ドライブチェーンのメンテナンス

オイルは換えても、チェーンは交換するまでノータッチと言う人はかなり多い。でもそれではバイクの性能をフルに出すことはできない。もし今までがそうだった人は是非覚えてメンテを実行してほしい。

1.メンテの効果

いきなりこうしろ!と書くよりも、その効果を書いた方が意欲がわくと思います。それにチェーンという物は意外に様々な所に影響を及ぼすのです。

効果1 馬力、トルクのロスの軽減

エンジンで発生したエネルギーはタイヤに伝えられて初めて移動するための力になります。しかしエンジン(更に言うならクランクシャフト)はタイヤに直結されているわけではありません。様々なものを介してエネルギーをタイヤに渡しているのです。そこでどうしても直面するのが、エネルギーのロスです。ノーメンテでフリクション(抵抗)の固まりといえるチェーンでは簡単に何馬力分もエネルギーが失われてしまいます。それをエンジンチューンなどで稼ごうと思ったら、かなりのお金と時間が必要になります。チェーンのメンテなら3000円程のお金と30分程度時間で済んでしまいます。どちらが現実的かつリーズナブルでしょう?

効果2 シフトタッチの向上

ギアの入りが渋かったり、タッチがグニャッとした感じだったりすると、気持ちが悪いものです。その原因がチェーンだとしたら?これが結構あることです。チェーンの張りを調整しただけでカチッとしたシフトタッチに! なるはず

効果3 出費が減る

メンテをしてやることで、チェーンとスプロケの寿命を伸ばしてやる(というよりはメンテをしなければ寿命が減る)ことが出来ます。あなたはチェーンの値段を知っていますか?知らない人は一度バイク用品店に行って見てみましょう。きっとやる気が出てくるはずです。なに?あんな額ならいくらでも出せる?じゃあ、メンテを怠るとエンジン側が壊れるとしたらどうでしょう。実際の話として、私の友人はメンテ不足の為、ドライブスプロケのついている軸からオイル漏れを起こしてしまいました。エンジン外からオイルシールが出来たので良かったですがもし出来なかった場合(YSPの店員曰く、外から出来るのは世界でヤマハだけ)場所が場所だけにエンジンを全バラする羽目になります。そうなるとかなりの出費を強いられることになります。

2.メンテの方法

何はなくてもまず清掃

チェーンクリーナー(シールチェーンの場合、対応品を使うこと。O-リングが痛みます)を使い、プレートの内外をまんべんなく洗います。この時ブラシを使ってこすってからウエスでふき取る、というやり方でやるとクリーナーの消費量が減って安くあがります。清掃が済んだらオイルを吹く。この時プレートとプレートの間にチェーンの内側から吹くこと。こうすれば遠心力でオイルが外側にも行き渡ります。付けすぎてもオイルが飛び散り汚れやすくなるので注意しましょう。

張りをきっちり調整

清掃がすんだら、張りの調整。張りを見る位置はドライブシャフトとリアアクスルシャフトの中間位置。ここのチェーンを掴み、上下に揺すりその幅を計る。この幅の適正値はバイクによって違うので要確認!チェーンの場所によって延び具合が違うこともあるので(いわゆる片延び)、数カ所で見る必要があります。とくにシングルエンジンなど、1発あたりの力が強い車種でこの傾向が強いそうです。規定値以上だったら調整。方法は各車用マニュアル参照のこと。一般的には、アクスルシャフトのナットを緩め、チェーンスライダーについているナットを締めることにより張られます。この時左右の張りを合わせてやることが重要です。基本はスイングアームの印に合わせること。もう一つ見方としてチェーンを見る。チェーンを真後ろから見て(チェーンケースは外しておくと見やすい)真っ直ぐになっていればOK。左右の小さな違いも意外に目に見えて現れてきます。その後アクスルシャフト固定ナットを締める。この時ただ締めるとチェーンの張りが変わるので(締め付ける→右に回すことにより、チェーンが後ろに移動しより張られてしまう)スプロケとチェーンの間に棒(Tバーハンドル等)を挟んでやるとチェーンにテンションが掛かり張りは変わらなくなります。その後念のためもう一度張りを確認しましょう。弛んでいるのも良くないのですが、張りすぎもまた害があるのです。これで調整終了です。

今時のO-リングチェーンはほとんど伸びないのでメンテの中心は清掃になります。逆にちゃんと清掃をしていればそう伸びるものではありません。あなたのチェーン、綺麗ですか?

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