| <2007年8月10日付> |
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○最近、中国のある工業パークの紹介ビデオの日本語版ナレーションを録音する機会があった。中国のものをなぜ台湾で録音しなければならないのか不思議だが、台湾の録音会社の中国子会社が受けた仕事だという。中国で録音するよりは、台湾の方がレベルは高いのだという。それならアナウンサーなどプロからセミプロまでゴロゴロしている日本でやればいいと思うが、その場合は中国語ができる人がいないから、録音しようとしても問題があった場合に立ち往生することになる。 ○それはともかく、その原稿は明らかに中国の中国人が翻訳した日本語だった。いくら日本語が上手な、優秀な中国人が多い中国だといっても、根本的に日本語にはなっていない。工業パークの売込みに当たっている地元の役人も監修したという文章だが、外国人同士で監修してもあまり意味がない。ということで、中国語と対比させながら文章を修正してあげることにしたのだが、作業をしていて台湾と中国では思考経路が極めて似ていることを改めて感じさせられた。この手の企業紹介ビデオは台湾にも数多くあるが、会社の長所を取り上げるにしても、ほめ言葉が自己満足的で、聞いていて恥ずかしくなることが多い。表現はステレオタイプ。中国人がそれを日本語に翻訳した場合、そのまま日本語に訳すからとんでもないことになる。これは文法の問題ではなく、思考回路の問題である。それが中国の場合も、台湾とそっくりなのである。しかも文法の間違い方も似ている。やはり同じ文化なのだと感じた次第である。 ○せっかく紹介ビデオを作るのに、肝心のナレーションがおかしければ画面がいくら素晴らしくても台無しである。それなのに、なぜかこの部分があまり大切にされない。これは台湾も中国も共通している。特に地方政府の場合がひどい。中国の地方政府のサイトを見ていると、日本語のホームページを作っているところがあって、よくこんな地方が作ったものだと感心するが、中身を見ると大笑いといことがよくある。台湾でもたまに日本語ホームページを作っている公的機関があるが、せっかく作ったのにこんな日本語でイメージを損なうなら作らないほうが良かったのに、というところは少なくない。この点での思考経路もよく似ている。台湾の場合、最近は日本人が手を入れたらしく、きちんとした日本語で書かれたものもあるが、日本人でもプロと素人が書いたものは一目瞭然である。 ○思いついて台湾の地方のホームページをいくつかのぞいてみたが、台北市には外国語のホームページはなぜか英語しかない。これは市長が外省人だからだろうか。そう思って外省人が首長を務めている台中市、台北県を見てみたら、やはり英語だけだった。これに対して本省人が首長を務めているところは、高雄市、台南市、台南県と、いずれも日本語がある。時間がないのですべての地方を調べたわけではなく、思いついたところにだけアクセスしてみたのだが、すべてぴったり正解だったので驚いた。ただし、高雄市の日本語はかなりひどい。作り直すことを提案したい。台南県はまあまあだが、これもプロに見てもらった方が良いという気がする。 ○ただしこれは逆も真なりで、日本の自治体が作っているホームページや紹介ビデオにもひどいものがある。地元に来ている留学生が録音したと分かるのはともかく、中国で使われている簡体字と台湾で使われる繁体字がごっちゃになっていたり、中国と台湾の中国語の違いが分かっていなかったりするので、笑い話になることがある。皆なぜ言葉を大切にしないのだろうと思うのは、私がこんな仕事をしているからだろうか。 ○台風が8日に台風6号、9日に台風7号と、2日続けて台湾に台風がやって来た。台風の多い台湾でも、さすがに珍しい。ただしいずれもそれほど大きな被害をもたらさなかったのは幸いだった。6号は台湾の南部を通過、7号は真ん中に上陸したが上陸後に熱帯低気圧に変わる弱いもので、いずれも台北市は台風休みにならなかった。不安定な天候が続いている。(早) |
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