可愛いサーナイトを…助け出す。
―5の島・ロケット団との対戦―
凛と一緒に5の島へ上陸。って言うか…
「寒くないわけ?」
「は?」
凛の服装は黒尽くし。右肩は完全に露出し、
左肩もノースリーブ状態で、何故かへそだし。
ズボンは右足は完全に隠れているのに、左足
だけ、足の付け根より少し下からざっくり切られ
て足が露出している。しかも足には何かアクセ
サリがついている始末。金のベルトのような物
がついていて、そこからチェーンで金色のハート
がぶら下っている。首からはサーナイトを象った
モチーフとシンボルの宝石であろう、エメラルド
がくっついているネックレスをしている。冬は絶対寒いはずだ。
「かっこいいじゃん。一族でボーイッシュな
奴は皆この格好をして修行すんだ。
女に限るけど。男は服装自由だし?」
「そうなのか?」
「あぁ、着たのはオレと蘭姉、槐姉・繻子蘭姉だな。」
「ふーん…もしかして、全地方のチャンピオンに
なったら何か書き残されたりするのか?」
「あぁ。一族の本にな。写真付きだぞ?」
「…」
とにかくその話題はいいとして。
島の人に色々聞き込みを行う。
どうやら、大きな空き地に何か
出来てしまって、皆迷惑している
という。しかも、私有地だそうだ。
こんな事をするのはロケット団以外
いない。倒すだけだ。ただ、それだけ。
「さて、いこうか。」
「あぁ。」
凛と一緒に進んでいく。
―空き地
「♪〜 いるわいるわ。下っ端が。」
「よりどりみどりだな。どいつから倒す?」
木の陰に隠れて様子を窺う。
…ファインが警戒している?
「どうした?」
「エフィッ!エーフィ!フィー!」
「…まさか、お前の元主人がいるのか?」
「フィー。」
問い掛けると首を横に振る。
どうやら違うようだが…
「もしかして、ダブルバトルの相棒?」
「エフィ!フィー!」
ファインが警戒しているのは
ダブルバトルの際のパートナーだった。
どうやらそいつがここにいるらしい。
見つかったらどうなるか分からないな…
「ファイン。俺のバックの中に入るんだ。」
「エフィ。」
ファインは、俺がちゃんと入れるように
開けたバックの間にするりと入り込んだ。
狭いかもしれないが、身のためだ…
凛に目で合図をし、進んでいく。
「何者だ!」
「ロケット団。エスパータイプを愛でる
一味の隊長名を教えてもらおうか。」
「貴様らが最近ロケット団を潰しにかかっている者だな!」
「だからどうした。お前らは悪党。悪は滅べし。それが教えだ。」
凛は淡々とそういった。やば…
キレかかっている。これは危険だ…
「いいから教えろ!」
「俺を倒せたらな!」
「WISH!かまいたち!」
いつの間に出したのか、凛のアブソルが
かまいたちを繰り出し、その近くにあった
木を2,3本切り倒した。その威力を見た
ロケット団員は顔を蒼くした。
勝ち目はないと悟ったのか許しを請い始めた。
「わ、悪かった!」
「名は?」
「…俺か?」
「エスパータイプを愛でるチームが
あると聞く。そのボスの名前だよ。」
「…い…いおな…小雪・いおな…その二人だよ…」
「二人?」
「あぁ、いおなの方はエーフィを使って、
小雪はサーナイトを使っていたんだ。」
「…そいつが…」
「カラカラの母親に手を出したのは、その小雪だな!?」
「そ…そうだ。もう、全部言った!勘弁してくれ!」
「あぁ。充分だ…お前には感謝する…今すぐ
ロケット団を辞めろ。サカキは倒された。今、
ここにいる彼がサカキを倒し、ロケット団
解散をさせた。命が惜しくば逃げろ!!」
凛の怒声を聞いて下っ端は逃げ出した。
「国光。ファイン。倒すべき輩は見つかった。」
「あぁ。いおな。そいつを倒す。」
「オレは…小雪からサーナイトを救い出す。絶対にだ。」
凛はいつもより深く美しい光を瞳に称え
俺を見据えた。その光はあまりにも美しかった。
「…凛。」
「何?」
「お前だけがいけ。」
「は?」
「いるのは小雪だけだ。俺がファインを
連れて出てみろ。相手を刺激して
お前にも危険が及んだら俺は楓さんに
顔向けできない。凛。単身で行くんだ。
まだ、その方が安全だ。俺はピカチュウ達と
他の下っ端を全て倒す。そしてロケット団が
解散した事を告げる。いいだろう?」
「…それも、そうだな。気をつけて。」
「あぁ。お前こそ。」
凛を単身、乗り込ませる事にした。
凛は強い。確実に。そうだ。俺よりも。
―凛視点
国光は強い。もしかしてオレよりも
強いかもしれない。的確で冷静な
状況判断に、誰も危険に晒すまいと
考え指示を出す。彼の強さはそこにある。
一族1優しく、強いトレーナーになるかもしれない。
それ程強く、優しい。あぁ、優しい人と
付き合えてよかった…
進んでいく。ふと立ち止まり気配を探る。
誰もいないな。懐から黒いリボンを取り出す。
それは長く、金の糸で見慣れない文字が刺繍してある。
それはナユグの南エリアでしか使われていない
文字「ヴァーラ語」というものだ。
それにはこう書いてあるのだ。
「悪に縛されしポケモンを助け 美しい心を解き放て 光の神」
と、書いてあるのだ。それをオレは
"スナッチリボン"と呼んでいる。
悪の手先に渡ったポケモンを救うため、
本当は出来ない相手のポケモンをゲットする方法。
それをスナッチと言う。そのリボンを。
オレは母さんから託された。それで救い出せと。
リボンを右腕に巻く。右斜めに巻いた後、左斜めに2回巻く。
「光の神よ…美しき心をもつポケモンに祝福を与えたまえ…」
そう、祈りを捧げ、先に進む。
そして…アジトの前に辿り着いた。
そこには白いセミロング・漆黒の瞳
肩を剥き出しにした服を着ていて
「R」というロゴが入っている。
「貴方が最近ロケット団潰しをしている人なのかしら?」
「話は聞いていないのか?少年だと…な。」
「そうね。貴方は女。その男の子とはどんな関係?」
「…さぁな。オレは凛。フォーカスの意志を告ぐ者なだけだ。」
「…何の用なの?」
「あんたのサーナイト、そして手持ちポケモンを全て渡してもらおうか。小雪。」
ついに凛が動き出した。
大好きなサーナイトを助け出すために。
罪のないポケモンを助け出すために。
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作者:オリジナルキャラクター。しかも悪役。