その3:シブラA(渋谷宮益坂/青山編)

 その2では渋谷の公園通り〜井の頭通りを中心にシブラ@としてご案内いたしましたが、今回は宮益坂から表参道〜外苑辺りを散策してみたいと思います。
 中学・高校の制服を作っていただいた洋服屋さんが表参道にあったので、この近辺も私にとっては懐かしい街であります。
 私が中学に入る前、地下鉄の表参道駅を降りて地上に出ると、壁に大きく「週刊新潮」のイラストが書かれた本屋さんがあったのが記憶に残っているのですが、この本屋さんは15年以上経た今でも健在のようです。
 その一方で古いお店が淘汰され、また新しい店も確実にできていたりして、少しずつこの街の風景も変わりつつあることを実感しました。
 また今回の散策で、
今まで自分が気が付かなかった面白いスポットもいろいろ発見できたのは収穫でした。

 そんなわけで、まずはルートのご紹介。

 今回は渋谷駅東口から宮益坂を上がり、国道246号(青山通り)に合流して表参道〜外苑前〜秩父宮ラグビー場まで歩いてみました。(下の地図の赤線をご参照ください。)



●渋谷駅東口界隈

 
今回は素直に渋谷駅東口ターミナルが起点です。
反対側の南口ターミナルは(何で東口の反対が南口なのかは謎ですが)主に東急・京王のバスターミナルになっていますが、山手線の内側を向いている東口は基本的に都営バスのテリトリーです。(写真左参照)
なお、東急東横店の食品名店街
「東横のれん街」(写真右)はこちら側にあります。
私が幼少の頃から何度も両親に連れてってもらったのですが、
低い天井が醸し出す何となく薄暗い市場のような雰囲気は21世紀になっても健在です。
そう・・・この雰囲気こそ
私が生まれて30年近く抱いてきた渋谷のイメージなのです・・・。
 
渋谷駅東口に面する映画館と言えば、駅の真向かいにある「東急文化会館」(写真左)と宮益坂下交差点にある「渋谷TOEIプラザ」(写真右)の2つです。
前者は渋谷東急1〜3、パンテオンの4館を、後者は渋谷東映、渋谷エルミタージュの2館を抱えています。
最近ミニシアター専門となった私は、これらの映画館に足を運ぶ機会が着実に減っています・・・(^^;;;
そう言えば東急文化会館の最上階は
「五島プラネタリウム」があったのですが、2001年3月11日を以って閉館となってしまいました。
屋上に少しだけ見えるドームがその名残です。

●宮益坂〜青山通り界隈


それではこれから「宮益坂」を上がり、青山通り方面を目指すことにします。

宮益坂の中腹、渋谷郵便局の手前に「御嶽神社」という神社があります。
脇にある銘板を見ますと・・・「ここは明治3年4月17日、明治天皇駒場野の練兵展覧御幸の際、当御嶽神社拝殿を御座所に当てられ、御小休所となったところであります・・・(以下略)」
要するに明治天皇が皇居から駒場の兵隊訓練場まで向かう際に休憩を取ったところ、と言うわけですね。
それにしてもほんの150年ほど前の日本は、
天皇の休憩所が神社になってしまう、今では考えられないような時代だったんですね。

 せっかくですから、階段を上がって境内に入ってみましょう。
正面が言うまでもなくご本尊なんですが、なぜか左側に
「宮益不動」さまがいらっしゃったりします。
神社に隣接してお不動さんがある、何とも不思議な神社であります。
廃仏毀釈の名残なんでしょうか。
それにしてもここは非常に閑静なところで、渋谷駅から徒歩5分圏内にいることを忘れさせてくれるところです。

探すとあるんですね。こういう古くからあるお店。
今では珍しくなった
計量器、はかりの専門店なんだそうです。
この日は日曜日で店の前は閉ざされたままでしたが、平日は営業しているのでしょうか。
デパートなどの大規模小売店舗に負けず、頑張って欲しいものです。

●青山通り(国道246号線)・前編〜青山5丁目、表参道界隈


宮益坂を登りきると、青山通り(国道246号)にぶつかります。
これは歩道橋から渋谷駅方面を向いて撮った写真で、右側が宮益坂、
左側が金王(こんのう)坂で国道246号線の本線です。
東邦生命ビルは金王坂の中腹あたりにあります。

