スタジオライフ「ドラキュラ」

4月26日(水) シアタートラム マチネ (Wolf Team) H列5番

 

 

ぼろぼろ

かなりの睡眠不足に加え、階段から落ちて歩く事もままならない状態で、三軒茶屋の駅に着きました。(詳しくは日記で・・・)

劇場は世田谷線三軒茶屋駅のすぐ隣。きれいで小さな劇場だけど凄く見やすかったです。席も結構広めだし、段差も割とあるので前の人の頭も気にならない。舞台も横いっぱいに使ってるし、パブリックシアターもだけど、一気に好きな劇場になりました。

スタジオライフは去年の「死の泉」以来。男だけの劇団です。「死の泉」の後、「桜の園」とかやってたんだけど、ちょっと都合つかなかくて、もう一度見てみたいと思っていたので、劇団から案内来るしーと軽いつもりで見に行きました。

今回の公演は一部ダブルキャストで、「どうしてもこのキャストで!」というのがあんまりなかったので(というか、見たかった人はダブルじゃなかったし)、1番取れやすそうな、平日マチネを選んでみました。

パンフが相変わらず安くて嬉しい(笑) 一部500円。ただ役者さんの写真写りの悪さにがっかりというか、もったいないと言うか。あらすじも載せて欲しい。

客席はやはり、女性が多いです。まあ劇団も「20代後半から30代の女性が中心」と書いてるしね。でもちらほらと男性の方も見かけました。というか、私の前と隣が男の人だったんですけど、隣のおじさんは休憩中に帰ってしまった(鼻息うるさかったから別にいいけど:苦笑)。平日だし、客席は8割くらいの入りでした。

あらすじ

19世紀(?)のロンドン。ルーシー(岩ア大)の元に親友のミナ(曽世海児)がやってくる。休暇を利用してやってきたのだが、夫であるジョナサン(甲斐政彦)が仕事で出かけたきり、連絡がなく気にかけている。

そんな中、ルーシーが夜中に海辺にふらふらと出かけてしまう事件が起こる。それ以降、ルーシーの謎の病気が進行して行くようになる。一方ジョナサンが病院に収容されたのとの知らせを受け、ミナはルーシーを残してジョナサンの元へいく。

ルーシーの様態が悪化していく。婚約者のアーサー(山ア康一)は親友のキンシー(鶴田浩一)、医者のセワード(藤原啓児)、セワードの恩師であるヘルシング教授(河内喜一朗)の協力を得て、なんとか助けようとする。ヘルシング教授は、ルーシーの首筋に残る2つの傷跡から何かに気がついたらしい。

必死の介護もむなしく息を引き取ったルーシーは、棺桶に入れられたはずだった。しかし夜中に確認しに来たセワードとヘルシング教授が開けた棺桶の中にはルーシーはいなかった。夜な夜な吸血鬼となり、獲物を探すルーシー。愛する者の手で心臓に杭を打ちこめば、安らかに眠る事が出来るという。ヘルシング教授に手渡された杭で、愛するルーシーの心臓に打ちこむアーサー。ルーシーは吸血鬼の手から逃れる事が出来た。しかしこれは始まりに過ぎなかった。

一方ミナは病院に収容されたジョナサンの日記を読んでいた。ジョナサンは仕事の契約で、トランシルヴァニアの森の奥深くの古城にいるドラキュラ伯爵(笠原浩夫)に会いに行っていた。そこには伯爵しかいず、夜な夜な伯爵の話し相手をさせらるようになる。ロンドンに家を買った伯爵の契約の為に来ていたのに、城からは1歩も出してもらえず、心配ないとの手紙を書くよう強制されたり、ジョナサンは軟禁状態となっていた。

なんとかドラキュラ伯爵の手から逃れたジョナサンは、ドラキュラへの復讐を誓うアーサー達と一緒にドラキュラ退治に乗り出す。ドラキュラはロンドンに出てくる時、トランシルヴァニアの城から50箱の木箱を運び出している。それはドラキュラの寝床となる大事な土が入っているのだ。そこで体力を回復している事を知り、1つずつ聖水をかけていく。

そんな中、執拗にジョナサンを追いかけてくるドラキュラ。そしてミナまでもドラキュラの牙にかかってしまう。

なんとか49箱に聖水をかけたが、残りの1箱が見つからない。伯爵がトランシルヴァニアの城に戻った事を悟った一行は、伯爵の後を追いかけていく。と中、箱を運んでいるツガニー人を見つけるが、その際にキンシーがさされてしまう。しかも箱の中はカラだった。

