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これでいいの?日本車デザイン

バックナンバー: 第48号

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       【これでいいの? 日本車デザイン】

  〜品質だけでなくデザインも一流になって欲しい願いを込めて〜

          ★2009.10.25 第48号★  
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◆◇目次◇◆

 ■新車  ・ホンダ ステップワゴン

      ・トヨタ マークX

      ・トヨタ SAI

 ■現行車 (今回はお休み)

 ■輸入車も見てみよう ・ジャガー XJ

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■新車■

┏━━━━━━━━━━━┓
┃ホンダ ステップワゴン┃…実直さが返って新鮮
┗━━━━━━━━━━━┛                   

 ◆ステップワゴンがモデルチェンジ。

  前モデルのハロウィンのかぼちゃ顔のようなアクのある顔つきとは
  うって変わって、まじめ(?)なモデルチェンジ。
  

 ◆フロントグリルの位置が高くなり、上品できりっとした。
  最近のホンダ顔をしっかり織り込んでいる
  
  ラジエターグリルとフロントライトが一体化したようなデザインで、
  異形のライトもうまく溶け込んでいるようだ。


 ◆サイドビューはガラス面積が大きくなったので、
  一見するとコンパクトなミニバンに見える。
    
  Dピラーをブラック処理したので、
  サイドガラスとリアガラスが一体化したように見え、
  都会的でスマートだ。

  
 ◆リアビューははっきり言って平凡すぎ。
  特にリアコンビライトがつまらない。
  
  ライトの上部を斜めにカットしたので、
  辛うじて無個性を感じなくてすむが、
  ホンダらしさが全く感じられないのが残念だ。


 ◆インパネはとてもいい。
  立体的で見やすく、操作もし易そうだ。


  なんとか5ナンバー枠に収めたのには拍手。
  やっぱり日本ではこのサイズが使いやすい。

  リアビューが平凡なデザインになったのは残念だが、
  総体的にデキはいいと思う。
  また往年の人気を回復しそうだ。  
  

  ということで… ┌───────────┐
          │フロント……★★★  │
          │サイド………★★★  │
          │リア…………★★   │
          │インテリア…★★★★ │
          │インパネ……★★★★ │
          └───────────┘ 

┏━━━━━━━━┓
┃トヨタ マークX┃…より力強く
┗━━━━━━━━┛                   

 ◆マークXが5年ぶりにモデルチェンジ。

  典型的なキープコンセプト、には違いないが、
  前モデルのまるっとしたデザインにメリハリをつけて
  力強いスタイルになった。
  

 ◆フロントグリルのX型エンブレムはそのまま。
  平凡なグリルよりは個性的だが、
  もう少しデザインが何とかならなかっただろうか。

  フロントライトとラジエターグリルが弧を描くようにつながっていて、
  最近のトヨタのトレンドに沿っている。
  
  フロントライトは精悍になった。
  前モデルの3連のようなデザインがより洗練されてカッコイイ。


 ◆フロントフェンダーはボンネット側に回り込んだブリスター状で、
  デザイン上の大きなポイントになっている。
  立体的でアグレッシブな感じだ。 


 ◆Cピラーの形状はほとんど変わっていない。
  Cピラーが細いと重厚感がなくなるので、
  この大きな三角形の力強い形状が残ったのはよかった。


 ◆リアビューは前モデルとは印象がずいぶん変わった。
  フロントと同様、精悍さが出たように思う。

  
 ◆インパネは、
   マーク2からマークXになったときほどのインパクトはなく平凡だ。
  
  センタークラスターのデザインは中途半端。
  エクステリアが曲線、曲面が主体なのだから、
  角張ったセンタークラスターのデザインは少々違和感がある。
 
  
 ◆全長をギリギリ1.8m以下に収めたので、
  取り回しも何とかストレスを感じなくてすみそうだ。

  今回は(今回も)ハイブリッドだとかディーゼルなどの
  エコモデルは用意されていない。

  時代に逆らっているかもしれないが、
  手が届く数少ない正統派セダンなので、
  こういう車も残って欲しいと思う。
  

  ということで… ┌───────────┐
          │フロント……★★★★ │
          │サイド………★★★★ │
          │リア…………★★★★ │
          │インテリア…★★★  │
          │インパネ……★★★  │
          └───────────┘


┏━━━━━━━┓
┃トヨタ SAI┃…デザインに難点、でも売れるかも
┗━━━━━━━┛                   

 ◆レクサスHS250hのいわばダウンサイジング車。
  トヨタブランドとしてのハイブリッド専用車。
  
  HS205hとボディデザインはほとんど同じ。
  全長、全幅、全高ともHSよりわずかに小さいが、
  バンパーなどのデザインの違いによるものだ。

  なので、目新しさはないが、
  フロントデザインを変えているので見分けは明確につく。
 
  それと、
  HSのリアドア後端は、
  Cピラーの根元に向かってくいっとあがっているのに比べて、
  SAIはまっすぐ。
  横から見たときに区別できるポイントだ。

