「レ・ミゼラブル」

8月10日(日) 帝国劇場 マチネ 1階N列15番

 

 

キャスト

バルジャン:別所哲也 ジャベール:岡幸二郎 エポニーヌ:笹本玲奈 ファンティーヌ:井料瑠美

コゼット:剱持たまき マリウス:山本耕史 テナルディエ:三遊亭亜郎 テナルディエの妻:峰さを理

アンジョルラス:吉野圭吾 ガブローシュ:吉武玲朗 

感想

久々の帝劇。久々のレミゼ。おまけに今回はかなり出遅れてるのでB席が取れず、しょっぱなから奮発のS席。何か私の中でレミゼは思い立ったときにふら〜と劇場に行って見る、って言うのがあって(苦笑)、まさかこんなに売り切れ連発なんだとは思わなかった・・・。99年の怒涛のレミゼ月間とか、今じゃありえね〜。チケット引き換えに劇場行った時も、ついでに見ていこうかなと思ったら満員御礼で入れなかった。

で、感想。どこから書こうかな・・・。

今回演出にジョン・ケアードが来たらしいので、全体的に大分タイトになっていました。でも私が好きだったとこが削られててちょっと悲しい(苦笑)

ベガーのモンパルナスの赤いバラがない! そしてマドレーヌとヒモのアヤスィ場面がなかった・・・。

馬車の暴走の場面。「誰あの人〜」「あれはフォーシュルバン」が好きだったですが(笑)、名前も呼ばれなくなってしまったのね、フォーシュルバン(苦笑)

あと、とりででバルジャンがジャベールを逃がすとこで、とりでの上でのアンジョとマリウスの無言のやり取りを注目してたのですが、マ、マリウスアンジョの隣にいないし! がーん、がーん、がーん・・・・。

とりでで全員死んだときのジョリ・・・だったかの足ブランブランもなかったな。

あと、もう1つ気になったといえば、アンジョ−マリウス−グラン の3人の関係が、どうなのよ、と。とりででエポニーヌの死に打ちひしがれてるマリウスを励ますアンジョが、ちょっとやりすぎに見えました。肩に手を置く、とか、そんなさりげない二人のやり取りが好きだったのですが、あまりにあからさま過ぎて・・・。そこまでアンジョはマリウスに肩入れして欲しくないなぁ。で、マリウスが打たれて、駆け下りて来るアンジョ。そんなアンジョに何か声を掛けようとしてるグラン。死んだ、と思って(?)、グランを無視して再びとりでを登っていくアンジョ。差し出した手のやり場がなくなってしまったグラン。そこがどうも・・・。やっぱりアンジョにはリーダー然としていて欲しいので、グランに冷たいのはまあ良いんだけど(苦笑)、マリウスが死んだから自暴自棄になってアンジョは死んでいったの?みたいに思えてしまって。マリウスとアンジョは仲間だけど対等ではない、と思っているので、やっぱり、ねえ。

全体的に歌のレベルは高いと思います。全員それなりに歌える。前、を考えたらもう全員うまいよ(苦笑) でも演技的な部分で結構私は物足りなくて、立ちんぼで歌ってるのが多い気がして。歌、うまいのは分かったから、コンサートではないので、もうちょっとこちらに訴え掛けるものが欲しかったなあと思いました。

ガブの死ぬ場面もそうで、ちょっと違和感が。ドラマチックにされすぎというか。あんなふうに向かっていってたらそら撃たれるわ、とかちょっと思ってしまうのだが・・・。

今回の演出で好きなとこは、なんといってもマリウスとコゼットの場面。カフェソングのあと。以前見たときの感想でも書いたのですが、コゼットが頭悪そうに見えるので(苦笑)あの場面余り好きじゃなかったのですが、今回、コゼットに初めて母性を感じました。打ちひしがれるマリウスを支えながら、一緒に生きていきましょう、っていう。マリウスがコゼットにガバっと抱きつくのがいいんですよね。前もやっていたとは思うんだけど、もっとマリウスは弱っていて、コゼットは慈悲に満ちた手つきでマリウスを抱きしめているような。

プリュメ街のマリウス−コゼット−エポ の3重唱は、ばちーーーんとはまって綺麗でした。あの場面はエポがけなげで泣けてくる(泣)