屋敷に到着し、伯爵を探していたジョナサンの前に伯爵が現れる。

「ようこそ、トランシルヴァニアへ」 伯爵はジョナサンを抱きしめた。ジョナサンの持っていた杭を心臓に打ちこませながら・・・。

・・・あらすじ、書くの大変なんですよ(泣笑) だってプログラムに書いてないし(ぶつぶつ) 原作はブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」です。原作はドラキュラがミナを愛するようになってしまうようですが、ライフ版では、ジョナサンを愛したドラキュラのお話でした。

先に暴言

マチネだからかもしれない。2回公演だから、セーブしてるのかもしれない。んでも、ちょっと台詞かむの多すぎて、特に1幕の最初の方は結構興醒め。はっきりいって「学芸会?!」くらい思った(うわーー:汗)。なんか場面が細切れで、意味あるのかないのか良く分からないし。始まる前に公演時間見たら、休憩10分しかなくて、また1・2幕と80分ずつ。相変わらず長いよねー、なんて思いながら見ちゃった(^_^;)

あと、衣装も女性陣(?)のドレスが、なんだか安っぽかったわ。

と中赤い満月が浮かび上がって、すんごいかっこいいんだけど、舞台の上の方に、なんか屋根? の骨組み見たいのがぶら下がってて、その月が半分見えなかった。それはちょっと・・・。真っ赤な満月なんて、絶対見たいのに。

あと、銃を撃つシーンがありましたが、音がテープだった。火薬使ったらやっぱりまずいのかな。でもちょっと間抜けだったかな。

でもめろめろ(笑)

だけど〜。ドラキュラが出てくるとやっぱりちがうんだな。話進んでいくのでなんか良かったです。とにかく笠原さんのドラキュラかっこ良くって。良く見えないんだけどシルバーのマニキュアをしてるようで、なんか笑うと妖しいし。ただ私的にはマントはもう少しゆったりした感じで、もっと翻って欲しかった。

皆に追い詰められ、最後に唯一残った自分の寝床である木箱を、自分で運んでくるシーンがあるんですが、それまで怪力で、なんでも出来ていたはずのドラキュラが、凄くさびしそうに切なそうに、引きずるように運んで、そして、静かに箱の中に入って行く姿は、印象的でした。

で、ですね。ドラキュラが固執してしまうジョナサンの甲斐さんがまた素敵♪ 笠原さんのドラキュラとの2人だけのシーンが、凄く妖しげで素敵でした。「死の泉」の時の軍服の方が似合ってると思うけど、でもキャラクター的にはこっちの、ちょっと弱そうなのが(笑)よさそうですね。あと髪型もちょっとパーマかかった感じで、かっこ良かったです。多分私はこのままファンになるだろうなーと思いながら見てました(笑) 

やっとこの劇団が「耽美系」と言われるのが分かった気がする(笑)

今回のお芝居で楽しみにしてきた、セワード役の藤原さん。もう抜群の上手さでした。いわゆる「いいひと」なんだけど、そのおかしさとか。間が凄い上手いです。なんだかドタバタする役だったのでちょっともったいないかな。もっとキーになるような役で見てみたいです。

ルーシー役の岩崎さんは、操られてるときのルーシーがもうちょっと妖しげだと良かったなーと思いました。充分妖しいんですけどね。色気っつーか、誘惑系の妖しさが欲しかったと。どっちかと言うと怖い方の「怪しい」だと思いました。

それから、レンフィールドという、セワードの勤める精神病院の患者で、実はドラキュラに永遠の命を貰おうとしていた役があるのですが、その末松一仁さんも、良かったです。もうちょっといっちゃってる方が私は好きだけど・・・。狂ってるんだか、実は正気なのか。そんな微妙なとこを見たかったかなー。とりあえず、この役良くわかんなかったし(^_^;)

アーサーの山アさんは、声がとにかく良いです。落ちついた、聞き取りやすい声だと思いました。でも落ちつきすぎて、このアーサー、キンシー、セワードが同じ学校に通ってた親友と言う設定には、あんまり見えなかった。キンシー1人若い感じ。