宮益坂上から100mほど歩くと左手に岡本太郎作の巨大なモニュメントが見えてきます。これが「こどもの城」であります。
ここは
「本館」「アトリウム」に分かれていまして、アトリウムには子供のための遊戯施設や、展覧会などを開くためのギャラリーがあります。
一方本館は1階に「青山劇場」を擁し、また2,3階には喫茶店やレストランがあります。
 
「こどもの城」のすぐ隣にある高層ビルが「国連大学」であります。
国連大学は、人類の存続、発展及び福祉に係る世界的な問題についての研究、研修及び知識の普及を目的とし、国連総会の決議によって、昭和49年11月に設置された国連機関なんだそうです。
現在の大学本部は平成4年6月に完成したもので、国連関係のさまざまなシンポジウムがここで行われております。
1階は「UN Gallery」(写真右)となっていて、世界の国旗などが展示されているようですが、日曜日は休館日だったのか、シャッターは閉ざされたままでした。

そして「国連大学」の真向かいにあるのが「青山学院大学」です。
サザンの桑田佳祐、川島なお美などなど、
卒業生の中には芸能関係で活躍している方々も多いです。
キャンパスは青山、厚木、船橋(世田谷)にありますが、ここ青山キャンパスには大学のほかにも短大、初等部〜高等部等の附属施設が入っています。


さて、青山5丁目交差点と言えば、高級スーパー「紀ノ国屋」です。
紀ノ国屋はここ青山以外にも等々力、吉祥寺、鎌倉などに支店を持ち、高級住宅街に住む人々(平均年収1,000万円以上?!)をターゲットにした品揃えが特徴です。
特に輸入食材には強く、ラズベリーなどの木苺やボイルした丸ごとのターキーなどが
「当たり前のように」店内に陳列されています。
あと、私が愛食しているナチュラルチーズ「キリ」も、滅多に見かけない「ブロック売り」だったりします。
なお、この日は「秋味」フェアだったようで、栗やザクロなど「秋らしい」食材が入り口付近に並べられていました。
ま、
普段固形食に頼って生きている私は当然ご用件などありませんでしたが・・・(爆)

さて、昼食は去年の7月、「紀ノ国屋」の隣にオープンしたカナダ生まれのコーヒーチェーン、「ブレンズコーヒー日本1号店」に行くことにしました。
ここで頂いたパンフレットによりますと、「never burnt, never bitter(焦がし過ぎず、苦すぎず)」がスローガンで、
良質のアラビカ豆(アラビカ豆は海抜1200〜1800mの高地でしか育たない、高級品なんだそうです)を100%使用したコーヒーが売りなんだそうです。
また、コーヒーは「マイルド」と「ストロング」の2種類が選べるのも特徴です。
私はここでブレンドコーヒーの「ストロング」を注文したのですが、確かに「ストロング」の割にはブラックで飲んでも胃に堪えない、飲みやすいコーヒーでした。
これのミディアムが290円。
スタバのコーヒーは高いとつくづく思わされます。

●ちょっと寄り道〜「紀ノ国屋裏の小道」

 
青山通りの「紀ノ国屋」の先を少し行くと左手に1本路地があります。
一見何の変哲もない地味な路地なのですが、なぜか妙に人通りが多い。
ということで、私も思わず首を突っ込んでみることにしました。
 
ここの路地は実はインテリア小物のお店や、ブティック、その他もろもろのお店がずらりと軒を並べており、2人で歩いても、1人で歩いても(謎)、なかなか楽しめます。
落合恵子さんが代表を務める
「クレヨンハウス」もこの通り沿いにあります。
私がふと足を止めたお店が、インテリア雑貨、アクセサリー等を取り扱っている
「Mu-ra(ムーラ)」
取り扱っている商品の半数が自社オリジナルデザインのもの、残り半数が独立デザイナーによる作品なんだそうです。
で、私がこのとき2,980円で入手したのが
ロボット型のキーホルダー(写真右)。
中央は時計になっているのですが、なかなか愛嬌のあるレトロ風デザインで気に入っています。
 
