17.◆フレンチ・パラドックス◆
フレンチは『フランス料理』、パラドックスは『逆説的な事』という意味
ですが、フレンチ・パラドックスとは一体何でしょう?
日本も欧米型の食生活になって久しいですが、欧米型食事はとにかく動物
性脂肪が多いのが特徴です。このため、動脈硬化による心臓病の死亡率が
とても高く、肉消費量や乳脂肪消費量と心臓病による死亡率の間には、明
らかに相関関係があることがわかっています。(WHOの報告)
ところが、こってり料理のフランス料理を食べるフランス人に心臓病が非
常に少なく、動物性脂肪摂取量と心臓病死亡率の相関グラフからフランス
は見事にはずれています。これがフレンチ・パラドックスと呼ばれる現象
です。
この理由は、フランス人が食事の際に赤ワインをたくさん飲むことにあり
ます。フランス人一人当たり年間で約70リットルを飲み、文句なく世界一
です。日本とは1桁違います。
赤ワインにはご存じのようにポリフェノールが豊富に含まれています。ポ
リフェノールは植物が持っている抗酸化成分で、自らを酸化や有害物質か
ら防ぐ役割をしています。
人間の体内にある悪玉コレステロール(LDL)は、活性酸素と一緒にな
ると酸化LDLというものを作り出し、これが血管壁に沈着してやがて動
脈硬化の原因となります。
しかし、血管内にポリフェノールがあると、LDLに変わって活性酸素の
攻撃を受けてくれますから酸化LDLも発生せず、動脈硬化のリスクも下
がるというわけです。
フランス人ほどワインを飲まない日本人が、同じような動物性脂肪の多い
食事をしていれば、心臓病のリスクが高くなるのは当然です。
私たちの身近には、日本食というすばらしい食事があります。もっと日本
食を見直すべきではないでしょうか。
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