80.◆熱中症予防に水はダメ!?◆
熱中症予防にはまず水分の補給を、と言われますが、大きな落とし穴が
あります。ただ水を補給するだけではダメなんです。
気温が高くなり体温も上昇するとのどが渇き、水が欲しくなります。そ
こで水をがぶがぶ飲んでいると、血液が薄くなるので脳がこれ以上水を
飲んではいけないと指令を出してしまいます。
水分を補給しないと汗をかかないので体温を下げることができなくなり
ます。そうすると体温がどんどん上昇し、やがて脳が機能停止して気を
失い、最悪死に至ります。これが熱中症の典型です。
つまり、体温が上昇したときに水分を補給しようがしまいが、同じ結果
に行き着いてしまう可能性があるのです。
熱中症とまではいかなくても、暑いときに水をがぶがぶ飲んでいると、
一時ののどの清涼感は得られますが、いくら飲んでも渇きは収まらず、
胃液が薄まって食欲が落ちて夏バテに陥ります。
そこで、飲む水に一工夫することで、熱中症や夏バテを防ぐことができ
ます。
作り方は簡単。0.5リットル〜1リットルの水に、一つかみの塩とクエ
ン酸を入れます。クエン酸はドラッグストアなどで購入できます。クエ
ン酸はかなりすっぱいので、入れ過ぎないように注意して下さい。スプ
ーンの1/4〜1/2も入れれば十分です。
さらに、ハチミツかキビ砂糖(できるだけ白砂糖は避ける)を適量入れ
ます。風味付けとビタミンC補給用にポッカレモンのようなレモン果汁
を好みで加えます。
これをポットに氷を入れて作っておき、少しずつ飲むようにします。
クエン酸は、細胞の中にあるミトコンドリア内のクエン酸サイクル(正
式にはTCAサイクルといいます)をスムーズにするため、エネルギー
産生が正常に行われ、疲れなくなります。ただし、量が多いと胃が弱い
方などにまれに胃痛が出ることがあります。その時は量を減らして下さ
い。
塩は汗で失われた塩分を補給し、ハチミツなどの糖分は水分の吸収を助
けます。医師から塩分や糖分を制限されている方は、量に注意して下さ
い。
この特製の水を飲むようになると、まずのどの渇きがかなり抑えられま
す。がぶがぶ飲まないので胃液が薄まることもなく、食欲が落ちません。
また、疲れることもほとんどありません。
屋外でスポーツをされる方や、営業など外回りの仕事をされている方な
どは、マイポットに特製水を作って持ち歩くことをおすすめします。
もし、立ちくらみやめまい、こむら返りが起こるようになったら、水分
と塩分が失われたことによる熱中症のアラームだと思って下さい。
なお、風呂に入ることによる発汗や就寝中の発汗も、血液粘度を高め、
心筋梗塞や脳梗塞の危険性を増大させます。風呂の前後、就寝の前後に
コップ一杯の特製水を飲むようにして下さい。
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