四姉妹をかがくする


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 うう〜〜ん、龍駆亭らしからぬパステル色調ですね。
 かしましハウスを読んでいて、ふと他のお話に出てくる「四姉妹」と比較したらどうなんだろう、と思って始めた企画です。面白かったらメールかBBSでご感想を。お待ちしています。
 また、この四姉妹はどうだ?というのがあったらお知らせ下さい。ページが更新されて良いかも<って他人任せな・・・。

 実はまだ未完です。でもきりがない事が判明したので、見られるようにしてUP。

 

1.目的と理論


 あらゆるジャンルより抽出した「四姉妹」の構成・性格・ふるまいなどから、「四姉妹とは?」という命題に通ずる統一理論を得る。
 比較に際し、以下の点に着目する。
  1. 各姉妹における「長女〜四女」までの性格などの共通点・類似点の模索。
  2. 背景世界、家族構成などによる、物語中の環境(内環境)が与える、四姉妹の変形。
  3. ジャンルや作品の読者に対するなどの、実際の世界(外環境)が与える、四姉妹の変形。

2.比較データ

おはなし

長女

次女

三女

四女

若草物語

メグ

ジョー

ベス

エーミー

特徴  レディを目指す普通の女の子。お金持ち、と言うか何不自由ない生活にあこがれている。

 おてんば娘。本が大好きで、自分でも詩・小説・劇などを書く。

 おとなしく引っ込み思案。姉妹の中で最も上手にピアノを演奏する音楽家。

 背伸びしたがりのおすましやさん。上品にフランス語などを引用したがるけどたいてい間違っている。絵を描くのがとくい。

家族構成 おかあさん(マーチ夫人)、おとうさん(出征中)、ハンナ(家政婦)
あらすじと寸評  南北戦争時代のアメリカで、少女たちのクリスマスからクリスマスまでの1年間をえがく。

 世界中で100年以上愛読されている小説であり、以下に述べる「4姉妹モノ」の骨子となっていると言っても過言ではない。

かしましハウス

ひとみ

ふたば

みづえ

よもぎ

特徴  ジュニア小説家。おそらく20後半で、ほとんどの女友達は結婚してしまった様子。小説家と主婦の二足の草鞋で大変だが、どこか夢見がちでもある。

 肉体派OL。スポーツなら何でもござれ。かつ力仕事は普通の男の2倍ほど出来る。だが、代わりに細かい仕事や家事は苦手。 

 ひ弱な体に強運の持ち主。大学生だからか、もともとか、いつも寝てばかりいる。当てたい懸賞を当てるなど特殊能力を持つ。

 ちょいとクールな小学生。子供ながらにしてかなりのしっかり者の様子。ひとみが買ってくる服のセンスだけは耐えられないようす。

家族構成 おとうさん、ゴロー(ペットの犬)
あらすじと寸評  野田さんちは、明るい四人の姉妹が常に引き起こすドタバタ騒ぎにいつも大騒ぎ(う〜ん、臭くてダメな説明じゃ)。

 「月刊まんがライフオリジナル」に連載中の秋月りすの家族4コマ。4コマ漫画家として評価の高い(と思うが如何?)、秋月りすの実力をかいま見ることの出来る逸品。

千鶴

初音

特徴  おっとりタイプだが、実はしっかり者かも知れず。若くして観光産業グループの会長でもある。
 ただし料理はとても下手。

 陸上部員(だっけ)の女子高生。元気で料理も上手と、一見まっとうな女の子に見えるが、性格が戦闘的というか・・・。

 無口でミステリアスな彼女は実は姉妹の仲でもっとも繊細な心の持ち主かもしない。
 しかし、かなり消極的なので扱いは難しそう。

 ええと、小学生じゃ無いんだったっけ?
 優しいし、家事もそこそここなし、明るい。お子さまな事を除けばパーフェクトなのか?

家族構成 主人公(いとこだっけ?)、死んじゃったおじさん(主人公の父)
あらすじと寸評  姉妹たち柏木家の保護者であった父が不慮の事故で死亡したため、柏木家を訪ねることとなった主人公は毎夜イヤな夢を見るようになる。それは、後に続く猟奇的事件の幕開けでしかなかった・・。

 新鋭HゲームメーカRaefの放つビジュアルノベルシリーズ第二弾。ぶっ飛んでいた前作に比べ、多少パワーダウンしたものの、Hゲームとは思えないシナリオの上手い語り口と、キャラクターの立ち具合があいまった良作である。

RUSH/RIOT

アリシア

バーバラ

シンシア

ダイアナ

特徴

 姉妹の中では最も従順であり、いくつかの事例を除けば最も常識的であるとも言えるが、天然ボケ。
 理由として、普通の生活を長く送ってきたため、人間に対する学習が一番進んでいると思われる。 

