PUG vol.5
私も詳しくは知らないのですが(爆)、ナゴムカンパニーというインディーズのレーベルがあって、
筋肉少女帯や電気グルーヴ(当時は畳という名前だった)なんかが活躍していたのであります。
そのナゴムのミニコミ誌に結成まもなくのスピッツがインタビューに出ていたものを載せました。
88年10月発行となっているので、「鳥になっちゃう紙」よりも昔のものということになりますね。
写真のマサムネは髪立ててるし、しゃべりもわかりにくいけど、
最終的にロフトで・・・っていうのはこの頃からだったのね、という感じです。

写真アップしたけど元がこんな感じなのでキレイじゃないけど、許してくださいね。




スピッツ いじめられっこの逆襲!?


1988年5月26日 むさし野茶房にて
マ:マサムネさん  ミ:ミワさん  た:田村さん  サ:サキヤマさん



◎まず、自己紹介からお願いします。
マ:ヴォーカルのマサムネです。なに言えばいいかなあ。・・・血液型O型。
た:ベースの田村です。血液型A型。
サ:サキヤマです。ドラムやってます。
ム:ギターのミワです。

◎バンドのきっかけは?
マ:あのね、昔、オレと田村が一緒の学校行ってて、そこで変なバンド作って、「365歩のマーチ」とかのカバーをやってて(笑)、
  んでなんか解散したんだよね。それがスピッツっていうバンド名やったんだけど。ほんで前のメンバーが、あんまりアレだったから・・・、
  ピッキングの強いギターとヘヴィメタ出身のドラムが欲しいな、ということで。そこで彼らを入れた、ということだ。

◎ヘヴィメタ出身なんですか?
サ:えっ?
ミ:みんなそうだよ、みんな。
マ:出身じゃないぞ、オレ。でも途中でヘヴィメタの経過があるけどな。

◎結成はいつ頃?
ミ:去年の6月くらいだから、ちょうど1年・・・か。

◎バンド名の由来は?
マ:犬が好きだったことと、真面目な話になっちゃうけど、俺らの世代ってぬくぬく育ってきた世代じゃない、案外ね。不自由なくて。
  それから座敷犬の中でスピッツって中途半端な存在でしょ。外で飼われてたりして。それにめちゃめちゃ吠えるでしょ。別に不満がないのに、そこが近いなって・・・。
一同:なるほどねー。(拍手)
マ:インタビューとは、こういうものですヨ。

◎スピッツのジャンル、というものはなんですか?
ミ:イージーリスニングかなあ(笑)、ボサノバ・・・
マ:サンバ・・・
た:レゲエだよ。・・・本当はヘヴィメタなんだけど。

◎ヘヴィメタなんですか?
マ:ちがうよ〜。
ミ:ウソ。
マ:ハードなロック(笑)。
ミ:ビートパンクになるんだろうな。
マ:いわゆるビートパンクにはなりたくないから、オレ、ボン・ジョヴィ意識してるもん。

◎影響を受けた音楽は?
マ:何にでも受けてるぞ。もう、歌謡曲からヘヴィメタからサイケから。
ミ:オレは高校の時の校長先生。もう死んじゃったけどね。
た:ファミコンの音楽かなあ。
サ:オレ、ラウドネス。
マ:曲を作っている者としては、直接始めた時はoi punkのノリっていうのがちょっとあったんだけど・・・SHAM69とかね。
  はじめそうだったんだけど、もともと好きだったのが60年代後半から70年代のアートロックとかあの辺の超マニアックなのがすごい好きで。
ミ:最近はちょっとオレも書いてるよ。
マ:アイアンバタフライとか、バニラファッジとかね、そういう趣味は出さないでおこうかと思ったんだけど、最近モロに出してる。

◎歌詞は誰が書いてるんですか?
ミ:歌詞は全部マサ。
マ:歌詞は全部アンジー(笑)、博多いる時から好きだったの、・・・オレだけ九州だから。

◎どんな時に書いてますか?
マ:ノートにね、使いたい言葉を書き貯めておいて、曲から先に出来てるからメロディーが、こういうのを歌えるって分かるといろいろ言葉入れてって。
  それで、クサイのはいやだから。これはもうかっこつけててクサイっていうのはやだ。パンクっぽくなく、ゲロとかそういうのを使うのもやなんだ。
  下品なのも、ある意味クサイでしょ。

◎曲中によく「君」とか出て来ますがモデルっているんですか?
マ:男でも女でもいいよ、なんか、「おまえ」って言うのがやなの。♪おまえのすべて・・・じゃないけど女のことをおまえって言うのはさぁ、男の思い上がりっていうか・・・。

