  ただ、普通に見所はあって、 猿人のサルっぽい振る舞いや、ワイヤーを使ったようなアクション、 猿人の衣服、鎧、宇宙船などの各種美術は非常に良かったので、 SF映画が好きな自分としては、普通に楽しかった。
  でも、取って付けたようなラストはちょっとねぇ。 元ネタでは自由の女神だったから、 今度はホワイトハウスで、ってのはわからんではないんだけどさ。


ザ ロイヤル テネンバウムズ  The Royal Tenenbaums
適材適所の豪華なキャスティング ★★
  ロイヤル・テンネンバウム氏の3人の子供たちは、 その少年・少女時代に、それぞれ経済・科学、戯曲、テニスで天才的な活躍をし、天才家族ともてはやされた。 しかし、放蕩なロイヤルのせいもあって、それから家族はバラバラに崩壊してしまい、それぞれが苦悩を抱える生活を送っていた。 が、とあるキッカケから22年ぶりに3人が同じ屋根の下に集まり、 あと6週間の命というロイヤルは、失われた時間を取り戻そうと奮闘するのだが・・・というお話。
  結構前に「ロイヤル・テネンバウムをジーン・ハックマンが好演!」という話は何かで耳にしてて、 ちょっとだけ印象に残ってた映画だったりする。 で、ロイヤルとその家族とそれを取り巻く人々の人間関係を、 誰々が悪いわけじゃないんだけど、構造的に上手く噛み合わず・・・といった感じでジンワリと描いており、 思ってたほどコメディではなく、起承転結があまりハッキリしないタイプの人物群像系映画だったことに若干肩透かしを食らう。 話の軸があるようでないようであるような・・・みたいな。
  で、非常に凝った作りなのも確かで、 自分はそういう技巧的な映画ってのはあんまり好きじゃないんだけど、 独特のテンポの良さ、ビートルズを初めとしたBGMの使い方の上手さ、 そして、キャスティングの良さで、予想以上に楽しめてしまった。 ロイヤルの3人の子供は、 ロイヤルに反発する長男に「ミート・ザ・ペアレンツ」のベン・スティラー、 次女は不健康な感じがピッタリと合ってたグウィネス・パルトロワ、 次男はオーウェン・ウィルソンの弟ルーク・ウィルソン。 さらに、ロイヤルの妻と結婚することになる男がダニー・グローバー、 次女の夫がビル・マーレー、昔からロイヤル家に出入りしてた兄弟の友達にオーウェン・ウィルソンと、 非常に個性的なメンツが顔を揃えており、それぞれがそれぞれの良さを上手く生かしてたと思う。 言葉では表現しにくいんだけど、なんかジンワリきちゃったんだよなぁ。


ザ ワン  The One
久々にジェット・リー全開 ★
  ジェット・リー主演最新作。 記憶違いじゃなければ、 ジェット・リーは「マトリックス2」の誘いを断って、 この映画を撮ったっていう話だったはず。
  パラレルワールドを(キビしい制限があるものの)移動できるようになってる世界が舞台で、 なぜか平行世界の自分を殺すとそいつがパワーアップするらしく、 悪者ジェット・リーは、全ての平行世界の自分を殺し、全能の存在「ザ・ワン」になろうとする・・・と、 かなりハッチャけたSF的設定を持つ映画。 タイムトラベルにタイムパトロールっていうのはあったけど、 パラレルワールドトラベルにパラレルワールドパトロールってのは、 確かに新しいかもしんない。 で、123人の自分を殺し、最後の自分を殺しに行くわけだけども、 その最後の自分がいる世界は、 パラレルワールドの存在が知られていないこの現実世界。 最初に“125人のジェット・リー”って話を聞いたときは、 ジェット・リーvsジェット・リーが延々と続くような映画を想像したんだけど、 実際は、この現実世界での良い人ジェット・リーvs悪者ジェット・リーのバトルがメインの映画になってる。
  とりあえず、ジェット・リー堪能映画としては、なかなかのデキ。 流行のスローモーション演出も、使い方にヒネりがあって良かったし、 これまでの映画の一人二役のバトルシーンってイマイチ噛み合ってないような感じを受けたんだけど、 本作はそれが非常に良く出来てて、最後のジェット・リーvsジェット・リーはなかなか見応えがある (逆に言えば、もっと一般人vs超人ジェット・リーっていう見せ場がほしかったけども)。 これでもうちょっと全体的にクールなケレン味があれば、 それこそ第二の「マトリックス」になってたかもしれない。
  ただ、いかんせん話はグズグズ気味。 説明不足で突っ走ってく上に、ドラマ的な見せ場も淡白で、 最後のバトルで主人公が精神的なキッカケで一気にパワーアップしちゃうとこは、 なんとも安っぽいアクションムービーって感じだし、 出来すぎな最後のオチにも萎えた。
  まぁ、アクション的に物足りなかったこれまでの欧米のジェット・リー映画よりかは、らしくて好きだな。


サンダーバード  Thunderbirds
キッズムービーとして割り切れれば ★
  操り人形アニメとして日本でも根強い人気を誇るサンダーバードが実写でリメイク。 監督は、「スタートレックTNG」でライカー副長を演ずるジョナサン・フレークス。 実は、スタートレック関係でも結構監督をしてる人だったりする。
  ・・・んまぁ、悪いとこはわかる。 まず何より、肝心のサンダーバード隊員たちの働きをロクに描かず、 主に少年たちが冒険、活躍するキッズムービーにしちゃったところが、致命的なところ。 こればっかりは、もうどうしようもない。 で、話にスジというより、敵&サンダーバードの設定に説得力が欠ける(やってることの割に世帯が小さすぎんだろ、とか)。 大体、超能力を備えた敵ボスってのもどうなのか。 そして、必要以上にヴィヴィッドな色調など、レトロフューチャー的なポップな感覚を重視した方向性も、ちょっとズレてる。 現代のリメイクってのは、あくまでも今に合わせた、リアリティを増す形のリメイクをしてナンボだと思うんだよね。
  ただ、そこを割り切れればというか、 キッズムービーになっちゃた部分を割り切れれば、そんなに悪くもなかった。いや、むしろ結構楽しかった。 映像の質はそこまでチープじゃないし、その方向性も独特の統一感と評価することもできる。 サンダーバード自体を描けてないことそのものは本当に致命的なんだけど、キッズムービーとしては適度にまとまってたとも思う。 何より、ペネロープとティンティンっていう2大女キャラが、共に実にチャーミングだったので、それだけである程度満足だったりする。 特にペネロープは小ネタがどれも面白かったし。 んまぁ、ある程度無難にまとまってて、後は女性キャラが可愛ければ、それだけである程度は満足できちゃうもんでねー。
(2004年)


ジーパーズ クリーパーズ  Jeepers Creepers
本当にヒットしたの?
  アメリカでは意外なヒット作となったらしい、都市伝説を題材にしたホラーもので、 一応、コッポラ製作総指揮という話。 しかし、毎度毎度のことながら、 Executive Producerを“製作総指揮”って訳すのは、本当にどうかと思うんだが。 全くもって指揮してなさそうだし。
  序盤は雰囲気も良く、展開も悪くないので、それなりに恐怖感・緊張感があって良かったんだけど、 怪人の姿が実際に明らかになっていくにつれ、ドンドンと萎えていってしまった。 予想に反して、どちらかというと典型的なスラッシャー、ブギーマンタイプのホラームービー。 大体このテの映画って、初代が良くできててシリーズ化して一気にグダグダになっていくわけだけども、 この映画の場合、初代にして既に相当グダグダな感じ。 ヒットした理由がわからん。


