ダーク シティー  Dark City
つまらないわけじゃない
  まぁ、普通のダークめなB級SFってトコか。 「実はこの世界は・・・」のオチは、割と好み。 なんとなく、全体的にゲームっぽい話の進み方かなと感じた。 増殖する街の表現は面白かったけど、それ以外は割とありがちな世界観かも。
  もしかして、警部役の人は、「ロスト イン スペース」のロビンソン教授の人かな?
  そして、ジェニファー・コネリーは眉が太すぎ。


ダーティーハリー  Dirty Harry
キャラハン刑事の強烈なカッコよさ ★★
  ご存知、クリント・イーストウッドの大当たり役。 当時としてはとにかく斬新だったらしく、現代刑事アクションムービーはここから始まったとすら言えるらしい。 なるほど、「これが初出だったのか〜」というシチュエーションがチラホラとある。 今となってはあまりにも無茶しいに感じられる部分もないわけじゃないけど、 ハリーの行動の大元にあるのが法に対する不信感(不満感)であることと、 犯人がサイコ野郎であることによって、今観ても全く色褪せずに楽しめるんだろう。 途中までは「イマイチまとまらないなぁ」って感じだったんだけども、最後の怒涛の展開で一気にまとまってしまった。 いまだに、現代的な感覚でそのまま楽しめる映画だと思う。
  フレッシュ(ってほど若いわけじゃないけど)なイーストウッドによる 主人公ハリー・キャラハンも実にカッコいい。 終盤の、陸橋の上にドーンと立ってるハリーの絵には、心底シビれてしまったなぁ。


ダーティハリー2  Magnum Force
前作ほどではないが、なかなかの佳作 ★
  クリント・イーストウッド扮するハリー・キャラハン刑事が大活躍するシリーズ第2弾。 今回は、ハリーと凶悪犯に天誅を下す警察官グループが、相対することになる。 前作では法に対して怒りをぶつけたハリーなんだけども、 その反動なのか、今回は(目的は似通ってるのに)よりハデに法を反するヤツらが相手ということになるわけだ。
  カーアクションが追加されたりと、 全体的に若干ハデになった反面、まとまりという意味では前作ほどじゃないんだけども、 相変わらずハリーは強力にカッコいいし、脚本にはムダがないしと、基本的にはなかなか楽しい一本だった。 このシリーズが今見ても色褪せない理由は、 BGMを必要最小限に抑えたシブめの演出にもあるに違いない。 シナリオに(まぁ予想しようがない形ではあるとはいえ)ひとひねりされていたのも良かった。 あえて言うなら、もうちょっとドラマ的に盛り上げてほしかったところだけども、 そこはハリーのキャラクターもあるんだろう。 前作ほどのパンチとまとまりはなかったけども、なかなかの佳作だと思う。


タイタンAE  Titan A.E
絵的な目新しさがないわけじゃないが
  アニメキャラとCG背景が融合したSF映画。 そのビジュアルは、まぁ確かに新鮮に感じる部分もある。 ただ、例えば、これがゲームのイベントムービーだったら間違いなく賞賛したと思うけど、 これが映画として評価に値するかというと疑問。
  が、それ以上に致命的だったのがそのストーリー(というか脚本か)。 ツッコミどころ満載でSF的にもお話にならない。 「新しいことやってますよ〜」的なアピールのアクションシーンでムダに時間を浪費してしまって、 単に説明不足になってしまっただけという可能性もないわけではないけども。


大統領の陰謀  All the President's Men
緊張感は十分だが ★
  ウォーターゲート事件をスッパ抜いて記事にした二人の記者によるノンフィクションを元にした映画で、 当然のように主人公となってるその二人を、ダスティン・ホフマンとロバート・レッドフォードが演じている。
  ウォーターゲート事件が記事になっていく様子を描いたドキュメンタリー風映画ということで、 奇想天外な展開が待ってるわけじゃないけど、その緊迫感、緊張感が上手く伝わってくる良作だった。 二人の記者の上司たちが、地味に熱い。 結局、オチらしいオチがないまま、最後に一気にまとめてしまったのはどうかと思ったけど、 これ以上延ばしてもしょうがないだろうし、まぁやむを得ないのかな。
  ただ、この映画だけで人物関係を把握しようとしても、 ちょっと難しいので、ある程度はウォーターゲート事件について要予習だと思う。


タイムマシン  The Time Machine
激しくグダグダ
  一応、H・G・ウェルズのSFの古典「タイムマシン」原作とはいうものの、 まぁ、おそらく初期設定が共通なだけなんだろう。 婚約直後の恋人を強盗に殺されてしまった科学者が、 その過去を変えるためにタイムマシンを作り出すというのが話の導入。 現代の話ではなく、原作に合わせてか一昔前のアメリカが舞台になってる。
  んで、過去に行って歴史を変えようとし・・・ってとこまではまだ良かったんだけど、 それに挫折して、未来に繰り出してからが問題で、 そんな中盤以降はリメイク版「猿の惑星」ばりのアクションアドベンチャーに。 とにかく、その導入&序盤の展開と、中盤以降の展開のギャップが・・・。 “H・G・ウェルズのタイムマシン”っていう意識がなければ、もうちょっとは楽しめたのかも。
  とはいえ、“こけおどし”という言葉がこれほどピッタリとくる映画もそうそうあるまい。 いや、SF映画って何かしらそういう要素を持ってるもんだとは思うんだけど、 この映画の場合、それを除いたら何も残らん。 確かに、映像的に力を入れてるのはわかる。 TVCMで流されていたような特殊効果だけじゃなく、 一昔前のアメリカの街並みなんかもよく出来てるし、 超未来の風景もそれなりに頑張って作られてる。金はかかってそうだ。 でも、ホント、それだけなんだよなぁ・・・。 アクションシーンに迫力があるわけでもなく、 理屈ホッタラカシの強引な展開もちょいちょいと目に付くし、 ストーリーに芯がなく、最初っから最後まで、どうにも空虚な感じが否めない。 非常にグダグダ。


太陽を盗んだ男
ヒロインを除けば今でも十分に通用する ★
  沢田研二が主演したサスペンス映画。 常に風船ガムを噛んで「ガムフーセン」とあだ名されてるボーッとした理科教師が、 その裏でプルトニウムを盗み出し、原子爆弾を作り上げてしまう・・・という話。
  主人公は、別に、社会に対して明確な主張や不満があるわけじゃなく、漠然とした不安に急き立てられる。 その様はむしろ今の時代にピッタリ。意外性があったラストの展開も良かった。 テクノロジー的な部分と、主人公の髪型を除けば、今でも全然通用するんじゃないだろうか。 その理科教師に扮する沢田研二や、彼に相対することになる刑事に扮する菅原文太などの存在感は十分。 ただ、ヒロイン的な扱いのラジオのパーソナリティ扮する が、 なんだかまさに昭和の一昔前の女優の演技って感じで、相当にイマイチで萎えてしまったけども。
(1979年)


タキシード  The Tuxedo
消化不良気味ながらも魅力アリ ★
  スピード狂のタクシー運転手(ジャッキー・チェン)が、 突然ある人(実はとある秘密組織のエージェント)の運転手を任される。 が、そのある人は何者かに襲われて重傷を負ってしまい、流れ的に、そのタクシー運転手が彼の後を追って、 スーパーな能力を秘めたタキシードに身を包み、エージェントの代役を務めるという話。
  悪役に魅力がなく、特撮の比重が大きめでいまいちジャッキーのアクションの魅力が弱く、 肝心のタキシードは、ネタとしては面白かったんだけど(で、それはそれで満足だったんだけど)、 話的に活用されてるとは言い難いしと、イマイチな気配が漂う。 ただ、そういう基本路線ではあるものの、 スーパータキシードに救われるというジャッキーのキャラと、 (私見では)美人じゃないんだけど非常にチャーミングなヒロイン (「ラストサマー」の女の子)が魅力的なことで救われ、 後は話のテンポの良さで、実は、かなり楽しめてしまった。 アクションシーン自体のデキは良かったし、 こういうおバカなアクション映画って、意外に最近なかったし。
  あとは、スーパータキシードと、 スピード狂っていうジャッキーのキャラがもうちょっと生かされてればなぁ、と。
  あんまり評判は良くなかったようだけど、個人的には続編を希望な一本だな。


タクシー ドライバー  Taxi Driver
自分に対して本当に共感できてるのかという疑問も ★
  若い頃のジョディー・フォスターも出演してる、ロバート・デニーロの代表作のひとつ(出世作かも)。
  社会的に煮詰まってたんだな〜というのがよく分かる映画で、 その煮詰まり感の演出が非常にナイス。 ひとつひとつのイベントはバラバラなんだけど、結局それらがひとつに繋がって・・・という作りはさすがで、 淡々としてるんだけど飽きさせない。 ただ、当時の世相を体験してないだけに、その理解に限界を感じるのも事実。


TATARI  House on Haunted Hill
伏線の張り方がオカシイって
  ロバート・ゼメキスがプロデュースのホラーモノなんだけど、これが超期待ハズレ。 呪われた古い病院っていう設定をそのまま生かせばいいのに、ヘンな伏線が恐怖を台無しに。 その伏線を生かしたサスペンスかっていうとそうでもないし。
  ちなみに、当然のことながら「TATARI」ってのは邦題。 せっかくの一発ネタ的なネーミングなのにこの内容じゃなぁ・・・。


奪還 DAKKAN  Half Past Dead
まぁ、セガールアクションなので
  個人的には結構久しぶりな、スティーブン・セガール主演のアクション映画。 香港系の人がアクション指導をしたらしく、 セガール初のワイヤーアクションとのコラボっていう点に惹かれたんだけども・・・。
  結論から言って、ワイヤーアクションはかなり控えめ。 というか、敵が吹っ飛ぶときに使われてるだけじゃないかな。 格闘を初めとしたアクションシーンには、意外なほどに見所がなかった。 まぁ、そんなに悪いわけでもないんだけど、アクションだけで押せるような内容ではない。
  その一方で、設定やキャラクターなどは面白かったと思う。 でも、それをイマイチ生かしきれずに終わってしまったのが、なんとも勿体無い。 主人公の正体が早々にバレバレで、そのキャラにひねりがなかったことや、絵的には華があった敵軍団の女戦士の終わり方、 敵ボスの人間性の描写などなど、もうちょっと生かしようがあったと思うんだけども・・・。
  まぁ、総合的にはいつもどおりのセガールアクション映画ってとこか。セガールアクション映画の中では中の上って感じで。
(2002年)


