死せる詩人のこと

 

枕元には
今は亡き男の書いた詩集が
2冊置いてある。
全く別の詩集で
全く別の言葉で書かれている。

1冊には英語が印刷されていて
俺にはさっぱり読めない。

1冊はどこかのおせっかいが
誰にでもわかる言葉にしてくれたやつだ。
誰にでもわかる言葉にしてもらったおかげで
何が書いてあったのかわからなくなってしまった。

俺はその2冊の横で眠る。
隣には
詩人の魂が
理解されぬままに眠る。