ジェイソンX  Jason X
ハナからホラー映画としては期待してなかったけどね・・・
  ホッケーマスクを付けた殺人鬼「ジェイソン」でお馴染み、 「13日の金曜日」のシリーズ第10弾であると共に、 新展開という意味も込めてのこのタイトルなんだろう。 つか、これまでに9作も出てたってのが驚きだ・・・。 なんせ、舞台は現代から約450年後。 現代で(殺しようがなくて仕方なく)冷凍保存されたジェイソンなんだけど、 450年後の未来、荒廃しきった地球へ探査にやってきた 探査チームがそれを発見、母船に持ち帰ってしまう・・・という流れ。 よって、舞台はその宇宙船内ということになる。 探査チームとは言うものの、学生の実習で、なぜか兵士の護衛付き。
  とりあえず、序盤からの流れは、 その兵士vsジェイソンってとこもあって、 まぁ「エイリアン」的というかなんというか。 最後の流れも似たとこがある。 かといってそれだけではなく、 学生たちが主人公ってことで、 いかにもアメリカンなアホ学生っていうとこは、 このテのホラーモノの定番なんだろう。 必要以上に色気づいてるとこが、いかにもな感じで笑える。
  話の流れ的には「ハァ?」な部分も多く失笑することしばしばなんだけど、 テンポが悪くないのが救いか。 意外に(というか、ある意味予想通りに)ホラー要素は弱く、 グロいシーンはあるけど、怖い映画ではない。


ジェヴォーダンの獣  Le Pacte des Loups
意外にアクション映画として楽しめるデキ ★
  フランス映画っていうと高い芸術性と恋愛映画っていうイメージがあるんだけど、 これは中世を舞台にしたアクションモノ。 そのアクションにはなかなかキレがあって、やはりというか、香港系の人が絡んでるらしい。
  時は16世紀フランス、片田舎のジェヴォーダン地域に、突如正体不明の“獣”が現われ人々を襲い始めた。 主人公はその獣の招待を探るべく国王から派遣された、インディアンを従者に従えている自然科学者。
  正直、序盤から中盤にかけてはどうなることかと思った。 話の流れは散漫だし、いかにも今風なスロー、一時停止、早送りで演出したアクションも浮いてるし、と。 でも、中盤から終盤の流れで一気に持ち直した感じ。 話も一気に展開していくし、(なぜか特殊演出が抑え目になって)アクションも一気に映えた。 ただし、中盤までのアクション担当はインディアンの従者だったのに、 中盤から突如、主人公がスーパーマン化したとこには強い違和感を感じてしまったけども。 その前にもうちょっと主人公の強さを、さり気なく暗示しといてほしかったな。 ハデさはないものの、風景の美しさもポイント高し。 同じような「ヴィドック」よりは、素直に楽しめた映画だった。


シックス センス  The Sixth Sense
サイン&アンブレイカブルを先に見たのは正解かも ★
  M・ナイト・シャマラン監督の名を一気に世に知らしめた、大ヒットサスペンスホラー映画。 幽霊が見えてしまうという少年にハーレイ・ジョエル・オスメント、それを救おうとする小児精神科医をブルース・ウィルスが演じている。
  自分は公開とは逆に「サイン」→「アンブレイカブル」→「シックスセンス」という流れでシャマラン監督作品を観てきたわけだけども、 何かに怯える少年は、実は幽霊が見えてしまうのだった・・・という流れ自体は、やっぱりネタ的に陳腐な感じは否めない。 そこに、シャマラン監督独特の緊張感を上手く演出しながら静かなテンポでねちっこく描いていくという作風は、他の2作品と全く変わらない。 ただ、最後にひとひねり効いてたってのが、他の2作品と違うところだろう。 なるほど納得、正直、上手いと思った。
  また、オスメント少年の子役離れした演技力は当時から非常に話題になってたし、 彼がいてこその「シックスセンス」ではあるんだけども、ブルース・ウィリスもその微妙さが絶妙にマッチングしてる好キャスティング。 「アンブレイカブル」といい、シャマラン監督の独特のテンポに合ってるんじゃないかな。


シックス デイ  The 6th Day
さすがに老いが隠せない
  シュワルツネッガー主演の最新作で、クローンをネタにした近未来SFアクションムービー。 テーマ的にベタで、ベタなりにソコソコな感じ。地味め。
  しかし、久しぶりにシュワちゃんを見たけど、さすがに老いたな〜。 で、演技は相変わらず。 それでも、あの人の切羽詰った時の表情には、確かに魅力があると思う。


60セカンズ  Gone in Sixty Seconds
車に興味がないとダメっぽい
  さすがブラッカイマーな、バカゲーならぬバカ映画。 車盗みに目をつけてそのネタで押し切ったのは良かったんだろうけど、 なんともスパイスに欠けてイマイチな印象。 まぁ、本来は数々の車たちがスパイスの役割なのかもしれない。 いかんせん、自分は車に興味がないからなぁ・・・。
  で結局、何が“60秒”だったんだろ?


ジャージー デビル ブロジェクト  The Last Broadcast
ブレアよりは面白かった
  「ブレア ウィッチ プロジェクト」と似たようなコンセプトで、 かつ、より以前に作られたという話の低予算映画 (少なくとも、ほぼ同時期に作られたのは確からしい)。 ジャージー・デビルを撮るために森の中に入っていったTVクルーが、 惨殺死体で発見され、唯一の生き残りが容疑者として逮捕されたというのが大筋。 「ブレア」がそれを実録という形で描いたのに対し、 本作は「真相はどうなのか?」という立場のドキュメンタリー番組という形になっていて、 作り自体は「ブレア」より巧妙、なかなか引き込まれるものがある。 キャッチーさでは「ブレア」に劣るものの、 概ね、こっちの方がよくできた映画だと思う。 その邦題のつけ方といい、 どうしても二番煎じ、パチモンといった扱いを受けてしまってるわけで、 不運としか言い様がない。
  ただ、最後のオチが腰砕けだったんだよなぁ・・・。 アレに驚いたって人もいるようだけど、自分はむしろ蛇足だったと思う。 むしろ、ドキュメンタリー風で通してほしかった。


ジャスティス  ...And Justice for All
若き熱血アル・パチーノ&良質なドラマ ★★
  アル・パチーノ演ずる若き熱血弁護士は、とある裁判で担当の有力判事と激しく対立してたんだけど、 その判事が婦女暴行罪で起訴され、彼を弁護人として指名した・・・というのを軸に描く、裁判系社会派ドラマ。
  といっても、サスペンスタッチではなく、 あくまでも当時の裁判の現状に対する風刺を交えながら、彼を取り巻く様々な状況を描いていくドラマ風。 で、「このまま最後まで行っちゃうのかな?」と思わせといて、中盤からは話が一気に展開していき、 それが最後のオチに繋がっていくという作りは上手く、中盤以降はかなり没頭して楽しむことができた。
相変わらずのアル・パチーノの熱血っぷりは楽しかったし。
  惜しむらくは、音楽が質、使い方共にさすがに古臭かったことか。 テクノロジーな映画ではないんで、絵的には全然違和感がなかったんだけど・・・。 仕方ないっちゃ仕方ないんだけどねぇ。 あと、いまいち余韻が感じられない最後の終わり方であるとか、 非常にピンポイントでポップに笑わせようとしてる部分があるんだけど、それが若干場違いに感じられることも。 ヘヴィーなまま突っ走ってほしかったな。
(1979年)


シャドウ オブ ヴァンパイア  Shadow of the Vampire
映画のネタ自体が個性派俳優対決に食われてしまった
  レトロな吸血鬼映画「ノスフェラトゥ」の吸血鬼役は本当に吸血鬼だった、というif設定の映画で、 その映画監督役にジョン・マルコビッチ、吸血鬼役にウィレム・デフォー (ただし、こちらは特殊メイクがキツくてほぼ判別不能)。
  途中までは、デフォーの演技かかりすぎな演技が笑えるだけの映画だったんだけど、 最後まで見て割と納得。割と。 それでも、結局、二人の俳優の個性を楽しむだけの映画で終わってしまった感があるのは残念。 元の「ノスフェラトゥ」を見とけばまた変わったのかな?