007 ドクター・ノオ  Dr.No
フレッシュかつ濃すぎるボンドは新鮮
  007シリーズの記念すべき第1作目。 近所のゲオで全シリーズのDVDレンタルが始まったので、 これを機にひと通り見てみるかと、当然のように第1作目から借りてみた。 主演は当然、初代ジェームズ・ボンドのショーン・コネリー。
  なんせ、自分が生まれる10年以上も前の映画なわけだ。 よって、SFXのショボさはどうにもならないけど、 意外にそういうのを前面に押し出してるわけでもないんで、 見ててキッツイということはそんなになかったりする。 また、お馴染みのテーマで始まるオープニングのクールさは、今見ても新鮮。 ストーリーはやや散漫なとこがあるし、 特にノオがいる島に乗り込んでからは、展開にもムリが目立つ。 ジェームズ・ボンドのキャラはカッコいい。 若き日のショーン・コネリーは濃すぎる。 ま、話のネタにってところかな。
  ちなみに、まだいわゆるガジェット(スパイメカ)の類は全く登場せず、 ボンドは極めて独力で頑張っている。 そのボンドが意外に不甲斐なかったんだけど。


007 ロシアより愛をこめて  From Russia with Love
初期の007の中では一番か ★★
  ジェームズ・ボンド第2弾。
  ソ連が関わってきたり、 犯罪組織スペクター(「オースティンパワーズ」のアレの元ネタね)が出てきたり、 Qも出てきて、スパイメカが話のキーを握ったり、と、 随分、今知ってる(一昔前の)007のイメージに近くなってきた。 話にも結構まとまりがあって、 あまり突飛な舞台もなく、それほどショボさを感じるとこはなかったし、 映画としてのクオリティも前作より大幅アップだろう。 敵役も良かった。
  終盤(その敵を屠った後)でややダレたけど、 今見てもなかなか楽しめるんじゃないかな。


007 ゴールドフィンガー  Goldfinger
ただ大味な娯楽作に
  ジェームズ・ボンド第3弾。 今回は舞台がアメリカとなり、世界的な007シリーズ人気を確立した一本らしい。 いわゆるボンドカーも初登場(アストン・マーチンね)。
  ところどころに、時代を考えれば斬新な発想が見られるのは確かで、 「これが初出?」と思われるネタが結構あった。 危機一髪で止めた時限装置のタイムカウントが007なんてのは、 今でもニヤリとしてしまうなぁ。 さらに、いよいよキャラが立ってきたので、 そういう小ネタは非常に楽しい。 敵の手に陥りながらも自分のスタイルを崩さないボンドはステキだし、 相変わらずのスケコマシ(って死語か・・・)っぷりも楽しい。 合成とメカを除けば絵的なショボさもそこまでは気にならず。 序盤のマイアミが、ロケじゃなくて合成&セットってことがバレバレなのは、 まぁ時代的にやむを得ないのだろうし。
  ただ、仕掛けが大きくなった分、 やや大味になった感も否めない。 最初の犠牲者(♀)が、なんで金粉塗れ(当然全裸)で死んだのかが、 最後まで謎だったのも気になるところだし (どうも、単なる番宣というか映画宣伝のためっぽい)。 ちなみに、これまではことあるごとに使われてた例のテーマミュージックなんだけど、 今回はかなり控え気味で、 ゴールドフィンガーのテーマ曲のアレンジがメインで使われてたりする。 そういう意味でも、007テイストを確立した一本なのかもしれない。


007 サンダーボール作戦  Thunderball
拭いきれないマンネリ感
  ご存知ジェームズ・ボンドの第4弾。 今回は2作目に続いて犯罪シンジゲート「スペクター」がボンドの敵となる。
  スペクターの幹部処刑シーンであるとか、ポイントポイントで面白いアイデアはあるんだけど、 シリーズの型ができちゃっただけに、若干マンネリムードが漂う作品になっている。 というか、そのマンネリさを打破する材料に欠けるというか。 当時としては結構な量がある海中のアクションシーンがウリだったのかもしれないけど、 今となっては単にスピード感に欠けるだけにシーンって感じがしないでもないし、 乱戦時にボンドが活躍しすぎな感じも。 敵の大物を屠るときのアイデアもイマイチだし、 全体的にどーも締りがない。
  密かに、結構重要な女性キャラ2人が、 共にいかにも外人が好きそうな美人タイプなもんで、 途中までゴッチャになってしまっていて、 かなり話が掴めてなかったりしたりもしたんだけども。


007 007は二度死ぬ  You Only Live Twice
いよいよ怪しくなってきた
  ジェームズ・ボンド第5弾で、今回は日本が舞台。
  まぁ、日本の描き方は(もちろん突っ込みどころはあるものの) 時代を考えればマシな方だろう。 中国とゴッチャになってたりするアリガチな勘違いはなかったし、 風景に関しては日本の良さが意外に上手く生かされてた。 丹波哲郎演ずる日本の特殊部隊のリーダー「タナカ」も、なかなかの存在感。
  ただ、日本が舞台ってのをアピールしてる分、 全体的に見世物小屋的な作りに終始という感じで、 ストーリーには全く面白みがなく、 映画としては相当面白くない。 話がデカくなった分、 話のムリぽさと映像の安っぽさがいよいよ目立ってしまった感もあるし、 話的につっこみどころも多い。 ボンドが日本人に扮する場面があるんだけど、 いくらカツラをかぶっても、あんな顔が濃い日本人なんていねぇよ・・・。 エージェントとしての優秀さが感じられず、 安易に敵の手に陥り、男の魅力で窮地を打破というボンドのキャラも、 いよいよ「なんだかな〜」な感じになってきた。
  ちなみに、これまで素顔が明かされなかった犯罪組織スペクターの首領の素顔がやっと出てくるんだけど、 なるほど「オースティンパワーズ」はまんまだったんだな〜と笑える。


007 女王陛下の007  On Her Majesty's Secret Service
新ボンドはイマイチながらも全体のデキは悪くない ★
  ジェームズ・ボンド第6弾。 前作でコネリーがボンド役を降板、 2代目ボンド、ジョージ・レーゼンビーの登場となった。
  ボンドと諜報部との間に若干軋轢が生じたり、 ボンドが本気で求婚したり、 趣向を変えようとした部分は確かにあるんだけど、 それらは思ったほど生かされず、 予想通りのオチも(派手なことをさせた割には)締りがない。
  まぁ何より、肝心のボンドのキャラがあんまり変わらなかったのが、 マズかったのかもしれない。 レーゼンビーはコネリーと比べると、 フェロモン、ウィットネス共に物足りなく、 中途半端に濃い顔で、全体的に演技が硬い。 それでボンドのキャラ自体には全く変化がないもんで、 「これならコネリーの方が・・・」となってしまうわけ。
  その一方で、アクション部分は意外に(といっては失礼だが)見ごたえアリ。 特に、アルプスの雪山を舞台に、 スキーなどを取り入れたアクションシーンは、 時代を考えればなかなか素晴らしいと思う。 巨大なセットや派手なスパイメカを無くし、 割と実直に作ったアクション映画だけに、今見ても結構見ごたえがあるんだろう。
  単体としては悪くない007映画なんだろうけど、 主役の転換という、重大なタイミングの映画としてはイマイチって感じか。


007 ダイヤモンドは永遠に  Diamonds Are Forever
良くも悪くも元通り
  ジェームズ・ボンド第7弾。 前作の評判が芳しくなかったのか、 ショーン・コネリーがボンドとして華麗に復活し、 映画の路線も、ヒット作「ゴールドフィンガー」的なものに回帰した。
  ちなみに、結構前からボンド役に嫌気が差していたらしいコネリーだけど、 当時としては莫大な出演料でボンドとして復活。 でも、コネリーはそれを自分が設立したスコットランドの教育関係の基金に全額寄付したそうな (もちろん、出演するからには撮影の方は全力投球で)。 カッコいいやね。 ここらへんの顛末は面白いので、メイキングは一見の価値アリだと思う。
  で、コネリー演ずるボンドもやっぱりのカッコ良さ。 色気、ウィット、スタイリッシュさ、どれも流石で、 アップではちょっと白髪が目立ってたけど、見てて非常に安心感がある。
  でも、まぁ見所はそこだけかな。
  スペクターの首領、宿敵ブロフェルドは整形したという設定で雰囲気が大きく変化。 で、そのブロフェルドをボンドが片付けたところから、この映画はスタートする。 なんせ、また話の規模がデカくなったので、 部分部分でショボさが目立つし、 アクションシーンはその内容、見せ方、共に平凡な感じ (カーチェイスシーンはなかなかだったけど)。 いつも通りのここ一番で意外に頼りにならないボンドを初め、マヌケな展開もテンコ盛り。 良くも悪くも、元に戻ってしまった。


007 死ぬのは奴らだ  Live and Let Die
ムーアボンド、華麗に登場
  ジェームズ・ボンド第8弾で、 ロジャー・ムーアが4代目ボンドとして初登場。 当初、監督らはバート・レイノルズをボンド役に推したそうだけど、 ボンドは長身の英国人じゃなきゃダメと、プロデューサに却下されたそうな。
  結果として、それは非常にプラスになったと思う。 ムーア・ボンドは、ショーン・ボンドほど濃くない代わりに、 よりスタイリッシュで、英国紳士風。 ブロズナンに繋がる今のボンド像に非常に近いと言える。
  が、今回の(も)見所はそこだけか・・・。
  怪しいカリブ海の小国とブードゥー教と麻薬とアメリカの黒人社会が繋がってるという話で、 敵役は全員黒人という、割とアブない設定。 別にアメリカが舞台だからってわけじゃないんだろうけど、 中途半端なコメディーっぽさが、非常に微妙。 マヌケな展開も相変わらずだし、絵的なチープさもやや目立つ。 唯一、カーチェイスならぬボートチェイスのシーンは結構な迫力で良かったんだけども。


