天山艦攻 一二型、九七式三号艦攻、流星改
日本海軍の艦上攻撃機を載せていきます。

フジミの1/72 艦上攻撃機 天山一二型です。日本機にはめずらしいほど重厚な機体です。天山は九七艦攻の後継機種です。特徴ある4枚プロぺラは迫力あります。本機の初陣はブーゲンビル島沖航空戦でした。
高速かつ頑丈な機体で大のお気に入りです。天山は「雷撃隊出動」という映画で本物の飛行を見ることができます。実際の空母から発艦するシーンは天山ファンにとってこたえられないものがあります。
220ノット(約400キロ/時)の高速で雷撃が可能です。主兵装の800キロ航空魚雷を搭載するため、引き込み脚は頑丈に作られています。
米軍機と比べるとスマートですが日本機の中では武骨な機体です。天山を見ると搭乗員が言ったであろう次の言葉が浮かんできます。「目標!敵空母!突撃隊形作れ!」
火星二五型発動機と推力式単排気管も迫力があります。現在でも米軍撮影の記録フィルムにより、激烈な弾幕の中を水面すれすれの超低空で雷撃態勢にはいる天山を見ることができます。
艦攻は800キロの重量物(航空魚雷)を積んで飛ばないといけないので主翼も大きく力強いです。特に天山は主脚が頑丈なことで有名です。(これを誉めるパイロットは多いようです)
ハセガワの1/72 九七式三号艦攻です。古いキットですが決定版です。日本海軍最初の全金属製の低翼単葉艦上機です。日本の航空技術を一気に世界水準以上に引き上げた記念すべき機体でした。
九七式艦攻は緒戦で大活躍をしています。ハワイ作戦では困難な超低空雷撃を狭い湾内で見事に成功させました。また、800キロ航空爆弾を搭載した水平爆撃隊も大きな戦果を記録しています。
三座の攻撃機は、正確な洋上航法の点でも有利でした。めまぐるしく状況が変化する空の戦いでは、空戦後、機位を失わないためにも、航法を担当する偵察員の存在は非常に大きかったようです。
艦上攻撃機は、地上施設や洋上の艦船などの目標に応じていろいろな兵装を搭載できます。中でも航空魚雷を搭載する場合、洋上艦船への雷撃戦闘となるので、危険度が一気に高まります。
主力艦攻の座を天山に譲った後、終戦まで敵潜水艦の掃討作戦などで大活躍しています。H-6型電探を搭載し対潜哨戒機として長く使用されました。信頼性の高い扱いやすい良い機体です。
フジミの1/72流星改です。機体の特徴を良く捉えた好キットです。単発機でのプロペラ半径は日本海軍屈指の大きさと思います。これも逆ガル翼のおかげです。武装は強力で、翼内砲が二十粍2門、胴体後席に十三粍1門と破格です。
日本機らしくない重厚さが見られます。操縦席が高く、前方視界も良好です。初めての艦爆/艦攻両用機種でした。実戦では主翼の二十粍機銃を使用する機会が無くても、パイロットにとっては安心できたような気がします。
飛行中の動画映像が米軍撮影のガンカメラに残されていて今でも見ることが出来るようです。雷撃装備の飛行中写真も1枚だけ撮影されています。逆ガル翼から流星であることがすぐに分かります。本当に美しい機体だと思います。
流星の特徴である逆ガル翼がこの角度から見ると強調されてます。主翼は補助翼のあたりから油圧操作で内側に折りたためる機構を有していました。
当時の最新鋭艦攻に乗るパイロットたちの気持ちの昂ぶりはどんなだったのか。ふと考えてしまうほど美しい機体です。戦闘中でもずっと見ていたいという思いがあっても不思議ではないような気がします。
大戦後期の日本海軍機たちです。重厚な迫力がある機体です。名称は「流星」や「紫電」のようになぜかロマンチックなものが多いです。
日本の艦攻は後半になるほど洗練され、他機種と比べて高性能になっていったと感じます。相手が精強な空母機動部隊ともなると、最も進化する必要があった機種かもしれません。十分な直援機や纏まった機数の編成を望めない末期、夜間や薄暮での攻撃のみが雷撃を成功させるカギでもありました。

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