27.◆カスピ海ヨーグルト◆

カスピ海ヨーグルトというヨーグルトが隠れたブームになっていましたが
ご存じでしたか。『隠れた』とわざわざ書いたのは、実はお店では売って
いなかったからです。でも最近はスーパーでも見かけるようになりました
(H18.6)。

ヨーグルトはタネ菌と牛乳があれば、ずっと増やし続けることができます。
普通のヨーグルト菌の場合はさらさらしていて酸味が強くなる場合があり、
あまり家庭向きではありませんでした。

しかし、カスピ海ヨーグルトのタネ菌で作ったヨーグルトは非常に粘りがあ
り、酸味がまったくなくてとてもマイルドです。この粘りが苦手という方も
いますが、慣れればむしろ食べやすいと感じます。


そもそもカスピ海ヨーグルトとは何でしょうか。

原産地はその名の通りカスピ海と黒海に囲まれたコーカサス地方です。京大
の家森教授が２０年ほど前に持ち帰り、営利目的にしない条件で広めたとさ
れています。

数種類の乳酸菌や豊富なアミノ酸、ビタミンが含まれていますが、酸味の原
因となる酢酸菌がないのですっぱいヨーグルトにはなりません。スプーンで
すくってもスプーンからなかなか落ちないほどの粘り気あります。

発酵乳に詳しい共立女子大の中澤教授によれば、カスピ海ヨーグルトの効果
は、

　・血液がサラサラと血流がよくなるため、心臓病、脳卒中の予防になる
　・腸内環境を整える
　・欧米の研究によればコレステロールの軽減、高血圧の予防、ガン予防な
　　どの具体的効果がある
　・原産国のアルメニアでは、心臓病、腎臓病、骨粗鬆症、貧血、胃カタル、
　　不眠、アレルギーなどの治療に使われている

とされています。また、便秘、美肌にも良いようです。

カスピ海ヨーグルトのタネ菌は、持っている人から分けてもらうことになり
ますが、インターネットのサイトには分けてくれるサイトが結構あります。
ただ、雑菌がまじってどんな菌が送られてくるかわからないという衛生上の
問題がありますし、輸送の途中で変質することも考えられますので、できる
だけ直接分けてもらえる人を探してみて下さい。

成分無調整の１リットルパックにスプーン数杯のタネ菌を入れ、よく混ぜて
２５℃〜３０℃に保って一日おくと、プルーンタイプのカスピ海ヨーグルト
ができあがります。できた後は冷蔵庫保存します。できたヨーグルトが今度
はタネ菌になってすっと作り続けることができます。

２５℃〜３０℃の温度管理が大変ですが、大きな鍋で湯せんするとうまくい
きます。経験上、３５℃以上だと菌が死んでしまうようです。


なお、スーパーで売っているカスピ海ヨーグルトは、タネ菌として使えるも
のと使えないものがあります。ラベルにその旨が書かれていますので、ラベ
ルをよくご覧下さい。