20.◆プラシボ効果◆
ニセモノは詐欺の常套手段ですが、ニセモノでも役に立つことがあります。
プラシボというニセ薬があります。もちろんニセモノですから本物の薬の
ようにきちんとした成分や効能があるわけではありません。
プラシボはたとえば砂糖であったり生理食塩水であったりしますが、あた
かも薬のように思わせて患者に与えるので、ニセ薬という言い方をするわ
けです。
でも、砂糖や食塩水で病気が治るのでしょうか。
普通に考えれば治るはずがありません。ところが、『これは最新の特効薬
なんだ』などといって患者に与えると、時として効くことがあるのです。
薬効からいえばあり得ないのですが、精神と肉体の関係から考えれば起こ
り得るのです。つまり気持ちの持ち方が病気をも克服してしまうことにな
ります。
医学的にはプラシボ効果は立証されていますし、新薬の効果を調べる際に
も利用されています。
プラシボ効果は、信じやすい人に利用すると効果が得られやすいと言われ
ています。
たとえば、車酔いしやすい子供やあがりやすい子供に、薬っぽく見える粉
末とか単なるビタミン剤を与えると非常によく効く場合があります。一度
試してみる価値はあるかも知れません。
ただし、乱用は禁物です。また、プラシボに頼っていて悪化させることの
ないような注意も必要です。
プラシボ効果はある意味でとても興味深い現象です。なぜなら、極論すれ
ば人は薬やサプリメントなどに頼らなくても病気を治すことができる可能
性を秘めているということです。そういう能力が普通に使える日が来ると
いいですね。
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