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【これでいいの? 日本車デザイン】
〜品質だけでなくデザインも一流になって欲しい願いを込めて〜
★2008.7.7 第37号★
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◆◇目次◇◆
■新車 ・マツダ ビアンテ
・スバル エクシーガ
■番外車 ・ホンダ FCXクラリティ
■輸入車も見てみよう ・ジャガーXF
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■新車■
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┃マツダ ビアンテ┃…マツダ、やりますなあ
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◆ボンゴの後継車、というよりも全く新しいミニバンと呼んだ方がよい
ビアンテ。とにかくぶったまげのデザインです。
顔つきはプジョーを彷彿とさせるが、切れ長のフロントライトがサイ
ドのグラスエリアにつながっている、という見たこともないデザイン。
アグレッシブというか前衛的というかはちゃめちゃというか、取りあ
えずはマツダの勇気に拍手。
◆ただし、ボディ後半のデザインは平凡。
もっとも、フロントがこれだけ目立つので、あとの部分で目立つ必要
はない。3列シートを備えたこのクラスのライバルは多いが、外観に
限って言えば十分すぎるくらいライバルを引き離している。
◆この顔つきが市場に受け入れられるかどうかはとても判断が難しい。
うまくすれば、似たり寄ったりのミニバンデザインに不満だったユー
ザーにヒットするかもしれない。
強烈な個性創りにチャレンジしたビアンテ。吉と出た方が面白い。
ということで… ┌───────────┐
│フロント……★★★★ │
│サイド………★★★ │
│リア…………★★★ │
│インテリア…★★★ │
└───────────┘
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┃スバル エクシーガ┃…スバルの意地は感じるが…
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◆スバルの新しいミニバン。
結論を言うとなんとも『ビミョー』な車。
◆まず第一の『ビミョー』はパッと見のスタイルがレガシィそっくりと
いう点。車高は19cmもエクシーガが高いので、並べば違いは明ら
かだが、ミニバンと言いながらワゴンのようなビミョーさ。
◆第二の『ビミョー』は顔つき。これもレガシィを彷彿とさせるので差
別化が不十分。デザインが中途半端でビミョー。
◆第三の『ビミョー』は3列シート。
全長がレガシィより6cm長いだけ。これで3列は当然きつい。そこ
でホールベースを延ばすと同時に天井を上げ、立て気味に座ることで
レッグスペースをかせいでいる。
また、3列目は小ぶりのシートになるので、リラックスはたぶんでき
ないだろう。
ワゴンのようなスタイルにしたために、どうにも中途半端なのだ。
これならいっそフォレスターの3列モデルを出した方が良かった。
◆最後の『ビミョー』はリアドア。ミニバンを謳うなら絶対スライドド
アを採用すべき。ヒンジドアにこだわった理由が希薄でビミョー。
◆とはいうものの、ワゴン第一人者としてワゴンスタイルにこだわった
スバルの意地のようなものは感じる。
似たり寄ったりのミニバンスタイルを嫌ったのだろうが、それならば
レガシィとはっきり区別できるスタイルを追求すべきだった。
ビミョーではあるけれど、スバル好きや画一的なミニバンスタイルを
嫌う人には新鮮に映るかもしれない。
ということで… ┌───────────┐
ちょっと辛口 │フロント……★★ │
│サイド………★★ │
│リア…………★★ │
│インテリア…★★ │
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■番外車■
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┃ホンダ FCXクラリティ┃…デザインはブラボー、あとはインフラ
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◆昨年11月に発表されたクラリティがアメリカでリース開始となった。
発表から半年以上経っているしリースだけなので、新車とも現行車と
も言い難く、今回は番外車としました。
◆初代FCXはハッチバックスタイルで、やはりリースのみで32台が
