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【これでいいの? 日本車デザイン】
〜品質だけでなくデザインも一流になって欲しい願いを込めて〜
★2009.12.21 第50号★
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◆◇目次◇◆
■新車 ・スズキ キザシ
・スズキ アルト
・ホンダ シビックタイプRユーロ
■現行車 ・ホンダ プレリュード
■輸入車も見てみよう ・VW ポロ
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■新車■
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┃スズキ キザシ┃…勝負に出たが果たして…
┗━━━━━━━┛
◆小型車得意のスズキがリリースする中型サルーン。
全長はアベンシスクラスだが幅が1.8mを超える。
アメリカを主なターゲットにしており、
日本ではなんと注文生産で対応する。
今なぜハイブリッドでもEVでもない、
NAの中型クラスセダンで勝負に出るのだろうか。
しかもアメリカで。
◆横長のフロントグリルは下に弧を描いたデザインで、
トヨタのクラウンやカローラなどに見られるデザインと同類だ。
サルーンとしては少々品がないが独特の存在感はある。
どことなく旧ゴルフに似ているような…。
◆ボディ全体は骨太でかたまり感があり、
今までの日本車にはあまりなかったグラマラスなデザインをしている。
角度によってはずんぐりと見えなくはないがイヤな感じはしない。
リアはストンと切り落としたような壁になっており、
かなりのショートデッキ。
全体のバランスからいえばもう少しリアの出っ張りがあった方がいい。
◆インパネはオーソドックスなデザイン。
よく言えば無難、悪く言えば退屈。
もう少し個性付けをしてもよかった。
◆カラーが白、黒、銀の3色しかなく、
アメリカ市場ではもの足りなくはないのだろうか。
どれだけ売れるか全く予想できないが、
これからのスズキの命運を左右するかも知れない。
ということで… ┌───────────┐
│フロント……★★★ │
│サイド………★★★★ │
│リア…………★★★ │
│インテリア…★★★ │
│インパネ……★★★ │
└───────────┘
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┃スズキ アルト┃…顔で勝負
┗━━━━━━━┛
◆アルトも早や7代目。
6代目のフロント部分は、
円筒の一部を貼り付けたようなペロンとした面で、
やや退屈な顔つきだった。
7代目は口を大きく開けたインパクトのある顔立ちになり、
似たり寄ったりの軽自動車の中でもかなり目立つが、
男性が乗るにはかわいすぎるかも。
◆全体的に角を丸めて柔らかな曲面でまとめられているので、
色映えもいいし、やさしい感じがする。
◆インパネはヨーロッパ調。
操作は中央に集中していて使いやすそうだ。
シンプルできれいにまとまっているし、
安っぽさや手抜きは感じられない。
◆ショルダーラインは後ろから前に下がっていて、
水平基調の前モデルに比べると動きがあって躍動的。
◆シートはそっけいないほどシンプル。
特にリアシートは平坦だが、
タウンユースならこれで十分。
ということで… ┌───────────┐
│フロント……★★★★ │
│サイド………★★★ │
│リア…………★★★ │
│インテリア…★★★ │
│インパネ……★★★ │
└───────────┘
┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ホンダ シビックタイプRユーロ┃…世が世であれば…
┗━━━━━━━━━━━━━━━┛
◆エコのご時世にホットモデルは逆行するかもしれないが、
このような車もあっていいと思う。
◆3ドアのハッチバックスタイルで、
フロントウインドウの傾斜が強く、
ウインドウとボンネットがほとんど同じ面にあるので、
自転車競技でかぶるしずく型ヘルメットを、
前後逆にしたようなシルエットだ。
◆小さく見えるが、
シビック5ドアと全長はほぼ同じ。
デザインの妙か、とてもそんなに見えない。
とにかくかたまり感がすごい。
◆インパネは未来っぽいが、
ホットモデルらしくスポーティな感じは十分にある。
リアシートは広々とはいかないが窮屈ではなく、
荷室もそれなりにある。
ユーロモデルらしく実用性も確保されているようだ。
◆リアビューは十分個性的で、
スポイラーがデザイン上、効いている。
ただ、このスポイラーはリアウインドウを横切るようにあるので、
