61.◆抗生物質が子供に効かない◆
抗生物質は、感染症の原因菌を殺したり繁殖を抑えたりする重要な薬品
です。ところが、この抗生物質の効かない子供が増えているらしいので
す。
抗生物質が効かないのは、耐性のある菌が体内にあるためです。ある診
療所で検診した子供数十人の7割に耐性菌が見つかったという例もあり
ます。なぜこんなことになったのでしょうか。
原因の一つに、カゼのときに安易に抗生物質を与えてしまうためだとい
われています。
実はカゼのウイルスそのものには抗生物質は効きません。しかし、多く
の医師は肺炎を予防するために抗生物質を処方します。
これが耐性菌の抵抗力を強めているのです。これでは本当に肺炎になっ
たとき、大変なことになってしまいます。カゼで抗生物質が必要なのは
3%程度だとされており、安易に使わないほうが本来の免疫力ができて
体も強くなります。
順天堂大の平松教授(細菌学)は「大きな病気のときに抗生物質が効くよ
う耐性菌のついていない状態で成長させることが大切」と言っています。
徐々にガイドラインができつつあるようですが、親も医師にきちんと確
認することも必要だとしています。
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