軽井沢聖パウロカトリック教会

レーモンド作品としては珍しく、故郷チェコのお隣り、
スロバキア地方の伝統なデザインを取り入れて創られた作品です。
その独特のスタイリングと、山小屋風の木造建築の暖かさが人気で、
軽井沢の観光スポットとして絶えず人が集まっています。

内部のエックス型のトラスは、鋏(はさみ)のような仕組みになっていて、
上部からの加重がかかるほど、下部の力点でがっちり捉えるという構造だそうですが、
これはレーモンドが考えた独自の手法だそうで、
戦後の教会や住宅作品にも多く使われています。

当初の屋根は、こけら葺きの味のあるものだったそうですが、
現在は違う素材で葺き替えられています。
祭壇の右後方(今は駐車場)には、
ベッドルームやキッチン、浴室などが備えられていた付屋が、
外廊下で接続されていたとのことですが、
祭司用の設備だったのでしょうか?現在は残っていませんでした。

Data
所在地:長野県軽井沢町
構造:木造2階
施工者:中村兵二他、今市の職人11〜12人
建築年代:昭和10年

 
 

特徴的な鋏状のトラス構造。栗の丸太を使用しています。
 

人気の教会だけあって、休日は結婚式で賑わいます。


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