 己を拘束するプロテクトを自ら解放できた意志力をもつ、逆に言えば思いこみが激しいとも思える。
 兵器フェチでもある。プログラムの塊でしかない彼女がフェチであることが彼女の特性を表しているのかも。

 最強の兵器であることを証明するために制作された彼女はかなりの戦闘指向で、実際攻撃力は姉妹中最も高いだろう。
 しかし、経験不足と言うか戦闘以外では全く年相応らしい(?)一面を見せる。

 VAを倒すための対VAシステムのため制作された彼女は、使命感と悲壮感の漂ういたいけな子。
 幼い体で使命をけなげに果たそうとするが、今ひとつ非情になれないあたりに可愛さがある?

家族構成 ガジェット博士(お父さん?)、マニ(長女の婚約者????)
あらすじと寸評  ゴミ集積場の事件を探っていたマニ少佐・テデスコ中尉は、そこでバニーガールを拾う。バニーちゃんのお誘いに応じてヤってしまったマニ少佐は、軍の秘密兵器VAを巡る争いに巻き込まれていく。

 レモンピープル(まだあるのかな?)に連載されたハードSFでHマンガ。いまだにファンの多い名作。セルフパロディ&アナザーストーリの「アホのバカ草物語」などで世界に広がりを見せると同時に、ファンの渇きを癒しているが、さっさと続きの単行本を出して欲しい。


 

3.考察


   A)共通点
      長女どうし、次女どうしで、性格物語における役割などを比較してみる。
一言でいうと 解説
長女 おっとりしっかりで、現実的な夢を見る。  一番「ふつう」の女の子になりがちなのが長女。結婚の話とかは彼女たちの役割だし、「かしまし」のひとみと「若草」のメグは着道楽だしね。
 「かしまし」のひとみや、「痕」の千鶴の二人がダイエットに励んでいたりして面白い。また、もちろん、長女だから年齢が高くなって、そういうエピソードを引き受ける事になってしまうのだろうけど。
次女 元気で男勝り、えてして姉妹の行動力となる事が多い。
自由奔放・闊達
 どういう訳か、「R/R」バーバラを除けば皆、活動的・スポーツウーマン・男勝り、と言った単語の似合う人ばかり。
 正確には、やりたいことがあって、それのためならば、体裁を気にしないタイプなのである。この点は「若草」のジョーと「かしまし」のふたばを比べてみればよく解るのではないかな?そういう意味では、バーバラも自分の趣味に容赦なかったのか?
三女 控えめでおとなしい故、秘めたる才能に皆驚かされる。  さて、姉妹の中での良くも悪くもワンダーゾーンを形成するのが三女。ちょいとずれている点で考えれば、まさしく三女の共通点が見えてくる。
 感じが似ている気がするのは「若草」のベスと、「痕」の楓。おとなしくて蒲柳の質と言う感じがまさしく。「かしまし」のみづえも体が弱い風なんだけど、どっちかっていうと怠け者なのでは、と思わずにはいられない(^^;
四女 現実的で自分なりにしっかり屋さん。また本人が自覚してないかも知れないが、甘え上手。  じつは、四女の共通点を上げる前に、彼女たちの年齢がかなり下である点に注目しなければならない。「若草」のエーミーと「かしまし」よもぎは小学生だし、「R/R」のダイアナは中学生。つまり、作品に子供の視点を入れるという役割を背負う必要がある。この点は長女と同じで、「学校」とか「ケンカ」とかのキーワードが出てくるはずである。
 また、末っ子は甘えん坊という特徴は、この四姉妹という条件でも同様で、エーミーや初音を見れば解ると思う。正確には、他の人が「何かをかわいがりたい」時に自分がかわいがられる役を引き受けねばならないことを知っているのである。だから、芯は割としっかりしていることが多い。ダイアナが良い例と思う。
 ところで、「痕」の初音は・・高校生なの・・あらまあ(^^;


4.結論

 やはり、一番初めに「四姉妹」を取り扱った「若草物語」が大きな雛形になってると思われるのは否めない。しかし、マンガやゲームと言ったジャンルの差か、はたまた現代世界を取り扱っているせいか、微妙な差が読者を楽しませている、と言うところではないだろうか。

 また、考察で気づくように「RUSH/RIOT」のみ各姉妹の性格付けの構成が異なるのは、姉妹が初めから出てこなかったためと思われる。最終的には四姉妹じゃないしね(^^;
 若草物語はともかく(実際の話があるわけだし)、「かしましハウス」と「痕」はおそらくキャラを作る方が先であり、話の初めから登場しているために、やはり似てくるのだと思われる。


 

う〜ん「かがくする」とかの言葉に引かれてつい論文調にしたのは失敗だったかねぇ?


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