21.◆レシチン◆ Lecithin
■ 概要 ■
ギリシャ語で、卵黄を意味するレシトース(Lekithos)からでた言葉。
元々はリン脂質の1種類であるフォスファチジルコリンの別名でした
が、現在ではリン脂質を含む脂質(中性脂質、コレステロール、糖脂
質など)をレシチンと呼びます。
学名はリン脂質と云い、不飽和脂肪酸にリンが結合したもの。細胞の
細胞膜を構成している成分で、脳には40%も含まれ、特に人間の脳細
胞にはフォスファチジルコリンが豊富です。細胞が細胞膜を通じて物
質を取り入れたり、排泄したりできるのはレシチンのおかげです。レ
シチンは新陳代謝を促進する機能があるので、体の構成単位である細
胞から老廃物を排泄させて若さを保つ作用をします。
■ 脳とレシチン ■
脳を構成する神経細胞のグループをニューロンといい、ニューロン同
士の接合部分をシナプスと呼びます。シナブスで分泌される神経伝達
物質によって受信した情報を全体に伝達したり、記憶としてとどめた
り、とどめたものを引き出したりしますが、レシチンはこの神経伝達
物質の合成に欠かせませんので、レシチンは記憶力、集中力を高め、
老人性痴果症に有効だと云われています。
■ コレステロールとレシチン ■
コレステロールは動脈硬化の原因になりますが、細胞膜や神経組織の
構成成分であり、胆汁酸などの合成に必要な脂質です。食品からの摂
取が少ないときは肝臓で合成され、血流によって組織に運ばれ、増え
すぎると肝臓に戻されます。どちらの場合も、コレステロールはリポ
タンパクと呼ぱれるタンパク質にくっついて移動しますが、コレステ
ロールとリポタンパクを結合させる接着剤がレシチンです。
肝臓から出ていくリポタンパクは比重が低いのでLDL、肝臓に戻る
ものは比重が重いのでHDLと呼ばれ、くっついているコレステロー
ルをそれぞれ、LDLコレステロール、HDLコレステロールと呼
びます。LDLコレステロールは血中に増えすぎると血管壁に付着し
やすくなるので悪玉、HDLには比率的にレシチンが多く、接着力が
強いために余分なコレステロールをくっつけて血管のそうじをするの
で善玉と呼ばれます。レシチンが多いと血中のコレステロールが適正
にコントロールされ、血管壁に沈着することもないので、動脈硬化を
防ぐと考えられています。
■ 種類 ■
卵黄を原料としたものを卵黄レシチン、大豆を原料にしたものは大豆
レシチンと呼びます。大豆レシチンのフォスファチジルコリンは善玉
脂質で、身体全ての細胞の機能に役立つます。大豆レシチンはコレス
テロールが少ないのが特徴で、脂肪分の多い食事をしがちな方の健康
管理に役立ち、卵黄レシチンは天然の乳化剤として食品、化粧品、医
薬品に使用されます。
◆一日の摂取量◆(参考値)
◆主な働き◆
・血中コレステロール値を下げ、動脈硬化を防ぐ
・脳細胞を活性化して記憶力を高め、ボケを防ぐ
・肥満を予防・改善する
・肝臓のコレステロールなどの脂肪を分解、再合成して脂肪肝を予防する
・シミ、ソバカスの予防
◆多く含まれる食品◆
・大豆製品
・卵黄
・穀類
・ゴマ油
・コーン油
・小魚
・レバー など
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