007 黄金銃を持つ男  The Man with the Golden Gun
ムーアボンドが一気に馴染んできた
  ジェームズ・ボンド第9弾は、タイや香港を舞台に、 前作から引き続きロジャー・ムーアがボンドとして大活躍。 今回の相手は犯罪組織ではなく、 黄金銃を持つ殺し屋「スカラマンガ」がボンドの前に立ちふさがることになる。
  そのスカラマンガのキャラはグッドで、 その助手というか執事の小人症の男のインパクトも非常に強い。 サイケなボンドとの対決シーンといい、 話全体にミョーなムードが漂ってる。 ロジャー・ムーアもいよいよボンドがハマってきて、 スタイリッシュで実にカッコいいし、 コメディタッチな部分も、前作よりかは馴染んできた。 話もそんなには破綻してないと思うけど、 これは脚本が良いというより、スカラマンガのキャラによるところ大か。
  でも、香港→タイ→中国と舞台が移っていく流れが、どうも冗長な感じだし、 あくまでもキャラ勝負な内容で、シナリオ的に捻りが足りないようにも思う。 その上、タイの豪邸になぜか相撲力士のボディーガードがいたり、 中国拳法と空手がゴッチャになってたりという、 典型的な勘違いアジア観が若干見られてしまったとこが、 日本人的にはツラいところ。


007 私を愛したスパイ  The Spy Who Loved Me
タイトル前のアクションのオチに星1つ ★
  ジェームズ・ボンドの記念すべき第10作目。 雪山でのアクション、水中でのアクション、列車の中でのアクションと、 これまでのボンドシリーズにあったシチュエーションが次々と現れるのは、 記念の第10作目ということによるんだろう。 オースティンパワーズの2作目「Austin Powers: The Spy Who Shagged Me」で タイトルがもじられてることなどからも分かるとおり、ボンド中期の代表作だそうな。
  東側西側それぞれの原水が突如行方不明になり、 それと同時に潜水艦追跡システムが東側西側に売りに出される。 西側の代表としてジェームズ・ボンドが、 東側の代表としてKGBのスゴ腕エージェント「トリプルX」が、 それぞれの原水の行方と、潜水艦追跡システムの出元を、競うように調査する。 でも、なんせトリプルXは美女なもんで・・・という話の流れは、予想通り。 結局、イギリス諜報部とKGBがタッグを組んで、原水の行方を捜すことになる。 というのが話の大まかな流れ。
  特撮は時代なりにチープなところがあるものの、 当時としては頑張ってる方なんだろう。 それが窺える部分も確かに多いし、随所に面白いアイデアも散りばめられている。 ムーアボンドのキャラも相変わらず良く、 タイトル前のアクションシーンのオチには笑ったし、 どこにでも本部を作ってしまうイギリス諜報部 (今回はエジプトの遺跡の中に本部が・・・)であるとか、ニヤリとされられる部分も多い。
  ただ、鋼鉄の歯で噛み殺すという殺し屋はどうかと思うし、 なぜKGB本部で英語で会話を?とか、原子爆弾の扱いが雑だったり (いくら目標(ニューヨーク&モスクワ)から逸らして海上とはいえ、爆発させちゃマズいだろ)という難点もあるけど、 一番イタかったのはトリプルXとボンドとの絡み。 “恋人(かつ同僚のスパイ)を007に殺されたKGBの007に匹敵するスーパースパイ”という魅力的な設定にも関わらず、 それが意外な程に生かされてなかった。 007との絡みは意外に単純だったし、有能さを発揮する場面は少ないし・・・。 よって、結局従来の007の枠を超えた良作にはなり得てないと思うんだな。


007 ムーンレイカー  Moonraker
荒唐無稽にも程がある
  ジェームズ・ボンド第11弾。 前作のエンディングクレジットでは次作は「ユア・アイズ・オンリー」となってたんだけど、 SF人気に乗じて(本作の撮影開始は「スターウォーズ」公開の翌年)、 この「ムーンレイカー」 (名前だけといっても過言ではないらしいけど、一応、同名原作があるにはある) の製作となったらしい。
  密かに建設された巨大宇宙ステーションから、 人間のみを殺す毒を散布し、地上の人類を殲滅し、 その後、選ばれた人間だけによる新たな人類の歴史を刻もうとする大富豪が今回の悪役。 よって、終盤はその宇宙ステーションを舞台に、 ボンドが大活躍することになる。
  ・・・いや、元々荒唐無稽なとこが楽しいシリーズではあったんだけど、 さすがにこりゃ荒唐無稽にも程があるって。 宇宙ステーション内では、 なぜか敵も味方もスターウォーズばりのレーザーガンで撃ち合うし・・・。 もちろん、そういうSF的なとこだけがマズいわけじゃない。 日本人の用心棒は、 なぜか剣道の防具フル装備&竹刀でボンドに襲い掛かるし(でも彼の名前はチャー)、 鋼鉄の歯を持つ長身で怪力の殺し屋が前作に引き続き登場しちゃうし、 その役割はより大きくなっちゃってるし! これまでのシリーズ以上にギャク的。
  救いといえば、SFXの質自体は(もちろん、時代を考えればだけど)そんなに悪くなかったことと、 いわゆるボンドガールとなる美人CIAエージェントが、 前作のトリプルXよりずっと自立した感じで、 しかもチャーミングだったことくらい。


007 ユア アイズ オンリー  For Your Eyes Only
肉体派なのは結構なんだが
  ジェームズ・ボンド第12弾。 SF映画になってた前作とは違い、 本作ではSF的な要素を一切排して(もちろん)地球を舞台に、 肉体派アクションオンリーのボンドが見参。 SFどころか、スパイメカもほとんどといっていいほど出てこない。 それはそれで結構な話だったんだけども・・・。
  とりあえず、オープニングでは久々に(元)スペクターの首領ブロフェルドが登場し、 ボンドへの復讐を狙うものの、見事に返り討ちに。 (「ダイヤモンドは永遠に」のように)これが前フリでスペクター復活!?と思ってたんだけど、 話的にそれ以降絡むことはなく、そのまんま放置だった。 それがこの映画を象徴してると思う。 とにかく、悪モノがボンドを狙う→ボンドがそれを返り討ちに、の繰り返しで、 話的な面白みが全くと言っていいほど無い。 確かにアクションシーンは多彩だったんだけど、見せ方に特に面白みがあるわけでもなく・・・。 いわゆるボンドガールも非常に魅力的だったのに、 その活躍の場は意外に少なく、生かしきれてなかったし・・・。
  まぁ、前作の路線のまま突っ走られても困るわけで、 そういう意味では上手くリセットがかかったとも言えるんだけども、 前妻の墓参りという印象的なオープニングだった割に、グダグダな中身で非常に残念だった。
  ちなみに、ボンドの上司Mを演じてた人は前作で降板、本作ではMは休暇中というやや強引な設定。 そういう意味では、ロジャー・ムーアもそうだけど、 マニー・ペニーなんかも、「年食ったなぁ・・・」って感じは否めず (最初からお爺ちゃんだったQはいいとしても)。


007 オクトパシー  Octopussy
中盤は結構良かったのに
  ジェームズ・ボンド第13弾。 前半はインドを、後半はドイツを舞台にジェームズ・ボンドが大暴れ。 いかにも冷戦時代らしく、今回はソ連が悪モノ (まぁ、ソ連自体がワルなんじゃなくて、 その中の過激派がドイツのアメリカ基地で核爆発を目論むという話なんだけども)。
  特に中盤以降のドイツ編は悪くない。 話の展開にもそうムリはないし、見せ場も多く、結構楽しめる。 スパイメカとアクションのバランスも良いんじゃないかな。
  ただ、問題は前半(とラスト)のインド編。 ゾウに、トラに、ヒルに、ワニに・・・って、 異国情緒を出せばイイってもんじゃないだろうに・・・。 アクションもまるでドタバタコメディー。 歯が付いた巨大ヨーヨーを武器にする殺し屋であるとか、 謎の美女「オクトパシー」の部下の 全身真っ赤なレオタードに包まれた美女戦闘部隊にしても、なんじゃそりゃ、っていう。
  ちなみに、タイトルにもなってるオクトパシーなんだけど、 映画を見れば分かるとおり、octopusとpussyをくっ付けた造語らしく、 実際は“オクトプッシー”って感じの発音になってる。 事実、当時は結構そのタイトルが物議をかもしだしたらしい。 で、そのオクトパシーに意外と存在感がなかったのも肩透かしだった。


007 美しき獲物たち  A View to a Kill
次に繋がる1本ではある
  ジェームズ・ボンド第14弾は、 前半はフランスを、後半はサンフランシスコを舞台にムーアボンドが最後の大活躍。 今回の敵は、高い知能を持つがサイコパスという大実業家で、 そんな役にはうってつけなクリストファー・ウォーケンが演ずる。
  ちなみに、タイトルクレジット前のアクションは、またも雪山が舞台。 それでもスノボを取り入れたりという工夫が見られるのは流石だ。
  とにかく、規模はデカいのに、 これまでのシリーズ程はウソ臭くないのがウリというか、時代の流れなんだろう。 ガジェットの活躍の場は少なめで、アクションも概ね肉体派。 それだけに、一部のアクション&展開のウソ臭さと、 合成のチープさ(こればっかりは仕方がないんだけど)が気になってしまうなぁ。 車に追突されて車(ボンドカーではなく一般車)が 前半分だけになって走っちゃうなんて、コメディ以外の何者でもないよ・・・。 まぁ、そういう意味では現代ボンドへの過渡的な作品と言えるのかもしれない。
  また、割とボンドが真っ向勝負気味で、 スパイらしい機転がきいた場面が少なかったのも、ボンド映画的には物足りないところ。 話的には、もうちょっと敵役のキャラを膨らませてほしかったな。 頭の良さ、サイコさ、共に(演技的には良いんだけど脚本的に)表現不足に感じられた。 あと、ソ連との絡みも中途半端だったなぁ・・・。


