Motoの小月教空時代
第一話「新たなる出発・入隊の日」
平成8年3月22日、北海道の新千歳空港を出発したMotoは、3人の同期と一緒に
山口県の宇部空港に降り立ちました。
それまで札幌で予備校生活してた私は、全く環境の違う生活を迎えるこれからに不安を覚えつつも、
タクシーで海上自衛隊小月航空基地に向かいました。
途中で基地の横の”みちしお”で昼食を取り(笑)、基地の前へ。
タクシーの運転手さんの声援を受けつつ、いざ中に入ったのを覚えてます^^。
そしてその日のうちに手続きを済ませた私達第48期航空学生予定者は、4月2日の入隊式にむけ、
航空身体検査や被服の受領などをしていきました。基本的な動作や振る舞いを習い、
何事も無く日々は過ぎていきましたが、その時はまだ、入隊後の苦難を私達は
知る由もなかったのです・・・・(;TДT)ノ
第二話「嗚呼!航空身体検査」
着隊後にも航空身体検査があります。実は、これが私達が最初に直面した難題でした。
やはり、空を目指すものにとっては目は命なので、視力に関してはかなり厳しい検査が行われます。
近視力・遠視力・深視力・等々・・・。また、聴力や耳の抜け具合、肺活量、レントゲンやバランス感覚が
チェックされます。1月の下旬頃にある航学の合格発表で大喜びしたものの、入隊までに視力が落ちてしまい
涙をのんで帰っていく子達も毎年多くいます。せっかくつかんだチャンスなので、これからパイロットや
航空機の搭乗員を目指す人は目と健康だけには気をつけて欲しいなあと思います。
とにもかくにも、この入隊後の航空身体検査をクリアーすればほぼ航空機搭乗員への挑戦権を
獲得したと言え、ひとまずは安心安心ということなのでした。
第三話「そして入隊前夜」
着隊して約2週間、平成8年4月2日に私達第48期航空学生の入隊式が盛大に行われました。
それまでの間、1期上の先輩から制服の手入れの仕方、アイロンがけ(カミソリプレス)の仕方、靴をエナメルのように
磨き上げる方法、敬礼の仕方、上位者への対応方法、部屋への入室要領、朝起きてから寝るまでの
流れ等々、いろんなことを教わりました。当時は皆、自衛隊の自の字も知らないような若者達だったので、
最初はかなりカルチャーショックだったようですが、それでも少しずつ様にはなっていきました。
靴は、顔が映るくらい磨く。制服はしわ一つ無いようにアイロンをかける(プレスする)。作業服は、手が切れるくらい
(という比喩)にバリバリにプレス。挨拶は気合を入れて、大声で。移動は駆け足、しかし整斉と。
これらを覚えることは自衛官としての基本であり、また私達には新しい人生の第一歩となったのです。
入隊式の前日には制服の手入れ等準備を全て終わり、翌日の厳正な式、そしてその後に来るだろう
辛い日々(笑)を思い、不安と希望で胸をいっぱいにしつつ眠りに落ちていったのでした。
第四話「入隊式」
前日、日本各地から同期の家族や彼女が集まり、息子や娘の晴れ姿を見に来ました。
こういうある種特殊な、厳正なイベントというのは民間ではあまりお目にかかれないため、
どのご家族にもかなり好評だったようですね。制服姿は凛々しいですし^^。孫にも衣装かな?(笑)
こうして、第48期航空学生の入隊式は、家族や招待客、VIPに見守られながら厳かに進行していきました。
事前に訓練していたため、私達の動きには多少ぎこちなさが残りながらも整斉と式は流れていき、
代表による宣誓が終わり、私達は晴れて自衛官、そして航空学生に任命されたのです。
また入隊式に際して先輩期によるファンシードリル展示があり、そのドリル用の制服姿と
小銃の取り扱い、一糸乱れぬ動きにかっこいい!!と感動したものでした。
最後は海自機による祝賀飛行があり、これまた感動、決意を新たにする一瞬でした。
こうのようにして無事式は終了し、バスに乗った父母を見送ったところで全ては始まりました。
春の少し肌寒さが残る日、僕らの空への挑戦が(^‐^)。
第五話へ続く^^