特型潜水艦のページ(潜水空母編)

アオシマの1/700 特型潜水艦 伊400型(フルハルバージョン)です。よく出来た好キットです。大変作りやすいです。潜特型の魅力を十分に再現しています。
強力な対空兵装も潜特型の特徴です。格納筒の上に3連装機銃3基と司令塔に単装機銃を1基装備しています。攻撃機の発進、収容する時にできる隙をできる限りカバーするため、空からの不意の攻撃に対処する必要から装備されています。
司令塔には所狭しと電探や逆探などの電側兵器やシュノーケルが装備されています。潜望鏡も攻撃用、対空/夜間用と揃っています。大戦後期は電探は必須装備でした。
アオシマの伊400型ウオーターライン・キットも作ってみました。格納筒のハッチを開けた状態です。4トン以上ある特殊攻撃機(晴嵐)を吊り上げるため潜特型は大きな起倒式クレーンを装備しています。
司令塔には海上見張り用の双眼鏡がたくさん設置されていました。潜水艦は生き残るためにあらゆる防御装置を搭載しています。特に見張りは潜水艦にとって最も重要な能力の1つでした。
直径4.2mの格納筒に3機の攻撃機を収納するため、晴嵐は全ての翼は効率よく折りたためるように工夫されていました。また、発進準備作業のため、格納筒収容状態でエンジンの暖気運転ができるように、艦内から暖かい潤滑油が供給できるような機構を有していたとのことです。
長く大きな格納筒と一体化した司令塔の形状が魅力的です。水中での抵抗力をなるべく少なくする形状を採っています。今後、このような驚異的な潜水空母は2度と建造されることはないとおもいます。大戦中、一番SF的な兵器です。
伊400型は洋上と水中模型の2隻作成することをおすすめします。日本潜水艦の流麗な船体や晴嵐格納筒内部など、見所が多いです。重い攻撃機を射出するため長いカタパルトも独特の迫力です。
鋭い切れ味を感じさせる潜水艦の船体を鑑賞できることはフルハルモデルの魅力です。1/700模型も今後増えてほしいと思います。
後部甲板には潜水艦が搭載するには大きい14cm単装砲があります。特潜は長大な航続力を有するため、戦闘圏外で戦闘艦以外の目標や敵潜水艦と遭遇する可能性もあります。このときは大きな搭載砲が有効な状況も考えられました。
特型潜水艦は伊400、401、402と3隻が実戦配備されました。これらはまさに潜水空母と呼べる潜水艦でした。攻撃機を3機収納するため大きな格納筒を甲板上に持っています。このため司令塔はオフセットされています。
日本潜水艦は艦、乗員ともに大変優秀でした。しかし残念ながら潜水艦をよく知らない指導部により作戦を立案され壊滅的損害を受け続けました。硬直した作戦(局所配備、頻繁な哨戒区変更と強行進撃、散開線配備 等)で大きな損害をだしながら、その教訓が活かされませんでした。残念なことです。潜特型を見るといつも艦と用兵とのギャップを考えさせられます。

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