007 リビング デイライツ  The Living Daylights
ボンドのキャラのギャップがデカすぎたか
  ロジャー・ムーアに代わり、 4代目ボンドとしてティモシー・ダルトンが初見参するシリーズ15作目。 新ボンドに合わせて、初代から継続されていたマニー・ペニーも(やっと)刷新。 これがなかなかカワイイ眼鏡美女で、モロにツボだった。出番は少なかったけど。 一方の、2作目からずっと出てるQはそのまま。これは良かった。
  ちなみに、メイキングによると、 当初は(「ジュラシックパーク」などでお馴染みの)サム・ニールをボンド役にする予定もあったとか。 さらに、この頃から(というよりもこれより前から) 現ボンドのピアース・ブロスナンも候補に挙がってたらしく、 本作でも出演決定してたんだけど、土壇場でキャンセルとなり、 結局、ティモシー・ダルトンに落ち着いたらしい。
  で、そのダルトン、パッと見からも分る通り、従来のボンド像とはややズレた印象がある。 一言でいえば、愛嬌が無い。 シナリオも(時代の流れでもあるんだろうけど)そのキャラに引っ張られた感がある。 映画内では結構笑顔を振りまいてはいるものの、この人の魅力はちょっと陰がある表情だと思う。 冷静っぽい顔をしていながらも、時折、情緒不安定気味になるのがダルトンボンドの魅力あって、 個人的にはそこ自体は好きなんだけど、 ちょっと本作では、これまでのボンド像を引きずりすぎたかなぁ、と。 逆に言えば、これまでのボンドからすると(ダルトンのキャラは)ちょっとギャップがデカ過ぎたのかな、と。
  ストーリー的には、ウソ臭いところがありながらも、 今のアクション映画として通用する程度のシナリオになった。 これまではとにかく女性に節操が無かったボンドも改心したのか、 本作ではそこらへんもかなり治まってしまったし。 そういう意味でも、現代ボンド確立の一本と言えるんだろう。 最初の流れが覆り、実は・・・という流れも非常に良かったと思う。 ただ、後半にちょっとキレがなかったかな。 まぁ、そもそも自分が、アホなヒロインに振り回されるシナリオが好かんというのもあるんだけど。
  最後に、印象的な曲が多い007のテーマソングたちの中でも、 a-haによる本作のテーマソングが一番のお気に入りだったりする。


007 消されたライセンス  Licence to Kill
結局ダルトンを生かしきれず ★
  前作に引き続きティモシー・ダルトンによる、ジェームズ・ボンドシリーズ第16弾。
  シリーズ初期からちょいちょいと登場している、 ボンドの親友であるCIAエージェント「フィリックス」が、 結婚直後に彼が捜査中だった南米の麻薬王「サンチェス」に襲撃され、 新妻は死亡、彼も瀕死の重傷を負う。 怒りに燃えるボンドは、英国諜報部からの静止に耳を貸さず、 エージェントを止め、サンチェスへの復讐を誓うのだった、という話。 ある意味、前作でも垣間見えた、 フと情緒不安定になる雰囲気があるダルトンボンドならではのシナリオと言えるのかもしれないし、 前作に引き続き(これまでのシリーズに比べれば)極めてリアル志向で、 今のボンドに直結する作品と言えるんだろう。 かなり肉体派のアクションで結構迫力はあるし、 さすがにスタントでは「おぉっ」というシーンもある。 けど、妙にスピード感に欠けるというか、間延びした感じが。 シナリオも、設定の面白さの割には・・・。
  ただ、キャラの良さがかなり救いになってる。 ヒロインも良かったし、Qの奮闘っぷりもグッドすぎるし、悪役もパンチがきいてる。 特に、サンチェスの部下の若い殺し屋を演ずるのは、 なんと若き日の(ってほど古い話ではないけど)ベニチオ・デル・トロ。 激しく若いのに、独特の雰囲気は十分で、かなりの存在感だった。 興行成績も振るわなかったらしいし、一般評もイマイチらしいけど、個人的にはなかなか楽しめた。
  しかし、ダルトンボンド、結構良かったと思うんだけどなぁ。 まぁ、彼の奮闘があったからこそ、その後のブロズナンボンドへ繋がったのだと信じたい。


007 ゴールデンアイ  GoldenEye
ジェームズ・ボンド、見事に復活 ★★
  前作から6年という歳月がかかった、シリーズ第17弾。 これまでは2、3年おきに作られてたシリーズなだけに 非常に大きなターニングポイントだったのが良くわかる。
  まず、現ボンドのピアース・ブロズナンが新たなジェームズ・ボンドとして初登場。 これが、スマートさ、クールさ、ウィットネス、セクシーさ、全てを塩梅良く兼ね備えており、かなり理想に近い。 ハードでエッジがきいたダルトンボンドの後なだけに、特にスタイリッシュさと女性との絡みは実に楽しかった。 戦車でロシアの街を爆走する合間に、ネクタイをキュッと締めるシーンは、短いカットながら秀逸だったなぁ。 そして、ムーアボンドほど間抜けじゃなく、クールなシーンも良く似合う。
  また、MI6の描写もかなり現代的になり、ボンドの上司である「M」は、本作からなんと女性に。 その上、00エージェント自体に若干否定的で、007の良き理解者って感じでもなかったりする。 そんな中、「Q」だけは本作でも健在なのが嬉しいところ。Qのシーンのオチには大笑いだった。 それ以外のキャラも十分に立ってたし、話も破綻することなく良く出来てると思う。 デカいスケールながらも安っぽくならないのは、まさに映像技術の進歩の賜物だろう。
  まぁ、ちょっとボンドが人を撃ちまくりすぎなんじゃない?とか、 戦車で暴走してあれじゃ済まないだろとか思うし、 アクションシーンのアイデア自体は悪くないのに、個々の見せ方には若干キレがない感じもするんだけども。
  前に観たときは(N64『007 ゴールデンアイ』をプレイした後で話の大筋を先に知ってしまっていたということもあって) あまり良い印象は残らなかったんだけど、 歴代のボンド映画を観た後に、改めて観るたら、非常に良く出来たアクション映画だってのがよくわかった。 というか、こういう形でボンドが復活したことに、ある種の感慨深さを感じずにはいられない。


007 トゥモロー ネバー ダイ  Tomorrow Never Dies
ミッシェル・ヨーのパンチが効いたシリーズ最高峰 ★★
  ジェームズ・ボンド、シリーズ第18弾。
  今回のボンドの敵は、情報で世界を支配しようとするメディア王。 彼は、新たに立ち上げるワールドワイドな世界中継のニュースの目玉として、情報操作によってイギリスvs中国をけしかけてくる。 もちろん、その真相を突き止め、阻止しようとするのがボンドなわけだけども、 今回面白いのは、相対する中国のエージェントが同じく動き出し、結局、ボンドと共闘することになるという点。 その中国の女エージェントを演ずるは、 当時既にアジアのスターで、後に「グリーン ディスティニー」で主演を務めるミッシェル・ヨー。 とにかく、本作はココに尽きる。 これまでも、独自の力を持って自立してる女性っていうのは、傾向としてないわけじゃなかったけど、 女ボンドと言えるほどにボンドと真っ向から渡り合えるキャラは初めてで、 彼女自身のアクションシーンも流石だし、ボンドと共闘するシーンも面白い。 ヨーのシブい声も実に良かった。
  相変わらず、「スパイっていうか破壊工作員?」っていうボンドの活躍っぷりはどうかと思うこともあるし、 今回はちょっとボンドが必死すぎる感じもある。 さすがにQは老いが目立ってきて活躍の場が少なかったし、 シナリオ的には、ボンドの過去についてはもうちょっと突っ込んで語ってほしかったところだけども、 見せ方にもソツがなく、テンポも良いし、総合的にはシリーズ最高の一本と言っていいんじゃないだろうか。
  シェリル・クロウによる主題歌もインパクトがあってお気に入り。


007 ワールド イズ ノット イナフ  The World Is Not Enough
前2作が良かっただけに・・・
  ジェームズ・ボンド、シリーズ第19弾で、 中東近辺を舞台に、石油パイプラインの利権に絡んだ話になっている。 主演は当然ピアーズ・ブロズナンで、ソフィー・マルソーらが競演する。
  しかし、本作はどーも全体的にちょっと間延びした感じが・・・。 特に、オープニングクレジット前のシーンは、 これまでのシリーズでは無かった間延び具合だし、特に映画の前半では気になるところだった。 中盤以降はそれなりにテンポが上がってくるけど、今度は個々のイベントに若干インパクトというかヒネりというかキレが足りない。 ソフィー・マルソーは良かったんだけど、もうひとりのいわゆるボンドガール的な位置付けの女の子は、 どうもキャラと役柄が合ってない(まぁ、そういうミスマッチ感を狙ってはいるんだろうけど)雰囲気だし、演技もちょっと硬い。 まぁ、アクションムービーとしてはそれなりにハイレベルではあるんだけど、 前作、前々作がよかっただけに、ちょっと物足りなさを感じてしまったな。
  ちなみに、さすがに歳には勝てずか、2作目から出演していたQが降板する作品でもあって、作中にもそれをほのめかすシーンがあったりする。 そういう意味では、見逃せない一本ではあるのだが。


