艦爆 九九式、彗星一二型、三三型
日本海軍の艦上爆撃機を載せていきます。

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フジミの1/72 九九式艦上爆撃機二二型です。「最も多くの連合国艦船を撃沈した枢軸国機」と呼ばれる傑作機です。大きな楕円翼を持つのが本機の特徴です。
楕円翼型は空力特性が良好なのです。降下時の安定した飛行特性をもつ本機は、投弾時の命中精度も抜群でした。
急降下爆撃機は投下後の引起しに大きな負荷のかかる機種なので頑丈な作りとなっています。
主翼の下のダイブ・ブレーキも特徴的です。急降下爆撃機独特の必須装備です。固定脚の機体は趣きがあります。直径の大きな車輪は空母からの発艦に有利でした。
フジミの1/72 彗星三三型です。空冷エンジン搭載で機首周りが重厚な雰囲気となり、より凄みを増しています。推力式単排気管により、気流の乱れを少なくし速度向上にも有効でした。
三三型は味わい深い機体だと思います。戦果マークのような、大変珍しいものが当時の写真に残されていました。日本の攻撃機では、戦果マーク自体が珍しいのです。三三型のキットにはこのマークは外せないと思います。
元々、水冷エンジンを搭載していた機体に空冷エンジンへの換装なので、その為に生じるギャップをフィレットと推力式単排気管により埋めています。この辺りは五式戦闘機と良く似ています。
三三型は正面面積が増えたにもかかわらず、エンジン換装による馬力向上と、推力式排気管や空力特性の良い機首形状により、速度の低下は少なかったようです。
上から見ても、彗星は艦上爆撃機としては究極ともいえる小さな機体であることが判ります。また、空力的にも抵抗が少ないので艦爆としては驚くほど高速な機体となりました。
フジミの彗星12型です。洗練された機首周りが気に入っています。特徴的なエアインテークはいかにも高性能な機体を感じさせます。
戦闘機並みの大きさの艦爆で、速度も戦闘機並みです。優れた技量のパイロットが多く、少ない機数でも艦船に痛撃を与えています。
高速を利用して夜間襲撃を繰り返すことができたのも彗星ならではです。ダイブに入れば怖いものなしです。500キロ爆弾を内に秘めた新鋭機です。
一二型と三三型を並べてみました。当時の新鋭艦爆の雰囲気が感じられます。2機並べてみると違いが良く分かります。三三型は一二型の欠点がなくなり、整備がしやすく扱いやすい機体になりました。
戦闘機とあまり変わらない小さな主翼には、艦爆とは思えない高速機となった数々の秘密があります。数ある海軍機の中でも、この彗星の翼面形状が特に好きです。
風防から長く突き出た望遠鏡式射爆照準機は艦爆に共通して搭載されている独特の装備です。彗星に装備された照準機は降下爆撃時の照準角を自動算定する最新式のものでした。
少ない機数でも、精強な高速機動部隊に取り付くことができ、精度の高い濃密な対空砲火を潜り抜けて、少なからず帰還しえたのも、本機ならではと思います。
本機の活躍の時期は大戦後半の苦しい時期ですが、十分な護衛が得られない中、単機で艦艇攻撃を仕掛ける場面が多く見られます。この彗星を眺めていると、高高度から小さく見える目標に向かってダイブに入り、高い技量を必要とする一瞬の操作に賭ける、パイロットたちの心情に、想いを馳せています。
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