ウルトラライトプレーンの現在と将来


ULPへの不満は

 ULPに関する不満をあげてみろと言われたら多くの人が飛行空域の狭さをあげると思います。現在私が飛んでいる空域では、飛行場から半径1.5km以内で民家や国道を避けた空域、高度200m以下しか飛行を許可されていません。ULPの巡航速度は50km/h〜80km/h位ですから、1.5kmなんてほんの1〜2分の距離です。ULPはこの狭い領域をくるくる飛び回ることしか許されていないのです。また、2地点間飛行も許されません。近くに別の飛行場があってもそこに飛んでいくことはできないのです。

昔は航空機では無かった

 その昔、ULPが輸入され始めた頃はまだ航空機としては認められておらず、ハングやパラと同じ空中浮遊物として扱われていたため、航空法にとらわれずにどこでも自由に飛べたそうです。私の周りにもかつては筑波山の上空を気ままに飛んでいたなんて人もいます。そんな昔話を聞く度に今の自分たちが鳥小屋に押し込まれているような気分になってしまいます。

ULPの性能は

 ULPは今の規定の燃料(30リットル)でも3時間くらいは飛べますし、高度も能力的には3000m位は楽に上がれるはずです。(もっともULPはほとんどがパイロットむき出しですので、そんなに上がったら寒くてしょうがないでしょうが)日本ではULPは能力の10%も発揮できていないのです。

ULPの現在の立場

 前記の規制はULPの安全性が実績としてよくわからないために、出来るだけ狭い領域に押し込めておくほうが安心だという行政側の短絡的な考えを示していると思います。ULPは日本で飛び始めてからまだ20年も経っていません。航空機としてのULPの立場は今は過渡的なもので今後どのように変化していくかはわかりませんが、確実に言えるのは違法行為や事故が目に余れば規制は強化される方向に向かうだろうと言うことです。

規制緩和のために

 これらの規制緩和のためには、ULPが事故を起こさない安全なレジャー用航空機であることを私たち自身が実績として示していかなければならないと思います。ULPを愛する皆さん、ULPの将来の発展のために航空法を遵守し安全飛行を続けて規制緩和を勝ち取りましょう。

夢....

 個人的な夢ですが、自分の息子が大きくなったとき、「今度の夏休みはULPで北海道のおじいちゃんのところまで行って来るよ」なんてバイクのツーリングにでも行くような感覚のセリフが聞けたらなあ、なんて思っています。外国にはULPで世界一周した人もいるのですから、まんざら夢物語でもないですよね。

 

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