007 ダイ アナザー デイ  Die Another Day
このシリーズに目立つVFXは期待してない
  ジェームズ・ボンド最新作で、記念すべき第20作目となる。
  今回は北朝鮮が舞台のひとつとなっており、悪役は北朝鮮人なもんで、 北朝鮮が国として非難し、韓国でも上映中止運動が起こったのが記憶に新しいところ。 んでも、実際に見てみると、その扱いは昔のこのシリーズのソ連みたいな感じで、 体制云々以前に個人の暴走っていう内容(まぁ、将軍様とその息子は死んでしまうけど(笑))。 その扱い方は、逆に不満だな。北朝鮮を良く描きすぎだって。
  今回のヒロインというか、いわゆるボンドガールは、 「エックスメン」のストーム役でもお馴染み、オスカー女優ハル・ベリー。 時折、微妙に安っぽい雰囲気を醸し出すんだけど、久々に日本人ウケしそうな黒人女優じゃないだろうか。魅力的。 それだけにもうちょっと沢山扱ってほしかった気も。 前作から出演していて、本作で晴れて新Qとなった人も、思ってたよりイメージが崩れず、ナイスキャスティングだったと思う。
  ボンドが北朝鮮軍部に捕まって1年以上も拷問を受けるというオープニングには意外性があったし、 それとも関連した、Mの007に対する微妙な立ち位置も、ブロズナンボンドらしい魅力的な部分と言えるだろう。
  ただ、非常に気になったのが、VFX重視のアクションシーン。 アクションシーンの最大の見せ場が象徴してるように、全編でVFXが必要以上に目立ってる印象。 やっぱり、スタントでアピールしての007だと思うだけに、これは非常に残念&肩透かしだった。 まぁスタントで頑張ってる部分もあるんだけど、VFXが目立っちゃってる時点でダメでしょ。 それに引きずられるように、ボンドもスタイリッシュに機転を効かせる場面が少なく、必要以上に派手な感じ。 人工衛星で宇宙から攻撃ってのも、前にやったネタだしなぁ・・・ (第20作目ということで、旧作へのオマージュのつもりなのかもしれないが)。
  マドンナによる主題歌は、「ゴールデンアイ」以降似たような雰囲気の歌が続いてただけに、新鮮で良かったんじゃないだろうか。
  とりあえず、北朝鮮の描き方とVFXの使い方がそれぞれ大減点ということで、期待していただけに非常に残念だった。


ダンジョン&ドラゴン  Dungeons & Dragons
ゲームの映画化ではアリガチなタイプの駄作
  いわゆる“ファンタジー的世界観”の代名詞と言われる、 テーブルトークRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」を元にした映画。
  まぁ、中世欧風の世界観が表現できて初めて、 中世欧風をベースにした剣と魔法の世界の表現ができるんだろうな、と。 そういう意味じゃ、 「グラディエーター」や「バリー リンドン」の方がよっぽど“ファンタジー的世界観”に対する欲求が満たされる。 よりファンタジックなものだったら「ドラゴン ハート」であるとか。 要するに、この映画は世界観の表現が未熟だし、ストーリー的に表現すべき部分を流してしまっている駄作ということ。 生活感が皆無なのに、超人類的な建造物を見せられても萎えてしまうし、防具、武器に全く重みが感じられない。 「スター ウォーズ」じゃあるまいし・・・。 ちょっと金のかかったB級、いやC級ムービー。 そのバックボーンを生かせたか生かせなかったかが、「スター ウォーズ エピソードI」との違いなんだろう。
  ちなみに、パーティのエルフ(ちなみに黒人女性が演じてる)と女メイジはなかなか魅力的だったんだけど、 いかんせん見せ場が無かった。 ハクの無い女王役(「アメリカン ビューティー」に出てた女の子)は論外だし、 ドワーフ戦士も、「D&Dをネタにして映画を作りましたよ」っていうアピールにしかなってない。 何より、主人公役に魅力的が無さすぎ。 そもそも、各キャラクターの背景の描写が足りなすぎで、感情移入の仕様がないんだよなぁ・・・。
  しかし、複数形は単数形に治すのが映画タイトルの日本語化の基本とはいえ、 「ダンジョンズ&ドラゴンズ」ってのに慣れきった後だと、 やっぱり「ダンジョン&ドラゴン」には違和感を感じてしまうな。


チェンジング レーン  Changing Lanes
意外にもサスペンス的な面白みナシ
  ベン・アフレック演ずる重要な裁判に向かう若手弁護士と、 サミュエル・L・ジャクソン演ずる離婚調停に向かう元アル中の男と、 その道中に接触事故を起こす。 若手弁護士はそこにウッカリと重要ファイルを忘れてきてしまい、 そのファイルを拾ったもう片方の男は、 その事故による遅れで妻と子供との別居が決定されてしまう。 若手弁護士は、なんとかそのファイルを取り戻そうとするが・・・というお話。
  結局、決断力がなく、中途半端な正義感を持った情けない若手弁護士の一人相撲に終始で、 物事の絡み合いという意味ではあまり話がまとまらず、 その内容はサスペンスというより社会派ドラマ的。 期待してたのとはちょっと違ったな。 描き方は悪くなく、「結局どうなるんだろ?」と飽きることなく見れたんだけど、 その期待に応えぬまま終了と。 相変わらずベン・アフレックはビミョーなんだけど、 今回は情けない役どころなだけに、逆にあってたかもしれない。


チャーリーズエンジェル  Charlie's Angels
キャラが魅力的で見せ場も豊富 ★★
  「スパイ大作戦」→「ミッション インポッシブル」ライクな、かなり古いTVシリーズのリメイクものらしい。
  で、思ってたより、遥かに面白かった。 止め絵よりも動いてる方が魅力的に感じられるチャーリーズ・エンジェル達の配役 (キャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リュー)にも好印象だったし、 彼女等とチャーリーとの仲介役になるボスレー役のビル・マーレーが非常にオイシイ。 いろんなジャンルを使ったBGMもナイスで、 カットイン系の演出にもウマさを感じたし、流行のスローモーション演出も上手に消化してる。 このテの映画は、「予告編で見せ場は出尽くしてるじゃん」ってことが多いんだけど、今作は、非常に見せ場が多彩。 序盤の日本文化を茶化した描写は鼻に付いたけど、全編そんな感じだったし、まぁOKってところ。 バカバカしい演出が題材にマッチングしたんじゃないかな。「ミッション インポッシブル2」と違って。


チャーリーズエンジェル フルスロットル  Charlie's Angels: Full Throttle
一発ネタとしてやめとくべきだったか
  スマッシュヒットを飛ばした、 TVシリーズのリバイバル「チャーリーズ エンジェル」の続編。 今回もまた、キャメロン・ディアス、ルーシー・リュー、ドリュー・バリモアという3人組が大活躍。 ・・・とはいうものの、前作の時点で結構ギリギリ感があった3人だけに、フレッシュさの欠如は結構イタい。 特にそういうテイストがウリであろうキャメロン・ディアスが・・・。 いや、相変わらずキュートではあるんだけど・・・。 そして相変わらずナイスバディでもあるんだけど・・・(ナイスヒップっぷりは合掌モノ)。 で、それが嫌らしく見えないのが、まさに彼女の良さではあるんだろうけど・・・。
  さらに、今回気になったのが、 必要以上にコントラストが人工的に強められている全体的な色調。 それでカラフルという印象が残ればいいんだけど、 陰影が強くつきすぎちゃって、ドギツイ上になんだか重たい印象が残ってしまった。 ウリであるスローモーション演出の多用しすぎ(「そこは必要ないんじゃ?」みたいな)も、 映画がなんだか重たく感じられる一因だろう。 キャスティングでは、チャーリーとエンジェルの仲介役的な位置付けで、 エンジェルたちを補佐する「ボズレー」役だったビル・マーレーが降板したのが、実はかなり痛恨。 今回は黒人俳優をボズレーに据えて、また違った面白みを出そうと頑張っているのはわかるし、 それが全く不発だったわけではないんだけど、 やはりビル・マーレーのような軽妙さが、この映画には必要なパーツだったんじゃないだろうか。 また、冒頭からかなり(前作以上に)おバカ全開で、 それはそれで結構だし、演出的にド派手なのは構わないんだけど、 肝心のアクションシーンの内容が度を超えてしまっていて、 かなり説得力が感じられないのは問題アリ。やりすぎだって・・・。
  まぁ、オゲレツめな小ネタなど、結構笑える部分はあったし、 アクションシーンではそこそこのスピード感を維持しており、 普通に楽しめる一本ではあるんだけども、もうちょっとポップな感じに仕上げてほしかった。


チャイナ シンドローム  The China Syndrome
社会派サスペンスの良作 ★★
  人気女性キャスター(ジェーン・フォンダ)とカメラマン(マイケル・ダグラス)が、 たまたま原子力発電所の事故の場面に遭遇するんだけど、とりあえずその場は事なきを得る。 ただ、その時の様子を捉えた映像は、上からの圧力によって結局放映されなかった。 一方で、その事故を乗り切った原子力発電所の技術主任(ジャック・レモン)も、 その事故がただの単発のトラブルではなく、何か大きな問題があるのではないかと思い巡らす。 資金難の発電会社は、とにかくその原発を再び操業させ、 さらに予定されている新たな原発建設を妨げないためにも、 事件を闇に葬ろうとするのだが・・・というお話。
  ちなみに、“チャイナシンドローム”ってのは、 もちろん、化学調味料の取りすぎで舌が痺れる症状が出るという “チャイニーズ・レストラン・シンドローム”のことではなく、 原子力発電所の炉心溶解事故、いわゆるメルトダウンのこと。 炉心溶解事故が発生すると、 溶けた炉心が溶け続けて落ちていってしまい、 (実際には起こりえないんだけど)終いにはアメリカの反対にある中国に到達してしまうという、 ジョークが元ネタになった言葉らしい。
  結論から言うと、なかなか見事な社会派サスペンス映画だった。 特にジャック・レモンの熱演が光るけど、それ以外のキャスティングもバッチリ。 絡み合う思惑を描きながら、安易な作りにはなっておらず、物語にはちゃんと緊張感がある。 単純に原発反対ではなく、電力会社の姿勢を問うという方向性も良かった。 つまり、ちゃんと社会派でありながら、ちゃんとサスペンス映画なわけだ。 部分的にセットのチープさはあるし、 もちろんテクノロジー面での古臭さはあるけど、今見ても全く色褪せない一本だと思う。


チャイナタウン  Chinatown
J・ニコルソンのカッコよさがわかる一本 ★★★
  個性派俳優ジャック・ニコルソンを代表する1本に選ばれてもおかしくないであろう、サスペンスの名作。
  ニコルソン演ずる元検事の私立探偵「ギティス」の元に、夫の愛人調査の依頼がある。 で、その愛人の調べがついたとたん、それが新聞にリークされてしまう。 で、探偵の元に“本当の”妻が現れ、依頼をしてきた人物が偽者だったことが判明した直後、 巨大ダム建設に反対する著名な学者であったその夫は、その直後に殺害される。 ギティスはその黒幕を探ることにするのだが、 そこには利権構造と意外な事実が隠されていた・・・というお話。
  いや〜、なるほど面白かった。 シナリオは事件の構造、人間関係共に凝っており意外性十分。 話の流れも過不足無い感じだし、印象に残る場面が幾つもあり、演出も上々、そして、余韻の残るラストシーン、と。 個性強めの配役も非常に上手くハマっており、 特にギティスの(地味ながらも)オシャレな(言動の)カッコ良さは、非常に大きなポイントだろう。 時代感覚のズレからくる面白さが生まれちゃってるけども、それを差し引いても傑作という説得力が感じられる一本だった。
(1974年)