販売されたようだ。
クラリティは2代目FCXになる。まずアメリカでリースがスタート
したが、リース料は$600なので6万円強だ。この中身で6万円強
とは絶対安い。
◆FCXクラリティは、ガソリンエンジンが全くないモーターだけで走
る水素燃料電池車。
未来的なスタイルながら、ぶっ飛び度を適度に抑えてとても感じのい
い仕上り。フロントもリアも非常にきれいなデザインで、プリウスの
ように窮屈感や無理がない。同じ未来的な車ながら、デザインでは圧
倒的にホンダの勝ち。
フロントノーズは地を這うように低く、リアに向かっては水滴が風に
流されたようなハイデッキスタイルにデザインされている。なめらか
で艶やかな面がとてもいい。
◆惜しむらくは、ボディサイズの割りにタイヤ径が小さいこと。タイヤ
とボディのすき間が大きくアンバランスだ。
ちなみに、全長、全幅はエリシオンとほぼ同じで結構大きい。
◆こんなすてきなデザインのクラリティに街を走って欲しいが、水素補
給スタンドなどのインフラが整わないとどうしようもない。排気ガス
がゼロで水しか出てこないから、すばらしいエコ度なのに行政の腰は
重い。
◆日本では11月からリース開始。官庁や企業向けが中心らしいが、個
人へもぜひリースして下さい、ホンダさん。
ということで… ┌───────────┐
│フロント……★★★★ │
│サイド………★★★★ │
│リア…………★★★★ │
│インテリア…★★★★ │
└───────────┘
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■輸入車も見てみよう■
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┃ジャガーXF┃…冒険しすぎ?
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◆久しぶりのジャガーの新車。
シーマクラスの大きさなので思いのほかビッグサイズ。
伝統的にジャガーはサイズが大きい。
◆ジャガーだと言われなければ、メーカーを当てられないかも知れない
くらいにジャガーらしくない外観だ。
フロントグリルもライトも品がない。Cピラーまわりやリアビューは
大変きれいだ。でもやっぱりジャガーらしさはない。
ジャガーも生き残りをかけて大冒険をしたようだが…。
◆意外だったのは、自動車評論家の試乗記によれば足まわりは固く、道
路の細かい荒れをコツコツと拾うらしい。
ジャガーといえば『空飛ぶじゅうたんに乗っているようだ』といわれ
る優雅な乗り心地のイメージがあるので、これほどのビッグサイズサ
ルーンなのに固い足まわりはどうにも疑問だ。
◆ウッド多用で家具調が定番だったインパネも方向転換し、モダンでシ
ンプルになった。
面白いのはシフトレバーがないこと。エンジンスタートボタンを押す
と、本来シフトレバーのある位置にまるいダイアルがリフトアップし
てくる。これをまわすことでシフトレバーと同じ機能になる。
世界初だそうな。
でも、足が固いということはかなりスポーティー路線に振ったという
ことだと思うが、そうなるとシフトレバーを操る楽しみがダイアルの
おかげで全くスポイルされてしまったことになる。コンセプトが一貫
していないように思う。
◆すごい前向きな姿勢は認めるが、どうにもちぐはぐ。
顔つきは日本人の感性にたぶん合わないだろうと思う。大きすぎると
いうこともあって、日本での販売は厳しいかも。
ということで… ┌───────────┐
│フロント……★ │
│サイド………★★★★ │
│リア…………★★★ │
│インテリア…★★ │
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■編集後記
いやいや、とうとうガソリンは180円突破です。
おかしな話ですよね。暫定税率がないと道路が造れない、でもこの税
金のせいでガソリンは高い、だから車に乗らなくなる、車に乗らない
なら道路はいらない、そうすると税金を取る理由がない、税金を下げ
ればまた乗るようになる…
卵と鶏のように、どっちが先だという堂々めぐりの議論になってしま
います。でもはっきり言えることは国が無策だということ。若い人は
車に興味をなくしているし、日本の自動車市場はどうなるのでしょう。
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※すべての自動車メーカーに敬意と感謝を込めて。
※マガジンID:0000149747:2008.7.7 第37号
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