警官に包囲される


 お昼ご飯を食べながらくつろいでいると向こうの土手からバスの運転手が歩いてくるのが見えた。
んっ?なんでバスの運転手が?と思いながらよく見ると若い警官だった。警棒や拳銃を吊るすベルトをしていなかったので運転手の制服のように見えたのだった。

警官「すいません、ちょっといいですか?」

私達「はい何でしょう」(べつにうしろめたいことはないがちょっと緊張)

警官「先ほど小型飛行機が煙をはきながら墜落したという通報がありまして」

私達「はっ? 我々じゃありませんが」(言わなくても見ればわかるって)

警官「こちらの飛行場で今日飛んでいる飛行機はありませんか?」

私達「今日はそこに置いてあるうちのだけですけど」
私達「すぐ隣にも飛行場がありますけど、そっちのじゃありませんか?」

警官「そちらはもう行って来ましたが違うと言うことでした」

私達「そういえば向こうで何か燃やして煙が出てたけどそれを見間違えたのでは?」

警官「はあ、そうかも知れませんね。わかりました。」


最初の警官が引き上げた後、今度はパトカーで二人組みの警官がやってきた。

警官「こちらにはもう誰か来ましたか?」

私達「先ほど若いお巡りさんが来て、聞いていきましたけど。」

警官「小型飛行機がこの辺で墜落したって言うんだけど見てませんか?」

私達「いいえ。さっきも言いましたが向こうで何か燃やしてたんですよ。それの煙と着陸する飛行機が重なって、墜落したように見えたんじゃないですか?これの着陸は普通の飛行機に比べると結構急角度なので知らない人には墜落のように見えるかもしれませんね」

警官「ああ、そうかも知れませんね。多分それですね。でも通報があった以上、確認出来るまで捜索しなければならないんですよ。それらしい飛行機は見てないんですね。

私達「さすがに近くで墜落したら気がつくと思いますよ」


そうこうするうちにいつの間にかパトカーが三台に増えており、我々は六人の警官に囲まれていた。うーん、こんなに大勢の警官に囲まれたのは生まれて初めてだなあ。デジカメで撮っておこうっと。

パトカー3台の写真

警官「常磐自動車道から通報があったんだけど。12時ちょっと前に飛んでいましたか?」

私達(飛行ログを見せながら)「11:54に離陸して11:59に着陸してますけど。」

警官「ああ、じゃあ時間もぴったりだ。間違いないね。」



パトカーの無線機で状況を伝えている。

警官「一応、名前と連絡先を教えてもらえますか。」

名前、住所、電話番号、機体の形式、登録番号などいろいろ聞かれる。

警官「ところでこれどうやって操縦するの」

私達「普通の飛行機と基本的には同じですよ。これが操縦桿で....」

ウルトラライトを近くで見たのは初めてらしく、珍しそうにいろいろ聞いてくる。
結局30分位その場にいたがそのうち25分はウルトラライトについての質問だった。

警官「それじゃあご協力ありがとうございました。」


その後上空から下をみると土手沿いの道にパトカーと消防車が。
消防車まで出動していたのかー。ご苦労様です。


帰りがけに常磐自動車道のSAから飛行場の方を見てみると、なるほどー。
滑走路は土手のかげで見えないが着陸コースはよく見える。手前に煙があったら「飛行機が煙をはきながら土手に吸い込まれていった」ように見えますなー。

 

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