39.◆虫歯と栄養◆
歯といえばカルシウムと思いがちです。もちろん歯の主要な成分ですから
カルシウムが十分でなければ歯はもろくなります。しかし、虫歯に関して
はビタミンB6とタンパク質も大切な働きをしています。
歯の表面にはエナメル質というかたい部分があります。エナメル質はケラ
チンというタンパク質が含まれていますが、ビタミンB6がタンパク質の
代謝になくてはならないため、ビタミンB6の不足はエナメル質を弱くし
てしまいます。このため、虫歯の酸で溶けて穴が開いてしまうというわけ
です。
いったん虫歯になれば、いくら栄養素を摂ってももう手遅れですから、や
はり予防ということが何より重要になります。
歯を丈夫にするという意味では、カルシウムだけでなくカルシウムの代謝
に必要なビタミンD、ビタミンCが必要です。また、カルシウムはリンや
マグネシウムとの化合物として歯を作っていますので、リンやマグネシウ
ムというミネラルも忘れてはなりません。
なお、当然のことですが、虫歯の原因となる酸を発生させないことが一番
大切で、このために食後15分以内、糖分の入った食品や飲料をとったあ
とも15分以内に口をよくすすぐようにします。毎食後に歯を磨く習慣が
できれば理想的です。
また、歯石は虫歯の大きな原因ですから、歯石取りの歯磨きを使ったり、
歯科医で定期的に歯石除去をすることをおすすめします。
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