AMANO'S
超・究極のBH
瘋癲狼藉帖
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June ***
2005
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Jun-30-2005
夢から醒めて
「箱船」訪問ツアーから帰っての初仕事は、マイ・システムのオトの確認です。
 
不思議なことに、 SUT-200 が、かって経験したしたことのない、気持ち良いオトで鳴りだしました。
FE208ES のささくれ立った高域の歪み感が気に入らなくて、所詮、20cm ユニットに良質の1000 Hzから上を望むべくもない、と、SUT-200 の放出を前提に企画したFE168ES を用いる SUT-160 の設計(組立図・板取図)は出来ておりますが、急遽、その製作を延期することにしました。
 
で、SUT-200 を主役とする配置に変更です。とても、スッキリして見えませんか。
(4ヶ月かけてカシューで塗装したスワンaは、カミさんの反対を押し切って、粗大ゴミとして所沢市クリーン・センターの焼却炉)。
 
再生装置が、たかが3日間、休養させただけで変化する筈はなく、拙者の「首から上」が「箱船」のオトから影響を受けたに相違ありません。
その因子として、次の3点を挙げましょう。
 
1)「箱船」のオトが別格にヨイ
2)ポジティブな聴く姿勢
3)(過)大音量のシャワー
 
1)は説明を要しません。
  ヨイ絵を見るとヨイ絵が描け、ヨイ書を見るとヨイ書が書ける
  (外でウマイものを食ってもカミさんの料理が上手くはなりませんが。なに、
   カミさんにも食わせろって)。
2)折角の機会ですから、美点を貪欲に吸収しましょう。
  少々の難点は気にしない肯定的な姿勢が、すべてにハッピーをもたらします。
3)「曲が終わると耳鳴りがしている」と感じるのに、
  「演奏中は耳鳴りを感じない」のは何故でしょう。
  耳は、マイクと同様に、受信した空気振動を電気信号に変換し、これを脳に
  送りますが、生理的許容閾値に近い(またはそれを超える)大音量では、
  受容した信号以外の成分(歪)がその電気信号に加わります。
  脳は、一生懸命、信号だけを探して、楽しい音を組み立てます。すなわち、
  (過)大音量のシャワーに遭遇した脳は、それに適応するアルゴリズムを組み
  上げます。
  その後でも、そのアルゴリズムが機能している間は、通常の音量であっても、
  音は楽しく心地良く聴こえます。
  ノイズを含む信号に、別のノイズを追加し、追加したノイズを除くと、信号に
  含まれるノイズも消えてしまう。(過)大音量のシャワーは、別のノイズを
  追加することに相当しているのでしょう。
 
それから、T500A に使用していたコンデンサーが、0.47μではもの足りなく、1μ に増えてしまいました。
 
3週間後、0.47μに戻りました。
そして、FE208ES の高域の質が再び気になり始めました。FE88ES-R のそれに遠く及びません。
 
ようやく、夢から醒めたようです。
 
 
Jun-20-2005
風が真っ先に飛んでくる
[ミューズの方舟]の会員4名と西の巨大シアター「箱船」を訪問しました。
先月末、奇しくも長岡先生のご命日でもありました。
 
「くずてつ」船長さんのクルマで、天橋立駅から案内されたのが、西林寺です。
本堂の白いエンタシスに、とてもお洒落なセンスを感じます。
 
そして、裏山には、昨今、極めて珍しいアオサギのコロニーがありました。
直径が2mを超える巣が4つも5つも。
 
このような豊かな自然の中に聳え立つ白亜の殿堂「箱船」の一階に、シアター(スーパーネッシーを中心とするメインシステム)があります。
その空間は、約 6m(W)*8m(D)*4m(H) あって、床面積は「方舟」の半分ですが、見覚えのある椅子に坐ると、ワイドが3mの「方舟」の2倍もあるからか、断然、広く感じます。
少しオトが残りますが、「方舟」ほどでなく、会話は、まったく、フツーに聞こえます。
金色のT−300AとFE208ESのリング、そしてワインレッドの遮光カーテンが、白熱電灯に照らされて美しい。照明を少し落とせば、密教的雰囲気が醸し出されるでしょう。
 
さて、そのメインシステムのオトですが、全員が一致して賞賛したのは、超ハイスピードなオトの立ち上がりです。
個人的には、超低域の「風が真っ先に飛んでくる」のに、最も、仰天しました。
ドラマーがペダルを踏み込む瞬間に感じる風、ドラムにカブリついて聴くときに受ける風、各メンバーのオトを引き連れるテンポをリードする風。
この風をもたらすのは
*軽いコーンの38センチウーファー4発からなるSW
*プラス、マイナス各1本の8スケのキャブタイヤ(銅線の断面積16平方ミリ)
*スーパーネッシーより、おそらく、50cmは近いSWのセッティング
などでしょうか。
 
二階のサブシステムはD−55ES中心です。
これを、D−58ESシナ・アピトンを使用して、その低域のレベル不足で悩んでいらっしゃる、フュージョン大好きのN須さんと一緒に聴きました。
このときの様子は箱船航海日誌('05/05/30、夢の如くに)に紹介されています。
また、N須さんの感想は「箱船の客室」に投稿されています。
次の写真は船長さんから頂きました。
 
流石、これぞまさしく、究極のBH。
正直に申し上げて、内心
「肉薄されているなあ。[超・究極のBH]の看板も危ういなあ」
でありました。
 
最後に、
AE86さんのシステムとのオトの違いを」
とのメールを頂きましたので、僭越ながら簡単に。
 
東の横綱、AE86さんはエンジニア。西の横綱、船長さんは宗教家。
で、お二人のオトに向かうスタンスとワザは基本的に異なります。
AE86さんのお住まいは、「方舟」と同じ市内。で、オト的には、逆に、かなりの距離を、意図的に、保たれているように感じます。
一方、遠く離れた船長さんは、ひたすら
*より大きく(一発から二発そして三発へ、T−500AからT−300Aなど)
*より高く(天井、スパーネッシーなど)
*より重く(御影石、ナマリ、タングステンなど)
*より厚く(バーチ合板ラックなど)
*より太く(5.5スケから8スケなど)
で、まさしく、長岡先生の直伝、直系。
長岡サウンドの、継承、発展、普及に尽力されていると感じます。
 
 
今回の訪問では、船長さんには多大の心遣いを頂き、深く感謝しております。
そして、次は、拙宅での再会が楽しみです。
 
なお、今秋予定の[サウンド・フェスタ]で、船長さんご自身が「箱船」の全容を紹介されているビデオを上映する企画があります。これは、絶対に、見逃せませんヨ。
 
 
今月の鳥は、「箱船」の裏山から天橋立まで見送りに飛んできたアオサギです。
 
 
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      「ミューズの方舟」の6月定例会は、26日(日)午後2時から
      東京都中小企業振興公社 第3会議室B
 
 
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