エンジンオイル交換

オイル交換は基本中の基本。でも意外に失敗が多かったりもするのでちゃんと覚えましょう

1.交換サイクル

オイル交換の間隔はどうすべきか?いろいろ説がありますが私がやっているのはオイル1リッターあたり1000km、VF1000Rなら2L(笑)なので2000kmで交換というもの。バイクによってオイル量はまちまちだし、オイル量よっても劣化のスピードが違うはずなので(本当か?)この基準を採用しています。2stのミッションオイルについては直接シリンダー内を循環している訳でもないので、これよりも長いサイクルで問題ないとは思います。

2.オイル選択

具体的なブランドを挙げる前に、「安いオイルでまめに換える」「高いオイルで長く持たせる」のどちらがいいのか、ということについて。私は車用オイルを入れない限り(車用はクラッチが滑るので)前者がいいと思います。オイルの働きの一つである洗浄作用を考えると短いスパンで交換した方が良いと考えるからです。それにいくら安物とはいえ通常の走行(街乗りなど)にすら耐えられない物はないはずですから。もちろん理想は高いオイルをまめに換えることですが。
それと良く言われる事に「古いバイクにいいオイル入れるのはダメ」ということ。古いバイクに浸透性のいい良いオイル、具体的には100%化学合成オイル、を入れるとオイル漏れを起こすのだという。これだけ聞くとちょっと納得してしまいますが、ちょっとまって。いくら昔のバイクとはいえ、それ程シール能力が劣るのでしょうか?某ショップの人も言っていますが古いバイクでも完調なら漏れることはないハズ。古いバイクはガスケットも各種シール類も劣化している場合が多い。その為オイルが漏れるのでは、と私は考えます。純粋に機械のことを考えるなら最新のオイルを使うのが良いと思います。

具体的にどのブランドがいいのか?

安い方ではメーカー純正でしょう。何て言ったってメーカーが「これを入れとけば大丈夫」といっているのですから。純正オイルにもヤマハに代表されるように高いオイルもありますが、スタンダードグレードのもので十分。
では、高い方はどうか?雑誌を読んだりバイク屋で聞いてみた所、モチュール300Vを推す意見が多かったです。私もこの前入れてみたのですが、このオイル他のオイルとは大分違います。色は濃いめの茶色と普通ですが、においがかなり特殊。「添加剤がはいってます!」と一度嗅げば誰でも分かる香りで、極端に言えば薬品臭く、また粘度もかなり高い。

グレードの選択

オイルには2つの分類があります。一つはS*で表されるグレード。これはそのオイルの効能のようなもの。Sの後ろのアルファベットが後ろの物ほどいいものとされるます。今の最高グレードはSH。このグレードは絶対的なものでないので、よりよい物が出てくれば文字が進んでいきます。少し前はSGが最高でしたし、5・6年前はSFがそうでした。
もう一つは粘度。”*W-**”という表記がそれ。”*”部分には数字が入ります。この数字は、オイルの許容温度を示しています。オイルにはある程度の粘度が求められるます。それはありすぎても無さすぎてもダメ。オイルの粘度は温度が上がるほど低く(サラサラに)なり下がるほど高く(ドロドロに)なります。小さい数字ほどより低温時でも流動性を保ち(昔懐かしいMobil-F1のCMが良い例?)、大きな数字ほど高温時にも適当な粘度を保つということを意味します。しかし普通オイルには10W-30というように2つの数字が書いてあります。この意味は?というと、Wの付いている数字が低温時の許容温度で、その後ろの数字が高温時の許容温度ということになります。一般的にこの2つの数字は関係していて、前の数字が小さいと、後ろの数字も小さく、前の数字が大きいと、後ろの数字も大きくなります。たとえば最初の数字が10だと後ろは30、20だと40といった具合です。最初の数字が小さいにも関わらず後ろの数字が大きな高性能オイル、もちろん値段も高級、もありますが。
で、選択の仕方としては、冬は粘度の低い物(最初の数字が小さいもの・10Wなど)を選び、夏は粘度の高い物(後ろの数字が大きな物、50など)を選ぶ。純正オイルで、10W-40と20W-50、というように2種類あるのはこういう理由から。あとは財布の許す限り、グレードの高い物を選ぶ。これでOK。

3.作業手順

まずはある程度エンジン、言い換えればオイルを暖める。冷たいと粘度が高く、オイルが抜けにくい為。ただあまり暖めすぎないように。火傷します(笑)。その後オイル注入口のふたを開け、ドレンボルトを緩めます。当然オイル受けは忘れずに。オイルフィルターを交換する場合は同時に外します。交換方法は各車違いますので、サービスマニュアルを参照して下さい。交換サイクルはオイル交換2回に付き交換、というのが一般的ですね。
オイルが抜けたらドレンボルトを締める。これ、思いっきり締めてしまいがちですが、さにあらず。割と軽くでOKなんです。あくまで感覚的に、なので簡単に緩んでしまうほど軽くでは困りますが。書き忘れるところでしたが、ドレンボルトのガスケットを新品に換えるのを忘れずに。出口を閉めたらオイル投入です。ジョッキ等で適量を計り入れます。入れた後でレベルゲージを使ってオイル量が適量であるかを計ります。ただこの計り方も間違いの無いように(一般的に一度エンジンを回してから計ります)。そうしないと全く違った結果になってしまいます。オイルの量は足りないのはもちろんですが、多すぎても抵抗が増し良いことはありません。オイル管理はエンジンの寿命に直結します。愛車が大事ならちゃんと面倒みましょう。

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