シャンハイ ヌーン  Shanghai Noon
設定&配役なりの無難な面白さ ★
  「ラッシュアワー」に続く、 ジャッキー・チェンの本格的なハリウッド進出第2弾で、 最近、続編の「シャンハイ ナイト」がアメリカでスマッシュヒットしたのも記憶に新しいところ。 共演は、「エネミーライン」で主演、「I Spy」でエディ・マーフィーと競演した、 若手の注目俳優オーウェン・ウィルソンで、ヒロインはルーシー・リューという、 今ならもっと金がかかるんだろうな〜という面子。
  舞台は、辮髪な中国に西部劇なアメリカという時代で、 さらわれてアメリカに連れて行かれてしまったお姫様(ルーシー・リュー)を助けに行く、 ちょっとドジな皇帝親衛隊がジャッキー。 んで、そのアメリカでヒョンなことから出会い、 共に旅をすることになる、口だけがたつならずものがオーウェン・ウィルソン。
  んまぁ、話の整合性であるとか、 設定のリアリティとかをつっこむべき映画ではないんだろう。 「サヨナラ」に「カラテ」といった単語が出てきちゃうのもイタい。 んでも、軽いオーウェンといつも通りなジャッキーの掛け合いは実に楽しく、 かなり笑わせてもらったし、 アクションにしても特出すべき点は少ないものの、 あまり大掛かりな仕掛けがない分、アクションそのものに結構迫力があってグッドだった。 意外に最近なかった多彩な武器を使うジャッキーのアクションはさすがだし、楽しい。 設定等で「うーん・・・」なとこを除けば、「ラッシュアワー」より面白かったな。


シャンハイ ナイト  Shanghai Knights
キャラだけは良いが、概ね前作に及ばず
  スマッシュヒットだったらしい「シャンハイヌーン」の続編。 前作が「真昼の決闘(High Noon)」のパロディタイトルで、今回はヌーン(真昼)に対してナイト(夜)としながら、 実はknightのナイトで、英国を舞台にあの二人が暴れまわるという、なかなか凝ったタイトルのつけ方となっている。
  というわけで、主演は前作同様、ジャッキー・チェンとオーウェン・ウィルソンの二人。 とりあえず、その配役なりに楽しめたというのは前作同様。 いかにもなジャッキーのアクションは満載だし、スットボケたオーウェンのキャラも超ナイス。 共にらしさは十分に発揮されてたし、二人とも好きな自分としてはそれだけで結構満足ではある。
  ただし、まぁ内容が内容だけに話の説得力とかは置いとくとしても、 (何か狙いがあるんだろうけど)場違いで緊張感に欠けるだけのBGMの使い方と、 あまりにもくだらなすぎる小ネタで、総合的には前作以下という印象だった。 二人のキャラが良いんだから、必要以上にコメディー色を強めることはないと思うんだけどな。 敵ボスらの最期にもキレがない。
  決して美形とは言えないヒロイン(ジャッキー演ずるウェインの妹という設定)が、 意外とチャーミングだったのは良かったのだが、 綺麗なストレートヘアーとカッコいい衣装に誤魔化されてるような気がしないでもない。
(2003年)


十二人の怒れる男  12 Angry Men
全く色褪せない名作 ★★★
  法廷サスペンスの古典的名作。 舞台は、父親殺しの容疑がかけられた青年に対する裁判の判決前の陪審員室で、 12人の陪審員がその審判を下すために話し合うというだけの映画。
  しかし、なるほどこれが非常に面白い。 状況的には容疑者が圧倒的に不利で、有罪で即決するかと思われたが、陪審員の一人がそれに異議を唱える。 そこから喧々諤々の議論が始まり、明らかと思われていた証拠に疑問が生まれ、 一人、また一人と無罪の立場になっていく、と。 場面転換や、時間的なハショりがなく、つまり、リアルタイムかつ(ほぼ)一室で物語が進行していくんだけど、 12人の陪審員のキャラクター設定が面白く、その緊張感とテンションの高まり具合が絶妙。 時間を忘れて没頭してしまった。 蒸し暑い夏の夕暮れ、扇風機は壊れており、エアコンもない陪審員室。 物語のテンションが上がってくにつれ、段々と陪審員たちが汗ばんでくっていうのも上手かった。
  しかし、自己主張がニガテで議論がヘタな日本じゃ、こういうドラマは作れないんだろうなぁ。
(1957年)


シャフト  Shaft
TVでもできそう
  主演はサミュエル・L・ジャクソン主演。たしか、かなり古いネタのリバイバルだったはず。
  イカした黒人刑事シャフトが大暴れするアクションムービーかと思いきや、なんとも地味な内容。TVでもできそうだ。 そもそもあまりアクションな内容でもなく、事件も地味。 かといって社会派ドラマってワケでもなく・・・。シャフトのキャラもよくわからん。 全くツマランってほどでもないんだけど、いまいちウリが見えてこない映画だった。
  ただ、全体的にBGMは良く印象に残ってる。


呪怨
まさにジャパニーズホラー ★★
  予想以上の成功を収めたハリウッド版「リング」に続き、 やはりハリウッドリメイクが決定してる和製ホラー映画。 久々にヘッドフォン付けてのビデオウォッチングとなった。
  なるほど、こりゃコワいわ。 やり過ぎてギャグっぽくなっちゃってる部分が無きにしも非ずではあるんだけど、 ポイントポイントでは上手く見せてたし、面白いアイデアも盛り込まれ、 古典的な和風ホラーと、現代的なホラーを上手い具合にミックスしてたと思う。
  前後関係バラバラに語る手法も、何となく今風。 欲を言えば、もうちょっと上手く話をまとめてほしかったところではあるんだけども。 結構勢い重視なとこがあって、思い返すと「アレ?」という話なもんで。
  しかし、「リング」以上に和風っぽいテイストが生かされてる映画なだけに、 果たしてこれをどうやってリメイクするんだろ?   まぁ、こういうテイスト自体が、向こうでは新鮮なのかもなぁ。


シュガー ヒル  Sugar Hill
アクション要素のないスナイプス映画 ★
  ウェスリー・スナイプス主演の、ハーレムを舞台にした黒人の社会派ドラマ。 アクション的な見せ場が皆無なことに肩透かしを食らったものの、 当時のなんとも救えない状況の描写はグッドで、そこそこ面白かった。 ただ、やっぱり当時の社会的な状況を知っててナンボな映画なんだろうなぁ・・・。


シュレック  Shrek
ディズニーとはまた違ったテイストのフルCGアニメ ★
  ドリームワークス最大のヒット作となった、CGアニメ映画。
  なるほど、予想以上に面白かった。 技術的にも当時としてはイロイロと新しいことをやってるらしいけど、 リアリティっていう面では、「FF」の後だとそれほどのインパクトはない。 ただ、そういった技術を面白さに直結させてるのがスゴい。 白雪姫、ピノキオ等のおとぎ話を現代的な味付けをして描いてて、 これが、ディフォルメとリアリティーというCGアニメと上手に合致してたし、その狙いが非常に上手くいってる。 さらに、ちょっと下品なところ、ノリのいいBGM、など、ディズニーのとは違う俗っぽさが存分に生きてた。 キャストでは、ロバ役のエディー・マーフィーが、マンマな感じでハマりすぎ。 シュレックは割とフツー。というか、この映画の中では一番の常識人って感じだし、そのギャップが面白いところ。
  スケール感の違いで面白さを演出してたディズニーモノのCGアニメとはまた違った形で、 CGアニメの可能性を感じさせてくれた作品だった。


