en cerisier(アン・セリジェ)
(旧相内邸)

札幌駅から丸山方面へ、中央区のやや外れにこの建物はあります。
そもそもは個人住宅として建てられたものですが、
その後所有者が変わり、取り壊しの危機を乗り越えて、
現在では、レストランやウエディングハウスとして使われています。
(1階の天井が取り払われて、吹き抜け空間に改装されていました。)

大地に這うように平たく伸びたフォルム、水平ラインを強調した深い庇。
まさしく、田上はライトのDNAを受け継いだ一人でしょう。
ただ、ろいず珈琲館や函館のプレイリーハウス等、
それまでの住宅建築と比較すると、若干作風が異なってきている点があります。
特に横に連続する窓が設けられているところ(写真下)は、
当時流行のインターナショナルスタイルを意識的に取り入れたものでしょうか。
意図してライト風からの脱却を図っていったかどうかは分かりませんが、
新たな道を模索し始めたかのような混在が、この建物から見て取ることができます。

※残念ながら、現在は解体されています。
Data
所在地:札幌市中央区南1条西28丁目1-1
構造:木造2階
施工者:
建築年代:昭和8年

オレンジ屋根はオリジナルではありませんが、とても気に入ってしまいました。(笑)
 

こちらは、貴重な相内邸時代の写真。この時の屋根は緑色だったそうです。
(北海道在住・みきお様提供)
  
 

横に連続する窓。室内も明るそうで、レストランへの改装は成功だったのではないでしょうか。



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