『台湾通信』編集後記

<2007年6月22日付>

○先日、大学時代のクラブの先輩が台湾にやって来た。20年以上ぶりの再会だった。広島の老舗の造り酒屋を継いだ先輩は、自分のところで作った酒を台湾の人たちに試飲してもらうためにやって来たのだ。彼はこのところ海外市場への進出を試みている。台湾のほかにも、中国市場も試みているという。台湾ではここ数年、日本酒がかなり普及してきたが、実際のところ市場はそれほど大きくない。また、日本からあまりに多くの銘柄の酒が入って来ているので、よほど積極的に売り込まない限りはその他大勢の中に埋もれてしまう。しかも、台湾は酒の関税が40%と非常に高い。

○以前、やはり別の造り酒屋の後継者を台湾の広告代理店関係者に紹介したところ、台湾側からは、日本から輸出するよりも、台湾で台湾の人の味覚に合った酒を作る方がマーケットは大きいとの提案が出された。ただ、日本側には日本酒造りのプライドがあるのと、地方の中小企業としてはそれだけの余力がないということで実現はしなかった。このことを先輩にも伝えたところ、「中国でも同じように、現地で酒を作ってくれと言われるんですよね」とのことだった。発想は同じである。

○台湾では以前、ビールか紹興酒、あるいはウイスキー、ブランデーだったが、ある時からワインが急に人気を集めるようになった。値段もぐっと下がって、手ごろになったこともブームに拍車を掛けた。ある台湾人の友人は、日本料理を食べるときも日本酒ではなくてワインである。ただ、新し物好きの台湾の人たちのこと。日本酒をベースにして、台湾の人たちの味覚に合った酒が開発できれば、きっと爆発的な人気が出るはずだ。そうなれば大変に楽しいことである。

○端午節を過ぎて梅雨が明けたようだ。これまでの長雨から、午後のスコールに天候が移った。気温は高いが湿度はかなり低下したので、どちらかというと過ごしやすい感じだ。体が暑さに慣れてきたのかもしれない。(早)



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