羊達のうた

あたらしいはずの一日の始まりも
もうなんの喜びももたらさない
たくさんの凡庸な日々を覆い隠すために
羊達はただ
顔を上げる

他の誰のものでもないつながりを求めて
夜をさまよう子供達
草原の先になにがあるのか
見たこともないのに知ってしまった
哀れな羊達

町からの距離も
泉への道のりも
もはやどうでもいいことだ
コインの表裏程度の
違いしかない

愚かな羊達が求めているのは
無知な誠実さの
羊飼いだけ