患者取り違え事件を昨年1月に起こした横浜市立大学付属病院(横浜市金沢区)の1999年度の手術件数が、98年度に比べ465件減ったことが、16日の市議会決算特別委員会で明らかになった。事件を起こした第一外科の手術件数は、過去5年間で最少だった。

 同病院によると、99年度の手術件数は3535件。98年度の4千件ちょうどから465件減り、約12%の減少になった。

 第一外科の手術件数は、98年度の465件から77件減り、388件だった。

 外来と入院で分けて見ると、99年度の入院患者の手術件数は3097件、98年度の3433件から336件減った。外来は438件で98年度の567件から129件減った。

 診療科ごとでは、形成外科が109件、眼科が72件、整形外科が66件、それぞれ減るなど、落ち込みが大きかった。

 同大総務部の樋口健太郎部長は「事故のあった第一外科の手術が過去5年間で最低になったことを考えると、取り違え事件の影響は否定できない」と話した。

<2000/10/17 朝日新聞より>


 昨年1月に患者取り違え事件を起こした横浜市立大学付属病院(松原升病院長、横浜市金沢区)の第一外科は、平成11年度の手術件数が10年度の465件から77件も減り、過去5年間で最低だったことが16日、同市議会決算特別委員会で明らかになった。市大側は「事故の影響が一部出ている」としており、事故が市民の医療不信を大きく増大させたことを裏付けている。

 昨年1月に取り違え事故が起きて以降、市大病院全体では11年度の入院患者の手術件数が3097件で、10年度と比べ336件減少した。外来患者の手術件数も、11年度は438件で1年度比で129件も減った。

 手術件数の減少がもっとも大きかったのは形成外科の109件減。次いで第一外科の77件減、眼科の72件減、整形外科の66件減。

 病院側は手術件数が減った理由として「今年1月に市民総合医療センターが新たに開業したため、患者が流れた影響がある」としているが、取り違え事故を起こした第一外科の手術件数の減少が顕著で、過去5年間で最低にまで落ち込んだことから「医療ミスの影響が出ているのは否定できない」と分析している。

<2000/10/17 産経新聞より>


 昨年1月、患者取り違え事故を起こした横浜市立大学医学部付属病院(横浜市金沢区)の手術件数が、2年連続で減少していることが16日、明らかになった。

 同市議会決算第一特別委員会で、菅野義矩委員(民主)の質問に同大の大場浪男事務局長が答えた。

 同大によると、1997年の手術件数は4023件、98年は4千件で、昨年は3535件。このうち、患者取り違え事故があった第一外科の手術件数は一昨年の465件から、昨年は77件減の388件に。大場事務局長は「一番の原因は(同大付属の)市民総合医療センターの開院によるものだが、事故の影響もある」と事故の余波を認めた。

 同病院では、取り違え事故後も医療ミスが相次いで発覚、南陸彦医学部長を筆頭に、他学部も参加して医療事故公表基準作成委員会を設置、12月末までに基準をまとめる一方、患者側に立った医療サービスの自己評価システム導入案も検討されている。

<2000/10/17 東京新聞より>


 昨年1月、手術患者の取り違え事件を起こした横浜市立大学付属病院第一外科の手術件数が昨年度、対前年度に比べ約2割減少した。同事件の影響で患者が敬遠したとみられる。16日開かれた横浜市議会で分かった。

 同病院の第一外科では1998年度、465件の手術を行ったが、昨年度は388件にとどまり、前年に比べ77件(16.5%)減った。手術件数は95年度から98年度まで、平均480件で推移していたが事件後、落ち込みが際立つ。

 同病院の全体の手術件数は昨年度が3536件(対前年比465件減)で、第一外科の件数は約11%を占めた。同病院の専門科別の昨年度の手術件数は眼科699件(対前年比72件減)、整形外科484件(同66件減)、第一外科、形成外科375件(同109件減)の順だった。

<2000/10/17 毎日新聞より>