最後、ドラキュラを退治した何年後かという設定で、ジョナサンとミナの子供であるキンシーとジョナサンが、海辺で遊んでいるシーンになり、そして二人並んで海を見ていると、突然キンシーが、ジョナサンの首筋にかみつきます。キンシーを突き飛ばし、呆然とするジョナサン。その後ろで、死んだはずのドラキュラが蘇る。全てを悟ったように微笑むジョナサン。またドラキュラの物語が始まるかのような終わり方で、まあありきたりと言っちゃありきたりのような気もするんですけど、でもジョナサンが微笑んでいたのが私にはちょっと意外と言うか、ドラキュラの思いを受け入れるっていうのが、なんか嬉しかったです。

気になったこと、つぼだったとこ

とにかく妖しかったですね。ドラキュラ伯爵とジョナサン。ジョナサンの脅えっぷりがたまんないです。でも、誰からも愛されないドラキュラの悲しみとかが物語後半から際立ってくると、ドラキュラに肩入れしてしまうため、「受け入れろよ、ジョナサン」とか思ってみたりして(^_^;)

伯爵の屋敷で、土の入った木箱を運ぼうんでいるツガニー人たちに、本当のミナへの手紙を託そうとするジョナサンが、言葉の通じない中、郵便局で手紙を出してくれって言うシーンがあるんですが、それがね「切手買って貼って出す!切手買って貼って出す!」とそれはもう、テンション高いんですわ(笑) ジョナサン、人が違うみたい(笑) しかも私、これでえがちゃん(江頭2:50ね)思い出しちゃったわ(笑)

ある日髭をそっていたジョナサンが、頬をかみそりで切ってしまい、その血を指で拭いて愛しそうに舐める伯爵。そしてジョナサンの首にかかっていた十字架を見て、もだえ苦しむ伯爵。素敵(笑)

ドラキュラ城に軟禁されたジョナサンが、意を決して城の唯一の扉から脱出するシーン。崖の上なのかな。扉を開けると風の吹きぬける音がする。で、そこからジョナサンは飛び降りるわけですが、ホリゾントに向かって飛び降りるのが、落ちて行く感じなら良いんだけど、セットの都合上階段があるようで、飛びあがって落ちて行くんですね(ニュアンス伝わるかな)。それがなんかかっこ悪かったな。よいしょーって感じで飛び降りてるように見えたの。倒れこむように落ちて行って欲しかった。

皆でトランシルヴァニアのドラキュラ城へと乗り込んだとき、ドラキュラは、退治にやってきたにしろ、ジョナサンが自分を追いかけてくれた事が嬉しい、と言うんですが、それがまた切ないですね。そして、杭を持つジョナサンを抱きしめる。心臓に杭が打ちこまれるように、強く。愛するものと生きる事も愛だけど、愛するものに殺されるのも、ドラキュラにとっては最大級の愛の証だったのかなと思いました。どういう経緯でドラキュラになったのかわかんないけど、400年も1人で過ごしてきて、自分を殺してくれるまで愛するものがいなかったってことだもの。きっとドラキュラの思いは全うされたと思いました。

そう、思ったからさ、その後、ミナと抱き合うジョナサンが、もっとドラキュラの事気にしてやれよとか、さらに仲間に見取られて死んで行くキンシーとは逆に、1人静かに死んでいくドラキュラが可哀想だったり。特にこのシーン、誰かの(ジョナサン?)「キンシー!」という絶叫で暗転するのだけど、結構え??って感じ。全然キンシーが死ぬ意味がわかんない。これ、ジョナサンとミナの子供の名前を「キンシー」にするためだけだったら、安直だよなー。

あとは本当に全然関係ないですが、「トランシルヴァニア」=「ロッキーホラーショウ」とか考えてました(笑)伯爵の屋敷で3人の魔女が出て来るのですが、それはやっぱり言うなればファントムなのか?!(笑)

どうしようかな

とりあえずですね、なんだか本気でこの劇団にかなりはまりかかってます(笑) ファンクラブ入っちゃおうかなー。

前回の公演のアンケートには、ダイレクトメールをどの役者からもらいたいかというのを書く欄があったんだけど、今回はなかったです。前回は何もわからずに笠原さんと書いて来たけど、今ならめちゃめちゃ悩む。そしてファンクラブ入るときもバースデーカード希望の役者さんを書くのだけど、それもめちゃくちゃ悩む。いっぱい書いて良いのだろうか。そしたら速攻ファンクラブ入る(笑) 一人しか書けない→悩む→解決するまでファンクラブ入れない。そんな感じ(笑)

 

なんか、感想になっているんだろうか・・・。いっちゃってる部分と、おいおいって部分と両方あるんだけど。役や芝居にはまるというより、役者にはまるって感じなのかなと思ってみたりして。ある意味本当に宝塚だと思います・・・。