工場の場面。今回初めてファンティーヌに一応お友達?気にしてくれる親切な人がいることを知った。工場中の人が悪い人ではなく、なんていうんだろう、誰にでも優しい、争いごとが嫌いそうな人。ファンティーヌが手紙を受け取ったら、「ここに座りなさいよ」みたいに呼んでくれて、ちょっかい出されかけたら、一応止めに入ってくれる。けど実際争いごとが大きくなってきたら、いざこざは余り好きでないの。ごめんなさいね・・・。って感じで離れていく人。気にはかかるんだけど、実際には何もしてあげられない、みたいな。ファンティーヌがあの場面、というかバルジャンと出会うまで一人も見方がいないのがかわいそうだったので。少しだけだけど救いがあったかなと。

グランテールとガブローシュのABCカフェの酒飲みとか、バリケードの二人とかその辺は変わってなくて良かった。この二人、かわいいんだよなあ(笑) ただガブローシュは皆が黙ってエポニーヌとマリウスを見守っている場面で(恵みの雨)、ちょっとちょこまかしすぎではないだろうか。

感想(キャスト編)

別所さんは、見る前はちょっと心配だったんだけど、凄く良かった! 歌も上手かったし、そんなに老けても違和感なかったし。やたらとキスをしていた印象がありますが(苦笑)、エピローグの蜀台にキスをするのは結構きた。慈しむ感じが良かったです。ブリングヒムホームも慈しむ、神に祈る様が凄く綺麗でした。

山本君は、というか今回のマリウスは皆、髪長いのでしょうか?(苦笑) カフェソングがやっぱりぐっと来て泣けてきた。あとその後のバルジャンとのシーンで、椅子から立ち上がろうとして、でも怪我が響いて立てない、という細かい芝居が印象に残ってます。演技も歌も安心して見ていられるのでもうマリウスのシーンは、がんがん来ましたよ! ただ声質的に私はアンジョでも見てみたいなーとか思ったりして。グワーッと来る声なので、皆を引っ張っていてくれそうというか。カフェソングも良かったんだけど、私は恵みの雨が結構きた。カフェソングはもう別格なので。恵みの雨で初めてエポニーヌに気がつくんだよ。それまでただの女の子でしかなく、コゼットしか目に入らなかったマリウスが、エポニーヌという女の子の存在に、その思いに初めて気がついて、彼女の為に祈ってあげる。この二人の場面は凄く良かった。

圭吾は、実はもうちょっと歌えるのかと期待していたのだが・・・。アンジョとしては物足りない。ビジュアルは良いのにちょっと残念。多分アンジョの声がマリウスに負けてしまうので、山本君でアンジョを見てみたい、とか思ってしまったのかもしれない(苦笑)

岡さんジャベは良かったけど、私が見るときいつも岡さん調子悪そう。今回もところどころケロってたなあ(苦笑) 関係ないけど2幕のジャベの「昔は俺も戦った〜」って言うのが、あれは笑うとこ?(苦笑) そうだよな、前はバリケードでカリスマリーダーだったよな、って隣の友達と笑いが・・・(苦笑) あー今さんでも笑ってしまいそう。ジャベはやっぱりスターズが好き。良い。

今回の公演、というかキャストが発表されたとき、バルジャンもジャベールも若くないだろうか、とそこだけが心配だったんだけど、別所さんも岡さんも違和感なかった。この二人がでーんと構えて見えたので、そこが良かった。やっぱり真ん中に来る人なので迫力、存在感がないとだめだと思うんだけど、お二人とも役そのものでした。

テナ夫妻は今回もはじけた感じで面白かったし、二人とも歌が上手かったのでより楽しく、宴会乞食とか見れました。が、見た目のギャップが少ないのでその辺がちょっと勿体無い。というか残念というか。でこぼこ夫妻でいて欲しいんですよ(苦笑) 三遊亭亜郎さんが割と背が高いので、でこぼこに見えなかった(ここで言うでこぼことは、妻が凸、テナが凹でいて欲しいってことです) その辺、やっぱりモリクミは特なんだと思う(笑)

あと気になったのは・・・工場長がスケベで良かった(笑) バマタボアはもう少しねちっこくてもいいかな。今回アンサンブルがあんまりわかんなくて、というか色々忘れてるわ・・・