S邸

田上義也の作品中、個人的には一番好きな建物です。
建物もさることながら、緑豊かな公園に面し、これを借景とした家前に広がる贅沢な空間。
きっと家の窓からは、いつでも美しい緑が眺められることでしょう。公園側のズラッと並ぶ窓が印象的です。
おそらく、田上もこれらの景色を意識しながらの設計だったと思います。
また逆に、この草や木々があって、屋根の緑と下見板の水色が、さらに美しく映えることができるのです。
つまり、家の中から見ても、外から家を眺めても、この木々たちは欠かせない存在です。
建物の内部まで見てはいないので、私の勝手な憶測ですが、
ライトの言う「有機的建築」とはこういうものなのかなと、感じさせてくれた住宅です。

Data
所在地:小樽市
構造:木造2階
施工:
建築年代:昭和2年
備考:

 



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