戦車の部屋(日本車両限定)
思い入れが強いので写真も多いです。

三式中戦車 (チヌ)です。独特の大きな砲塔形状が魅力です。75粍砲を搭載した純然たる戦車はこの三式戦車が初めての車両となります。キットはファインモールド社の傑作キットです。
車体は既に部隊配備中の一式中戦車(チヘ)の車体を利用しています。火力増大要求の回答の1つが本車両です。
三式戦車がずらりと並んだ戦後の写真が残されていますが、とても迫力があります。独特の迷彩も資料価値が高く興味深いです。鋲がほとんど無くなった日本戦車もまた趣きがあります。
戦車砲として改修されていますが、九十式野砲の特徴である砲口制退器や駐退復座機が三式75粍戦車砲の見所です。条件が良ければ遠距離砲戦も有効でした。
同じ砲を搭載する一式砲戦車と三式戦車は、同じ砲弾が扱えるので、補給の面で有効です。三式戦車は現在でも実車が健在で、その勇姿を見ることができます。
後ろからの姿も力強く見えます。砲塔後部のハッチは砲身交換用とのことです。左右にある消音器は、日本戦車独特の配置だと思います。
従来の日本戦車に比べると大きな砲塔が目立ちます。砲の大型化に伴い、砲手2名(照準手と装填手)が標準配置となりました。乗員は車長、操縦手、機銃手(兼通信手)を含めて5名となります。
全備重量は18.8トンです。エンジンの馬力は九七式に比べると、70馬力ほど増えて240馬力となりました。最大速度は38.8キロ/時とのことです。
一式砲戦車(ホニT)です。90式75mm野砲を搭載した自走砲です。太く長い砲身のため、これまでの日本戦車と趣が違います。模型はタミヤの傑作キットです。
75mm砲は榴弾のほか、徹甲弾も発射が可能です。対戦車戦にも有効な車両でした。一式砲戦車は見るからに強そうな日本車両の1つなのです。
防楯前面は50mmあり、有名な97式戦車(チハ)より厚い装甲です。重量は16トンを少し超えています。97式戦車より少し重いようです。
自走砲に分類される車両なので背後に装甲はなくいわゆるオープントップです。この為、対戦車戦は待伏せ戦法をとる必要があります。砲員は勇気と忍耐、冷静さを要求される戦いとなることに変わりはありません。
ホニには車体正面にあるべき7.7mm車載機銃がありません。鉄板で塞がれています。基本的に砲兵のための車両であることが判ります。
搭載する90式75mm砲は日本陸軍の最新火砲です。特にゴム製タイヤをつけた機動90式野砲は格好の良い野砲で人気があります。
97式中戦車(チハ)です。日本の主力戦車です。車体に打たれた大量のリベットは戦う車両の証です。タミヤの97式戦車は傑作キットで有名です。大変作りやすく今でも重宝しています。
砲塔の57mm短加農砲は歩兵直協用の為にあり、対戦車戦には全く不向きです。基本的に戦車は戦車と戦ってはいけないのです。
オフセットされた砲塔に特長あるハチマキ型アンテナが映えます。アンテナは銅製とのことです。日本の戦車連隊は車両間の電話通信による機動連携を重視していました。
金色の陸軍の星マークが綺麗です。ちなみに海軍の車両には錨のマークがついています。97式戦車は曲面と傾斜面を多用した複雑な装甲形状で、日本戦車ファンにとって大きな魅力となっています。
砲塔に後方機銃が装備されているので後部からの白兵戦にも対処できました。89式戦車の砲塔形状を受け継いでいるようです。車体後部は避弾径始を考慮した曲面形状をしています。
エンジンは空冷12気筒のディーゼルで170馬力でした。左右にある2つの消音器が力強いですが、それでもかなり大きな音がしていたようです。
重量は15トンです。実物をみると意外と小さい戦車です。装甲は最厚部で25mmでした。このため小口径の対戦車砲弾にも耐えることが難しかったようです。
車体後部中央の鎧窓の下には大きなファンがあり、冷却用空気を取り込み、V字型気筒のエンジンを強制空冷して両側面へ流していきます。
97式中戦車改(新砲塔チハ)です。貫徹力に優れる一式47mm対戦車砲に換装され砲塔形状が一新されました。徹甲効力として1000mで35mmの装甲を貫徹可能とのことです。
正面の機銃は7.7mm機銃です。車載機銃は銃身に防弾ジャケットがついています。日本戦車のキャタピラ素材は高マンガン鋼のため磨耗が少なく耐久性が高いことが特徴です。
新砲等は車体と良くバランスがとれています。大戦後半では47mm砲も威力不足で500m以内に接近し相手戦車の側面40mmを確実に貫けるような好条件で射撃する必要がありました。
2両の戦車を並べてみるとその砲塔の違いが良くわかります。新砲塔の47mm砲は長砲身のため高初速で、貫徹力に優れた優秀な戦車砲です。半自動装填装置により発射速度が高いことも特徴でした。
短砲身の57mm砲は陣地攻撃に多大な威力を発揮しました。緒戦のマレー半島でのジットラ陣地突破戦では97式戦車が驚異的な突破戦を成功させました。当時ジットラ陣地は東洋一の防御線と呼ばれ難攻不落を誇っていました。
後方に張り出した砲塔が車体とマッチしています。47mm砲の閉鎖機が長くなったためと装填手が乗ることを可能とするために砲塔は大きくなっています。
97式中戦車は2000両以上生産され、主力戦車として戦いました。戦車兵の錬度は大変高く、優れた技量を発揮して困難な状況を克服していきました。日本戦車隊は各戦域で決定的な役割を果たしています。
終戦時、ロシアの占守島奇襲上陸に対する戦車第11連隊による防御戦闘で最後の戦車戦が行なわれ、機動戦闘により上陸軍に多大な損害を与え北海道占領の企画を放棄させました。

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