イランイスラム共和国大使館事務棟

レーモンドは戦前も戦後も、数多くの大使館および関連施設の設計を手掛けています。
アメリカ大使館、ソビエト大使館など、戦前の貴重な作品の多くは、
解体あるいは大戦によって焼失してしまいましたが、今なお現役で活躍しているものもあります。

その中でも、イランイスラム共和国大使館は、
戦後しばらくして建てられたということもあり、事務棟、公邸共に現存しています。
当然ながら非公開ですので、中の様子を伺い知ることは出来ませんが、
レーモンドが特に腐心したという、蛇柄風(!)の外装(タイル貼り)を間近に見ることができます。
コンクリ打ち放しが多い彼の建築にあって、タイルによるデザインは珍しいのではないかと思います。
なお、「仕事場と住居は明確に分けるべき。」というレーモンドの考えに基づき、
事務棟と公邸が別棟建てで建設されました。

Data
所在地:東京都港区南麻布
構造:R.C.造3階(他に公邸3階一棟あり)
施工者:白石建設
建築年代:昭和34〜35年


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