後方視界には若干マイナス。
◆限定販売で約300万円。
好きな人にはたまらないかも。
ということで… ┌───────────┐
│フロント……★★★★ │
│サイド………★★★★ │
│リア…………★★★★ │
│インテリア…★★★ │
│インパネ……★★★★ │
└───────────┘
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■現行車■
┏━━━━━━━━━━┓
┃ホンダ プレリュード┃…あこがれでした
┗━━━━━━━━━━┛
◆とっくに生産中止になっているが、
まだ時々元気に走っているのを見かける。
◆さすがに初代を見かけることはないが、
初代はデザイン的にはあまり見るべきものはなかった。
2代目はワイド&ローのデザインで大ヒットした。
日本はもちろん、イタリアの若者に大いに受けたらしい。
3代目はフロントデザインを若干変えたモデル。
4代目はがらっと変えて固定式のフロントライトになり、
サイズも大きくなった。
そして5代目は縦目のシンプルな顔立ち。
残念ながら、この種の車の需要が下降していたので、
プレリュードも代を重ねるごとに販売が低迷して、
気が付けば消滅していた。
◆ロングノーズ、ショートデッキのスタイルはかっこよく、
若者に大いに受けた。
まだ、車にあこがれや持つ喜びを感じていた時代なので、
プレリュードの存在は大きかったように思う。
しかし、みんなでワイワイ乗る車ではないので、
若い人がミニバンに乗るような時代にはもはやそぐわない。
リタイアした夫婦がゆったりと乗るために、
プレミアム・プレリュードのような感じで復活する道は
かすかにあるかもしれない。
ということで… ┌───────────┐
(2代目について)│フロント……★★★★ │
│サイド………★★★★ │
│リア…………★★★★ │
│インテリア…★★★★ │
│インパネ……★★★★ │
└───────────┘
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■輸入車も見てみよう■
┏━━━━━┓
┃VW ポロ┃…立派なコンパクトカー
┗━━━━━┛
◆VWのエントリーモデルながら、
今度のポロは見栄えがいい。
◆顔つきはゴルフのよう。
全体のシルエットもよく似ているが、
Cピラーはポロのほうがシャープな感じだ。
◆感心するのはどの面やラインを見ても、
疑問を持つところがないこと。
聞いたところでは、
ポロのデザインチーム責任者は、
疑問のある面やラインを徹底的に排除するよう、
デザイナー達に何度もやり直しを求めたようだ。
だから極めて洗練されたデザインになっている。
これがエントリーモデルなのだから驚いてしまう。
日本車は残念ながらまだ追いついていない。
◆一方、インパネは拍子抜けするほど平凡なデザイン。
そういえば、VW車のインパネはどのクラスのモデルも
今ひとつあか抜けない。今後の課題だろうか。
◆1.4リッターで燃費は17km/リットルと優秀。
値段が約200万円強と、
同じクラスの日本車よりは若干高いが、
日本車に飽き足らない人は飛びつくかも知れない。
ということで… ┌───────────┐
│フロント……★★★★ │
│サイド………★★★★ │
│リア…………★★★★ │
│インテリア…★★★ │
│インパネ……★★★ │
└───────────┘
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■編集後記
トヨタがアメリカで380万台の大量リコールをするという報道には
驚きましたが、その内容に唖然。
フロアマットがずれてアクセルの下にもぐり込み、
アクセルが戻らなくて速度が落ちずに事故る…。
なんでこんな初歩的なことに気付かなかったのでしょうか。
それとリコールすると決断するまでの遅さ!
大企業病を呈してきています。
イギリスのエコノミスト誌が、
『海外の他のメーカーは、
大量生産に集中してきたトヨタの退屈な車よりもずっと面白く、
信頼性のある車を提供している』
とこき下ろしています。
世界一に対する多少のやっかみはあるでしょうが、
トヨタの車が退屈な点では同感です。
数で世界一でなくてもよいではないですか。
トヨタ(レクサスも含めて)がもっと琴線に触れる退屈でない、
そして信頼できる車造りをやって欲しいと切に願うばかりです。
さて、今年最後のメルマガとなりました。
がまん強くお読みいただいた読者の皆さまにはただただ感謝です。
来年もどうぞよろしくお願い致します。
ではよいお年を!
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