第3回:ちょっと小粋なワゴンを買おうと(ちょっとだけ)思う

 私事で恐縮だが(というか、自分のHPでは私事しか書いていないのだが)、先日家の車の1年点検を済ませた。これで丸6年、来年は3度目の車検である。
 今の車は走行距離が45,000km超えても絶好調で、当分買い換えるつもりはないのだが、敢えて
次の車を選ぶならワゴンもいいなと思っている。(本命は未だにプリウス?!(謎))

 で、何でワゴンなのか。

 理由はやっぱり荷物が積めるから。年に数回あるかないかだが、パソコンやスキーを車に積んだりすることがある。我が家の車(普通の4ドアセダンです)の場合、パソコン用の段ボールはトランクに入らない。仕方がないので後部座席の上に載せることになるのだが、段ボールは人間の身体ほど融通が利くようにはできていないので、後ろのドアの切り欠きに合うように角度をいろいろ替えて大汗をかきながら押し込む羽目になる。しかも段ボールは座席に固定されていないので、ブレーキングやコーナリングの際に荷物が前後左右に動き回ることがあり、結構ヒヤリとさせられる。ということで、大きな荷室が付いているワゴンの有り難味は大きい。

 それにワゴンは一般に後席をアレンジすることで自由にその容積を切り替えることができる。運転席より後ろの空間については人を乗せてもよし、荷物を満載してもよし・・・この
フレキシビリティがワゴンの持つ最大の魅力なんじゃなかろうか。何やら乗っている人が車を「ツール」として最大限活用しているように見えるのだ。もちろん7人乗りミニバンみたいに「走る所帯」的なせせこましさもないし。(7人乗りミニバンご愛用の方、ゴメンナサイ・・・)

 というわけで、今日は魅力的なワゴンとは何たるかを検証すべく、お台場にあるトヨタのショールーム
"Mega Web"に行ってみた。ターゲットは直列6気筒エンジンを搭載するワゴン3種(マークUブリット、アルテッツァ・ジータ、クラウンエステート)。これより小さいサイズだとトヨタ車の場合、商用バンと見間違えられそうな代物ばかりなので候補から外した。

これが"Mega Web"の入口。
お台場の「パレットタウン」内にあるこの施設、車の現在、過去、未来が体験できるテーマパークとして1999年にオープンした。
トヨタの最新モデルが勢ぞろいした「メガショールーム」の他、往年の名車に遭遇できる「ヒストリカル・ガレージ」や全周1.4kmの試乗コース(要予約)など、アトラクションも充実。

以下の写真はクリックすると、より大きな画像を見ることができます。

左側から「マークUブリット 2.5iR-V(4速A/T、3,390,000円)」「アルテッツァ・ジータ AS200(4速A/T、2,190,000円)」「クラウンエステート 2500アスリート(5速A/T、3,500,000円)」。以下同順。
エンジンやグレード体系もあるので価格は一概に比較できないが、トヨタのヒエラルキーに則り、
アルテッツァ、マークU、クラウンの順に高い

ここでは
マークUの縦長4灯ヘッドが目を引く。何だか大仰で決してカッコいいとは思えないが、夜ライトを点灯すれば間違いなく目立つだろう。

アルテッツァはどうも普通だな・・・
マイナーチェンジで一層大人しい顔つきになったような気がするのは気のせい?

クラウンは・・・ハイ、いつかは・・・いや、
いつものクラウンですな。特に言うことはございません(謎)


3車の後姿。

アルテッツァのリアオーバーハング(後ろの車輪からリアバンパー先端までの距離)が短く、
運動性能を重視したスタイルを採用している。軽快感があって個人的には好みの部類に入るんだけど、でっかいバンパーのせいで、ちょっと重ったるく見えるのが惜しい。
また、アルテッツァは「スポーツワゴン」という性格上、3車の中では一番太いエグゾーストフィニッシャーを採用している。目視だけで判断するに、Φ70はあると思われる。

クラウンはやはり正統派ワゴンらしく、リアを延ばして荷室スペースを十分に採ろうとする意図が伺える。スタイル的にはフロントと同様、言うことございません(爆)。
昔からクラウンのワゴンはこんなスタイルでしたから。

マークUも基本的にはクラウンと同じ発想。ただし、テールランプの配置に個性を持たせて
「ボルボみたいにならない程度で」スポーティーに見せようとしているのが分かる。(少し前に登場した日産ステージアを意識したかな・・・?個人的にはステージアの方が好き(大好きと言うわけじゃないけれど。ボルボのマネだし))

なお、3車種とも平成12年度基準排出ガス25%低減レベル(★)を達成している。(マークU、クラウンのターボ車を除く))


