東京女子大学外国人教師館・安井記念館・ライシャワー館



外国人教師館
東京女子大学校内に残る3件の住宅建築のうち、
最もフランク・ロイド・ライトの影響が色濃く出た作品です。
と言うよりも、現存するレーモンド作品の中で、
ここまでライトの影響を受けた建物はごく限られています。
ライトの云う、プレーリースタイルとまではいかないものの、
ライト特有の水平ラインの強調や深い庇、ポーチや窓の周囲に施されたデコラティブな装飾、
取り分け、ポーチ上に取り付けられたパラボラアンテナのようなフラワーベースは
ライトの作品にも見受けられます。

Data
所在地:東京都杉並区善福寺
構造:R.C.造2階
施工者:
建築年代:大正10〜14年


安井記念館(旧安井邸)
安井記念館は、第二代学長であった安井てつ氏が住まわれていたため、
その名を冠して命名されたものです。
現在では14号館、キリスト教センターとして使用されています。
この建物は他の2棟と比較して、平たくはなく、プレーリー・スタイルではありません。
しかし、直接的な関係は定かではありませんが、この建物が着工される数年前から、
ライトもこのようなキューブ状の建物を数多く設計していました。

Data
所在地:東京都杉並区善福寺
構造:R.C.造2階
施工者:
建築年代:大正10〜14年

 


ライシャワー館(A.K.ライシャワー博士邸)
構内の施設のほとんどが大正10年頃の着工であることに比して、
この建物のみ若干遅れてからのものであり、しかも竣工は昭和に入ってからとなりました。
ちょうど横浜山手のエリスマン邸(大正15年)と同時期の建物で、
それは、当時のレーモンドに染みついていた、
師ライトの作風からの脱却を試みていた時期でもありましたが、
この建物にはまだ微かにライトの影響を見て取ることができます。
構造はR.C.造、壁はコンクリート打ち放し、そして瓦屋根という、
他の2棟の住宅と同様の形式で建てられました。

Data
所在地:東京都杉並区善福寺
構造:R.C.造2階
施工者:
建築年代:大正14年〜昭和2年
 


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