シュレック2  Shrek 2
小ネタ満載のfunnyな映画 ★★
  予想以上の大ヒットとなったフルCG映画「シュレック」の続編。 本作は劇場公開当時、「ファインディング・ニモ」とのバッティングを避けて公開を延ばしたんじゃ? とか言われたりもしてたんだけど、 結果的には、その「ファインディング・ニモ」(これも大ヒット)を超え、 アニメ映画としては最大のヒット作となったらしい。 例のごとくというか、日本(だけ?)ではイマイチ振るわなかったようだが・・・。
  やはり、総合的には、一連のピクサー作品の方が好み。 ただ、このシリーズのウリは、CGの写実性と続っぽい一発ネタの数々にあるわけで、 その点では確実にパワーアップしており、十分に楽しめた。 とにかく、CGのクオリティは高い。 部分的には、それこそ実写と区別が付かないし、壮大でファンタジックな風景も見事。 数々の小ネタも非常にオモロイ。 特に、長靴をはいたネコ(声はあのアントニオ・バンデラス)と、ピノキオのネタはほぼ百発百中。大笑い。 パロディ要素が多いのも魅力のひとつだろう。 心に残る映画ではないけども、瞬発的な面白さはかなりのもので、自分的には前作以上に楽しめたな。
(2004年)


ショウタイム  Showtime
(期待以上ではないものの)期待通りに楽しめた ★
  一時の低迷期を抜け、 「ナッティー・プロフェッサー」あたりから復活してきたエディー・マーフィーと、 名優と言われながらも、それ以上に仕事を選ばないという印象が強いロバート・デ・ニーロ共演の、ポリスアクション。
  とあるヘマをやらかした無骨でガサツなベテラン刑事(デ・ニーロ)が、 そのヘマの代償として、24時間密着のドキュメンタリー風刑事TVへの出演を強いられる。 そのパートナーに選ばれたのが、 芸能界の強い憧れを持つ口だけは達者な若い黒人警官(エディー・マーフィー)。 最近の密着ドキュメント系TVへの皮肉混じりに、 コンビ警官という非常に古典的でベタなテーマを描いていく。
  その設定が面白かったし、 デ・ニーロとエディー・マーフィーの2人のキャラの対比も効果的で、なかなか面白い映画だった。 こういう深刻になり過ぎないデカアクションは久しぶりだったこともあって、割と堪能してしまった。 適度に見せ場もあり、テンポも悪くなく、見せ方自体にもソツがない。
  が、「素材の良さの割には・・・」という印象が強く残るのも事実。 大元となる犯罪のビミョーさ、 二人が理解を深めていく段階的な描写の雑さ、 マスコミへの皮肉の中途半端さなどが上手く消化されれば、 相当に良い刑事アクションになったように思うだけに、非常に勿体無かった。
  しかし、カーク艦長ことウィリアム・シャトナー、太ったな・・・。 一瞬、誰だか分からなかったよ・・・。


処刑人  The Boondock Saints
奔放なだけじゃない良作 ★★
  神のお告げにより・・・というよりも、 割と流れで悪人を殺すことになっていく兄弟のお話。 その兄弟を追うFBI捜査官には怪優ウィレム・デフォー (ヒロミをもっと骨ばった感じにした人ね)。
  途中までは、まず現場を映してその後に犯行シーンを映すという手法と、 ウィレム・デフォーの怪演だけが目立つ、 タランティーノ風味の奔放なクライムムービーかと思ってたんだけど、 終盤の流れにはニヤリとさせられた。 クラシック、テクノ、ロックとカオスなBGMも合ってたし、 必要以上に奇をてらうことなく、かといって退屈にならない演出も良し。 思ってた以上にグッドな一本だった。
  しかし、毎度毎度のことながら、 邦題の「処刑人」だと原題の「The Boondock Saints」の持つ意味を表現しきれてないよなぁ。


ジョニー イングリッシュ  Johnny English
終盤にもう少しキレがあればなぁ・・・
  Mr.ビーンでお馴染みのローワン・アトキンソンが主演するコメディスパイ映画。 まぁ要するに、普通に喋れるMr.ビーンがジェームズ・ボンドみたいなことをする映画と思ってもらって間違いない。 ちなみに、敵の大ボスに扮するはジョン・マルコヴィッチ。
  とりあえず、ウンコまみれになっちゃったり、 葬式で暴れたりと、ムダにエグいとこはあったけど、想像していた程度には面白かった。 それなりに笑わせてもらったし、パンチの効いたジョニーのキャラに対し、 当たりさわりのない感じのジョニーの部下(相棒)のボフがいい味出してた。 ちょっと予想通りのオチというか流れが目立ったものの、 ネタそのもので笑わせるというより、そのときのジョニーの表情などで笑わせる映画なんだろう。
  ただ、話の大筋の説得力とかはまぁどうでもよかったんだけど、 最後の最後に敵ボスがボロを出すシーンが唐突&説得力に欠けるもんで、 どうにも締りがない感じになってしまったのは頂けなかった。 ヒロインがジョニーに惹かれるのも唐突だったし、 そこらへんも含めて、もうちょっと尺の長い映画にしてもよかったんじゃないかな、と。
(2003年)


ジョンQ 最後の決断  John Q
甘いが ★
  急に息子が心臓移植でしか助からない難病に倒れてしまった低賃金労働者が、 病院からも、保険会社からも見捨てられ、 最後の手段として病院ジャックを行うという話。
  TVの予告編から想像した以上でもなければ、それ以下でもない内容。 正直、社会派ドラマとしちゃ、甘っちょろすぎ、話できすぎ、いい人多すぎだとは思う。 けど、たまにはこういう話もいいかな、と。 あくまでも社会保険制度に対するアンチテーゼということなんだろう。 まぁ、デンゼル・ワシントンの熱演が光る、ヒューマンドラマの佳作といったところ。
  「邦題ではアリガチだよな〜」とか思ってた“最後の決断”という副題も、 二重の意味を持たせたなかなかのナイスアイデアだった。


仁義なき戦い
まさにジャパニーズウルトラバイオレンス ★★★
  説明不要であろう故・深作欣二監督の代表作で、戦後の日本を舞台に、実話のヤクザ抗争を描く映画。
  写実的なバイオレンス表現は、まさに和製スーパーバイオレンス。洋物とはまた違った迫力がある。 舞台が舞台なだけに、映像的な安っぽさ、古臭さも皆無。 で、主演の菅原文太のカッコよさは、もはや“異常”と言ってもいい程。 梅宮辰夫も、実にカッコいい。 他にも、エッジのきいた狂犬っぷりが印象的な渡瀬恒彦や、 キャスティングを見るまでそれと気付かなかった金子信雄、 逆に今のまんまな田中邦衛&松方弘樹など、それ以外のキャスティングもそれぞれ印象に残る。 実話なだけに、話の構造にスゴい面白みがあるわけではなく、 人物群像タイプの映画となってるわけだけども、 そのスピード感、臨場感に圧倒されて、アッという間の2時間だった。 相当にシビれた。 シブいラストも良かったな〜。
  ただ、例のテーマミュージックが、あまりにもネタとして使われすぎてたもんで、 それを聞くだけでちょっと笑ってしまうわけだが。


仁義なき戦い 広島死闘篇
前作ほどのインパクトはないが ★★
  前作の公開から約3ヵ月後に公開されており、続編というよりもシリーズ第2部といった感じなんだろう。 時代は前作の中盤くらいから始まり、舞台を呉から広島に移して、激しいヤクザ抗争を描く。
  今回、菅原文太の出番はかなり地味で、主演に相当するのは北大路欣也。 その狂犬っぷりはなかなか見応えがある。 狂犬っぷりではその上をいく千葉真一や、 本作で最も(人間的に)男前な役を演ずる成田三樹夫など、 キャスティングの良さは相変わらず。 特に、ヒロイン(っていう表現もこの映画でどうかと思うが)のコが、 田中麗奈をもっとツヤっぽくした感じの人で、非常に好印象だった。
  前作に比べると若干パンチに欠けたところはあるけど、 前作同様、実話がベースの人物群像タイプの映画ながらも、 話の軸っていう意味では、前作よりシッカリしてたと思う。 リアリティのある描写、スピード感、テンポの良さなどは当然継承してるけど、 意外や意外、例のテーマは(多分)全く使われてなかったりする。


