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これでいいの?日本車デザイン

バックナンバー: 第34号

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       【これでいいの? 日本車デザイン】

  〜品質だけでなくデザインも一流になって欲しい願いを込めて〜

          ★2008.2.8 第34号★  
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◆◇目次◇◆

 ■新車  ・スバル フォレスター

      ・スズキ パレット

      ・マツダ MPV

 ■現行車 ・ダットサン フェアレディZ

 ■輸入車も見てみよう ・フィアット 新500

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■新車■

┏━━━━━━━━━━┓
┃スバル フォレスター┃…フツーになりました
┗━━━━━━━━━━┛                   

 ◆セダンのように車高の低いSUVとしてデビューしたフォレスター。
  SUVなのになんで車高が低いんだ、と酷評された。
  それで今回は車高を上げた?

  実は、筆者は初代のフォレスターの低くてボクシーなデザインをとて
  も気に入っていたが、顔をコロコロ変え、しかもどんどん醜くなるの
  で、まったく興味を失ってしまっていた。

  ただ、海外では売れていたというから、価値観の尺度は所変われば…
    なんでしょうか。
  
 ◆今度のフォレスターは、インプレッサと同系列の顔つき。
  ヌメッとしたライトまわりと上品すぎるグリルは、醜くはないのだが
  フォレスターらしくない。

  とはいうものの、全体のデザインの完成度はとても高い。ブリスター
  フェンダーは自然で無理がないし、サイドビューはとてもきれい。
  フロントまわりの造形はけっこう複雑だが、じょうずにまとめている。
 
 ◆インテリアはまずまず。
  メーターやナビも見やすそうだ。  

  助手席側のパネルが強いカーブを描いてセンタークラスターにつなが
  っている点はインプレッサと同じで、少々やりすぎ。 
  
 ◆良くも悪くも車高が低かったことは、フォレスターの最大の特徴だっ
  たが、今回は他のSUVと同じような高さになってフツーのSUVに
  なってしまった。こうなるとブランド力の違いが販売面に出てしまう。

  価格が安いので、もしかしたら大化けするかもしれない。   

  ということで… ┌───────────┐
          │フロント……★★   │
          │サイド………★★★★ │
          │リア…………★★★  │
          │インテリア…★★★  │
          └───────────┘


┏━━━━━━━━┓
┃スズキ パレット┃…ロールにはご注意
┗━━━━━━━━┛                   

 ◆ダイハツ・タントとガチンコのスズキ・パレット。
  横のシルエットはどちらもそっくり。限られた寸法枠の中で、ハイト
  ワゴンという同じコンセプトだとどうしても似てしまう。

  だたし顔つきはかなり違う。おとなしいタントに比べ、パレットは大
  きな吊り目のライトがにらみをきかす。ちょっと落ち着かない顔つき
  だ。

 ◆ハイトなおかげで軽とは思えない広い室内。スライドドアはタントも
  同じだが、タントがピラーレスなのにパレットはそうではない。

  乗降性では明らかにタントが優位。なぜピラーレスにしなかったのだ
  ろう。

 ◆インパネはけっこうクセあるデザインで、軽にしては重たい印象。
  安っぽさはないので「どうせ軽だから」という気持ちにはならない。
  一方、タントはセンターメーターで筆者はきらいです。
  
 ◆全幅に対して全高は約1.2倍。ただでさえ重量の軽い軽自動車だから
  全高の方が大きいと、横風や急カーブで不安定。これはタントも同じ。
  軽でハイトはやっぱり危険だと思うのだが…。

  さて、タントとのがちんこ勝負はいかに。

  ということで… ┌───────────┐
          │フロント……★★   │
          │サイド………★★★  │
          │リア…………★★★  │
          │インテリア…★★★  │
          └───────────┘

┏━━━━━━━┓
┃マツダ MPV┃…上品さがスポイルされた
┗━━━━━━━┛                   

 ◆MPVがマイナーチェンジ。

  フロントグリルとバンパーのデザインが大きく変わった。
  しかし、はっきりいってバツ。

  MPVはビッグサイズの上品なミニバンだったはずだが、こんどのバ
  ンパーの下品さはどうしたことだろう。

  スポーツグレードのオプションなら我慢できるが、標準でこの顔はな
  いでしょ!もったいない。

 ◆インパネデザインは基本的に同じ。ナビ横の空気吹き出し口に銀色パ
  ネルが追加になって、好みの問題だと思うが少々ギンギラしすぎる。

 ◆2列目のオプションだったスーパーリラックスシートは、スライド量
  が足りずにちっともリラックスしないと悪評だったが、こんどのマイ
  チェンでスライド量が増え、実用的になったようだ。

