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これでいいの?日本車デザイン

バックナンバー: 第49号

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       【これでいいの? 日本車デザイン】

  〜品質だけでなくデザインも一流になって欲しい願いを込めて〜

          ★2009.11.18 第49号★  
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◆◇目次◇◆

 ■新車  ・レクサス LFA

      ・日産 フーガ

      ・光岡 大蛇(オロチ)

 ■現行車 ・トヨタ ハリアー 

 ■輸入車も見てみよう ・BMW 5シリーズGT

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■新車■

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┃レクサス LFA┃…GT−Rのライバル?でも値段が…
┗━━━━━━━━┛                   

 ◆いやー、ホントに販売するんですね。

  あくまでモーターショーのコンセプトカー的な存在だと
  思っていたが、遂に市販が決定。

  世界でわずか500台。日本は160台あまり。
  価格約3750万円!(はぁ〜)
  消費税でヴィッツやフィットが買えます!

  性能や価格はスーパーカーに違いないが、
  スープラやセリカなどの延長にあるようなスタイルなので、
  カウンタックのようなイメージとは随分違う。


 ◆フロントまわりの造形が独特で、
  サイドからフロントにつながる部分が
  ほぼ垂直のラインで区切られている。
  あまり見たことのない造形だ。しかし迫力は満点。

  フロントライトは前から見ると三角形が強調されて
  どうにも中途半端。
  情けない顔に見えてしまうのがマイナス。
  
  
 ◆リアビューはまるでサーキットカーのような印象。
  3本の排気管と合わせて、こちらは迫力満点だ。
  リアだけ見ればスーパーカー的雰囲気はある。

  速度が上がるとウイングがせり上がってくる。
  

 ◆横から見ると低い車高と小さいキャビンのおかげで、
  全長はカローラより少し長いだけなのに大柄に見える。
    
  Cピラーの手前とリアタイヤハウスの手前にエアインテークがあり、
  サイドのデザイン上のポイントになっている。  

  フロントエンジンなのになぜここにエアインテークが?と思ったら
  ミッションがリアにあるトランクアクスル方式だった。
  重量配分で有利らしい。


 ◆インテリアはスポーツカーでありながらしっかりレクサスの世界。
  非常に豪華で操作性も良さそうだ。

  
 ◆4.8リッター、V10。
  エコなどどこ吹く風のハイスペックカーを
  日本のどの公道で走らせるのか聞きたくなるが、
  シンボリックな車はメーカーには必要。

  リリースまで多少の変更はあるかも知れないが、
  三角目は何とかもう一工夫欲しい。  

  ということで… ┌───────────┐
          │フロント……★★★  │
          │サイド………★★★  │
          │リア…………★★★★★│
          │インテリア…★★★★★│
          │インパネ……★★★★★│
          └───────────┘

┏━━━━━━┓
┃日産 フーガ┃…ダイナマイトボディ
┗━━━━━━┛                  

 ◆フーガがフルモデルチェンジ。

  出るところは出る、引っ込んでいるところは引っ込んでいる、
  といったまるでグラマーな女性のような艶めかしいボディ。

  こんなビッグサルーンにこんな大胆なデザインが必要?と思うが、
  インパクトは絶大で印象は強烈。

  こういうデザインも有り、と不思議と納得されられてしまう。


 ◆ボンネットの波打ったような造形は迫力があり、
  睨み付けるようなライトや大きなグリルと相まって、 
  後ろからやって来たら、
  お先にどうぞという気になってしまいそうだ。

  一つ難癖をつけるなら、
  グリルのデザインはもう少し何とかならないだろうか。
  日産のお得意(?)のニカ顔なのだが、
  全体のデザインに対して単調でつまらない。


 ◆リアビューはフロントに対してかなりおとなしい。
  前モデルのL字型リアコンビライトが、
  横楕円型のありふれた形状になったせいかだろうか。
  これがフーガだという主張がないのが惜しい。   


 ◆インパネは立体的で豪華。

  ただ、センタークラスターの下の方までスイッチ類があり、
  操作性でどうかな?と疑問が残る。
  (実際に操作していないので何とも言えないが)