仁義なき戦い 代理戦争
なんだか普通な感じに・・・
  やはりかなり短いスパンで公開された「仁義なき戦い」第3部。 当然前作の後の話で、また、菅原文太演ずる広能をフィーチャーした内容になってる。
  前2作に比べるとかなりインパクトが弱く、なんだか普通のドキュメンタリー風映画になってしまったな。 話にも全然まとまりがないし。 まぁ、監督どうこう以前に、原作(というか実話)的にやむを得ないところなんだろうけども。 キャスティング的には、山守組若頭役の小林旭が印象的。 この人ってビッグネームな割にその良さが全然伝わってこなかったんだけど、これを見ると結構納得。 実にカッコいい。また、チンピラ全開の渡瀬恒彦も良かった。


仁義なき戦い 頂上作戦
んー、いよいよ・・・
  これまで同様、テンポよく公開されていったシリーズ第4作で、 今回は特に、“前作のその後”っていう傾向が強い作品となっている。 というわけで、その作りも前作と酷似。 あくまでも過去のヤクザ社会のドキュメンタリーの群像描写であって、 初代、2作目ほどのインパクトはないのは当然としても、 コレっていう見所がなく、かなり散漫な感じは否めない。
  さらに、キャスティング的にも見所はない。 菅原文太演ずる「広能」は、登場機会は少なめで、主演という扱いではないし、 小林旭も(かろうじてカッコいい印象は残ったけど)活躍の場は少ない。 期待の黒沢年男も意外に地味だったし、また違った役で登場の松方弘樹も同様。 田中邦衛の出番も少ない。
  まぁ、ドキュメンタリーということで、やむを得ないんだろうけどねぇ・・・。


仁義なき戦い 完結篇
でも、最後でちょっと盛り返した ★
  1年半も経たぬ間に5作が次々と公開された「仁義なき戦い」初期五部作の完結編。
  例のごとくドキュメンタリー風の作りということで、 誰々が主人公ってのは言いにくいんだけども、 少なくとも菅原文太演ずる「広能」は(キーパーソンでありながらも)出番は少ない。 一番目立つのは、天政会を小林旭から引き継ぐことになる北大路欣也かな。 2作目同様、なかなか熱い演技だった。 ちなみに、松方弘樹もまた違う役で復活してたり。 他のキャスティングの新顔では、武闘派で暴走気味の天政会幹部を演ずる宍戸錠、 広能組若頭の伊吹吾郎(水戸黄門の前の角さんね)あたりが目立つところ。 まぁ、話があまりまとまらないのは実話ベースの映画としてはやむを得ないだろう。 さらに、起きる出来事の過激さっていう意味でも若干おとなしめ。 ただ、今回は人間関係に面白みがあったし、 ヤクザ社会の世代交代を印象的に描いてる完結編に相応しい一本だったと思う。 前々作、前作に比べると、話の筋となる人物がハッキリしてたのが良かったんじゃないかな。
  シリーズ通して考えれば、五部作通じてのキーパーソンが菅原文太演ずる広能なのは間違いないけど、 小林旭、北大路欣也らの奮闘があってこその仁義なき戦いだろうな〜。


新・仁義なき戦い
別モノであるにしても、だ
  1976年の8作目「新仁義なき戦い 組長最後の日」の後、 菅原文太も出ず監督も深作さんではない1979年の「その後の仁義なき戦い」を最後に途絶えていた 「仁義なき戦い」シリーズが、「どついたるねん」の阪本順治監督によって久々の復活となった。 自分は初期5部作しか見てないので、そのイメージで入っていったんだけども・・・。
  そもそもこのシリーズ、元々は“実録ヤクザ映画”だったのに、今回は思いっきりフィクションな模様。 そのギャップがデカすぎた。 実録っぽく凄惨ながらも淡々と描いてた初代5作に比べると、シナリオ的な演出過多が気になるところ。 布袋寅泰による音楽は、部分的にバシッとハマってたところもあったけど、 やっぱり大ゲサに感じられることもしばしば。 まぁ、巨大ヤクザ組織の跡目争いが題材で、そういう意味では無難に面白かったのも確か。 冷静ながらも実は暴れん坊な小さな組の若き組長で主演を演ずる豊川悦司と、 彼と幼馴染であるコリアン社会の実力者を演ずる布袋寅泰は良かったと思う。 布袋の舎弟のような在日韓国人役に哀川翔という配役も意外性があってよかったし、 他では岸部一徳がいかにもな感じで存在感アリ。
  テンポも悪くないし、緊張感もあって、「仁義なき戦い」を名乗らなければ・・・とは思うけど、 胸を張って「良作!」というには、もう一味足らない感じも受けた。 それは、バイオレンスの演出だったり、主演の二人の間にあるドラマだったり、 最後の流れのもう一捻りだったりするわけなんだけども。


シンプル プラン  A Simple Plan
「ファーゴ」とダブるけどこっちの方が好き ★★
  原作はベストセラー小説とのことで、 監督は、最近では「スパイダーマン」を撮ったりしたサム・ライミ。
  出産間近の奥さんがいる主人公、独身で失業中のその兄、 既婚でやはり失業中の兄の親友の3人が、 雪山で偶然に墜落機を発見し、その中から440万ドルという大金を見つけてしまう。 その大金を頂いてしまおうという話に落ち着いたものの・・・っていうのが映画の導入。
  要するに、分不相応の悪事をはたらいたり、分不相応の大金を持ったりすると、 結局は身を滅ぼすことになるというお話。 予想通りの泥沼状況に陥ってくんだけど、 人間関係がなかなか巧妙で、 終盤の展開も意外だったしと、非常に面白い映画だった。 雪の降りつづける田舎町が舞台となっているし、 「ファーゴ」とダブるところがあるんだけど、 個人的にはこっちの方が楽しめたな。


スウィート ヒアアフター  The Sweet Hereafter
こういう映画であまり酒を飲んじゃいかんね
  カナダ出身の映画監督アトム・エゴヤンの出世作。 一応、最後に「なるほど」と思わせるシナリオらしいけど、 酒を飲みながら観たということもあって、よくわからないまま終了。 いや、大筋は理解したつもりなんだけど、その確信が・・・。


ズーランダー  Zoolander
極めて良質なおバカコメディー ★★
  結構お金をかけた作りと、豪華なカメオ出演に、一昔前風のBGMと、 どこかしら「オースティンパワーズ」が頭に浮かんでしまう、おバカなコメディー映画。
  超売れっ子でおバカなスーパーモデルの主人公「デリック・ズーランダー」に 「ミート・ザ・ペアレンツ」のベン・スティラー、 彼を脅かす存在である脅威の新人スーパーモデルにオーウェン・ウィルソンという、 「ザ・ロイヤル・テンエンバウムズ」でも競演した二人は、 なるほど、カッコいいけどおバカな役にピッタリだし、 演技もシッカリしてるのが強みなんだろう。 他に、ミラ・ジョボビッチ、デビッド・デュカブニー(「X-FILES」のモルダー役の人ね)らが出演してるけど、 さらにカメオ的な出演では、 デヴィッド・ボウィ(これは必見)、ウィノナ・ライダー、クリスチャン・スレーター、 レニー・クラヴィッツ、スティーブン・ドーフ、ナタリー・ポートマンなど、 自分が見ても豪華と思えるレベルになっている。 ・・・となると、ヒロイン役がちょっと物足りなかったかもなぁ。 ちなみに、主演のベン・スティラーは監督でもある。
  正直、「オースティンパワーズ」ほどのパンチ力は無い。 アレに比べると、おバカな弾けっぷりはやや中途半端だし、絵的なポップさにはやや欠ける(一貫性がないというか)。 でも、嫌味じゃない程度におバカな主人公デリックを初めとした各キャラクターはちゃんと立ってて、 くだらない大ネタ・小ネタ共々なかなか笑わせて貰った。 下品なネタも少ないし、割と無難に楽しめるんじゃないだろうか。 最後のオチもちゃんと決まってたし、話の筋が意外にシッカリしており、結構な充実感もある。 決して、「オースティンパワーズ」を安易に追従しただけの映画ではないと思うな。 とりあえず、「リトル・ニッキー」とは大違いというか、むしろ「オースティンパワーズ」より好きかもしんない。
  「ザ・ロイヤル・テンエンバウムズ」との連チャンで、 オーウェン・ウィルソンは元より、ベン・スティラーにもハマってきた今日この頃。