追跡者  US Marshals
キャラもストーリーも良かったのに
  「逃亡者」の続編的な映画。 トミー・リー・ジョーンズとウェスリー・スナイプスの共演で、監督は「エグゼクティブ ディシジョン」の人らしい。
  ストーリーも良いし、キャラクター(&俳優)も良いのに、なぜか総合的には凡作という印象が残った不思議な映画。 最後のオチの前に、そのネタをばらしちゃうっていうその意図も理解しかねる。 ダメダメってほどつまらなかったわけじゃないんだけど・・・。


デアデビル  Daredevil
デアデビルならではの部分で押し切れなかった
  ニューヨークのスラム街「ヘルズキッチン」に住む盲目の弁護士「マードック」は、 目が見えない代わりにその他の四感が超人的に発達しており、夜はヒーロー「デアデビル」となって悪を討つ。 元々このデアデビルは、結構古株のアメコミヒーローで、 そもそもはマーヴル版「バットマン」を作ろうという企画で生まれたらしく、 本来は社会派アメコミヒーローのはずだったんだけど・・・。 ちなみに、日本での知名度はイマイチ。 自分も原作は一編くらいしか読んだことがなく、あまり詳しくはなかったりする。
  暗闇で光りに照らされる赤いコスチューム、っていうビジュアルイメージは結構良かったのに、全体的な印象は非常に中途半端。 ワイヤーを使ってビルからビルへ飛び回る姿はスパイダーマンを思い出させるけど、あれほど躍動感があるわけでもなく、 夜の街がメインの舞台になってるところはバットマンを思い出させるけど、あれほど雰囲気があるわけでもなく・・・。 舞台となるヘルズキッチンは、ゴッサムシティほどファンタジーではないけど、 スパイダーマンのニューヨークほどニューヨークっぽくもなく・・・。 確かに、アクションシーンは結構頑張ってると思う。格闘シーンはそれなりに工夫されてる。 が、暗闇が多いだけにそれがイマイチ映えないし、 そもそも、そういうとこで押す題材だったんか、と。 むしろ、(他のヒーローに比べれば)人間に近い存在で、 さらに社会派な感じをアピールすべきだったと思うんだけども・・・。
  そういう意味では、配役がイマイチで魅力的な人物がいなさすぎるのも気になるところ。 その筆頭はデアデビルに扮するベン・アフレック。 盲目の演技をしてる時の表情は、必要以上にマヌケだ。 イメージ的にはもうちょっと知的でシブめの人の方がよかったんじゃないかねぇ・・・。 って、過去の出演作品を見ると、向こうでは知的なイメージがあるのかもしれないが。 どうもこの人の良さはわからんなぁ・・・。 これは見せ場が少ないというのもあるんだけど、 有名な敵役「キングピン」を演ずるマイケル・クラーク・ダンカン(「グリーンマイル」の彼)も (白人→黒人っていう設定変更はいいとしても)ピンとこなかったし、 エレクトラ、ブルズアイ、共にパンチ不足この上なし。
  んで、話の流れも雑。 原作の人気の火付け役となったらしい「エレクトラ」を出すのはわかるんだけど、 設定をかなり変えちゃったもんで、なぜかスーパーヒーローのデアデビルを倒してしまうトンデモヒロイン的な位置付けに。 その前後の話の流れも、かなり説得力がない。
  BGMの使い方もビミョーだったんだよなぁ・・・。
  ここんとこ、「スパイダーマン」「X-MEN2」とアメコミムービーは良作が続いていただけに、 非常に残念な一本だった。 設定は面白いヒーローなんだし、音と匂いをビジュアライズするという映像自体は面白かったので、次回作での奮起を期待したいところ。


ディア ハンター  The Deer Hunter
自分の見た中では最高のデ・ニーロ主演映画 ★★
  ロバート・デ・ニーロの代表作のひとつ。
  これも「タクシードライバー」同様、ベトナム戦争を絡めた話で、なかなか切ない。 ベトナム戦争、古き良きアメリカ、鹿狩り、ロシアンルーレット、 それぞれの要素がなかなか巧妙にストーリーを構成してて、実に面白かった。 結構長い映画なんだけど、中盤のベトナムでのシーンにスピード感があるだけに、あんまりダレダレ感がないのも良い。


D-TOX  D-Tox
トム・ベレンジャーがムダに濃い
  最近なかなかヒット作に恵まれないスタローン主演作。
  警官連続殺人事件の調査にあたっていたFBI捜査官が主人公なんだけど、 友人だった警官も殺され、恋人も殺され、絶望から酒に溺れてしまう。 で、人里はなれた雪山にある警官のアルコール依存症患者専用の医療施設に入るものの、 そこにもシリアルキラーの陰が忍び寄るのだった・・・というお話。 タイトルはdetox(解毒)のことらしく、 映画の中に出てくるアルコール依存症患者専用の医療施設の名称。
  猟奇的な殺人&エグめの死体描写という、最近流行のタイプのサイコサスペンスなんだけど、 キャラが全体的に魅力薄&展開が平坦で、どうにも面白くなかった。 「なるほど〜」とか「そうくるか〜」的な驚きも皆無。 設定は結構独創的で面白かったんだけどなぁ・・・。 役柄的に地味な人物をトム・ベレンジャーが演じてて、 それがムダに目立ってたのも気になったところ。


ディフェンダー  Guardian
絵的な地味さはしょうがないにしても
  海兵隊として湾岸戦争時にイラクでとある事件に巻き込まれた過去がある刑事が、 今、預言者を悪魔から守る守護者として覚醒する、そんな話。
  序盤からの話には結構引き込まれるものがあり、 湾岸戦争時のイラクから話が始まり、 中盤は刑事アクション風になり、後半は若干スーパーヒーローチックに、と、 話が変わっていくんだけど、 残念ながらその色んな要素が全てグダグダになってしまった感がある。 伏線がわかり易すぎだったし、 全体的に人物描写が足りない割には、 「なんでそこでスローにして引っ張るんだ?」っていう演出があったりと、 特に刑事アクション色が薄れだした中盤以降は相当イマイチだった。 アクションもどこをウリにしたいのかが見えてこないし、 低予算のようで、話のデカさの割に絵的に地味なのもツライところ。
  話の大筋は面白かったんで、 もっとVFXにお金をかけ、色んな要素をシッカリと描ききれれば、 思いっきり化けた可能性も感じられただけに、ちょっと勿体無かったな。


デス ゲーム2025  Futuresport
肝心のFuturesportとやらが・・・
  舞台は2025年、近未来、 宙に浮くスケボーに乗ってプレイするFuturesportという競技が大ブレイクし、そのスター選手が主人公。 ヒロインにヴァネッサ・ウィリアムズ、助演でウェスリー・スナイプスが出演してたりする。 ハワイが独立を目指してて、それを太平洋連盟(環太平洋の国々の連盟)が支持してて、 ハワイ独立を目指す過激派がテロを起こしてたりする世界観で、 そのことがFuturesportと主人公に絡んでくるという流れ。 街並みは「ブレードランナー」にインスパイアされたような感じだし、 必要以上にハイテクだったり、どう考えても2025年っていう設定にはムリがあるような・・・。 やはり「ブレードランナー」の影響なのか、ミョーなアジアンテイストも笑える。 漢字が出てきたり、主人公がヒロインを手巻き寿司でもてなしたり、主人公の部屋には桐のタンスがあったり。
  基本的にマズいのが、肝心要のFuturesport。 アイスホッケーとバスケとスケボーを組み合わせたようなゲームなんだけど、 このスポーツの面白さが伝わってこないというのが、かなり痛恨。 ゲームのキモもよくわからんし、その見せ方も迫力不足。 さらにこの選手達がなぜかテロリスト相手にバトルできちゃったりするのが謎。 「銃夢」のアレくらいのわかり易さがほしかった。 んで、全体に絵的にチープなのも頂けない。 装備品とかはまるで日本の戦隊モノのような感じだし、ライティングが実に安っぽい。 と、どーも特撮&ライティングがチープだなと思ったら、どうやらTV映画らしい。
  そして、そのストーリーは、アメリカンなスポーツモノ的に笑っちゃうくらいにベタ。 主人公の挫折、ライバルとの和解、陰謀、友人の死、別れていた彼女との復縁、そして勝利。 ただ、ベタ過ぎて結構楽しめちゃったりもした。ここらへん、実は嫌いじゃなかったりする。 プロット&設定そのものはそんなに悪くなかったと思うんだけど、 時間的に余裕がなかったのか、描写しきれてない部分が目立つのも確か。 もっと各チームメイトをシッカリと描写する時間を割く、 あるいは描写できる程度の人数のチームでプレイするスポーツにする等の工夫と、 もうちょっとFuturesportの試合の比重を大きくした内容にすれば面白くなったんじゃないかな。 Futuresuportのチームでテロリストの隠れ家に乗り込む、なんていうシチュエーションはいらんかったろう。
  しかし、「クライシス2050」を思い出させるこの邦題を付けたやつの顔が見てみたい。


テルミン  Theremin - An Electronic Odyssey
ドキュメンタリー映画ならではの感動が ★★
  この映画を機にプチブームとなった、世界初の電子楽器テルミンにまつわるドキュメンタリー映画。
  まず何より、テルミン博士の数奇な運命自体に鳥肌。 単にマッドサイエンティスト風博士のトンデモ発明ってんじゃなく、 そこにソ連が関わってきて、非常に味わい深い話になっている。 撮影当時90数歳で存命中だったテルミン博士の語り口も実に味わい深い。
  そして、そのテルミン博士から寵愛を受けたという、女性テルミン奏者の演奏に鳥肌。 ちょっと前に日本のテルミン奏者の演奏をTVで見たけど、それとは一味も二味も違う。 まるで、吉田兄弟の三味線を聞いた後に、高橋竹山の三味線を聴くようなもん。
  最初のうちは、それこそNHKでやってるドキュメンタリー番組みたいな流れなんだけど、 だんだんと映画らしい贅沢な時間の使い方をしていくのも良い感じで、 いろいろと鳥肌モノの映画だった。


