5つ目のジム。負けてたまるか。
―セキチクジム〜タマムシシティへ―
サファリゾーンで新たな仲間を捕まえ、俺は
今、セキチクジムに挑戦しようとしている。
もちろん、フィオンの初ジム戦。ジム戦デビュー。
主力はフィオンで行くのだ。毒にはエスパー技
が一番効くからな。進化したときより、体毛の
色は深く濃い。結構綺麗だ。中に入る。する
と、中は何か見えない板で仕切られているよう
だ。そういや、ここのジムリーダーは忍者らしい。
サスケ達とは少し違うだろうが。とりあえず、壁
伝いに歩いていく。この方法が一番確実だから
な。しばらくして、やっと中心部に着いた。よく、
漫画などで見るような忍者服に実を包んだ男が立っていた。
「挑戦者よ、名乗るがいい!」
「フォーカス出身の国光だ。」
「ほぉ、フォーカス出身者か。珍しいな。
あそこはここ最近、新人トレーナーを輩出しておらん。」
「しかし、俺はその新人トレーナーだ。挑戦を受けてくれるか?」
「もちろん。灯に続く、素晴らしいトレーナーが出るのを待っていた!
おぬしにはその素質があるようだ。才能は育てるものだ。」
ジム戦が開始。最初はやっぱりフィオンから。
「ドガ―ス!体当たり!」
「フィオン!かわして噛み付く!」
思った通り、切れのいい動きだ。素早さも高い。
素早くかわし、後ろに回りこんで噛み付いた。
ドガースは滅茶苦茶びっくりしてる。テレポートと
までには行かないがそれほどに速く視界から消え
失せるので、攻撃を仕掛けられる相手はたまったもんじゃない。
「サイコキネシス!」
数多もの光がフィオンの額より放たれ、ドガース
は戦闘不能に。再び、ドガースが出てきた。
さっきと同じように行ってもいいが、見切られているはずだ。
「ドガース!煙幕だ!」
「フィオン!?」
煙幕で見えない。どうしよう…ン?サイコキネシス
使えるなら念力も使えるか?しかし…範囲が狭く
なるからな。おぉ。そうだ。いい方法があった。
「フィオン!上に向かって念力!」
上にむかって放たれた念力は案の定カーテン、
いや、オーロラ状に広がった。そして、広がった
念力は、煙幕内でチャンスを窺ってたドガースにヒットした。
「何とも斬新な戦いをする奴だ。」
「そうじゃなきゃ、勝てないからな。」
次に出てきたのはベトベトン。
こいつは絶対打撃攻撃は効かないな。
ぶよぶよしているから打撃技の効果は吸収されてしまうだろう。
「ベトベトン!ヘドロ爆弾!」
「フィオン!避けろ!」
ヘドロ爆弾はかなり威力が大きいようだ。
かわし続けているけど、これじゃ攻撃のチャンスが窺えない。
どこかに、高い岩場のような物はないのだろうか。
…壁を伝っていけないだろうか?宙に浮ければどうにでもなる。
「フィオン!壁を伝って、飛び上がれ!」
フィオンは上手くかわしながら壁に向かい、
タタタッと伝い、宙に身を投げ出した。
「サイコキネシス!!」
ヘドロ爆弾を仕掛けようとする前に
フィオンのサイコキネシスが決まった。
凄い。自分が予想したよりいい動きをしてくれる。
ポケモンって、ここまで忠実に動いてくれるのか。
最後のポケモンはマタドガス。でかい。
「マタドガス!体当たり!」
「フィオン!念力!」
念力を仕掛けるが、見た目以上に素早く、攻撃は外れた。
なんて奴だ。フィオンの攻撃が当たらない。
体力も限界に近づいているようだ。上手く避けきれていない。
「とどめだ!体当たり!」
「フィオン!避けろ!」
だめだ!動けていない!どうすれば…
俺はとっさにある技の名前を叫んだ。
「サイコウェーブ!!」
少し閉じられていた瞳がキンッと開き、
フィオンの額の宝石から色とりどりの光の輪が出てきた。
それは体当たりをしようとしていたマタドガスに、クリーンヒットした。
そのままマタドガスに幾つもの光が当たっては弾けた。
そして…
「あの窮地をよく乗り越えた!お前の勝ちだ!ピンクバッジを渡そう!」
勝った。バッジを受け取った俺はすぐに
フィオンをポケモンセンターへ連れて行った。
酷使してしまった。交換してやるべきだった。
フィオンを預け、回復を待つ。今回使ったのはフィオンだけ。
あぁ、何という事だ。もっと考えてやるべきだった。
酷い事をしてしまった。まだやれる。そう思っていたからだ。
ドンッ!
「いてっ!」
「エフィッ!」
「フィオン!大丈夫か?」
「フィー。エフィ。」
「すまなかった。ごめんな。酷使してしまって。」
「フィ!フィー!」
そんなの気にしないで!と言わんばかりに目で訴えかけてくる。
頭を撫でてやると、嬉しそうだ。
「フィオン。お前には今度、合わせたい同族がいる。」
「フィ?」
「フィーネって言うんだ。俺の大事な人のエーフィだ。」
「フィネ、フィーナ!」
「今度、いつかな。」
そうだ。一回タマムシシティに戻ろう。炎の石を買わなくては。
俺はリザードンに乗って、タマムシへと戻った。
これからは戦いの方法を見直したい。
また、フィオンの二の舞になってはポケモンが可哀想だ。
さ、今度はヤマブキシティに入るんだな。
頑張ろう。可愛い相棒のためにも、仲間のためにも。
本日ゲットしたポケモン:無し

作者:手塚、ポケモン一体酷使するのは酷いんちゃう?
手塚:…その話は本当に申し訳なかった…
作者:反省しているならいいんじゃない?さ、次はヤマブキ…ですが、またロケット団がらみ。
手塚:面倒くさい。
作者:これでミニリュウも育ちまくり。あ、あと一つ手持ち空けとけよ。
手塚:?
作者:後にわかるわい。