再び青山通りに戻り、100mほど歩くと表参道駅なのですが、一番渋谷寄りにある駅入口の先に左の写真のような看板が見えるはずです。
この路地は入ってすぐのところに創作料理店
「NewsDELI青山店」があって、店の前にはいつも行列ができていたりするのですが、その奥、突き当たった所に「日之出食堂」というレトロな外観の洋食屋さん(写真右)があります。
ここでは
神戸牛の料理を昭和30年代の雰囲気に浸りながら楽しめるのが売りのようです。
個人的には何となく
「ラーメン博物館の地下」を連想してしまいましたが(^^;;;
ちなみにお店の前のメニューを見たところ、オムライス定食が900円でした。場所を考えればなかなかお手頃な値段ですね。

●再び青山通り・・・表参道〜外苑前〜秩父宮界隈


地下鉄表参道駅を降りて「A3」出口で降りると、左側に見える交番の裏にこんなデザインの壁の書店が目に入ると思います。
これが
「山陽堂書店」です。私が中学生の頃から印象に残っていた書店です。
お店の入り口には紙で目張りがしてあって、何だか入りにくい雰囲気だったので結局入りませんでしたが、雑誌などが充実した本屋さんのようです。

新しい店ができれば、その分古いお店は淘汰されます。
ということで、青山通り沿いで営業していたガソリンスタンドが、ひっそりと店じまいをしていました。
「閉店のお知らせ」の張り紙によれば、
40年近くもこの地を走る車にガソリンを供給し続けた老舗のお店だったようです。
ガソリンも価格競争でずいぶん安くなった一方(今後の中東情勢でどうなるかはわかりませんが)、利幅が薄くなったためにこのように閉店に追い込まれるスタンドも数多く見られるようになりました。
 
さて、表参道から青山通りを外苑前方向に向かって歩くと青山3丁目交差点に出ますが、道路を隔てて2軒のスーパーがあります。
渋谷方面から見て左側にあるのが
「東急ストア」、右側にあるのが「大丸ピーコック」です。
先ほどご紹介した
「紀ノ国屋」が「イラッシャイマセ」系のお店なら、こちらは明らかに「ラッシェー」系のお店と言えます。
これらのお店を比べると、同じ青山にあるお店とは思えないくらいに物価の開きがあります。
例えば
前者は100g当たり500円以下の肉は置いていないくらいですが、こちらはあくまでも「キャベツ1個100円、ブルガリアヨーグルト128円」の世界です。
これは青山3丁目には「都営青山北町団地」などの古い集合住宅があり、そこの住民がこの2店の主な客層となっているからだと思われます。
青山にあるとは言え、あくまでも我々庶民の味方なわけです。
それにしても青山の東急ストア、
家の近所にある同店よりも安いのはなぜ?!

青山通りは外苑前の信号で2方向に分かれます。
右手に行くと青山1丁目方面(本道)、左手に行くと写真の
「秩父宮ラグビー場」です。
この日はまだ9月の晦日でしたが、既にラグビーシーズンは始まっていまして、クボタvsリコーの試合が行われていました。
試合中だったので、入り口はこのように閑散としていますが、
時折どよめく「ウォーッ」という独特のどよめきに似た歓声はやっぱりラグビーならではですね。

今回のトリは、個人的な理由で(謎)「テピア(機械産業記念館)」とします。
「テピア」は財団法人「機械産業記念事業財団」の本部でして、1,2階は展示場、3,4階は貸し会議室となっています。
で、ここと私との関係と申しますと、大学3年のときに「機械創造」という授業がありまして、「何か芸をする(=大道芸)ロボットを作って発表会を出る」ことが義務付けられていたのです(これを履修しないと卒業できませんでした)。
その発表会の会場がこの「テピア」だったわけです。
どんなロボットを作ったのかについてはここでは伏せますが(笑)、
本番直前になっても完成せず、また本番で動かなかったのにも関わらず、「創造賞」を頂いてしまったと言う、何とも恥ずかしいような申し訳ないような思い出があります。
それにしても、
我々の奮闘(謎)の一部始終が某民放のニュースで取り上げられ、全国ネットで放映されたのは間抜けでした(爆)

 というわけで、以上でシブラA(渋谷宮益坂/青山編)は終わりです。
 なお、次回は(次回こそ?!)
新ブラ=新宿界隈を取り上げようと思っております。

 それでは、今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。