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外観に飾りはありませんが、頑固一徹、その役割、
機械的振動
空気的振動
電磁気的振動 の影響の排除
を忠実に果たしている、鉄のラックを紹介します。
9ミリ厚の鉄板と重量ブロックから構成され、その重量は、控え目にみても、180キロはあります。
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(1) 鉄 板
鉄板は
A : 710*455 (23 Kg)
B : 400*455 (13 Kg)
を用意しました。
一枚では、叩くと、砲金ほど派手ではありませんが、鳴きます(特定の周波数の音が持続する)。
ところが、A、Bを重ねると、それぞれのサイズが異なるため(固有振動数が異なる)、打診すると、鳴きは、まったく、感知できません。
鉄板に、多少のソリがあっても、裏返したり、前後に回転すると、ピッタリ、重なります。
(後方に、運搬時に役立つ「取っ手」をつける2組の穴が、かすかに、認められるでしょうか)
鉄板の入手、切断、板取図などは後述します。
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(2) 重量ブロック
重量ブロックは、ホームセンターで見つけました。
花壇などの土留か縁石としてデザインされたものでしょう。その側面の形状が、空気的振動の影響を排除するうえで、とても、気に入りました。
サイズは
H*L*W=200*400*100
で、約 8.5 Kg あります。
ひっくり返すと、このように中空になっていて、モルタルを流し込むと、約 10
Kg になります。
底面は比較的滑らかですが、上面はザラついており、鉄板を載せるときは、スペーサーが必要です。
難点は、質感がチープなことです。かって、ブチルテープを介して、ビロードを貼ることが流行ったことがあります。分厚く塗装することも考えられます。
また、18 cm を越える背の高いアンプなどでは、下駄を履かせるか、帽子を載せます。
御影石の直方体を身近において、違和感のない方は、それも選択肢に一つです。くれぐれも、その側面が他の面と平行にならないように、セットしましょう。
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(3) インシュレーター
機械的振動を遮断するため、ブロックの上面と鉄板の間にスペーサーを挟みました。
材質は、多孔質のプラスティックです。拇指と人差指で強く挟んで、少し凹む位の硬さのスポンジで、厚さは、4
mm です。
ホームセンターで、花瓶などの壊れ物の保護材として使用されていたものを、タダで貰っちゃいました。
各段間のスペーサーは、
400*100
に切りました。
床からの振動を遮断するインシュレーターは、
400*200
の2枚を、ブチルテープで張り合わせています。
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(4) 組立てのポイント
上の写真は、天地をひっくり返して床の方から見たところです。
2枚のインシュレーターを並べ、その上に15mmのベニヤ板(黒色スプレーペイント処理)を敷き、さらに、その上にブロックを、直に、立てます。
このように、ラック全体を床からフロートさせ、外部からの機械的振動を遮断します。
最下段はホコリで汚れやすく、大切なものは、置きません。
CDプレーヤーは、2枚の鉄板の上に、インシュレーターを挟まずに、直接、載せます。
プレーヤー自身が発生する機械的振動を、鉄板の剛性と質量(50Kg強)で、強固に制動します。
ADプレーヤーを愛用の方は、鉄板を、3枚、4枚と、納得されるまで、重ねましょう。
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(5) 鉄板の入手、切断、加工 など
鉄板の規格は、ヤード法で統一されており、サブロクと通称される大きさは、
914*1829mm です。
その9mm厚の板は、118Kgあり、7800円でした(2002-03-22 現在)。
私の地域では、この業界は、
鋼材屋(規格鋼材の取継店、裁断・加工はしない)
裁断屋(裁断のみ)
鉄工屋(加工のみ、裁断機は持たない)
の3者の分業が確立していますが、所望の鉄板の形状を指定すれば、いずれにでも、注文できるそうです。
例えば、鋼材屋に注文すると、裁断屋、鉄工屋を経由して納入します。
鉄工屋に注文すると、裁断屋から、裁断済みの鋼材を仕入れます。規格板を目一杯使用しないときは、裁断屋は端材を活用し、無駄をしません。
また、切断法は「シャーリング」と呼ばれます。
特徴は、ハサミで切るように、スパッと切れて、ノコギリでのオガ屑のようなものは出ません。ベニヤ板での板取図のような3mm幅の考慮は不要です。
私の場合、1986年頃、鉄工屋に、右の板取図で注文しましたが、「取っ手」取り付け用穴あけ・角の丸め・塗装(含錆止)・配達、の込みで、12800円だった、と記憶しています。
この項を書くに当たり、「寿鋼材株式会社(Tel:042-994-1231)」
さんに、ご協力して戴きました。感謝を申し上げます。
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