  46号でHS250hについて書いたが、
  同じデザインのSAIについても考えは同じで、
  お世辞にもカッコイイとか上品とかというデザインではない。


 ◆フロントデザインはスポーティなのか上品なのかよくわからない。
  少々フラストレーションが残る。
  
  インパネのデザインはHS250hと共通だが、
  豪華な雰囲気は抑え気味。
  しかし、安っぽいというわけではない。

  メーターは大きな半円形のワンメーター。
  このクラスの車としては珍しいが、ちょっと寂しい気もする。


 ◆リアコンビライトはHS250hと全く違うデザインで、
  かつてのプログレのようなリアビューだ。

  ハイブリッドなので例によってクリアレンズになっているが、
  何度も言うが、締まりのないクリアレンズはいい加減やめて欲しい。  
   
 
 ◆そんなに大きな車ではないのでトランクは広くない。
  残念ながら、SAIもHS250hもトランスクルーや分割可倒式の
  機能はない。
  
  これらの装備は必須だと思うが、ないのは実用性の点ではマイナスだ。  


 ◆HS250hは、
  レクサスブランドや求めやすい価格、豪華なインテリア、
  そしてハイブリッドということで、
  デザインはともかくヒットするかも知れないと46号で書いたとおり、
  好調のようだ。 
  
  SAIは価格的にはHS250hより60万円〜100万円ほど安い。
  2.5リッターながら燃費は23km(10・15モード)と優秀。

  ハイブリッド車が欲しいが、
  プリウスでは小さいしクラウンでは大きい、
  HS250hは高い、
  という人にはSAIはぴったりのモデル。

  デザインをあまり気にしないのなら、
  SAIもヒットする素地があるように思う。
  

  ということで… ┌───────────┐
          │フロント……★★   │
          │サイド………★★   │
          │リア…………★★★  │
          │インテリア…★★★  │
          │インパネ……★★★  │
          └───────────┘ 
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■輸入車も見てみよう■

┏━━━━━━━┓
┃ジャガー XJ┃…古き良き車がまた消える…
┗━━━━━━━┛

 ◆ジャガーXJがビッグモデルチェンジ。

  XJは何度もモデルチェンジをしてきたが、
  キープコンセプトを貫いてきた。

  ところが今回はまったくの別物、
  往年のXJの面影はまったくない。

  筆者は今までのXJのデザインが非常に好きで、
  頑固なまでの保守的なデザインがよかったのだが、
  今回のエクステリアは驚きの一言。

 ◆フロントデザインはXFによく似ている。
  特にグリルの印象はそっくりだ。
  今後、ジャガーの顔はこうなるのだろうか。

  フロントライトはXJの方がシャープにデザインされている。

 ◆リアデザインはXJ独自のもの。
  フロントと違ってXFと似た部分はない。

  リアコンビライトも今回は縦型で従来と印象がまるで違う。

  Cピラーまわりも非常に独創的なデザインで
  クーペに近い印象だ。 


 ◆インパネやインテリアはこれはもうジャガーの世界。
  ため息が出る。

  センターコンソールが少々ピカピカし過ぎの感はあるが、
  レクサスの高級感と比べると別世界の感がある。

  レクサスも悪くはないのだが、
  工業品の冷たさがあって琴線に触れないのだ。

  しかし、XJのそれは工芸品の域。
  
  これは伝統に裏打ちされたセンスの問題で、
  残念ながらレクサスでは当分実現できそうもないレベル差だ。  
  
 ◆かなり思い切ったデザインが吉と出るか凶と出るかは
  これからだが、魅力的であることには間違いない。

  ただ、全長が約5.2m、全幅が1.9mなので、
  日本で乗るにはかなりストレスになる。


  ということで… ┌───────────┐
          │フロント……★★   │
          │サイド………★★★★ │
          │リア…………★★★★ │
          │インテリア…★★★★★│
          │インパネ……★★★★★│
          └───────────┘
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■編集後記

  やっぱりというか、とうとうというか
  EV車が俄然台頭してきましたね。

  怖いのはアメリカ。
  トヨタやホンダがハイブリッドに固執していた間に、
  アメリカのベンチャー企業ががんがんEV車を開発しています。

  しかも、グーグルとか元石油王などがベンチャーに投資しているので、
  豊富な資金を背景に開発も急ピッチです。
  しかも、かなり高性能でデザインもすばらしい。

  日本はハイブリッド車で先行したもののEV車で逆転されかねません。
  日本メーカーでもやっとEV車の発表が相次いでいますが、
  まだバラバラな感じです。

  アメリカは大統領以下、EV車開発に一枚板で当たっており、
  日本は誰が旗振りなのかはっきりしないどころか、
  ハイブリッド車をメーカー間でつぶし合うといったお寒い状況です。

  あと怖いのは中国。
  この国の集中力とパワーは非常に怖い。
  何しろ自動車産業を国家戦略と位置付けているのですから。

  私たちが考えている以上に高い技術力と開発力とスピードがあります。
  安い人件費をベースに高性能で安いEV車を出してきたら、
  世界を席巻する可能性はあります。

  どうする、ニッポン!!

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※すべての自動車メーカーに敬意と感謝を込めて。
※マガジンID:0000149747:2009.10.25 第48号
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