  でも、こんなことは最初からやっておくべきことで、レビュー不足と
  言われても仕方がない。

 ◆販売台数ではアルファードの半分だが、エリシオンの倍は売れている
  MPV。マイチェンは中身を中心にすれば良かったのに…。

  ということで… ┌───────────┐
          │フロント……★    │
          │サイド………★★★★ │
          │リア…………★★★  │
          │インテリア…★★★  │
          └───────────┘
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■現行車■

┏━━━━━━━━━━━━━┓
┃ダットサン フェアレディZ┃…まるで恋人に出会ったような…
┗━━━━━━━━━━━━━┛                   

 ◆現行車というより現役車というべき初代フェアレディZが元気に走っ
  ているのを見て取り上げました。初代なので敢えて「ダットサン」。

 ◆赤いボディにボンネットを艶消しの黒に塗ったレーシング仕様のよう
  な外観で、超ロングノーズとショートデッキのスタイルが本当にかっ
  こいい。塗装全体がくすんでいたようだが、これは仕方がない。
  カミソリのようなシャープさがスポーツカーらしい。

 ◆現行のフェアレディZはずんぐりむっくりで小さく見えるが、実は初
  代より長さも幅も20cm近く大きい。安全対策などで大きくなるの
  は仕方がないが、初代のシルエットをもっと残せなかったのだろうか。

 ◆見かけたフェアレディZが初代だったとしたら、1969年デビューを考
  えると40年近くも走っていることになる。維持費が大変だろうなと人
  ごとながら心配になる。

 ◆アメリカでの初代の人気は絶大で、今だに多くが所有され、大規模な
  ファンクラブがあるらしい。初代Zのような心ときめく車が少なくな
  ったが、次期フェアレディはぜひ頑張って欲しい。

  ということで… ┌───────────┐
  当然、満点です!│フロント……★★★★★│
          │サイド………★★★★★│
          │リア…………★★★★★│
          │インテリア…★★★★★│
          └───────────┘
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■輸入車も見てみよう■

┏━━━━━━━━━━┓
┃フィアット 新500┃…さすがイタリアンデザインだが…
┗━━━━━━━━━━┛

 ◆おもちゃのようだったフィアット500が大変身。

  旧型に比べると一回りも二回りも大きくなったが、イタリアで長年愛
  されただけあって、大きくなってもイメージはしっかり受け継がれて
  いる。まるで親子のように相似形。レトロだけど新しい。お見事。

 ◆大きくなったといっても居住性はやっぱり厳しい。2ボックススタイ
  ルのリアがかなり傾斜しているので後席スペースが犠牲になっている。
  後席は子供用か手荷物置き場と割り切るべし。

 ◆インパネはめちゃくちゃシンプルだが、必要機能はちゃんと揃ってい
  る。シンプルでもデザインがいいのでおしゃれな感じ。
  
 ◆プチセレブの奥様やお嬢様の足代わりに良く似合いそうだが、
  日本人には500に対するイタリア人ほどの思い入れはないし、価格
  も国産コンパクトより100万円は高いので、販売はきびしいかも。

  ということで… ┌───────────┐
          │フロント……★★★★ │
          │サイド………★★★★ │
          │リア…………★★★★ │
          │インテリア…★★★  │
          └───────────┘
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■編集後記

 インドの車「ナノ」。ご存じですか。なんと28万円の車です。
 タタモーターズが何とかして国民に安い車を、と作り出した車ですが、
 もちろん28万円では最低限ぎりぎりの仕様です。

 ビニルシートでエアコンもラジオも助手席側ミラーもエアバッグもなし。
 快適性や安全性とは無縁ですが、よく考えてみると、かつて同じような
 志で日本ではスバル360が生まれました。
 
 その後の日本の自動車の発展を見ると、タタモーターズの志はインドに
 とって非常に重要な一石を投じたかもしれません。

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※すべての自動車メーカーに敬意と感謝を込めて。
※マガジンID:0000149747:2008.2.8 第34号
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