トイストーリー2  Toy Story 2
ベタでいいじゃない ★★
  ベタな演出にやはり大ウケ。 質感が向上したので、時折、ホントにミニチュアが動いてるような錯覚に陥る。 大人でも楽しめる・・・というか、日本の子供的には逆に難しいかも (ある程度は向こうの習慣がわからないと・・・って気も)。 小賢しい感じのブタのキャラがナイスだ。


トゥームレイダー  Lara Croft: Tomb Raider
これ以上ないハマり役だったのに・・・
  海外では大ヒットシリーズ、日本でもそこそこの認知度があるゲーム『トゥームレイダー』の映画化。
  見る前からわかってたこととはいえ、ララ・クロフトにアンジェリーナ・ジョリーってのは、絵的にハマりすぎ。 そして、アクション的には良いアイデアもあって結構見所があったんだけど、 VFX、SFX、小道具などに、なんかリアルさが足りないのがイタい。 そこらへん、「ハムナプトラ」シリーズなんかは上手くやってたんだなってのがよくわかる。 また、映画第1作目にしては、ララのウェットな部分をアピールしすぎで、 ララのララらしい魅力っていう意味では物足りなさも。 結局、ララ・クロフト=アンジェリーナ・ジョリーってのが、 いまいち生かしきれてなかったように思う。
  ちなみに、ララの執事をやってるのが、 あの「宇宙船レッドドワーフ号」のリマー役の人なもんで、 (出番は多くないんだけど)個人的にはそれがかなりツボにハマってしまった。


トゥルーマン ショー  The Truman Show
ある意味、今そこにある危機 ★★
  ジム・キャリー確か初のマジ映画。
  とりあえず、一発ネタのSF映画としてはかなり好感が持てる。 面白い設定だったし、それを上手に映像化してた。
  ただ、泣けるっていう噂を耳にしてたんだけど、この映画のどの部分で泣けるんだろうか?  っていうか、これで泣けるっていう人は、むしろ風刺の対象になってるんじゃないかな。 知らずの内に生まれてからずっと私生活をTVショーにされてるトゥルーマン、 トゥルーマンを騙し続ける共演者、製作者、そして、視聴者。 どれが嫌かと聞かれれば、自分の場合は圧倒的に視聴者。 最近、ある意味で似たような路線のTV番組も目立つわけで、 そういう部分も含めて、なかなか面白い映画だった。


トータル フィアーズ  The Sum of All Fears
ベン・アフレックはもうちょっと能天気な映画の方が良さげ ★
  最近ではゲーム関係での活躍が目立つトム・クランシー原作の、 「レッドオクトーバーを追え」「パトリオット ゲーム」「今そこにある危機」に続く、 久々のジャック・ライアンが主人公の国際軍事サスペンス。 前2作ではハリソン・フォードが務めたライアン役には、 「パール ハーバー」のベン・アフレックが。
  スーパーボウル会場で核爆弾テロが実際に起きてしまうというなかなか派手なシナリオで、 それをアメリカはロシアの攻撃だろうと反撃を企て、 ロシアもそれに対抗しようと動き出すという話。
  結論から言えば、なかなか面白い映画だった。 核爆発による惨状の描写は、かなり淡白に感じられるものの、 全編を通して緊張感が持続してて、 痒いところに手が届かないっていう、 「博士の異常な愛情」に通ずる面白さがある。 ただ、話のネタは早々に全て明らかになっていて、 しかも、その解決手段は特にヒネリがあるってわけでもなく、 あくまでもそれによって周りの人物がいかに右往左往するかを観察するだけという映画なだけに、 「なるほど〜」とか「スッキリした〜」といったカタルシス的な面白さはイマイチ。
  また、CIA長官役のモーガン・フリーマンは非常にいい味を出してたんだけど、 肝心のライアン役のベン・アフレックがイマイチ気味。 もうちょっと知的な雰囲気を醸し出す人物の方が役にあってたと思うんだが。


ドーベルマン  Dobermann
意外とドーベルマンに華がなく
  今やフランスを代表する若手俳優となったヴァンサン・カッセル主演の、フランス産クライムアクションムービー。 意外にVFXにも力が入っており、日本でもTVCMが流されてた記憶がある。
  ドーベルマンの異名を持つ札付きのワルの元に、個性的なワル共が集まりだし、 銀行襲撃の大計画を実行に移すが・・・ってな感じの話。 個性的な演出をふんだんに盛り込んだ爽快アクション映画を期待してたんだけど・・・。 ホンの一部での変わった演出と、悪趣味さが目立つだけで、漫画的な設定&キャラクターながらも、 それに見合った疾走感・爽快感が全くないという、よくわからん一本だった。
  肝心のヴァンサン・カッセル演ずるドーベルマンが、確かに絵的にはカッコいいんだけど、 そのキャラとしてのウリが見えてこないのが意外だったし、致命的だったか。 つーか、キャラとしては、敵役である悪徳刑事に食われちゃったよなぁ・・・。 一番印象に残ってるのがこの悪徳刑事の悪趣味さ、というより、それ以外に印象に残るポイントがない。


ドクター ドリトル  Doctor Dolittle
ドリトル先生にエディー・マーフィー、これが全て ★
  ちょっと前にTVでやってて、出だしをチラっと見たら面白そうだったんで、 ずっとビデオ屋でチェックしてたんだけど延々とレンタル中。で、やっと借りれた一本だったりする。
  全体的にB級っぽい安っぽさはあるものの、やはりアイデアの勝利。ベタながらも結構笑った。 こういうのって、逆に実写だからこそな映画だよな〜。 ただ、ちとオゲレツネタが多すぎる気も。


ドクター ドリトル2  Doctor Dolittle 2
一発ネタっぽかったが、2作目も面白かった ★★
  動物とエディー・マーフィーの掛け合い、コレはやっぱり反則。大笑い。 「Cats&Dogs」なんかは実物とパペットとCGを組み合わせてたらしいけど、 確か、これは全部実物の動物だったような・・・。 オゲレツネタは若干押さえ気味になったというものの、それでも結構ある感じ。
  基本的に前作より面白かったんだけど、 惜しむらくは、今作の場合最初からドリトル先生は動物としゃべれちゃうんで、 現実とのギャップ的な楽しさは減ってしまったし、話の展開もやりすぎなところがあって、 もうこれ以上続編を作るのは苦しそうなことか。


時計じかけのオレンジ  A Clockwork Orange
自分が生まれる前の映画とは思えない新鮮さ ★★
  久々に見直してみたんだけど、やっぱり今見ても非常に新鮮。 皮肉タップリのストーリーは、むしろ今っぽいし、絵的な古臭さも皆無。 惜しむらくは、頻出する造語っぽい単語が、 英語にそれほど通じてない自分的にはそのニュアンスが全くわからないことか。 キューブリックの映画では「2001年宇宙の旅」と並んで好き。


突入せよ!あさま山荘事件
佐々淳行氏の音声解説付き版も是非 ★★
  実際に起きたあさま山荘事件を題材とした映画で、 予想以上に面白かった社会派エンターテインメント映画だった 「金融腐食列島 呪縛」と同系のプロジェクトらしい (プロデューサーや監督が同じ)。 当時指揮に当たった佐々淳行氏の書いた原作を元に、 主人公となる佐々淳行氏は役所広司さんが演じている。
  概ね事実を元にしてる分、地味になってるとこもあって、 あさま山荘事件に関する知識ゼロで楽しめるかっていうと疑問だけど (とはいえ、プロジェクトX程度の知識で十分)、 それでも、なかなか面白かった。 ただし、この映画の真価は、 DVD特典である佐々淳行氏本人とプロデューサーによる音声解説も含めてだと思う。 2時間ちょっとの映画なんだけど、見終わってそのままこの音声で2度目を見始めてしまった。 んで、最初は気付かなかったシーンの意図であるとか、 当時の状況の解説とか、裏話とか、事実と映画の違い (「ここはフィクションだったのか〜」ってものあるし、 逆に「これもマジだったの?」ってのもある)とか・・・非常に充実してた。 ここまで観てこその映画だと思うし、そこまで含めれば相当心に残る一本だった。 是非、DVD版で観ることをオススメしたい。
  しかし、伊丹氏亡き今、社会派でありつつエンターテインメント性も打ち出せるってのは、 非常に希少なんじゃないだろうか。 良い意味で、あんまり邦画臭さを感じさせないところがある。


ドニー ダーコ  Donnie Darko
話は大してまとまらないので悪しからず ★
  ある日の夜、精神分裂気味の青年ドニー・ダーコの前に、 奇怪なウサギの面を被った男が現われ、 彼に導かれるまま外にさ迷い出たドニーはそこで、 「28日と6時間と42分と12秒後、世界が終わる」という啓示を受ける・・・という話。
  にも関わらず、あまり「その時何が?」「ウサギの男は一体?」って部分を楽しむような映画ではなく、 ドニー・ダーコを通して、アメリカ社会を描き出してるというか、 ドニー・ダーコの生活を描くって感じになっている。 一応、オチはあるっちゃあるんだけど、 相当強引で、そこに「なるほど〜」という面白みがあるわけでもない。 「メメント」みたいな謎が収束するタイプの映画っぽく宣伝されながらも、 全くもってそういう映画じゃないので要注意。
  社会描写映画にしては若干パンチ不足なとこがあるし、 おそらく狙ったんであろうまとまりのなさが、 (1980年代のアメリカが舞台ということで)日本人の自分にはちと共鳴し難い部分もあって、 中途半端なだけに感じられたりもしたんだけど、 意外に飽きずに最後まで楽しめたのも事実。 これといった部分はないんだけどねぇ。不思議な映画だ。