  ドアトリムは外観に合わせて曲線を多用したデザインで、
  特にドアノブまわりのパネルデザインがいい。


 ◆外観上はCピラーは細めなのだが、
  ブラックアウト処理されてリアドアガラスとつながっているように
  見える三角部分がある。

  なので、Cピラーは実際はかなり太い。
  それでCピラーには小さな三角窓が設けられている。
  ちょっとしたことなのだが、
  後席の圧迫感改善には少しは役立つ。

  だから厳密に言うと、
  Dピラーまであるということになるのだろうか。

 
 ◆サイドビューはかなりロングノーズ。

  このところのセダンは、
  キャビンを大きくしたショートノーズ、ショートデッキを
  採用する傾向にあるが、
  やはり3ボックスセダンはノーズをある程度長くしないと
  たたずまいが美しくない。


 ◆たぶん新フーガは好き嫌いがはっきりすると思うが、
  まずは日産のデザインチームに拍手。  
  

  ということで… ┌───────────┐
          │フロント……★★★  │
          │サイド………★★★★ │
          │リア…………★★★★ │
          │インテリア…★★★★ │
          │インパネ……★★★★ │
          └───────────┘ 

┏━━━━━━━━━━┓
┃光岡 大蛇(オロチ)┃…きらめくメーカー
┗━━━━━━━━━━┛                   

 ◆新車というわけではないが、
  2010年モデルの受注を始めたと言うことなので、
  新車に取り上げました。

 ◆とにかく光岡自動車の車作りにはびっくりされられるが、
  中でもオロチが発表されたときには腰を抜かした。

 ◆和製スーパーカーと呼べるものはホンダNS-Xがあったが、
  デザインがおとなしくやや物足りなかった。
    
  誰もがふり返る車を造れ、
  という社長の号令の元にできたのがオロチ。

  その思いは間違いなく実現できた。
  
  まるで松本零士のアニメの世界から飛び出してきたような強烈さ。
  全体のシルエットは外国のスーパーカーでも見られるそれだが、
  細部のこれでもかという装飾はオロチだけのもの。

  たった一人のデザイナーがデザインしたというから、
  デザイナーも楽しかったに違いない。

  多少、ゴテゴテ感がなくもないが、
  全体の迫力で不思議と許してしまう。
  
  そして、ランボルギーニなどには感じない琴線に触れるものが
  オロチには間違いなくあると思う。
  純粋な和製スーパーカーならではだろう。

  
 ◆外観の強烈さに比べ、
  インパネはそれほどの印象はない。
  いろんな車のパーツを流用しているので、
  そんなに冒険はできなかったのかもしれない。
  
  ウイッシュほどの全長なのに全幅は2m超で2人乗りだから、
  ゆったりと座れるようだ。
  しかし、全高が1.1m超なので相当座面が低いことになる。


 ◆スーパーカーといってもエンジンやミッションは
  アメリカ仕様のトヨタ・クルーガーから流用。

  なので、乗り心地はかっ飛びフィールではなく穏やか。
  飛ばし屋には向いていない。


 ◆細かい仕様でなんと7000種類以上の組合せができるため、
  生産台数の少なさもあって同じオロチはまず存在しない。

  完全手作りで1台作るのに3〜4カ月かかるというから、
  まさに工芸品の世界であるが、それだけに価値がある。

  大多数の人は見ることも乗ることもまずないと思うが、
  ぜひ残って欲しい車だし、
  光岡自動車にもずっと頑張って欲しい。
  こんな貴重なメーカーは絶対に無くしてはいけないと思う。    
  

  ということで… ┌───────────┐
          │フロント……★★★★★│
          │サイド………★★★★★│
          │リア…………★★★★★│
          │インテリア…★★★★ │
          │インパネ……★★★★ │
          └───────────┘ 

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■現行車■ 

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┃トヨタ ハリアー┃…優雅なSUVの先駆
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 ◆取り上げたのは初代ハリアー。