スコア  The Score
地味
  主役の老練なプロの窃盗犯を演ずるのはロバート・デ・ニーロ、 そこに話を持ちかける若いキレ者窃盗犯がエドワード・ノートン、 そんな二人によるクライムムービー。
  窃盗される側に大したドラマがあるわけでもなく、 あくまでも窃盗する側をメインで描いた映画になっている。 ド派手な銃撃戦やアクションシーンがない代わりに、 窃盗の緊張感みたいなものは上手く表現できてたんだけど、さすがに地味すぎか。 もうひとひねり欲しかったところ。 良くも悪くも佳作という言葉がピッタリの映画で、 地味なんだけど結構面白かった、というより、 結構面白かったんだけど地味すぎた、そんな印象が残る一本だった。


スコーピオン キング  The Scorpion King
せめて、もうちょっと敵キャラに魅力があれば
  「ハムナプトラ2」で意外にインパクトがあったらしい、 WWEのスーパースター、ザ・ロックが演じたスコーピオンキングを主人公にした外伝的な映画。 当然主演はザ・ロックで、彼はこれを機に本格的に俳優の道を進むことになったとか。
  大昔、スコーピオンキングが王になる過程を描いた映画で、ヒロイン役は「X-MEN 2」でデスストライクを演じたケリー・ヒュー。 主演のザ・ロックは、演技、アクションシーン共に無難な感じ。 もちろん彼の肉体は流石なんだけども、 スコーピオンキングと共闘することになるとある部族の王を演ずるマイケル・クラーク・ダンカンが、これまたスゴい身体をしてる。 この人、そのままプロレスラーになれそうだな・・・。 一方で、肝心の敵役がかなりイマイチ。 蹴りには意外にキレがあって綺麗なフォームだったりするんだけど、 あまりにもパンチがないって・・・。剣の達人という設定にも説得力が無い。
  まぁ、舞台設定の独特さはあれど、さほど絵的にインパクトがあるわけでもなく、 全体的には比較的オーソドックスなアクション映画と言えるだろう。 さほどチープな感じはしないし、テンポも悪くなく、ひと通りの要素が詰まってるものの、小さくまとまってしまった印象。 剣で斬っても血が出なかったりと、暴力描写も大人しめ。 せめて、もうちょっとアクションシーンでコレっていう見せ場があればなぁ。 最初のアクションシーンはまずまずだったのに、それ以降、スコーピオンキングの超人的な強さが影を潜めてしまったのが残念。 また、彼が弓の達人という設定を、もうちょっとアクションシーンで生かして欲しかったところだ。


スターウォーズ エピソードI ファントム メナス
Star Wars: Episode I - The Phantom Menace
なんだかんだいって楽しかったんだが
  (特に前半は)説明と無駄が多く、どうにもイベント同士の繋がりの悪さが気になったけど、 なんせスターウォーズ、オープニングのテーマ曲が流れた時点で鳥肌。 ビジュアル的な見所は豊富だし、結局、大満足。 あと、アミダラの衣装の変わりっぷりにはウケた。 とりあえず、単体で見ても、「インディペンデンスデイ」よりは見れる映画なはず (って、全くフォローになってないか・・・)。
  ただ、やはりCGキャラと実写キャラが馴染むのには、 もうちょっと時間が必要だろうなぁ・・・。ホントにあとちょっとだとは思うんだけど。


スターウォーズ エピソードII クローンの攻撃
Star Wars: Episode II - Attack of the Clones
次回作が楽しみという意味ではシリーズ随一 ★
  相変わらずスターウォーズなわけだけども、 とりあえず、見所が見所として機能してるというか、 前作に比べると、散漫な感じは随分と軽減されてると思う。 またしてもアミダラの服装七変化にニヤリ、 帝国のテーマの使い方にニヤリ、 機敏なヨーダにニヤリと、小ネタも効いてる。 で、いよいよ話がデカくなってきて、 エピソードIIIがどうなるのか、 どういう風に初代スターウォーズに繋がってくのか、 ストーリー的にも興味を持てる。
  まぁ、VFXが異常にパワフルな上に、見せ場が多いので、 逆に「ここ!」っていう感じで印象に残るアクションシーンは無かったんだけど、 それは贅沢ってもんか。
  しかし、フェット親子って、共に散り際がアッサリだよな・・・。


スタートレック  Star Trek: The Motion Picture
懐古主義的な畏敬の念も含めて ★
  随分昔に一度見たんだけど、久々に見直してみた。
  とりあえず、ピカード艦長に慣れてしまうと、カーク艦長はなんとも新鮮。 「The Motion Picture」という副題の通り、 「映画だとこんなビジュアルができるぞ」的なアピールっぽいカットが目立って、 長さの割には内容が無い気もするけど、SFっぽいネタで面白いと思う。
  しかし、冒険活劇を期待したTV版のファンには、そりゃ不評だったろうなぁ・・・。


スタートレックVI 未知の世界
Star Trek VI: The Undiscovered Country
それでもカーク艦長はカッコいい ★
  シリーズ第6作は地球連合とクリンゴンの和平の話で、退役間近のカーク艦長が奮闘するという内容。
  まぁ話の展開はウソ臭いとこも多いんだけど、やっぱりカーク艦長がカッコいい。 ラスト近くでのクリンゴン船にトドメの一撃を加える時の「Fire.」の一言がカッコいい。「Fire!」じゃないんだな。 スールーは別の艦の艦長になっていて、またこれが熱かったりと、 馴染みのクルー、宿敵の存在、そういうモノがあって成り立つ映画なわけで、 やはり、それまでの積み重ねの重みも感じる。
  もちろんTNGの方が好きなんだけど、初代には初代の良さがあるよなぁ、と今更ながら思ってしまった。


スタートレック 叛乱  Star Trek: Insurrection
良くも悪くもTVと変わらぬ面白さ
  スタートレックTNGの映画最新作。 面白いか面白くないかで言えば面白かったんだけど、いかんせん話が地味で、TV版の2週連続モノでも表現可能な感じの話。
  しかし、さすがにメンツが老けたような・・・。次にあと一作くらいTNGの大きな作品が作られそうな予感が。


ストランデッド  Stranded
予想外というか期待外の展開に呆然
  「バッファロー66」のヴィンセント・ギャロ主演の、スペイン産SF映画(でも音声は英語)。
  史上初の有人火星探査船が、火星への降下時にトラブルに見舞われて墜落。 クルー5人は何とか生き残ったものの、救助が来るまで生き延びるためには2人分のリソースしかないことが判明し・・・という話。
  その話の大筋を見たときは、リアリティ重視のSFパニック映画かと期待したんだけど・・・。 案外そこらへんは早めに話がついてしまい、終盤には意外な展開が待ってる。 で、大したオチがつかないままに終了(というか、アレをオチとは言わん)。 どうにも、話のポイントが見えてこない映画だった。 こういう方向性で説得力を持たせるには、絵的な力不足もアリアリ。 2002年の映画とはとても・・・。 また、ヴィンセント・ギャロを初めとして、 クルーに“重大任務にあたる宇宙飛行士”っていう雰囲気が欠けてるのも×。 つーか、クルー的に焦点をしぼって見せてはおらず、 個性が生きる脚本じゃないわけで、ギャロを起用した意図がよくわからん。
(2002年)


