ART

6月10日(木) サンシャイン劇場 マチネ 2階6列5番

 

 

えーん

RENTの芸劇でしか来た事のない池袋。行きに芸劇でチラシを取ってこようと思って、早く出ようと思ったのに予定より20分押しで、さらに芸劇からサンシャインまでかなり道に迷いながら、半泣きでぎりぎりたどり着きました。

劇場の印象としては、なんか、いかにも「劇場」という感じ(なんじゃそりゃ)。じっくり見せるお芝居には良いのでは。でも上に高い割にはちょっと見にくいかな。パブリックシアターの方が、やっぱり好き。

あらすじ

3人の中年男たちの話。

ある日皮膚科医のセルジュ(益岡徹)が1枚の絵を買ってきた。白いキャンバスに白い線が書かれているだけの絵。現代アートが趣味のセルジュにとっては、やっと手に入れた絵だったが、親友のマーク(市村正親)には何が良いのか分からない。

セルジュのが買った絵を理解できないマークは、もうすぐ結婚するイワン(平田満)に会いに行く。しかし寛大なイワンではマークのイライラを分かってくれない。

そしてある晩3人は映画を見に行こうと約束をするが・・・

うまくまとまんないですが、とにかくきっかけになるのが1枚の白い絵で、それを巡っての男たちの話・・・です。

これが!!

3人芝居で、どうなっちゃうのかしらなんて(生意気にも)思ったりもしましたが、いやー、見ごたえたっぷりです。マーク・セルジュの丁々発止。微妙な関係。そんな中でのイワンの存在の不思議さ。

なんというか、何十年も一緒にいる男達の関係というのかな。ちょっと憧れちゃうよー。言いたいこと言い合いながらも、相手を認めてるとか。役者さん達の関係もこんな感じなの?って思ってしまっちゃう。

マークの市村さん。やっぱり違いますね。存在感があって。マーク怖かったよー(笑) マークって性格悪いというか(笑)、子供のままみたいな感じ。

セルジュの益岡さん。実はそのむかーーしの「悪魔のkiss」ってドラマから私の中ではずっと悪役の人なんですが(笑) 今回のセルジュは、なんか、マークに対抗している感じが面白かったです。

マークとセルジュのやり取りがね、なんか「お前らいいかげんにしろよ」的な、同じ事の繰り返しのように見えて、それが面白かったです。(いやでも、やっぱりマークって(笑))

そして! イワンの平田さん!!! 最高です!! 超びっくりの長台詞や、イワンのかわいそ面白い存在が最高! 気弱だけど切れたら怖そうな感じとか。長台詞はもう素晴らしいの一言です。感動したし、なんか涙出そうになっちゃったよ。面白いのに泣きそうになるなんて、そうあることじゃないので、もうたまらないです。

1時間半の短い物だったけど、やっぱり見に来て良かった。もっと良い席で見れば良かったと、思いました。

帰り際

とにかく行きは時間がなくて、ロビーでうろうろ出来なかったんですが、帰りに色んなチラシやらをもらってたら、役者さん宛てのお花が飾ってあって、平田さんに日テレ「ロマンス」からお花が来てまして。おー!「 ロマンス」だとたしかおかまバーのママさんやってるんだよなー。うわー、全然違うよー。と、違った感動がありました(笑)

前にやってた深夜番組「美少女H」でも平田さんは、おかまバーに勤める父親役をしてたことがあるんですが、深夜なのにこんなすごい人が出るの??と言う感じで、一人気を吐いてのお芝居をしていたように思います(ま、相手役の娘しかほかに登場人物いなかったような気もするけど)。なんていうか、そのころから割と思ってたけど、今回このお芝居を見て、「平田さんはものすごい人」と、再認識しました。

 

おまけ

白い絵の話を舞台上で展開されているとき、私はある絵を思い出しました。マーク・ロスコという画家の描いた絵です。この人の描いた絵が私は大好きなんですが、黒と青。オレンジと黄色。赤と茶色。色の名前で言ってしまえばたった2色でしかないけれど、そこには微妙なニュアンスがきちんと入っています。感じるのは人それぞれで、「こんな絵は自分で描ける」と言っていた人もいましたが、それはやっぱり違う物なんだと思っています。もし機会がありましたらぜひ見てください。私はこの人の絵を見ると胸がドキドキします。