続いて内装の比較。当然ながら3車ともセダンと共通。

マークUは可もなく不可もなし。細かいスイッチ類が多くて使いこなすのに慣れを要しそうだけど、
ナビゲーション画面も見易そうなので良いのではないか。ただし、高級感はさほどでもないが。
なお、メーターは何の変哲もないアナログ(トヨタ得意のオプティトロンでもなさそう)。昔乗っていた90系マークUのデジタルメーターはカッコよかったんだけどねぇ・・・(遠い目)

アルテッツァは賛否両論の
「クロノグラフ風メーター」。個人的にはこんなものかなぁ、と思う。あんまり眺めていて精密感を覚えるようなものとは思えないけれど、これはこれでアルテッツァの個性と認めよう
なお、以前から雑誌の間で安っぽいとの批判があった
ダッシュボードの質感はマイナーチェンジで大分良くなった

クラウンは・・・やっぱりいつものクラウンです(爆)。インテリアのカラーはオフブラックで、それに合わせて木目調パネルも黒色のものを採用しているが、ダッシュボードの造型が影響しているのか、全体的に非常に重苦しい雰囲気。スポーティーというより、
どこかの武家屋敷にいるような内装である。
でもこうして見比べるとアルテッツァはもとより、マークUと比べてもダッシュボードの革シボなど明らかに上等な素材を使っているのが分かる。確かに「上等」だ。

そう言えば、3車ともメルセデス・ベンツ流儀の「ジグザグ型」シフトゲートを採用しているが、どれも操作感がネットリしていて本家のように手首のスナップだけで「こくっ」と動かないのが難。

もう1つ言わせてもらうと、運転席シートは3車とも腰の当たるところが妙に柔らかく(クッションにコシがないとも言う)、私はあまり好きになれなかった。ホント、
シートにはもうちょっとお金をかけてください


やっぱりワゴンと言えば荷室。ということで最後は荷室の比較。
これはもう、サイズに比例して荷室が大きくなるのは言うまでもない。つまり、アルテッツァ、マークU、クラウンの順に大きくなる。

マークUの場合、
荷室にちょうど収まる折畳式の収納ボックスが備わるのが特徴。ここに小物をいれておけば荷室の奥の方にボックスがあっても取り出しやすい、というアイディアだ。
また、リアサスペンションのレイアウトをセダンと変えているため、タイヤハウスとの干渉も独立懸架を搭載するワゴンとしては最小限に抑えられている。

アルテッツァはワゴンと言うより
「5ドアハッチバック+α」と割り切った感のある荷室。つまり奥行きは小さく、サスペンションの張り出しも大きい。
ただしウエストライン(サイドガラス下端の高さ)を高めに採ったスタイルのため、深さはかなりありそう。後席を折り畳めばそれなりの積載力を発揮するのではなかろうか。

クラウンはやっぱり
真面目な正統派ワゴンである。荷室は四角四面、他の2車に比べて明らかに上等なカーペットが荷室全体を覆う。パーティションネット(荷室と客室を仕切り、衝突の際に荷物が客室内に飛び込むのを防ぐ格納式ネット)もクラウンにだけ標準装備
なお、このネットは欧州製ワゴンでは当然のように装備され、乗員に対する安全性向上に大きく寄与するものであるから、クラウンだけなんてケチなことを言わず、どのモデルにも標準装備してもらいたいものである。

Personal Choise
私がこの3車の中から1台選べと言われたら、
アルテッツァを選ぶ
確かに他の2車に比べれば荷室は狭い。ただ、ベースになったアルテッツァ・セダンはそもそも運動性能を重視してサイズやエンジンを決定しており、ワゴンもセダンに対して極力サイズや重量アップのないように設計されている。要するに荷室の容積なんてこだわらず、セダンよりも少しユーティリティがあれば良い、という発想だ。そんな
「割り切り」がこの車をスポーティーに見せているのだと思う。
それに私のように年に数回しか大きな荷物を載せない人間の場合、マークUやクラウンのような「本格ワゴン」だと
普段はその大きな荷室を持て余すことになり、何とも無駄でカッコよくない。そこまで大きな荷物を載せる必要に迫られた暁には、レンタカーで1ボックスでも借りた方がまだ効率的だ。

ということで、今回の「見たまま評価」ではアルテッツァ・ジータの勝利。
もっとも、トヨタ車に限らず予算も度外視して・・・となると新しいAudi A4 Avantが欲しいけど・・・
(^^;;;


おまけ(笑)

我が家の車も今回"Mega Web"に行く途中で無事45,000kmを突破した。
10年10万kmまであと
4年と55,000kmか・・・後者はちょっと厳しいかも?!

(2002. 2. 24)