◎MCなどは考えますか?
マ:考えない。武田鉄也のコンサートみたいなノリがいい。「ついてこいよ!」っていうのはやだ。

◎バラードの曲が、すごくよかったんですけど、好きですか?
ミ:オレは好き。
マ:あんまり沢山やりたくないけど。
サ:でもやっぱり日本人だから、日本人ってバラードがうけるんだよね、演歌とか。
マ:オレらアーティストというより芸人への憧れのが強いからやっぱり客のうけをねらうよ。
た:クサイのやだ。

◎(毎号やってる質問だ)ドラえもんがいたらどうしますか?
サ:ドラムを上手くしてもらう(笑)。
マ:「あらかじめ日記」ってあったでしょ、あれだけで何でも出来ると思わない?「今日僕が大統領になった」とか。
ミ:初めて女の子好きになった時に「どこでもドア」があればいいなあ、と思った。そしたら、いつでも会えるじゃん。
一同:ひゅ〜〜(と、皆にひやかされるミワさん)
た:「タイム・マシン」で昔に行って自分を殺してみたいなぁ。
マ:彼理数系だから。

◎ホコテンでライブをやったりしてますけど、お客さんは増えましたか?
マ:うん、けっこう。まだ駆け出しのバンドにしてはあれ(ホコテンのライブ)はちょっとおいしかったよね。
ミ:男のファンがついた。
マ:遊びで来るからさ、お金とってないから、こっちも本当のイミで遊びっぽく出来るっていうかさぁ。
ミ:体力とかつくし。ホコテン3ステージこなすと弦が5本くらい切れる。
た:勝った!ピック6枚。
マ:スタジオ入って練習するより全然練習になるしね。
ミ:個人個人の音が聞こえないから、ある程度トラブってもできる。雑になるっていうのはあるけど、皆個人個人で分かってるから、ゆっくり演奏できるし。

◎夏もどんどんやっていくつもりですか?
マ:ひとつ問題がある。・・・車に冷房がない(笑)。耐えられればやる。

◎F・Cなどはありますか?
マ:まだ駆け出しだし、とりあえずやっとノルマの悪夢から解き放たれたな、と。
ミ:だから今のファンには頭上がんないよ。これは本当に書いといてね。

◎これからやっていきたいライブ・ハウスは?
マ:LOFT!!(笑)
ミ:最終的にはLOFTでやりたいよね。
マ:最終的っていうのは悲しいよ。
ミ:ま、第一段階のターゲット、ということで。
マ:昼間のオーディション・ライブとかじゃぁなくて、オーディション受けてっていう段取りを含むんじゃなくて・・・。

◎来て下さい、って言われるぐらいに?
マ:そう、出来ればそうしたいよね。
ミ:だからLOFTにはあえて手を出してない。
マ:そのころにはオレ達がチケット売らなくていいという。
た:そうだね。前売りとかあってね。
マ:当日で入ってくれる人増えてるみたいだけどね。

◎結成して1年なのにノリの良さと、まとまりの良さのヒケツは?
マ:ヒケツは、それぞれの秘密を知っていること。
た:ノリはドラム様々だよ。
マ:アクションがあるでしょ、アクションが。

◎シンバルが素敵ですよね。
サ:ありがとうございます。

◎スピッツは、男の子が暴れたりするノリが合うような気がするんですけど、女の子が前でキャーキャー騒ぐのってどう思いますか?
ミ:好きなように・・・いいよね。
マ:オレ個人としては男臭さとか、強さとかないから、負けちゃうかも知れない。
ミ:男のファンがつくのは嬉しいよね。やっぱり耳も肥えてるし。
マ:女の子ってどっちかっていうと、ビジュアル面から入っていく方が多いでしょ?
ミ:ルックスとかみかけとか。
た:男でみかけから入って来たらこわいよ。
一同:(笑)

◎でもみなさん、顔かっこいいですよね。
ミ・た:オレそんなこと言われたの初めてだよ。

◎バンドマンの顔してる。
た:サキちゃんとマサの2人はよく言われるんだけどさあ、オレっておちゃらけだよね。
ミ:とりあえずこのメンバーはオレは最高だと思っているから、誰が抜けてもスピッツじゃなくなっちゃう気がするし。段々音も出て来たしさ。
マ:オレ、歌いながら洸惚に浸ることがある。

◎それではスピッツについて述べてください。
サ:これからに期待して下さい。
た:これからの90年代のバンド。
ミ:まあ技術的な面はライブをこなしていけば・・・。
マ:まだまだ未熟だけど、とりあえずライブが楽しいっていうバンド。
ミ:今の個性は他のバンドにないと思うんだ、1人ずつ個性があるから、それを大事に曲の方でもライブの方でも活かしていければいいなぁとか思ってる。
  最近みんな人生かけてる。

◎最後にオススメの言葉でしめて下さい。
ミ:ライブはみんなに来てもらいたい。バカやってても単純にバカだと思わないで、ベースのシールドが取れるのはいつか、ストラップが切れるのはいつか見て欲しい。


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