スナイパー  Liberty Stands Still
シチュエーションは面白かったのに中途半端に社会派で
  ウェスリー・スナイプス主演のジャンル分けしにくい、 一応、サスペンスムービーと思われる映画。
  生徒による校内銃撃事件で娘を失った、 元NCAエージェントのスゴ腕スナイパーが、 銃メーカーの女副社長を、公園で人質に取るという話。 その大部分が、公園で鎖に繋がれた女副社長、 それを狙撃銃で狙う犯人という構図だけで描かれてるという、 なかなか変わった作りの映画になっている。
  いわゆるアクション映画的な要素はほとんどなく、 銃社会アメリカへのアンチテーゼってのが色濃く出ている社会派映画 ・・・というか、それ以外の楽しみどころが見出せない内容。 序盤からかなり引き込まれたんだけど、 結局は予想以上にヒネりがないシナリオで、かなり肩透かしだった。 せっかくシチュエーション&設定は面白かったんだから、 もうちょっと娯楽性のあるシナリオにしてほしかったな。
  銃社会アメリカを当然と考えてる人にとっては メッセージ色が感じられるのかもしれないけど、 自分の中では、 “銃社会アメリカ(を支持する人間)=アホ、理解不能” という前提なので、 社会派映画としても心に響くものが無かったし。


スネーク アイズ  Snake Eyes
終盤の展開で全てが台無し
  なかなかテクニカルに作ってる風なデ・パルマのサスペンス。 終盤までは、予想以上に面白い映画という感想だったんだけど、 とにかく、最後の展開にこの上なく肩透かしを食らった。なんじゃそりゃ〜。


スパイダー  Along Come a Spider
前作(佳作)にも及ばず
  一応「コレクター」の続編で、 主人公はモーガン・フリーマン演ずる犯罪心理学の大家でもある刑事アレックス・クロス。 というか、前作との繋がりはそれこそその設定だけといっても過言ではないんで、 前作の予備知識は全く不要。
  本作には猟奇色が無く、まぁ普通の犯罪サスペンスで、 確かに事件の全容は意外だったんだけどさぁ・・・。 「んなの分かるかよ・・・」って話な上に、それ以外のウリが無さすぎた。 ちょいちょいと都合の良すぎる展開も目立つし、ラストも盛り上がりに欠ける。 収まりの良い佳作って感じだった前作に比べると、 ワンランク落ちるっていう印象は否めない。
  しかし、導入のカーアクションシーンの最後の場面が、 思いっきりCGと分かるような映像で、思いっきり萎えてしまった。 間違ったCGの使い方だろ。


スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする  Spider
地味ながらも、トリッキー&ナイスロケ ★
  デビッド・クローネンバーグ監督最新作は、小説原作のサイコサスペンス。 「コレクター」の続編「Along Came a Spider」が先に「スパイダー」という邦題を取ってしまったもんで、 ヘンチクリンな副題をつけざるを得なかったんだろう。
  主演は「レッド ドラゴン」で印象的な犯人役を演じたレイフ・ファインズで、 療養所から出てきた精神を病んだ主人公が、その精神を病む原因となった過去の事件を思い出していく・・・という話。 その彼がやがて現実と過去を混同しだす様子と、実際にあった過去の描写を組み合わせて描いてるという、 なかなかトリッキーな作りになっており、前回の「エグジステンス」とはうって変わってグチョグチョ感皆無の映画ながらも、 クローネンバーグっぽいとこは十分に感じられる。 言ってみれば、絵的に超地味な「裸のランチ」って感じが無きにしもあらず。
  また、ロケーションが上手いようで、地味ながらも不思議かつ印象的な風景が多かったのが良かった。


スパイダーマン  Spider-Man
VFX映えするアメコミヒーローの大本命 ★
  マーブル初期のヒーローながら、今もなお絶大な人気を誇る、 アメコミヒーローの大本命、“親愛なる隣人”スパイダーマンが、満を持しての映画化となった (といっても、過去に一度実写映画化されたらしい)。 ちなみに、監督はサム・ライミ。 そして、スパイダーマンを代表する敵役であるグリーンゴブリンには怪優ウィレム・デフォー (ここらへん、バットマンの第1作目の敵役ジョーカーを個性派俳優ジャック・ニコルソンが演じたのとカブる)。
  なんせ元は古い話だし、 遺伝子操作で生まれたスーパースパイダーに噛まれたというキッカケであるとか、 能力発現までの経緯は、どうかなとも思うし、 第1作目ということで、 そういった能力発現も描かなくちゃならず、 どうしてもダイジェストっぽくなっちゃってる部分もあるものの、 ほぼ期待通りの面白さだった。 非常にアクション映えするヒーローだとは思ってたけど、 それが最新のVFXによって、存分に生かされてた。 元々、原作の話の流れがシッカリしてるだけあって、 (もちろん、アレンジしてある部分、端折ってる部分はあるにしても)かなり原作重視の映画化だと思う。 グリーンゴブリンの最期も、確か原作と同じなはず。 ヒロインであるメリー・ジェーンが、いかにもアメリカな女って感じで、 自分も含めて日本人ウケはしなさそうなんだけど、 元からそういうキャラなんだからしょうがない。
  あるいは、最もVFX映えするアメコミヒーローかもしれないし、素直に次回作にも期待大。


スパイダーマン2  Spider-Man 2
(期待以上ではないが)期待通りの面白さ ★
  北米は言うまでもなく、珍しく国内でもヒットしたアメコミ映画「スパイダーマン」の続編。 主要キャスト及び監督は前作のまんま。 今回は、スパイダーマンの(グリーンゴブリンと並ぶ)宿敵「Dr.オクトパス」の登場となる。 結構まとまって終わってた前作とは違って、本作はやや“to be continued”気味で、 あからさまに2代目グリーンゴブリンの登場を匂わせてると思ったら、 当然のように、既に3作目の製作も決まっているらしい。
  ま、基本的には無難な作り。 相変わらずVFX映えするアメコミヒーローだと思うし、 苦悩するピーター、MJ、メイおばさんなどの描写はシッカリしてる。 それこそ、笑いあり涙あり。Dr.オクトパスの動きもカッコいい。 何より、初登場となる前作よりは余裕がある分、全体的にまとまった感じを受ける。 で、NYの描写が地味にキレイなんだよね。もっとNYが身近だったら、また印象が変わってきたんだろう。
  ただし、かといって前作より遥かに面白いかっていうと、それは疑問。 ベタな展開が面白いってのは確かで、グッとくる場面も幾つかあったんだけど、 さすがに、ベタすぎる展開&演出が鼻につく感じもする。 前作並に面白いとは思うけど、別格の面白さって程ではないな。
  しかし、相変わらずMJは魅力薄だよなぁ・・・。 これでヒロインであるMJがもっと可愛ければ・・・と思いつつも、 前作でも言ったように、これがスパイダーマンなんだからしょうがない。
(2004年)


スフィア  Sphere
海洋SFにヒット無し・・・以前の問題
  ダスティ・ホフマン、サミュエル・L・ジャクソン、シャロン・ストーンとそれなりにスターを揃えたにも関わらず、 海洋SFにヒット無し、まさにそれを地でいった海洋SFムービー。
  演出、俳優云々以前に、脚本そのものが致命的で、 哲学的なSFを目指すには考察が甘すぎるし、かといってアクションSFにしては地味すぎた。 最後のオチにも失笑。


スポーン  Spawn
マント以外に見所無し
  元々、X-MENほどは原作に興味がなかったもんで、今頃見ることに。
  内容は、CGを除けば、全くもってB級ノリ。 映画化にあたってのリメイク部分は、なるほどというか、やむを得ないか。 一番イタかったのは、メインとなる敵キャラのクラウンが、下品すぎて全く好意的になれなかったこと。 スポーンといえばマントなわけで、そこにCGを使ったのがウリになってたと思うんだけど、 お陰でここ一番でしかマントが出てないのが哀しい。そのマントもウネウネしすぎ。やりすぎ。 CGシーンの質も、ちとムラっけがあるように思う。 アクションもこれといって・・・。
 スポーン自体が、他のアメコミヒーローほどは能力的な特徴がハッキリしてないところがあるので、 その辺の難しさはわかるんだけど・・・。