  デビューは1998年なのでもう10年以上になる。

  見かけはSUVなのだが、
  あまりに優雅で豪華なので、
  プレミアムSUVという新ジャンルのパイオニアになった。


 ◆今でもたくさん走っているが、
  やっぱり優雅できれいなスタイルをしていて、
  全然色あせていないところがすばらしい。

  インテリアも高級セダンの豪華さを取り入れ、
  日本でもヒットしたが、
  アメリカで特に女性に大ブレークした。

  ハリアーの成功がきっかけで、
  世界の自動車メーカーが同じコンセプトの車を出し、
  そのどれもが成功していることを見ても、
  先見の明があったのだろうと思う。


 ◆ハリアーは2代目になって、
  デザインの無骨さとアンバランスが目につき、
  初代の美しさが消えてしまったのは残念だった。

  さらにレクサスRSになって、
  初代ハリアーの優雅さは完全になくなった。

  初代ハリアーは、
  トヨタデザインの良さを残した最後のモデルのような気がする。
    
  ということで…┌───────────┐
         │フロント……★★★★ │
         │サイド………★★★★ │
         │リア…………★★★★ │ 
         │インテリア…★★★★ │
         │インパネ……★★★★ │
         └───────────┘  
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■輸入車も見てみよう■

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┃BMW 5シリーズGT┃…BMWデザインは意欲的
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 ◆5シリーズに新ジャンルのGTが登場。
  GTといっても、日本車のようないかにもスポーツカーという
  イメージではまったくない。

  伝統的な3ボックスのセダンスタイルではなく、
  優雅なクーペスタイル。


 ◆BMWの顔であるキドニーグリルはしっかりある。

  フロントからリアドアあたりまでは普通のセダン?と思わせるが、
  ルーフ後半がなだらかに下降してリアにつながり、
  トランクの出っ張りはない。

  このようなデザインを5シリーズという中核モデルに採用する
  BMWというメーカーに、ホントびっくりさせられる。

  言ってみれば、
  トヨタクラウンにクーペスタイルのモデルが追加されるようなもので、
  日本人ではたぶん思いつかないし、
  思いついたとしても製品化することはまずないだろう。


 ◆インパネはBMWだとひと目でわかるもの。
  5シリーズらしいもう少し豪華さと柔らかさが欲しい。

  リアシートは完全にセンターコンソールで分離された2人掛け。
  
  写真で見る限り座面は非常に大きく分厚いが、
  背もたれは薄くて幅がなく頼りない。
  タイヤハウスの出っ張りも大きい。

  実際座ってみないとわからないが、
  天井が下がっていることもあって、
  リアシートは意外と快適ではないかもしれない。

  もちろん、このクラスの車としては、である。
  メーカーも一応ファーストクラスの快適性と言っているので、
  思い過ごしかも知れない。
   

 ◆リアビューは完全なクーペスタイル。
  非常にきれいにまとまっている。
  リアガラスが寝ていることとそんなに面積が大きくないので、
  後方視界は厳しそうだ。

  リアハッチは2段階で開き、
  小物なら下の部分だけ開けて出し入れし、
  大きなものは大きく跳ね上げて開ければよい。


 ◆全長が約5m、全幅が1.9mなのでけっこうなビッグサイズ。
  ちょっと持て余す大きさであるが目立つこと間違いない。

  ということで… ┌───────────┐
          │フロント……★★★  │
          │サイド………★★★★ │
          │リア…………★★★★ │
          │インテリア…★★★  │
          │インパネ……★★★  │
          └───────────┘
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■編集後記

  お隣、韓国で、トヨタ車とくにカムリに注文が殺到しているそうです。

  とっても意外な感じがします。

   ・韓国はヒュンダイ、起亜などの国内メーカーが圧倒的に強い
   ・愛国精神が強い
   ・政府が国内自動車産業の保護政策を取っていてる
   ・戦争体験から日本に対する嫌悪感がまだ残っている

  などから日本車にとってのビジネスはかなり不利なはずなのです。 

  カムリを今注文しても、納車は数ヶ月先というから驚きです。
  とはいうものの絶対数はまだ少ないのですが、
  いいものはいい、
  というように考え方が少しずつ変わってきているのかも知れません。

  今後、FTAが結ばれたらどうなるか、なかなか楽しみではあります。

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