AMANO'S
超・究極のBH
瘋癲狼藉帖
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May * *
2002
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狼 藉 帖  I n d e x
May-28-2002
より厳密な検証(情報提供をお願いします)
D-58ESが30Hzまでハイレベルで再生することを可能にした要因を、より厳密に検証するには、次の組み合わせの測定または試聴成績が必要です。
 
 (1) 208SS * D−58
 (2) 208ES * D−58
 (3) 208SS * D−58ES
 (4) 208ES * D−28ES
 
(1)と(2)は、当然、製作記事にあります。
(2)の組み合わせで、30Hzまでフラットなら、要因はそのユニットにあり、
(3)の組み合わせで、30Hzまでフラットなら、要因はそのハコにあり、
と判断できるでしょう。
(2)の組み合わせを愛用されている方は、大勢いらっしゃいます。
一方、(3)の組み合わせを経験された方は、果たして、いらっしゃるでしょうか。
情報を、心から、お待ちしております。
ところで、
「その補強材(13番)は、すでに、D−50で使用されている。」
との、ご指摘を戴きました。確かにその通りです。
これには、少々、ややこしい事情がありまして、冒頭に触れるのは避けましたが、ここで、説明しましょう。
 
さて、D−58の原点とされるD−50ですが、これは15mm厚の合板が使用されています(注)。
D−57より早く発表された、16cmユニットを使用するCW型BHであるD−33、
D−58と同時に発表されたD−37は、いずれも、合板は15mm厚で、D−50と同様に補強されております。
16cm以上のユニットと15cm合板を使用するCW型BHでは、補強を徹底することも、長岡定石の一つでしょう。
また、話題の位置の補強材には、板取の残余を活用され、その長さに関しては、厳密に指定されなかったようです。

D−50とD−55以降との大きな違いの一つは、後者では21mm合板が採用されていることです。
注:
D−50に使用する合板の厚さとして、15mmと21mmの2種が記載されている。
音楽之友社 ”長岡鉄男のオリジナルスピーカー設計術(3)”(2001年)
15mm : 製作のための主な材料一覧表(49ページ)
21mm : D−50の解説と板取・組立図 (52ページ)
D−50の解説には
「21mmサブロク合板3枚半をフルに活用して部材を取るが−−−」
とあるが、21mm厚とすると、スロート(40*360)に続く180度折り返し部分の断面が12*360となり、さらに、これが続く直管の断面が36*360になってしまうなどの矛盾が生じる。
一方、一覧表に記載された15mm厚を採用すると、その折り返し部分断面は60*360となり、無理なく次の直管(60*360)続く。
以上から、D−50に使用する合板は15mm厚が正しい。
 
May-25-2002
30Hz までフラットをもたらしたもの
D-58ESの製作記事で、
「ローエンドは30Hzまでハイレベルで再生、BHとしては初の快挙だ。」
と、絶賛されました。
D−58ESが誕生したこのとき、初めて、BH派の夢が実現しました。
おそらく、95%を超えるソフトが、サブウーファーなしに、BHで堪能できるようになったのでしょう。
この快挙をもたらしたものは、
 
 (1) FE208ES なるユニット
 (2) D−58ES  なるハコ
 
のいずれか、または、両方です。
フォステックスの取扱説明書を見ると、次の通りです。
 
最低共振周波数は、208SSの45Hzに対しESは40Hz。
周波数特性は、1k〜10kHzでは、ESの方がレベルが高く、
          100〜1kHzでは、ほぼ同等、
          30〜100Hzでは、SSの方がレベルが高い。
インピーダンス特性は、それぞれのfoで比較すると、ESが明らかに高い。
 
さて、肝心の、それぞれをハコに取付けたときの特性ですが、
「箱船」の船長”くずてつ”さんが、「D−55ESを聴く」で、貴重な実験をして下さいました。
”くずてつ”さんは、D−55に、SSまたはES(Ver.1)を装着し、同一条件で、それぞれの周波数特性を測定され、次の評価をされています。
 
「1kHz以上で僅かに能率が低いように見えるが、ほとんど誤差の範囲か。
ハイは早めに落ちている。100Hz以下で3dB〜5dB程度レベルが高い。SSと比較すると、さらにフラットに近づいた感じである。」
 
確かに、全域をフラットに近づけたのは、FE208ESのポテンシャルです。
しかし、惜しいことに、いずれのケースも、32Hzのレベルは、40Hzより、5dB強程度、低いようです。
では、D−58ESで、30Hzまでフラットな特性をもたらしたのは、そのユニットに加えて、ハコの何処にあったのでしょうか。
 
May-21-2002
D-58 と D-58ES の違い
D−58とD−58ESとの構造上の違いは、次の3点です。
 
 (1)空気室の奥行きは、ESの方が15mmだけ深い。
 (2)スロートを構成する板(図面で7番)は、D−58では280mmと330mm
    が用意されているが、ESでは後者のみである。
 (3)開口部に近い180度折り返しを構成する板(同12番)の補強材(13番)
    が、 ESだけにある。
 
(1)は、言フモ更ナリ、ですか。
(2)では、なぜ、280mmの板が用意されたのか、これが不思議です。
   この問題は別の機会としましょう。
そこで、(3)がここでの主題となります。
 
補強材(13)を備えるのは、D−55、57、58、58ESと続く同じ音道スタイルの兄弟達の中で、D−58ESだけです。
何故、突如として58ESに、この補強材が出現したのでしょうか。
「それは補強のため」 では、この狼藉帖が泣いてしまいます。
板13番のサイズは200*40mm、これが乗る12番は330*360です。
単に、その目的が補強のためだけなら、前者の長さは330mmが自然でしょう。
実際、最近発表されたD−58ES(シナ・アピトン合板バージョン)では、両者の長さは等しくなっています。
音楽之友社 ”ステレオ” 2002年4月号193ページ
板取の関係から、前者が短くなっている例(D−33,37)はありますが、58ESの板取図を見る限り、なんの制約を察知できません。すなわち、200mmは、ある意図をもって、指定された長さです。
58ESの製作記事には、まったく触れられていませんが、板13番を採用したその意図とは、補強の他に、何であったのでしょうか。
 
 
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