スリー キングス  Three Kings
ネタとしての湾岸戦争の限界 ★
  悪くない映画だった(特に中盤以降の印象は良い)んだけど、ちと期待しすぎたか。 ビミョーなまとまり悪さというか、締まりきらない感じを受けた。
  湾岸戦争を舞台にしたところは買う。 でも、結局、アメリカにとっての湾岸戦争という存在の軽さ、映画として題材にできる限界というもの感じる。
  変化球気味な演出も気になるところ。


スリーピー ホロウ  Sleepy Hollow
雰囲気のあるホラー風サスペンス ★
  監督ティム・バートン、主演ジョニー・ディップの、一見ホラー映画風な一本。
  モノクロームっぽい淡い色の映像が美しく、18世紀末っていう中世の香りが残る舞台設定の細かい描写がいい(風景とか服飾とか)。 怪奇現象に見せかけた犯罪と見せかけて、実際に怪奇現象が起こっていて、 でも結局はその怪奇現象を利用した犯罪と、なかなかテクニカルな作り。 逆に言えばそこが中途半端なんだけど、映画の概要が掴めてからはなかなか面白かった。 スプラッタ色はややあるけど、ホラー感は皆無。
  穴馬的に面白かったけど、イマイチ評判にならなかった理由もわかる。


世界中がアイラブユー  Everyone Says I Love You
たまにはこういうのも悪くない ★
  ウッディ・アレンのミュージカル映画。 ハリウッド俳優たちの上手くない歌がウリ、って話を聞いた事があるけど、なるほど、ミュージカルとしては上手くない(はず)。 もうちょっと人生経験があればなお楽しかったに違いないけど、このテの映画を見ない自分的にもそれなりに楽しめた。 しかし、ほとんどおじいちゃんな感じのウッディ・アレンの感性のみずみずしさには驚かされる。若い。


セッション9  Session 9
舞台設定はバツグンだったのに・・・
  主人公らアスベクト除去業者が、 役所からの仕事として1980年代に閉鎖された精神病院に派遣されるんだけど、 いざ仕事を始めると何やら不穏な空気が・・・。 そして、そこには過去の精神病患者による犯罪の影が・・・。 と、映画を売ろうとすればそういうストーリーラインの表現になるんだろう。
  パッケージ裏の煽りっぷりから、恐怖映画として結構期待したんだけど、 結論から言って、ホラームービーというよりもサイコサスペンスという感じの内容。 巨大で風格のある外観にボロボロに劣化した内観という、 精神病院の存在感はバツグンで、 素材的には最高と言っても過言ではないシチュエーションだったのに・・・。
  そもそも、いろんな要素を詰め込みすぎな感アリで、 終わってみれば、分からないでもないオチながらも、 説明不足というか、いらん説明が多すぎるというか、 やっぱりムリがある感じは否めず。 途中まではなかなか品があっていい感じだった恐怖煽り演出も、 ココ一番でキレがなく、終わってみればなんだか浮き気味。 何より、過去の事件との今の状況との直接的な関連性の無さに、 物足りなさを感じずにはいられない。 多重人格の内容自体はベタなんだから、それをもうちょっと上手く活用してほしかった。 逆に言えば、いわゆるC級ホラー映画ではないんで、 グダグダすぎてツマランということもないんだろうけど。


千と千尋の神隠し  Spirited Away
確かに面白い ★★
  我ながら「今頃かよ!」って感じでウォッチング。
  ・・・なるほど、面白ぇなぁ・・・。 相変わらずCGを使うシーンは唐突気味だし (って、それも「もののけ姫」よりは向上してると思うが)、 もっと「カオナシ」が話に絡んでくるかと思ってたのに・・・とかあるんだけど、 基本的にかなり隙が無い。 今回は、千尋という女の子1人にフィーチャーしたお陰で、 かなりわかり易い面白さになってるとこが良いんだと思うな。 だから、不思議な異界の描写、適度なメッセージ性が生きてたんだろう。 宮崎節全開の、生き生きとしたキャラクターの動き、 そして魅力的な不思議生物たちも良かった。小ネタも良い。 もちろん、絵的な動きだけじゃなく、音楽の使い方も非常に上手いわけで。
  笑えて、ドキドキワクワク、そしてちょっとした感動。 バランスの良さでは宮崎作品の中でも随一かもしれない。


戦慄の絆  Dead Ringers
地味ながらもクローネンバーグっぽさアリ ★
  グチョグチョ系でお馴染みのデビッド・クローネンバーグ監督のによる、 ふた昔前(80年代末)のサイコサスペンス。
  産婦人科の大家となった双子の話で、 映画の中でも重要なキーワードになっている通り、 シャムの双子からかなり大きなインスパイアを受けたらしく、 それを普通の(?)双子に当てはめていった感じの作りになっている。 スタッフロールを見るまでは本当に双子が演じてたんじゃないかと思ってたほどで、 そういう意味での作り&演技はよくできてたと思う。 兄がサイコ? 弟がサイコ?ってな揺れ具合も良し。
  マッタリと進行していくし、あからさまにグチョグチョなところはないけど、 各所にクローネンバーグっぽいところがあって、結構楽しめた。


ソードフィッシュ  Swordfish
どうにもウリが見えてこない
  主役級の男女二人、どっかで見たことあるなぁと思ったら、「X-MEN」のウルヴァリンとストームだった。 それに加えてジョン・トラボルタがメインキャストとなる映画で、監督は「60セカンド」の人。
  話の基本設定は悪くなく、本来なら最後に色んな要素が終結するような形の映画を目指したんだろうけど、 そういう意味ではどうにも力不足な感じ。 何より、一番肝心のトラボルタが演じる役の位置付けの中途半端さが致命的か。 導入からすると結構面白そうだったのに・・・。 また、最後の展開は新鮮味があって面白かったんだけど、 そこと、CMなんかで使われてた爆発シーンを「マトリックス」的な360°回転で見せる場面を除けば、絵的な見せ場もない。 主人公の犯罪をサポートするという役柄ゆえにか、 犯罪を犯す側のキレ具合、犯罪を取り締まる側の動向共に描写不足。 結局のところ、中途半端なクライムムービーということになってしまった。
  しかし、これを「マトリックス」的な雰囲気でプッシュする方がオカシイって。


ソラリス  Solaris
(好意的に)地味な秀作 ★
  スタニスラフ・レムの小説「ソラリスの陽のもとに」を映像化した、 1972年のソ連のSF映画「惑星ソラリス」は、 「2001年宇宙の旅」(1968年)と並んで、あの当時を代表するSF映画といっていいと思う。 自分としても、非常に印象に残る映画のひとつ。 で、これはそのリメイク作。 いかんせん原作を読んでないので、小説「ソラリスの陽のもとに」のリメイクなのか、 映画「惑星ソラリス」のリメイクなのかは不明。 一応、製作(の一人)であるジェームズ・キャメロンは小説の再映像化だと言ってるけど、 静寂さ、色調、突飛過ぎない未来描写、時折挿入される惑星ソラリスの描写などなど、 元の映画の影響はかなり大きいんじゃないかな。 旧作を観たのは相当前なもんで、具体的にどう変わったかはよくわからないんだけど、 若干ドラマ色が強まってるものの、シナリオの方向性もかなり近いものがあると思う。
  ちなみに、監督は若き大御所スティーブン・ソダーバーグ。 個人的には全くといっていい程、ヒットすることがなかった人なんだけど、 派手さを求められないどころか、派手さを避けるべき題材なだけに、この映画には合ってた。 そして主演はジョージ・クルーニー。 これまで彼がやってきた役とはかなり方向性が違うと思うんだけど、 予想以上にマッチングしててグッドだった。
  個人的には、過去の回想をふんだんに盛り込んでラブストーリーに仕上げるよりも、 宇宙ステーション自体での話を多くしてほしかったし、 もうちょっとパンチのあるSF描写がほしかったけど、 SF、ラブ、サスペンス、どの要素を取っても合格点の良作だろう。 宇宙を舞台にしたSFとしては、結構上位に位置するんじゃないだろうか (って、いかんせん良作の数自体が少ないんだけどねぇ)。