嘘だといってくれ。ファイン…
―ファインの過去―
「そういえば、越前。ファインについて何か知ってるんだろう?」
「…えぇ。そいつは元ロケット団のポケモンっすよ。」
「何だと!?」
大声を出したために、リザードンはとまりかけた。
「す、すまない。リザードン。飛んでていいから。」
「そいつは、ロケット団内にある、エスパータイプを
愛でる団員のポケモンの一匹なんすよ。」
「…嘘ではないのか?」
「嘘じゃないっすよ。実際に戦ったんすから。」
「…凛に頼んで聞くしかないか。」
「なぁ、お前。何処にいたんだ?」
「エーフィっ!」
「こいつは3の島の木の実の森で見つけたんだよ。」
「ふーん。」
「早く、凛のところへいこう!」
何か嫌な予感がする。ファインに関してだ。
早く凛の所に行かないと。何か…何か怖い。
ファインを失ってしまいそうで怖い。こいつは
俺の仲間だ。だけど…失ってしまいそうで怖い。
―フォーカス
「凛!」
「国光!」
「久しぶり。」
「うん。お帰り。チャンピオン、おめでとう!」
「あぁ。ありがとう。それより、凛。今すぐファインを人間の姿にしてくれ!」
「あ、うん。…ヒュ―マノイド!」
一瞬にして、ファインは人間と化した。
体毛と同じ色の髪、薄紫の中国風の拳法着。
ズボンもそうだ。尻尾も耳もついている。
額には紅く輝く宝石が。あどけない表情は、少年と言う感じだ。
「ファ…ファイン。お前は…」
「…ロケット団の一員だったよ。」
「!!!」
「嫌気がさして逃げ出したんだ。
僕の力で何匹ものポケモンが…」
「ファイン…」
「ねぇ。マスター。こんな僕は嫌い?」
「嫌いな訳ないだろう?お前は俺の仲間だぞ?」
「うん。だけどね。ばれるのが怖かった。」
「…」
「ねぇ、マスター。こんな僕でも可愛がってくれる?
傍にいてくれる?ずっと一緒に旅してていい?」
「当たり前だ。もう、仲間なのだから。」
ファインの話では、エスパータイプは全て
ポケモンを滅する事に使われてきたそうだ。
カラカラの母親が殺された件は、サーナイトが関わっているらしい。
そして、今は何と、4の島の洞窟で珍しい氷タイプを
捕らえるのにも使われているらしい。何て事だ…
「ファイン。お前も借り出される途中で逃げたんだな?」
「うん。そうだよ。そんな事する位ならって…」
ファインはそう言って目を伏せた。そして横では…
「許さねぇ…絶対にあいつら許さねぇ…」
「凛?」
「オレもついてく!そして奴らをぶっ飛ばす!」
あーあ。凛がやる気まんまんだし。
「ファイン。君の力は、改造チップか何かを埋め込まれてるわね。」(木蓮)
「木姉、いきなり出てくるのはやめて…」
「改造チップ?」
「えぇ。異常なまでの強さはそういう事が多いの。
イーブイの時に、何か埋め込まれなかった?」
「埋め込まれなかったけど、このオレンジの桜貝を
ずっともってろって言われたなぁ。」
「それが鍵ね。まぁ、異常ないならいいけど。さてと、預かり物。
これを手塚君に。越前君は私がリーグに送り返すからね。
バトルサーチャー。これ持っていって。さ、行きましょ。越前君。」
木蓮さんは越前を連れて行ってしまった。
俺は凛といったんマサラタウンに行き、図鑑を
UPロードしてもらい、クチバへと行き、1の島に向かった。
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作者:さぁ、ファイン君の秘密も
明らかになった所で、架橋ですよ!
戻りましょうか。ね?