『台湾通信』編集後記

<2007年4月27日付>

○中国上海の提携先である上海エリスとの提携関係を強化することになりました。中国関連の情報をより充実させ、「大中華経済圏を読む」のモットーをより高いレベルで実現させていきたいと考えています。また、台湾の地の利を生かして大中華経済圏を理解していければと願っています。

○大中華経済圏といえばもう10年以上も前の1995年のこと。当時は野党だった民進党のある幹部にインタビューをして愉快な取材が終わった後、このように言われたことがある。『週刊台湾通信』についてである。「表紙に『大中華経済圏を読む』と書いてあるが、自分はそのようなものは存在しないと思う。この言葉を表紙から取り去るべきだ」。当時から、週刊の表紙には確かに大中華経済圏と書いて、中国を視野に入れていた。それが存在しないと言われて、意表を突かれた。「自分は存在していると思うが、その意見は参考にさせてもらう」と答えて、いろいろと考えてみたがやはり表紙はそのままにしてこれまで来た。この幹部はかつてアメリカで台湾独立運動に携わっていた人であり、民進党でも陳水扁総統などより上の革命世代に当たる。

○この年、李登輝・前総統はアメリカの母校であるコーネル大学を訪問し、中国の強い反発を招く。そして1996年の総統選挙に向けて、中国は台湾海峡でミサイル演習を行うことになる。実はそれ以前、台湾と中国の関係は和解に向かいつつあると考えられていた。当時の江沢民・中国国家主席と李登輝総統は、両岸で相互に好意的な呼び掛けを行っていた。当時、すでに多くの台湾企業が中国に投資を行っており、往来は盛んだった。台湾では、台湾を外国企業による中国進出の跳躍台として発展させる「アジア太平洋オペレーション」構想が打ち出されていた。大中華経済圏の形成も加速すると思うのは当然だった。そこに降って沸いた李登輝訪米で、ムードが一転することになる。それが今日にまでつながっている。

○今の時代にあって、名称はともかくとして大中国経済圏の存在を否定する人はいないだろう。経済活動は台湾海峡の政治的な垣根を越えて行われている。しかし、大中華経済圏があってほしくないという考え方が残っているのは間違いない。あの幹部が民進党政権誕生後に政府高官となったように、民進党内部には大中華経済圏を拒否する思想が厳然として存在しているようだ。経済界がいくら要求しても直行便開設に応じないことに象徴されるように、それが現在の民進党の対中国政策に反映されている。この根の深さを理解しなければ、中台関係の和解は難しいように感じる。

○日曜日は好天気で夏のような天気となった。しかし翌日は激しい雨の後、気温が急に下がった。それはいいのだが、ものすごい湿気がやって来た。台湾はこの季節、天気の変化が激しい。そういえばもうすぐ5月。台湾には梅雨入り宣言がなくて、どんな気候でも毎年、5月と6月が梅雨の季節と決まっている。この日の湿気に、あの暑くて湿度が猛烈に高い台湾の梅雨の気配が感じられた。 (早)※



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