ドラキュリア  Dracula 2000
安っぽい演出に萎え
  一応、「スクリーム」のウェス・クレイヴンpresents、ということになってるんだけど、 アリガチな“製作総指揮”って感じなんだろう。監督は別の人。
  現代にヴァンパイアが蘇って・・・ってなバンパイアハンター的なお話。 そのプロットは悪くなかったのに、奇をてらった演出が作品を台無しにしてしまった。 フラッシュバック的でイリュージョンな演出は鬱陶しいだけだし、ビックリ演出がムダに多くて疲れる。 また、主人公の位置付けも中途半端なまんまで、 主人公の戦うモチベーションが見えてこないし、 シロートのはずの主人公がソコソコ戦えちゃったり、 それでも、あくまでもソコソコなんでアクションシーンが盛り上がりに欠ける。 このネタならもっとアクション重視のストレートな演出にした方が良かったんじゃ・・・って、 それじゃ「ブレイド」の二番煎じになっちゃうか。 あ、ヒロインはかなり地味めなんだけど結構ツボかも。
  そういや、“ドラキュリア(Draculea)”って言葉はどこから引っ張ってきたんだろ? まぁ、さすがに邦題が「ドラキュラ2000」では入る客も入らないとは思うが。


トラフィック  Traffic
ただのドュメンタリー風映画としか思えん
  「セックスと嘘とビデオテープ」「エリン ブロコビッチ」「オーシャンズ11」などで有名な スティーブン・ソダーバーグ監督作品 (ちなみに、今は「惑星ソラリス」のリメイクを撮ってるとか)。 元々はイギリスで放映されたTVシリーズで、その映画化ということらしい。
  アメリカでは、麻薬取締官のお偉いさん、薬に溺れるその娘、 メキシコでは、夫が突然逮捕されて麻薬王だということを始めてしった妻、地元の警察官、などのエピソードを描きながら、 だんだんと話が絡み合っていく・・・という話だったんだけど、 ハリウッドでは珍しく、起承転結がしっかりしてない話で、 最後にキチンとしたオチがあるというタイプの映画じゃない。 結論としては、確かに社会派だとは思うけど、映画としては特に面白くもなく。 ああいう状況が身の回りにない日本人がそのまま楽しめるような映画じゃなかろうと。 噂の色分け演出も作為的すぎて好きになれないし、 いかにも“手で持って撮りました”みたいなドキュメンタリー風の絵も鼻につく。 ここらへん、「だったらドキュメンタリーを見るわいな」という話。
  ただ、メキシコの刑事役は非常にイカしてた。シブくてカッコよくて、存在感ありすぎ。


ドリームキャッチャー  Dreamcatcher
原作者が絶賛してる時点でヤな予感はしてたんだけども
  スティーブン・キング原作サスペンスホラー映画の最新作。 そのタイトル、意味ありげな不気味な感じのお守りのビジュアルイメージ、 物語の導入からして、もうちょっとサイコサスペンス的なものを想像してたんだけども・・・。 そのベースは、「エイリアン」系のパニックムービーでかなり肩透かしを食らってしまった。
一応、独特のシチュエーションとしては、 その危機に直面する親友4人組の男たちがそれぞれ予知能力などの超能力を備えてるということ。 で、その能力を得る原因となった過去の出来事も描きつつ・・・と。 んー、もうちょっとそこに絞った方がよかったんじゃないかねぇ・・・。 多彩すぎる要素を、2時間っていう映画の中で生かすのは、 ちょっとムリがあったっぽく、「アウトブレイク」的な展開になってくる中盤以降は、かなり散漫気味。 結局、それぞれが未消化になってしまい、ただのごった煮映画って感じになってしまった。 シチュエーションパニック映画にしては、思ったほど話が膨らなかったし、 オチにも全然ひねりが無かったし・・・。
  ただ、恐怖に特化してない分、気楽に楽しめるところもあるし、 全体的に映像的にはまとまったところがあって、 極端なチープさとかがなかったのは救いではあるんだけども。


ドリヴン  Driven
マンガチックな爽快レース映画 ★
  スタローン久々のスマッシュヒットとなった、CARTを題材にしたレース映画。 助演というかむしろ主演格なのが、おすぎもメロメロだったキップ・バルデュー (伊藤英明をスッキリ&フレッシュにして演技力を付け足したような人)。 ちなみに、CARTが題材ということで、CARTから全面協力を得てるらしく、 レースシーンは実際のレースシーンを活用してたりするらしいし、 カートレーサーも(ちょい役ながらも)多数出演 (なぜか、アレジも出てたりするが)。
  で、意外や意外、想像してたより遥かに面白かったってのが正直なところ。 もっと、“ヒーローがいて、ヒロインがいて、悪役がいる”みたいな、 勢いだけのグダグダムービーを想像してたんだけど、 意外に人間関係が絡み合っててグッドだったし、 何より、根っからの悪モノはいなくて、それぞれがそれぞれの立場で頑張ってるという作りに好感が持てる。 それが、実際のレースとCGを組み合わせた迫力のあるレースシーンと相まって、なかなかの快作だった。 確かに、古典的名作レース漫画「赤いペガサス」もビックリな 個々のシチュエーションに嘘臭さがあるのは事実だけども、 こういう熱い話を展開できるCARTの側面は嫌いじゃないな〜。 例えば、F1を題材にしたら間違いなく成り立たなかったろうし、 逆に、F1感覚で見られてしまうと可哀想な映画でもあると思う。


トリプルX  xXx
無難に面白いアクション大作 ★
  「ワイルド・スピード」で一気に注目を浴びたヴィン・ディーゼルと、 その監督ロブ・コーエンによる、アクション大作。
  簡単に言うと、ワイルドなアメリカ版007で、 NCAエージェントが次々と失敗したミッション遂行のために、 エクストリーム系スポーツなんでもござれなワル、 「ザンダー・ケイジ」がいきなり抜擢される、そういうお話。
  その、アメリカでは「セクシーだぜ!」と人気らしいヴィン・ディーゼルは、 男前でもなければ知的でもなく、 演技もそう上手いとは思えないわけだけども、 ズぶとい声が印象的で独特の魅力があるのは確か。 そんなディーゼル演ずるザンダーが意外にワルじゃないとこが肩透かしではあったものの、 キャラ&設定は十分に生かされていて、 あまりVFXっぽさを感じさせない エクストリーム系スポーツを生かした大掛かりなアクションシーンは上々。 期待以上とは言わないまでも、無難に面白いアクション映画だった。 トリプルXが生まれる成り行きを説明しなくちゃならないわけで、 その後の本編が淡白になってしまうかと思ったらそうでもなかったし。
  サミュエル・L・ジャクソン演ずるザンダーの上司、 同僚というかXをサポートするメカマニア(要するに007の「Q」に相当か)と、 脇役も良い感じだったので、続編での更なるグレードアップに期待といったところ。
  ウィノナ・ライダーを思わせるヒロインが結構好みだったのもポイント高し。


トレーニング デイ  Training Day
ただの刑事アクションかと思いきや ★★
  主人公は交通課から麻薬捜査官への転属を希望した新米白人警官、 その転属初日にベテラン黒人刑事による実地での転属試験を受けるのだった、 そんな導入からすると「リーサルウェポン」のような刑事アクションを想像するけど、 その思惑をいい具合にスカしてくれる、どちらかというとクライムムービー。
  黒人刑事役のデンゼル・ワシントンはこれでアカデミー主演男優賞を取ったけど、 自分の場合どちらかっていうと印象に残ったのは、新米白人警官を演ずるイーサン・ホークの方だったりする。 そんな二人の掛け合いと、緊張感のある描写がグッドで、 息を飲むヒマもない非常に面白い一本だった。 ここんとこ観た映画の中だとピカイチかな。


トロイ  Troy
肝心のアキレスを情緒不安定に描きすぎ ★
  巨額の制作費が投じられた、ホメロスの叙事詩「イリアス」を原作にしたハリウッド大作。 ギリシア軍の無敵の戦士アキレス役にブラッド・ピット、 対するトロイの最高の戦士でもある王子ヘクターに「ハルク」のエリック・バナ、 戦争の口実を作ってしまうその弟に「ロード・オブ・ザ・リング」のレゴラス役で一気にブレイクしたオーランド・ブルームと、 イイ男揃いのキャスティングでも注目を集めてた。
  ん、結構面白かったな、と。 なるほど、映像への力の入れようは凄いものがあって、絶景だったり、迫力満点だったりと、言うことナシ。 合戦シーンも、特に遠景では凄まじいことになってる。 先に「キングアーサー」を観といて良かった・・・。 尺の長い映画だけども、全体的に勢いがあって、その長さを感じさせない。 配役のMVPはエリック・バナかな。 勇猛でありながら、しかも知的という役にはピッタリ。 ・・・というか、魅力的な人間が彼が演ずるヘクターくらいしかいなかった、という話もあって、 そこがちょっとピリッとしなかったところだとは思う。
  特に問題なのはアキレス。 無敵の戦士っていう部分には思っていた以上に説得力があったのだけど、どうにも情緒不安定というか、ミステリアスに描きすぎ。 心の動きに、見てる側が想像しなくちゃいけない部分が多すぎたと思う。 ブラピを起用したからこうなったのか、こういう役だからブラピを起用したのか。 後者であれば、ある意味、正解だったし、これはこれでアリかとも思うけど、 この映画の位置付けを考えても、もっとわかり易く描いた方が良かったんじゃないかな、と。
(2004年)


トロン  Tron
今観ても鮮烈 ★
  初めて大々的にCGが使われたSF映画で、ディズニーが押していた割にはヒットしなかったらしく、 どちらかというと、一部のファンから根強く支持され続けるカルトムービーの部類に入るらしい・・・。 自分もそんな“一部のファン”で、自分にしては珍しく、ビデオで何度も繰り返して観た映画だったりする。 物語的にも続編となるゲーム『Tron 2.0』のXbox版をプレイ開始したので、久しぶりにDVDで見直すことにしてみた。
  いや、やっぱイイわ。 実はCGの場面ってのはそれほど多くないっぽいんだけど、擬人化された電脳世界の、 個性的でクールなビジュアルイメージ(by シド・ミード)は、今観ても全く衰えることがなく、むしろ新鮮。 どうしても見世物小屋的な作りになってしまってて、 話が盛り上がっていかないわけだけども、もうこれだけで満足さ。
(1982年)