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§1  「縦波(たてなみ)」とは? 

・ ここでの考察の対象は管楽器ということで、波を伝える物質(媒質)は空気です。
・ 空気の中を伝わる音波は縦波と呼ばれます。
・ 縦波は管の中の空気の密度の変化によって伝わります
・ ギターなどの弦楽器の弦を弾いたらわかりますが、媒質が鉄、ナイロンのように相互に
 強く結合している場合は波は「波」そのままの形で伝わっていきます

 身近な例では、縄跳びのなわの一端を振ると「波」ができるのは皆さんご存知だと思います。
 これらのような波は『横波』と呼ばれます。
 媒質が空気や水の場合は媒質間の相互作用が小さいので音波は横波として伝達で
 きません

 というわけで管楽器を考察するときには横波は関係ないのですが、予備知識として知っ
 ておくとよいと思います。(下で学ぶことを弦楽器にも応用できるようになります)




● ここからは『縦波』の説明をしていきたいと思います。

下の図を見てください。
波が起こっていないとき、管の中には同じ密度で整然と「空気の粒」が並んでいます。



ほんでもって、だれかが笛を吹くと、密度に変化があらわれるのです!(下の図)

この粒は吹いている間はずっとこのままなの?という疑問をもたれたかもしれません。
その答えはもうすぐわかります。



ところで、「縦波」っていうけれど、上のような粒の移動のどこが「波」なの?という疑問が聞こえてきそうです。
確かにこれでは縦波が波であることが直感的に把握しにくいと思います。
そこでこの空気の粒の移動の様子を、見た目でわかる横波のような、波らしいグラフで表してみることにしましょう。
とはいってみたものの、どうやって表したらいいんでしょうか?

そこで、縦波の、グラフでの表し方を次のように規約します。



↑波が起きていない状態のときに、青い点のところにある空気の粒は、グラフのような波が加わると緑の点に移動します。
(本当はこの二つは同じことで、因果の関係にはないのですが、ここでは便宜上このような表現にしてみました。)

これは重要な点ですが、移動する距離は青い点の座標でのグラフの値に等しくなります。
さらに、グラフがマイナスの値をとっている(横線より下にある)ときは粒は左に、プラスの値をとっている(横線より上にある)ときは右に移動していることにも注意してください。

これで、分かりにくい縦波を、感覚的にわかりやすい横波と同じように表すことができるようになりました。。

この表現方法に従うと、下のようなグラフの波が加わっているとき、空気の粒の位置は、茶色の点で表した位置に移動しています。

下のグラフの茶色い点は、波が加わる前には、等間隔に並んでいた点です。

波が加わることによって、このような位置に移動したのです。
下の図には、上の図における緑の点(移動した後の点)のみが描かれています。



どうでしょうか?縦波による空気の粗密が、「波」のグラフでよく表現されているでしょう?
もちろん、波が移動するにしたがって、空気の粗密はリアルタイムに変化します。
このとき注意していただきたいのは、波がたとえば右に動いていったとしても、媒質である空気は左右に振動しているだけです。くれぐれも空気自体も右に動いていくというように誤解しないでください。



下のアニメーションは、実際に空気の一つの粒に着目して、縦波が発生するとその粒がどのように動いているかを見たものです。
縦波が発生していないときに赤い点の位置にあった空気の粒は、波の発生とともに青い点の位置に移動します。



↑縦波は進行しても、空気の粒はもとあった点を中心として単に行ったり来たりしているだけであることに注意してください。(この動きを『単振動』といいます)
二つの茶色い線分の長さは常に等しくなっています。


もう少し波の進行を遅くして、粒子の振動を確認してみましょう。


↑良く味わってくださいね!
二つの茶色い線分の長さは常に等しくなっています。


このページでは、上のアニメーションの粒子を複数にした場合のものを見ることができます。
(移動後の粒子のみの表示かつ、粒子と波は別の段に示してあるので注意!)

・ どれか一つの粒子を選んで観察する、ということを繰り返すことによって、全て粒子は同じ
 周期・振れ幅で、しかし異なるタイミングで単振動をしている、ということを感じ取ってください。
・ このような単純な動きの集合の結果として、空気の疎な部分、密な部分が左から右に伝達
 されていることを観察してください。

以上で縦波というものが理解していただけたと思います。





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